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【切上げ続くレアルに一言。】 JETROサンパウロ、渡邉 裕司所長の書き下ろしコメントです。
7月9日に遂に1ドルが1.8レアル台まで高騰しました。6年前のレアル水準に戻ってしまった事になる。年間2000%以上のインフレと毎日のドル為替調整があった時代は何処に行ってしまったのでしょうか?一時持てはやされた日本からの派遣社員のドル族としての恩恵も昔の話しになり今一番困っているのがドル族だとの渡邉所長の嘆き?が聞こえるコメントをどう捉えればよいのでしょうか。「何故レアル上昇が止まらないのか7つの理由」、「いつまでレアル高は続くか」に明確な具体的な理由を上げての説明は説得力がある。お忙しい中急いで纏めて下さった渡邉所長の書きおろしのコメント本当に有り難う御座いました。
もう一つこの掲載写真を良くご覧になって下さい。インフレを一発の玉で退治すると登場したコロール大統領の経済政策を指導したゼリア元大蔵大臣がJETROサンパウロ事務所を訪問された時に撮られた貴重な写真をお借りしました。ゼリア元大臣はまだまだお若いですね。ブラジルの政官界へのカムバックのチャンスもまだまだありそうです。


切上げ続くレアルに一言。
7月9日(月)、終にレアル通貨は為替市場で対ドル売り1.90の大台を突破し1.8レアル台にまで上昇した。銀行間売買の為替市場(卸売り市場)で2を切ったのだから対顧客レート(小売市場)は推して知るべし、我らドル族は毎日目減りする給与になすすべもない。最近、やたらと円で見るブラジルの物価が高い。医者代、薬代、家賃、コンドミニオ、ガソリン代、航空賃、レストラン、日本食品、ホテル代、新車購入費、車修理代、損害保険料、タクシー代、教育費などなど。日本より安いのは缶ビール(60円)、野菜、果物位か。日本で円安(ドル高)、ブラジルでレアル高(ドル安)のダブルパンチなのだからきつい。中銀は必死に連日、市場介入するも焼け石に水、今年のドル買い介入額は昨年の総額を既にとっくに超えている。

何故、レアルの上昇が止まらないのかの7つの理由:
(1)輸出好調、貿易黒字増加→中国等世界景気の拡大・資源価格高騰、(2)外貨準備増大→中銀の連日の大量レアル売り・ドル買い介入が拍車、(3)外国直接投資FDI(事業投資)の流入、(4)外国間接投資(株式、国際投資)の流入、(5)中銀の高金利政策維持(異常に高い預金準備率54%、同SELIC12.50%)、(6)1930年代の時代錯誤的為替管理の維持(外資を流入させ外資流出を塞ぐ制度)、(7)ドル通貨自身の下落(パックスアメリカーナの長期低落傾向)以上のうち(1)〜(4)はブラジルの資源、再生可能エネルギーの潜在力、マクロ経済と政治の安定化を、市場が評価した結果の反映である。
(5)と(6)は私がかねがね主張している中銀の通貨政策の誤謬(不必要なレベルの高金利水準維持、必要な為替規制撤廃を怠っている)であるが、その反映結果が(4)でもある。
大きな背景としては(7)のアメリカの国力の漸進的衰退を反映したドル自身の下落もある。
但し留意すべきはドル下落、アメリカ衰退とは言っても、国際政治、軍事外交、諜報・情報、航空機国防産業、原子力、金融、通信、IT、エンンジニエリング、科学技術、イノベーション、農業の多くの分野でアメリカは依然、世界の覇権を握っている。このため諸外国は対米輸出等で稼ぐドル通貨を、先ず破綻することのないと判断される強いアメリカの、世界一安全なトリプルA評価のアメリカ国債(10年もの新発債利回り5%程度)で運用することになる。つまり巨額の貿易・経常収支赤字と財政収支赤字を垂れ流しながらその穴を外国の対米投資(資金貸付)という形のドル流入(資本収支)でアメリカは賄っている訳である。つまり(永遠にではないが)人のフンドシで相撲をとる力がアメリカにはある、自分の浪費の穴を他人に強制することなく自主的に埋めさせる力をアメリカは依然、もっていることになる。
ここが衰退傾向にあるとは言ってもアメリカは依然、超大国である所以である。
アメリカが印刷し続ける不換紙幣(金交換不能の、金の裏づけのない紙幣)のドルは回りまわって自分のところに逆流し、ドルは長期低落傾向にあるとは言っても世界市場で暴落せずに価値を維持しアメリカ経済を回している点がミソである。学者、評論家はアメリカ経済の崩壊、ドル暴落を言って久しいが、実は倒れそうで中々、倒れない秘密がここにある。

ではいつまでレアル高は続くか:
結論はいつまで続くか分からない。但し一般論としては右肩上がりの一方的なエネルギーの偏りは永遠には続くことはあり得ないのだからいつか均衡する。
輸出増加テンポが鈍り、輸入増加が加速しつつあり中期的には貿易黒字は減少し収支は中期的には均衡に向かうだろう。
しかし同時に中銀もやるべきことはきちんとやらないと公平ではない。というよりも国益を損ねる。今のままの政策、というより無策を続けると早番、説明に窮することになるだろう。
また世の中は全て不確実なのだから何が起こるか分からない、中東で何かが、アメリカへの大規模テロ攻撃、朝鮮半島で異変が、中国のバブルcrashなど、何かが起こると全てが狂う。
特に昨今はキーボードひとつで毎日、世界貿易額の何十倍、何百倍という膨大なカネが簡単に国境を越えて動く。ひとたび有事の際は打撃が大きい。
レアルもこのまま永久に安泰だ、とも思わないほうがいい。



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