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アメリカのドーナッツ事情 富田 眞三さんからのお便りです。
早稲田大学の海外移住研究会の創世記のメンバーでメキシコに移住、その後アメリカに移動、現在テキサスのサン・アントニオと東京を往復しておられる富田 眞三さんが日本に上陸したアメリカのクリスピークリームのドーナツに付き面白い話をメーリングリストに流して呉れています。昨年12月15日に新宿でオープンしたドーナツ店に黒山の人だかりがしているのを見てアメリカで牛丼の吉野家に出会った様な懐かしい気分になったとか。次回訪日時には、1937年創業以来守り続けているレシピによるグレーズド・ドーナツとやらを試して見たい。1号店が新宿南口と言うのも便利である。
2000年4月に株式を上場、海外進出を開始2001年からトロント、メキシコ、イギリス、オーストラリア、韓国、インドネシア、香港、クエート、フィリッピンと矢継ぎ早に展開し昨年12月に日本に上陸、全国展開を目指すそうです。ブラジルにも進出して来そうです。健康志向のアメリカでは翳りが出て来ているとの事で珍しさをセールスポイントとして世界展開に乗り出したようですが、マクドナルドの様にのびるのでしょうか?ブラジルではケンターキー・フライド・チッキンは、完全撤退?ピッア・ハットも苦戦しているようです。
写真は、クリスピークリームドーナツのHPからお借りしました。


アメリカのドーナッツ事情
先日、新宿駅南口の宮崎県のアンテナ・ショップの前に黒山の人だかりの店があったので、覘いてみると、何とアメリカでお馴染みのKrispy Kremeだった。このアメリカ発のドーナッツ店に出会って、私はかってアメリカで牛丼の吉野家に出会ったような懐かしい気分になったのだった。
私もクリスピーのファンだが、行列してまで食べようとは思わない程度のファンなので、この長蛇の行列には驚いた。

ドーナッツはマフィンと共にイギリス発の食べ物だが、アメリカに渡って、浮き輪型になった。普通おやつとして人気があるが、米国では、朝食に食べる人も多い。
クリスピーのドーナッツは高い方で、米国にはクリスピーの半値で買えるドーナッツがいくらでもあって、日本のおにぎり、たこ焼きに当たる庶民的な食べ物なのだ。
サン・アントニオに2万4千人の社員が三交代で24時間勤務する、USAAと言う大金融会社がある。この会社の勤務交代の時間には、交通整理の警官が出動するほどの会社なのだが、社員は毎日8千個のドーナッツを消費すると言うから、正に国民的食べ物なのだ。

Krispy Kreme 社はNY株式市場の上場会社で、全米に支店網を持ち、支店が無い州は、三州だけである。1937年にノース・キャロライナ州で産声を上げたK.K.社は海外にも多数の支店を設けている。ところが
最近KK社の業績は悪く、株価も低迷しているのだ。株に詳しい友人によると、ドーナッツは卵と乳製品と糖分を多く含む上に、油で揚げるので、コレステロールを気にする米国人にそっぽを向かれ始めたのだそうだ。そんなクリスピー・ドーナッツが日本で大人気だと言うと、皆一様に狐につままれたような顔をする。

ところでKK社の支店網を調べてみると、面白いことに気がついた。
同社は他のアメリカの会社の例に漏れず、カナダ、メキシコに最初の支店を開設しているが、例外的なのは、ヨーロッパはイギリスにしか支店が無いのだ。その代わりに同社はアジアに進出している。アジア地域は、香港、韓国等6カ国に支店を設けており、最新の支店が日本の新宿店なのである。因みにメキシコ以南とアフリカには進出していない。
ここまで書いて来て、ジョークを一つ思い出した。
「この世で最悪な人生とは、日本の家に住み、アメリカ女性を妻に持ち、朝食にイギリスのマフィンを食べることだ」と言うやつだ。
このジョークは多分意地の悪いフランス人あたりが作者だと思うが、悪評のマフィンに比べれば兄弟分のドーナッツは先ず先ず健闘している、と言える。
しかし、この辺にドーナッツがヨーロッパに進出出来ない理由があるのではないか。ドイツ、イギリスは番外として、食にうるさいヨーロッパ諸国では、ドーナッツはまるっきりお呼びではないのだ。
他にいくらでも美味いお菓子、軽食類があるので、ドーナッツ程度の駄菓子はヨーロッパ市場には入れないのだ。それなのに、食大国日本でドーナッツが大人気と言われて、米国人は狐につままれた様な顔をするのだ。ところでジョーク「最悪の人生」を紹介したが、折角だから、「最高の人生」を披露しよう。
それは、「日本女性を妻に、フランス女性を愛人に持ち、アメリカ人を友人に持つこと也」である。アメリカ人は金持ちの代名詞なのだ。日本男性諸君、喜ぶのは未だ早い。これは戦前のジョークである。
                       
脱線したが、そもそも米国人は「食」に対するこだわりが少ない。なにぶん一般家庭の主婦の料理のレパートリーが三つと言われているお国柄である。牛肉がメインで、サラダとスープが付いて、一丁上がりである。朝食は相変わらずコーン・フレークにバナナとミルクとコーヒーでOKだ。子供のお客さんがあるとピザを注文し、大人の招待客には亭主が庭で焼くバーべキュウを振舞うのが、極く普通のご馳走だ。気楽と言えば気楽である。
週末には一家総出で外食に行く。お陰でレストランはどこでも大繁盛だ。実際高学歴の米国人は味ではなく、頭で食べると言うくらい、カロリー、コレステロールの数値を気にし、山のようにサラダを食べる。ダイエットに良いと言うので寿司レストランには行列が出来、脂っこい中華料理店は敬遠される。
食後の日本茶は脂質を溶かすと信じられていて、伊藤園は売り上げを伸ばしている。
しかし一般庶民は難しい外国語のメニューを見る必要がないビュッフェ・スタイルの中華料理や食べなれたメキシカン料理を相変わらず食べ続けている。値段が安いのも魅力的であり、彼らはコレステロール値よりふところぐあいを気にするのだ。お陰でテキサス州は全米一、デブが多いことでも有名だ。

さてドーナッツである。上記の例でお分かりのように、クリスピーのドーナッツは高いので、金のある高学歴の住民の食べ物なのだ。そしてその高学歴即健康志向の消費者から敬遠され出したのである。しかし安いドーナッツは未だ売れ続けている。その理由は先に述べた。

牛乳でさえ飲むと肥ると言うので、売れなくなった日本で、Krispy Kreme のドーナッツが売れに売れているのは、アメリカ人でなくとも理解に苦しむ現象だ。




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