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<移民を詠う> 早川 清貴さんからの寄稿です。
以前にも【ブラジル移民の詩】と題して寄稿頂いておりますが今回、ここ1年の間に詠まれた新作12首に詠った時の状況、簡単な説明を付けて送って頂きました。作者からは通常、解説は省略し読む側の皆さんに自由に解釈して貰うとのことですが、この説明書きは早川さんが詠まれた時の状況、気持ちを理解する手助けとなり作者と同じ目線で詩を理解する助けとなることより敢えて省略せずに付けて置きました。
どの詩も移民に付いての詩で『私たちの40年!!』のHPの一番の根幹を成す部分でもあり有難い寄稿です。
特に10首目の 10)移り来て今が幸せの時なるに何故に散り急ぐ異郷の空に は、同船者でもある早川さんと同郷の友への鎮魂の思いが滲み出ており目頭が熱くなります。
写真は早川さんに送って頂くようにお願いしておりますが、届くまでは、前回と同じものを使用させて頂きます。
尚、【ブラジル移民の詩】のURLは下記です。
http://40anos.nikkeybrasil.com.br/jp/biografia.php?cod=895


南の和田さん
早川です、過日和田さんの主宰する雑誌『私たちの40年!』への何か掲載記事をお約束いたしましたが、<俗人>であること又経済的な逼迫から豪勢な旅の紀行文も侭ならずです。しかし気になっておりますので下記に<移民を詠う>として此処一年折に触れて作成した拙作をご披露いたします、中にはこの欄で既紹介分もあります又日本の<国民文学>に投稿掲載されたものもありますので、下記より、適当に選択して頂き適宜にご使用下さい。

        <移民を詠う>

01)移り来て百年骨もなき先駆者の土碑に納むると

サンパウロ州グアタパラ移住地にで墓地を整理して一箇所にまとめて祀ったが、先駆者の無縁仏には亡骸も存在しなかったので其処の土だけを埋葬した、新聞記事より。

02)百年を生きし移民の君死せり今の繁栄黄泉に伝えよ

笠戸丸移民最後の生存者中川トミさん(ロンドリーナ在住)が永眠した、日系社会の現の繁栄を黄泉に折られる先輩諸氏に是非伝えて欲しいものだ。

03)三世四世集うパーテイに日本語のあらずと一世の我寂しむ


04)移り来てはや半世紀晦日(つごもり)は何故か浮かびぬ母の夜なべの

幼い頃から晦日には母が前の晩から寝ずに<御節料理>を何時も作っていた姿が思い出される。

05)先駆者の遺しし伝統餅つきの杵取る若者今は三世

毎年恒例の日本人街での、ぎこちないが、餅つきの風景。

06)医者のなき移民船の中疫病に死せるは海原に数多葬りしと

<O Estadao>紙の編集に携わるジョージ保久原(ほくばる)氏尊父の移民船内での出来事.

07)珈琲の葉陰に潜み時を待つ君は驚く己の影に

保久原氏が最初に入植した珈琲園から夜逃げする情景、月光の明るい晩隠れた木陰で己の影を追っ手と間違えた。

08)開拓に膨れる足を洗う川水面の月に涙零れる

星を頂き星暮れたコヒー園での尊父、足洗う川面に映る月を見て、祖国を想い涙した。

09)和太鼓の響く移民の秋祭り鳥居潜れば祖国の香り

サンパウロ市近郊の日系州団地モジ ダス クルーゼスの秋祭りの情景

10)移り来て今が幸せの時なるに何故に散り急ぐ異郷の空に

艱難辛苦の末、漸く、安住の生活出来る時期に来て夭逝した小生の友人を悼んで

11)老移民の開く旅券に挟まれる天子の御影色褪せたり

かって評論家<大宅壮一>が『明治の人間を見たければブラジルに行け』といったそうであるが、此処に一人いた。

12)椰子の葉に露を凌ぎて河の水飲みしと女の移民史せつなく

サンパウロ新聞の連載特集記事<ブラジル大地に生きる移民妻>でアマゾン編には痛く感動したこれはその一人の女性の記事ベースとした。
                                     以上
PS:尚、解説は通常省きます、理由は、読み人が自由に己の空想で解釈するのが普通ですので、しかし、その裁量は和田さんに御任せします。



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