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ラーモス移住地に戻られた早稲田大学海外移住研究会の近藤先輩を訪ねました。
サンタカタリーナ州のリンゴの里と呼ばれているラーモス移住地の九月七日の《桜祭り》に参加するために出掛けましたが、州都のフロリアノポリスからクリチバーノスの近くにあるラーモス移住地に最近戻られた近藤先輩を訪ねました。お嬢さんが嫁がれた工藤家の移住地内の実家が現在空き家になっており『お父さん管理して置いて欲しい』との依頼を受け、移り住んだようです。毎日田舎道を数キロ歩いておられるとの事でお元気そうでしたが矢張りお一人の生活は寂しそうでした。時間を見付けて陣中見舞いに行って上げると喜ぶと思います。
近藤先輩より頂いたお手紙と近藤さんがサンパウロ新聞の読書ルーム9月22日版に投稿された『ラーモスと剣道』と言う文をワードに叩き直し掲載して置きます。
写真は、ご自宅の前にある大きな桜の春を告げる花の下で撮らせて頂いた一枚です。


和田 様
前略 先日は大変失礼しました。
わざわざ小生の閑居まで足を運んで下さったのに、ゆっくりさせて上げることも出来ず申しわけなかった。かえって色々のものを頂戴いたしありがとうございました。
無事ご帰宅されたと思いますが、それのみ案じております。
ごらんになってお分かりのように、田舎は不便なところですが、敢えて、ここに居を移したのは、一つにはこうした不便にたえてみたかったことですが、かえって皆様にご迷惑をおかけしているようで、申しわけなくいつも思っています。
この世の中、中々一人で生きていくのは大変なものです。しかし、こうした大自然の中に没入して居りますと、人間の存在ということが少しづつ分かりかけてくるようで、日々が楽しく過ごされるのが不思議です。
物欲にかられた現代の世の中、人生の中で一度はこうした環境の中に自分をおいて、自己を見直すことは、必要なこと、おのずとこうなっている自分の立場に感謝しつつ日を送っています。
まあ、今は自分との戦い、そして、80歳を目前に控え、移住とはなんだったのかの結論を出したいと思っています。それには、なによりも健康でなければならず毎朝、早くから野山をかけ廻っております。
来年始めには八角堂も完成するでしょう。これは観光物産館という名目ですので、中で何を売るのか、ここの連中は素人ですから、どうするのか案じております。よい知恵があったら拝借したいものです。この土地は、農業生産では行き詰まっており、将来は観光にかけたいようですがどうなりますか。
ただ楽観的な見方は、近き将来、クリチバーノス市に連邦大学が出来るようでこれはほぼ確定的で、そうなると人口も急激に増えるでしょうしこの土地にもよい影響がでてくるものと思っております。
それでは、またの機会をお待ちしております。
お身体を大切にお過ごし下さい。 奥様によろしく。
近藤記
9月10日付けクリチバーノス郵便局消印の封書
私書箱173番 クリチバーノス郵便局 サンタカタリーナ州


ラーモスと剣道 ラーモス 近藤 博之 サンパウロ新聞読者ルーム9月22日(土曜日版)より転載

「雷雨すぎて草木めざめ春のよそおい」のっけから下手な句で失礼します。こんな句がふと口の端に出るような春の訪れがまいりました。しかし、残念ながら、ここには故郷の春雨の風情が出てこないのが惜しいですね。
そんな暖かくなった土曜日の午後、桜の吹き乱れる会館のある森の方へ歩いて行きましたら森の中から「エイ、ヤー、オー---」と力強い、キビキビした掛け声が聞こえて来たではありませんか、これぞ話しに聞いていたラーモス剣道部の練習なのです。ちょっと練習風景をのぞいて見ましょう。
立派な木造りの道場「文武館」の入り口に立って見れば、正面には、神棚をしつらえ、その両側には白壁に「文武両道」「精進錬磨」の額がかけられ、床は鏡のように磨き上げられている。その上で男女十組ほどの剣士が入り乱れて、竹刀を打ち合っております。おや、これがブラジルなのかと思い卓なるような光景です。私たちが昔、育った古里の村や町の道場が頭をかすめる。
それもそのはずなのです。この道場の創始者、本多さんは水戸の「東武館」の出身、彼を頼って竹刀一本をかついでやって来たのは当時二十歳の尾中三段、彼は奈良県の十津川出身なのです。このようなことを記すとなにか明治維新の雰囲気(水戸藩、十津川藩共に明治維新では多くの志士、剣士を排出している)がちらっと頭をかすめるのは私が司馬さんの小説のよみすきかなとも思えるのですが、今、こうして地球の反対側で故国の町道場そっくりな道場から気合いのこもった声を聞いていると、身のひきしまるのをおぼえてまいります。
剣道の理念は「人間形成、であるということです。農作業のかたわら剣道に精進し、物欲にかられた現代の社会生活の中でついた垢をけずりとり、人間形成をすることは、これから明日をになう若者には必要かくべからざることです。
それには、こうした自然の森の中にある剣道場は格好の場所であり、ここでは剣技が強くなるだけでなく、人間がつくられるであろうと、私はそのような解釈をして道場を後にしました。
今、尾中さんは果樹園経営のかたわら、暇を見つけてチリ、パラグアイなどの近隣諸国に剣道を普及するために出かけており、また、そうした国からも多くの毛色の変わった剣士の真髄を学ぶためにやってきております。
楽しいですね、こうした日本固有の文化が、今ここで祖国から移植された桜の木が満開の花を咲かせるように、いずれ花を咲かせることになるでしょうから。 




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