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中国製おもちゃは危ない! 富田 眞三さんの寄稿です。
早稲田大学の海外移住研究会OBの富田 眞三さんには、慶長遣欧使の謎他健筆を揮って頂いていますが、今回は現在問題になっている中国製のおもちゃを中心とした各種製品の品質面での問題を取り上げて論評しておられます。
現在果たして何処の国が中国製の雑貨を輸入使用しないでおれる国があるでしょうか?ブラジルもその一つでおもちゃに限らず中国製品が市場を席巻しております。唯一の生き延び策は中国に進出し中国で安い原材料と工賃を使用して製品を作りブラジルに持ち帰るより他に対抗策が無くなって来ております。
この世界市場で無視出来ない中国製品特に問題に上がっているおもちゃに付いての富田さんの寄稿は時宜を得た話題と云えます。
写真も1800万個のおもちゃをリコールしたマテル社のヒット商品バービーを一緒に送って呉れていましたので使用させて頂きました。


中国製おもちゃは危ない!

今年の春、米国等で頻発したMade in Chinaの歯磨きによる死亡事故、同じく中国製ペットフーズで犬猫が死ぬ騒ぎがことの発端だった。続いて中国製のおもちゃの塗料に鉛が許容量以上含まれていることが分かり、大規模の返品騒ぎが起こった。秋になると、今度はハローウイン、クリスマス用の商品にも同じ問題が起こり、又大騒ぎになっている。
何しろ米国で流通しているおもちゃの80%、ハローウイン、クリスマス関連商品の90%が中国製なので、一体どうなる事になるのか、気になる。

最近言われ始めたことは、China free、即ち「Made in Chinaのものを一切取り扱わない」ということだ。メーカーは製品にMade in USAと表記して、安全性を強調するのだ。しかし、こんなことが出来るのは、極く一部のメーカーでしかない。いわゆる一般雑貨、衣料品は大部分が中国製だから、他国製を選んでいたら、何も買えなくなってしまう。

米国に、CPSC(消費財安全委員会)という政府機関がある。ここのホームページwww.cpsc.gov/にアクセスすると、リコール製品の長い、長いリストを見ることが出来る。消費財に限っているが、何から何まであり、中国以外の国の商品も勿論ある。

一番問題なのは、おもちゃの表面塗料及びメタル部分に許容量以上の鉛が含まれていることだ。なにしろ、ここでは、鉛含有量をチェックする中国製のテスト・セットまで売られているが、こんなものは何の役にも立たない、とドクターたちは警告している。お医者さんは一ヶ月以上鉛害の恐れがあるおもちゃで遊んだ子供は病院に行って血液検査をするように推奨している。
鉛中毒は怖い病気だ。急性鉛中毒に罹ると、劇烈な胃腸炎の症状を呈し、死亡する患者もある。慢性では、小児は脳炎様症状を呈し、軽症の場合でも耳が遠くなったり、座れなくなると言う。

クリスマス商戦を間近に控え、おもちゃメーカー、量販店、玩具店は必死に対策を考えている。バービーを中国で製作する全米一のおもちゃ会社のマテル社はバービー、セサミ・ストリート等1,800万個のリコールを行い、これが原因で破産した中国のメーカー社長は自殺に追い込まれた。この時、マテル社の広報担当は「中国のメーカーは当社のデザイン、仕様書に則って製造したのだから、非は当社にある」として中国側に謝罪している。
この問題は米国会社が中国国内での製造を止めれば解決するのだが、急には不可能だ。何しろ、マテル社を初め多くのメーカーは、メキシコのことわざにあるように、「全ての卵を一つのかごに入れている」からだ。これまで中国一辺倒でやって来たつけが廻ってきた、と言える。その上、中国には消費財の安全性を監視する消費財安全委員会のような政府機関がないのだから、始末が悪い。何よりも消費者の安全を考え
る文化が存在しないのが問題である。

これを好機と捉える国もある。隣国のメキシコだ。マテルはメキシコにも工場があるから、コストは高く
とも、安全性が保障されれば、消費者は喜んでメキシコ製のバービーを買うだろう。因みにかってメキシコ製おもちゃは安価な中国製おもちゃに圧倒されて、大苦戦をしていたのだ。その頃メキシコ玩具製造者協会会長だった日系二世のセニョリータ・春日は、政府に中国製品のダンピングを抗議して、関税引き上げを認めさせたことがあった。安全性を前面に打ち出せば、メキシコは中国に取って代わることも可能だ。

注目すべきことは、おもちゃのリコールはメーカーと輸入業者主導で行われていることだ。日本でも自動車、電気製品等の大メーカーは自社製品に欠陥があった場合、率先してリコールを行うが、おもちゃのような不特定多数の顧客が購入する低額商品は、リコールの知らせが全ての購入者に徹底しない憾みがある。その点に政府関係者は頭を痛め、CPSCのHPにアクセスするよう、呼びかけている。

リコール騒ぎに危機感を抱き、世界最大の小売業者のWal-Martは取引先と商品の安全性についての話合いを始めた。と同時に泥縄だが、独自に輸入玩具の安全性の検査も行うようになった。
消費者の方も真剣だ。なにしろ可愛い子供たちに与えるおもちゃだからだ。ある若いお父さんは頻繁にCPSCやメーカーのHPをチェックして、リコールされていないおもちゃを買うようにしている、と新聞記者に語っていた。あるお母さんは子供が店内で手に取るおもちゃのラベルを一々確認して、中国製は絶対に買わないと語っていた。
あるおばあちゃんはこんなことを言っていた。「私の子供時代、おもちゃは自分で作ったものよ。布地があれば、人形は直ぐ作れるし、男の子は木箱で車を作ったわ。それが子供たち自身のファンタシーを育み、思考力、想像力を高める、と思う。」 どうやら中国製品離れ、即ちチャイナ・フリーが少しずつ進みつつあるようだ。

このおもちゃ問題の一番の戦犯は誰か?とグロバリゼーションの専門家、N.チャンダ氏は問い掛けている。
「米国、中国、メーカーそして小売業者に責任がある。問題が起こったのは、中国の製造業は未だに米国の産業革命時代のレベルにあり、目下製造工程等のレヴェル・アップを試みている段階にある。そして、消費者の健康と安全の保障を業界に指導する政府機関すら、中国にはないのである。」チャンダ氏はそんな国におもちゃを作らせている方が悪い、と国、メーカーを批判している。
先にも書いたが、マテルはリコール騒動の結果、自殺した中国人に、「非は当社にある」と謝罪したのは、何も中国のメーカーだけが悪いのではなく、注文主の米国会社の監督責任も問われているからだ。

このような訳で、今年のサンタクロースの品揃えは例年と大きく変わる可能性があるようだ。
確かにこの問題は米国だけのものではない。日本にも中国の欠陥商品が溢れているのを忘れてはいけない。

写真はマテル社のウエッブ・サイト、このバービーもリコールされた。



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