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「自然」と「情緒」に精魂込めて 鉄の町に生まれた日本公園 サンパウロ新聞WEB版より
2008年度は、ブラジルにおける日本移民100周年の年に当たりブラジル全国各地で記念事業として日本庭園、鳥居、桜並木の造成、大きな石や鉄のオブジェ、果てはお城の築城と色々工夫を凝らし後世に残る記念事業を各都市の日系団体、企業、地方行政体が協力して設置していますが、その一つの例としてミナス・ゼライス州の州都ベロオリゾンテの町では、日本庭園を市の動植物園内に造園した。東京農大のOB家田東穂さんが工事の制作者、総括責任者として9か月掛けて作り上げたこだわりの日本庭園が完成したとのニュースをサンパウロ新聞の山口貴史記者が伝えています。家田さんは日本学生移住連盟の仲間として存じあげていますし山口記者には南にも取材に来て頂いているので親しみを覚える記事であり、是非ベロオリゾンテまで見に行って見たいと思っています。これから暫くは新しい町のスポットになっている各地の100周年記念の建造物の顕彰に出かけたいと願っています。
写真もサンパウロ新聞掲載のものをお借りしました。


「自然」と「情緒」に精魂込めて 鉄の町に生まれた日本公園 サンパウロ新聞WEB版より

ベロオリゾンテ 家田東穂さんこだわりの造園

【ベロオリゾンテ・山口貴史記者】ベロオリゾンテ市内にある動植物園内に完成した日本庭園には、工事の制作者、統括責任者で、造園師でもある家田東穂さん(五十七歳、愛知県出身)のこだわりが随所に見られる。五千平方メートルの面積をもつ庭園内には、四メートルの灯篭、五メートルの鳥居、十畳で床の間付きの茶室、聖州スザノから運んできた竹二百本で作られた竹藪、四百トンの石を使用し、一時間に七万リットルが流れる高さ四メートルほどの滝、そしてこれからの季節は、植えられた五十本の桜が見頃になる。

 鳥居、灯篭、茶室、竹藪も 特産の鉄鉱石もふんだんに使用して

 家田さんのこだわりの一つは、「鉄の町ミナスで鉄鉱石を使わない手はない」という『地元』への思いがある。

 庭園に使用した鉄鉱石の量は六百トンにもおよぶ。

 「好きなだけ持っていけ」と、バーレ社が全面協力してくれた。

 家田さんも自ら同社が所有するイタビーラの採掘場に何度となく足を運び、選定していった。

 中でも苦労したというのは、池に囲まれ庭園中央に置かれた四十七トンにもなる鉄鉱石の塊の運搬だ。

 ウジミナスの子会社であるウジファスチカの協力で、ミナスで最大のトラックを使用して石を運び出し、九十トンまで吊り上げられるクレーン車を使用して定位置に設置した。

 「細かい一つひとつの工程がすべて一日がかりだった。けが人が出なかったことが本当に幸いだった」と振り返る。

 地元の物へのこだわりは鉄鉱石だけでない。

 見かけがつるつるで柔らかく鉄鉱石に比べて軽いというオーロプレットの特産『ペドラ・サボン』は、灯篭に使用された。

 「日本庭園をつくるなら庭園にあるスピリットを見せたかった」

 家田さんは、『自然』にもこだわった。

 日本では原始時代から自然には神が宿るものという考え方があり、古来から自然への尊敬心を日本人は持ち合わせているのだと語る。

 滝に積み重ねられた岩は、一つの神の宿る場所を象徴とした。

 鳥居は、決まりきった赤にはせず、使用したイッペーとユーカリの木の原色をそのまま使用し、周囲の自然との調和を優先させた。

 「ブラジルは自然に恵まれすぎているだけに緑のありがたさを忘れているところがある。庭園で日本に伝えられてきた良い姿を見せられれば」。

 東京農大を卒業後、一九七七年にブラジルに移住、造園業に三十年以上携わってきた家田さんは、リオ在住ながら家族を残し、ベロオリゾンテに九か月間住み込んで庭園作りに励んだ。

 日伯修好百周年を記念してリオに、ウルグアイ日本修好八十周年を記念してモンテビデオにそれぞれ日本庭園を造園した経験をもつ。

 今回を振り返り、「ウジミナスをはじめ、多くのブラジル、日系のそれぞれの企業や地元の日系人たちが本当に協力してくれた。大変仕事のやりやすい環境であった」と、感謝の気持ちが会話の節々ににじみ出る。

 家田さんは一仕事を終え、「半年くらいゆっくり休んで。しばらく違うことでもしてみたいんだよ」と、充実した笑顔を見せてくれた。

 (写真=完成した日本庭園を背景に家田さん)

 2008年7月5日付



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