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山下晃明のブラジルで損せぬ法(241),(242),(243)1月号/2月号/3月号
先日リオに行った時に神戸高校10回生卒業50周年記念が今年10月に神戸のポートピアホテルで開催されるので出席しないかとの招待を受けているが我々ブラジルに住む10回生二人は10月の卒業記念式典には出られないとの結論が出てせめて地球の裏で頑張っている?同級生二人の近況と写真だけでも送って来るようにとの幹事殿の依頼を受けてリオの国際空港ガレオンで待ち合わせ写真を撮りました。暫くはそうゆう次第で同級生二人で撮った写真が沢山あるので溜まっていた山下晃明の『ブラジルで損せぬ方』を収録して置くことにします。神戸高校卒業生は元の神戸一中、県立第1高女の数少ない先輩を入れても30数名ですが、10回生の山下君がリオにいて頑張って呉れているのは心強い存在です。無理をせずにこれからも頑張って行きましょう。


山下晃明のブラジルで損せぬ法(241)(2008年1月号)
いよいよ激動の2008年
 陰陽自然学の飯田亨先生によると2008年から2009年には大きな時代の変化の年になる。メルマガ「FISH ON」1/5より抜粋
《日本の政情は》
◎二月選挙なら小沢さんの有利。
◎七月選挙なら福田さんの有利。
◎民主党という名での政権担当はあっても歴史の一瞬。
◎小沢さん利口なら首相はやらない、そうできないのが苦しい年。
◎四月から一気に激動本番。
《世界の政情は》
◎ひどいことになるよ。
◎ヒラリーが勝てば、米国は修復へ。
◎オバマが勝てば、米国は修羅場、自身の身の危険も。
《激動本番》
 180年陰陽歴で見ると、「江戸末期の混乱からペリー来航を経た明治新政府樹立」と「第一次大戦、関東大震災、第二次大戦を経た新時代樹立」の導入部は、「現時点」に酷似している。
 前者は、1824〜1853年の30年間《[5]型十年期〜[4]型十年期〜[3]型十年期》1853/7/8(丑[3]年未[9]月[6]型)にペルーが、ミラード・フィルモア大統領の親書を持って浦賀に来航、翌寅[2]年に再来日して遂に日本の鎖国を終焉させ、江戸幕府の終焉、明治新政府の樹立を促した。
 後者は、1914〜1943年の30年間《[5]型十年期〜[4]型十年期〜[3]型十年期》第一次大戦(1914〜1918年)、関東大震災(1923年)
第二次大戦(1939〜1945年)を経て昭和新時代へ。この二つの歴史経緯が現時点とどこが酷似しているか、まず陰陽暦の[5][4][3]十年期の30年間である。何れも過去からの政治経済文明の体制が全く通用しなくなる臨界点にあった。強烈な「内乱闘争と国家間対立、天変地異、飢饉疫病」が続発していた。
先端科学は今の異常気象温暖化の根本原因は自然偶発でなく人為と結論し、数年内に適切かつ強力な改善処置に着手しないと、後戻り不能の自然崩壊になると結論した。すでに臨界点である、極めて注目せねばならない。
上記、過去の2つの歴史的事実を踏まえて、180年陰陽暦による推計では、激震突入から新時代樹立まで、今から25年間を要する。現在の世界のただならぬ政情不穏、人心激情、異常気象を目の当たりにしても、激震の始まる臨界点とは感じない人も多いだろう。しかし、陰陽自然学から見れば本番突入の臨界点を否定する理由はまったくない。
 本年4月から激震始動、2009年は中休み、2010年(寅[8]年)、2011年(卯[7]年)、2012年(辰[6]年)、2013年(巳[5]年)、2014年(午[4]年)、七年間全くの休む間なく激震が続くと予想される。
飯田先生が激変論を説き始めたのは10年以上前からだが、その頃は他にこういった時代激震危機説を論じていた者は見当たらなかった。ところが今では、政治経済書でさえ大激変の論調が当たり前になってきた。こういった風潮は、真似というより伝染・激情伝播と理解すると分かりやすい。流行り風邪と同じ理屈であるが、これが[5]型10年期の特徴である。
◎「午」年生まれは過去の精算が必ずある。
◎昨年は、巳年の人が本当にひどかったですね、ブット元首相も巳年でした。
◎小沢さんは午ですね。
◎午年生まれ(特に六月、十二月生まれ)は健康と挫折に注意しましょう。
◎[5]型、[6]型生まれも注意しましょう。
◎英国新首相、プーチン後継者、オバマ議員みな [6]型ですね。
◎上記以外の人はまったく何でもない。
以上「陰陽自然学 人生ガイド vol84」より

 サブプライム問題・これも[6]型の危機
 メリル・リンチが50億ドル、シティ・グループは70億ドルとかの巨大な損失をだし続けるサブプライム問題は、グローバル経済の大欠点を浮かび上がらせたかもしれない。
米国が工業移転で輸出を止め、中国やアジアなどからの輸入を増やし莫大な貿易赤字をたれ流し世界中にドルをだぶつかせた、同じく工業移転で地方破綻、デフレ対策にゼロ金利で多額融資された円と、EU圏形成のため多額増発されたユーロなどの余剰通貨を巨大証券会社など金融機関がどんどん吸い上げてボロ儲けしていたシステムが崩壊したと見るべきである。
 企業買収などの目的で多額の資金を集めるため、債券投資事業、債権でも債務でも損失でもなんでも債券化してそれを組み合わせて一流銀行の保証を付けて売り大儲けするという巨額投資の巨大証券会社が、実は詐欺同様価値のない紙切れを世界中の銀行や政府に売っていたことになる。
 資本主義経済の最後の砦、2次産業商工業の上を行くとする高度にコンピュータ化した3次産業の金融サービスも「砂上の楼閣」というより「薄氷上の氷閣」かもしれません。世界中に損失をまきちらし、今後どのような解決がなされるかは米国の大統領選挙もあってまったく不透明だが、世界のグローバル金融経済システムと金融機関の存亡に大きな影響を与えるのは間違いなさそうである。

 少しユビキタスの世界が見えてきた
 明るい話題で、通信と携帯、電子本、端末の連携が進んだ。従来はパソコンを介してであったが、端末単体でインターネットにつなぎっぱなしにすることが出来るようになる。
 6月発売アップルの新型携帯電話機「iフォン」と11月発売のアマゾン・ドット・コムの電子書籍端末「キンドル」19x13cm、290グラムが猛烈に売れている。いずれも機能は端末自体に通信機能を持たせた端末であるが、「キンドル」はスプリント・ネクステル(米国内)の電話回線でインターネットにつなぎっぱなしに出来、それも料金はアマゾンドット・コム負担とのことである。登録された書籍は9万冊、1冊10ドルほどで、1冊1分で直接ダウンロードし200冊を端末に保存し持ち歩ける。新聞や雑誌の講読も紙より安くなる。今までも携帯電話や電子書籍はあったがインターネットに直接接続できず、携帯の場合はEメールの送受のみ、電子本の受信には別にパソコンとインターネット回線と、さらに記憶媒体が必要であった。これが思いのほか面倒でパソコン・マニアでないと使用できないので、機械に弱い女性や中老年層には普及しなかった。
 これで少しユビキタスの未来像が見えてきたような気がする。米国で400ドルほどの投資をすれば経験できることになる。将来この端末を持って、大型ディスプレイ画面に近づけば大型画面に、また会議などでプロジェクターにも面倒なケーブルなしに無線接続できるようになれば、端末は手元から離せないことになる。任天堂のゲーム機なども、こちらはWiHi接続だが、最近はインターネットに常時つなぐのは当たり前になっていて、今の子供は外国人とゲームをしながらメールの交換もしている。
 11/16のNHKによればアメリカの非営利団体が発展途上国の子どもたちにもインターネット・パソコンをと100ドルパソコンの量産開始を研究している。無償ソフトを使って、インターネットが使えるように、タッチパネルや無線LANを内蔵している。現在の 価格は目標の倍の200ドルであるがアメリカとカナダの住民を対象に2台一組で購入すると1台が寄付になるキャンペーンを考えている。
 絵本も子守唄も読書も宿題も語学など各種の学習も趣味もパソコンというかインターネット端末を使う時代になるのは近い。

 日本の地方の非活性化に思う 
 正月に酒を飲みながらテレビを見ていたら、日本各地で問題になっている地方の老人村や寂れた駅前商店街などが眼に付いた。現政府は野党も含め地方交付金を増やすことのみ検討しているようだが、もっと他に方法があるのではなかろうか。日本のように地方までインフラが行き届いている国では、若者離れの地方農業の老人を救済しようと考えないで、発想の転換で、逆に若者家族が地方に行くように仕向けた方がうまくいくのではないだろうか。
 テレビでもやっていたが、大苦境になったからこそ増えた地方の活性化、例えば4世代共同生活、漁業や農業への新しい感覚を持った若者のカムバックなどが顕著にみられ、地方の村が少しづつ姿を変えつつある。
 大都会には贅肉をとるためにお金を払ってジムに通って鉄の重りを持ち上げている人が無数にいる。同じ力を使うなら、地方で農業をしながら運動する、農作業とフィットネスを一体化させると良い。耕耘機にもi-PODやテレビやインターネットを付けたら良い。田んぼの草刈り体験ツアーなどどうだろう、トレイナーがついて、「ハイ背筋をのばして1、2、3・・・」
 またデスク・ワークでネットさえあれば地方でできる仕事はいっぱいある。例えば経理、会計、法務、総務、作画、作文、脚本、企画、シンクタンク、データバンク、宣伝製作など、公害は無く、温泉や近くの川で魚釣りが出来、小さい子供の教育にも最高の環境を風光明媚な経理村とか企画村にすればよい。部屋の壁に大型ディスプレイを置き、都会にいる人とは随時テレビ会議をすればよい。レストランやバーでの同業者の憩いが情報交換の場になって、世界の日本発アイデア発信源になると良い。


山下晃明のブラジルで損せぬ法(242)(2008年2月号)
カ−ニバルでも日本移民百周年
 今年のカーニバルはサンパウロのウニードス・デ・ビラ・マリアとリオのウニードス・ド・ポルト・ダ・ペドラが日本移民100周年のテーマで祝ってくれた。サンパウロのチームのブラジル人は歌舞伎のイメージか顔におしろいベタ塗り、下手なメークで出場者全員を化け物にしてしまった感があったが、リオの方は普通で、216人日系人が参加し出場者の表情も見えた。全体ではリオの方が豪華でより日本のイメージを表現していたが、カーニバルショーとしての評価点は最下位であった。
 いずれもデザイナーが日本人ではないようで、侍や歌舞伎の衣装や色合いが国籍不明なのは仕方ないとして、日本人が百年かけてブラジル人に伝えた日本文化とはこんなものだったかと文化の継承活動の難しさも感じる。
 おかしいのはどちらにも青物とマンガが出た、100年間の日系人との結びつきは野菜とマンガなのか、また山車に笠戸丸が出てきて、サンパウロのは鉄船らしいが、リオのは多数の櫂でこぐ竹船のようである。デザイナーが200年前と勘違いしたかもしれない。
 今年のリオのカーニバルは豪華だ。特別クラス11チームのどのチームの山車も超大型、一番上で乗っている人は4階建ての観覧席と目線が会うほどだ。今年は高さ12メートルが普通で、高さ20メートルの巨大な鳥もある。幅も15メートル、長さ30メートル、大型トレラーを4台平行して走らせているような規模の山車が各チームに6〜7台あり100人近い人がおとなしく座っているのでなくリズムで飛び跳ねているのだから強度計算も大変と思う。26トンの氷と33メートルのスキー場を持ち込んだチームまであった。山車は昔は電池だったが、今は回転台や電照装飾用の電力供給に大型電源専用車を引っ張っている。
 景気が悪いと女性の肌の露出度が高くなるというが、リオのカーニバルは年々豪華になり、露出度が減ったと嘆く人もあるから、ブラジルの景気は良くなっているのだろうか。

 ブラジルは今年経済変化が起きる。
 鉄鉱石、大豆など一次産品の値上がりで輸出額が急増し、大量の外資の流入もあって、ドル余りとなり、レアル安が長く続いているが今年は少し変化する可能性がある。
まず貿易収支から見てみよう。貿易収支黒字の過去12ヶ月累積推移で見ると2007年5月で山を越えた。
 米国は株価が下がりサブプライム不況になりそうな気配であり、その場合ブラジルからの輸出は減る。
 貿易収支には隣国との貿易が重要であるが、アルゼンチンは外資不足、電力不足などで輸出品の工業成長に問題があるが、昨年度輸出532億ドル(2001年の2倍)輸入435億ドル(同2.2倍)外貨準備も521億ドル(同3倍)と回復、一人当たりのGDPは今年2001年のショック前の水準に戻る予想である。インフレは15%になりそうだが、ペソ安が進むので対ブラジル輸出が優利となり、一度ブラジル向けの食品や雑貨の輸出が始まると急増しブラジルの貿易収支黒字を下げる勢力になるであろう。
 石油の輸出入が再び入超になった。2006年に自給宣言をしたが、2007年は通算44.5億ドルの入超である。生産が需要を上回るほど伸びない恐れがある。
 環境問題より森林伐採制限がでて、農地がそれほど増えず農産物の成長は頭打ちになる可能性がある。
 以上より貿易収支の黒字はこれ以上増えないと見るべきである。

 外貨
 米国FRBの公定金利が3%に下がったので、世界一金利高のブラジルへさらに資金が流入するとするむきがあるが、ブラジルに少しでもインフレやレアル安の兆候が出てくると投資は控えめになる。ファンドマネジャーは利益を出す義務があるから、他のところで損害が発生したときは儲かったところを売却して帳尻を合わせる。ただし持って帰っていくらと計算するのであるから、現地通貨高のときに引き上げ送金しないとうまみがなくなるのである。
 1/5付のフォーリャ紙によると現在ブラジル人の海外預金総額は1522億ドルでそのうち757億ドルがカイマン諸島など免税天国というからレアル高を利用して資金を国外に出している人がいるようだ。レアル安は鉄鉱石など資源輸出で貿易収支の黒字が続く、外貨準備高が潤沢であるので、政府の売り介入が可能で当面は安泰で短期にレアル安は起きぬと予想されている。ただしカイマンなどに預金の757億ドルの主がサブプライム・ファンドであればこれは戻ってこない、戻るのはブラジルからの逃避資本分のみである。

 インフレ
 過去12ヶ月累積推移で支払い手段(M1)の増加が2007年12月に33%になった。これは1998年来の高率でインフレは少し進みそうだ。IGP-DIのインフレ率は2007が7.89%だが、昨年8月以降は月1%以上のインフレが継続して下がる気配がなく2008目標の4.5%はかなり難しい数字となっている。
 実情は食品など全般に値上がりしており、ルーラ政権の公務員人件費はインフレプラス4.5%の値上がりでPIB成長率の倍も増えている。(FOLHA紙2/3など)、値下がりしているのは中国からの輸入品とパーツを輸入して組み立てた家電製品のみの感がある。したがって為替がレアル安に振れると輸入品コストが上がりインフレが一挙に進む恐れがある。
 
 為替レアル安の弊害
 下記を危機視する政治家が増えると為替をレアル安に誘導する可能性がある。
 昨年の利益送金が急増し貿易収支の黒字401億ドルに対し、半分以上の212億ドルが利益配当で国外に送金されており、経常収支では36億ドルの黒字で2007年は前年の1/4に減っている。この傾向が続くと2008年は一挙に数十億ドル以上の赤字に転落の恐れがある。
 ブラジル人の海外旅行出費は2007年42%増えて82億ドルになった。(FOLHA紙1/29など)
 以上より為替調整の動きがでる傾向が高まっている。本年は統一選挙があるからショックは後であるほど良いのだが早ければ4〜6月は要注意か。

 森林伐採
  オ・グローボ紙(2/3付)がマナウス/ポルト・ベーリョ間、サンタレン/クイアバ間、サンタレン/ポルト・ベーリョ間の道路を開通させると一挙に道路沿いの熱帯雨林伐採が進み2030年には森林の21%を失うと発表した。地図で見るとこの道路予定地は既に森林が無くなっており、その可能性は極めて大である。連邦政府はマット・グロッソ州北部やパラ州南部の36市の1633平方キロメートルの森林伐採を禁止した。政府の計画は本年度の伐採を2007年の1万1224平方キロメートルより増やさないようにするためであるが、ちなみにサンパウロ市は1523平方キロメートルであるから昨年サンパウロ市の7倍の森林が消えたことになる。法を守らない人が多いことも地球レベルで考えると大変心配なことである。

 BRICsの2007の数字
 BRICsが初めて発表されたときは、ずいぶん国の格差があると思ったが、2007年の数字を見ると、実に類似した4大突出国であると感じられる。(OGLOBO紙2/3の表より整理=単位は10億ドル)
ブラジル    
  2001 2007
GDP 554.1 1295
GDP成長(%) 1.3 5.4
インフレ(%) 7.7 4.5
外貨準備高 35.9 186.8
外債 209.9 195.3
貿易収支 2.7 40
輸出 58.2 160.7
輸入 55.6 120.6
 
ロシア    
  2001 2007
GDP 300 1300
GDP成長(%) 5.1 7.8
インフレ(%) 18.8 12
外貨準備高 37 476
外債 146 460
貿易収支 48.1 129
輸出 101.8 354
輸入 53.7 225
 
インド    
  2001 2007
GDP 447 1200
GDP成長(%) 4.4 9.6
インフレ(%) 7.1 4.6
外貨準備高 42 209
外債 98.4 190
貿易収支 0.5 132
輸出 3.4 118
輸入 3.9 180
 
中国    
  2001 2007
GDP 1330 3430
GDP成長(%) 8.3 11.4
インフレ(%) 0.7 4.8
外貨準備高 218.7 1530
外債 50 345.7
貿易収支 22.6 262
輸出 266.1 1220
輸入 243.5 956



山下晃明のブラジルで損せぬ法(243)(2008年3月号)
アルゼンチン経由で輸出する
 ブラジルのレアル高ドル安を利用した海外投資が増えている。特に資源輸出の公社は着実に海外資産を増やしている。一方隣国のアルゼンチンはペソ安ドル高だ。陸続きで国内の北伯へ行くより近い距離にある大工業国を使用しない手はない。実際にアルゼンチンから輸出して儲けている企業がある。
 世界経済の動きは非常に流動的であるが、多国籍企業だからできることがある。ブラジル・アルゼンチンの双方に工場を持ち、一人の戦略担当者と、両国兼務の社長による流動的な経営、臨機応変のどんぶり勘定が可能である。
まず両国を比較しよう。

 為替はどちらが安いか
 金利はどちらが安いか
 家賃はどちらが安いか
 人件費はどちらが安いか
 税金はどちらが安いか
 労働法はどちらが厳しいか
 インセンティブはどちらが多いか
 広告掲載料はどちらが安いか
 航空券の購入はどちらが安いか

 まず為替は、ドル安のところで輸入し、ドル高のところで輸出するのが良いのは当然だ。
 金利、家賃、給料、利益はGDPの基本4要素であるから、この総和が低い方で加工するのが経済的にものづくりができる。
 税金、インセンチヴは商品によって異なるがあらゆる恩典は受けるものとする。
 国際的なメデイアへの宣伝や飛行切符は比較すればすぐわかる。IVAやICMSなど販売税がかかるかどうかでかなり違ってくる。
 外国であるから、一方的な出超、入超は長続きしないと考えるべきで企業単位でも均衡させるのが良い。輸出入額を均衡させておくと政策で為替がどちらにぶれようとリスクが最小になる。
 2国間でブラジルがもっとアルゼンチンに輸出するには、もっとアルゼンチンから輸入せねばならない。MERCOSULには商品別輸入コータがあるが、輸出入額が均衡すればコータは徐々に緩和される筈である。
 陸続きということは、国境に住む人にはどちらが安いかすぐわかる。ヴェネズエラのコロンビアとの国境にサン・アントニオ・デル・タチラという町があるが、じゃがいもがどちらに動いているかで為替価値の高低がわかるとのこと。
 国境住民は経済学者ではないが、最適な隣国の使用を毎日実践していると思われる。例えば車のタンクを空で行ってガソリン満タンで帰ってくる。家族全員で行って腹いっぱい飲んで食べて帰ってくる。スーパーの買い物をしてくる。家族で週末を過ごす。航空券を買う。これらを国境住人はごく自然に毎日行っているのである。
 以上から言えることは現時点で工業は、輸入部品はブラジルで再輸出免税特典で輸入、ブラジルでしかできない部分のみを加工してアルゼンチンに半製品を輸出、アルゼンチンで最終仕上げして完成品を輸出する筋書きが理にかなうわけである。

 マイアミ短信
 NYC原油市場は104ドルを越え、株価も年初から下がりっぱなしの米国に来ている。サブプライムに揺れる米国、マイアミは観光客にあふれ、ホテルは満杯。日本食はブラジルよりも安く、その上食材が断然良い。ガソリンはリッター1ドル程度でブラジルの70%、観光客には断然過ごしやすい。
 米国の実状を見るかぎり、ブラジルのレアル高がどんどん進み、現在対ドル1.70からこのまま1.50へ進み、レアルプランの当初の1対1にすなわちレアルがドルと同じ価値になるという筋書きはどうしても納得できない。ブラジルの経済政策はどこかに大きな無理がある。ついでにPETROBRASが自給達成して産油国になったのに輸入時の売値を維持しているのもけしからん。
 米国は自由経済で税金が安いから輸入品の物価はブラジルの半値、ブラジルの観光客が増え、買い物手荷物が増え始めた。今でもかなり超過重量の手荷物が増えてチェックインに時間がかかるが、年末は手荷物増量のため一般貨物の積み残しなどで大混乱になるのではなかろうか。
 昨年マイアミ・ダウンタウンにニョキニョキ建造した高層アパート、あれはサブプライムの症状だった。その後どうなったか見ものだったが、完成間近かだがまだ入居していない。一体どんな人が入居するのか、閑散としたダウンタウンが人のあふれる街になるのかなと思っていたが、結果は来年までまたねばならない。
 地元の人に聞くと、最近南への826号を片側6車線に拡張が完成したが、朝夕の渋滞は解決せず通勤者は毎日大変な時間ロスになっているからダウンタウンで仕事する人が住むようになるだろう。またヴェネズエラ人など毎週末をマイアミで過ごす人には庭付きの家は手入れが大変だが、アパートは鍵一つで便利だから安くなれば買い手はいくらでも出るから心配無用とのこと。
 サブプライムで不動産投資が活発になったころから盛んに工事をしていた826号線の片側6車線のハイウエイ拡張工事がやっと完成した。完成と同時に朝夕は渋滞とのことである。新しくできたところを走ってみたが、車が揺れない。ブラジルのハイウエイは出来たばかりでも車が揺れるのはなぜだ。道路建設の技術力の差をみせつけられる。

 PASO FINOを見て排気ガス規制を思う
 PASO FINOという先導馬の高足踏み早歩き用の値の高い馬を飼育し自称チャンピオンの男がいて、そいつに連れられて競技場へ行ってみた。驚いたのは会場あふれる大型高級SUV、ブラジルの道では狭くて走れない米車CADILLACのESCALADEやLINCOLN NAVIGATORなど数万ドル以上のクラス、400馬力の重量級の車で、亭主は馬の輸送車を牽引して来る。(馬一頭を運ぶのに400馬力とは!)もちろんベンツやBMW、トヨタなど輸入の大型SUVも多いが大きさ負けしてさほど目立たない。ここではガソリンの燃費など考えている輩はいない。夫人と家族はヨーロッパの高級車で集まる、催しは車の誇示が目的なのか。いくつも賞があって、優勝者が決まるたびに、馬と一緒に奥さんや娘がでてきて誇らしげに写真をとる。なんだ、美人の嫁さんを見せびらかすのが目的か。
 いずれにせよ、これがコンパクト中古車で、野郎だけが集まってきて駄馬を走らせたのでは米国のダイナミックな良さはなくなってしまう。米国ではこういう高級趣向の催しがありとあらゆる分野にあり、全州各地で行われ、家族ぐるみの社交の場になっている。さらにボートショーや有名国際見本市が数多くあり、スポーツでもプロ野球、フットボール、バスケットボールなど非常にダイナミックである。この風習が失われない限り米国の観光客経済は安泰であると思う。中南米の自国では乗れない大型車を運転して、すばらしい経験が出来るのが米国旅行の良さであろう。
 最近、日本の丸山教授による二酸化炭素の温暖化非犯人説があるが、排気ガスが真犯人かどうかは別にして、このような状況の米国ではブッシュでなくとも誰が大統領になっても排気ガス規制は至難の業となろう。規制どころか今も世界中から米国市場をめざして、競争で車を輸出し、国は道路を拡張しているのである。
 紙の消費も規制している様子はなく、1980の石油ショックのときは新聞雑誌のページ数が極端に減ったことがあるが、当時よりインターネットの進んだ今でもページ数も広告も多く毎日3センチメートル以上で新聞の厚みは逆に増えている。
中南米各地へ飛び立つ大型旅客機も大量の排気ガスを排出するが、観光客を連れて戻らなければならないから、大都市向けは大型機が日に2-3便飛んでおり、マイアミ空港もH、I、J、Jとコンコースを新設し南ターミナルを拡張して待ち構えている。

 



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