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ネグロ河(森林の落ち葉から染み出したタンニンが染めた強酸性の黒い河) 麻生 悌三さんの寄稿です。
今回、アマゾン移民80周年記念式典に慶祝団として参加する為のブラジル都道府県人会主催の第32回ふるさと巡りに参加してトメアスー移住地、べレン、マナウスの各式典に参加させて頂きましたが、アマゾンの中腹、自由港(ZONA FRANCA de MANAUS)としの発展目覚ましいマナウスでの観光にアマゾン河の2大源流であるネグロ河(黒い河)とアマゾン本流のネグロ河と交わる前のソロモンエス河との合流点の見学に出掛けましたが、余りの両源流の違いが目立ち麻生さんにネグロ河に付いて少し調べて欲しいとお願いしましたが詳細を纏めた原稿を送って呉れました。両源流の流速、水温、密度、PH、魚類の種類、魚の大きさ、河の色と調べており興味深い報告書と成っています。
写真は、アマゾン河の合流点までの船旅で私が撮った写真の一枚を貼り付けて置くことにします。


ネグロ河(black river)はコロンビアのアンデス山脈を源流とし、又、支流でヴェネズエラのオリノコ河とも繋がっている。河口のマナオスでアマゾン河と合流する地点まで全長は
2230kmの河である。合流地点から上流720kmぐらいまで、船舶の航行は可能だがそれ以上は、砂洲が多く、航行不可能。リオネグロの意味は黒い河だが、色は厳密には黒くなく、コーヒー色に近い。但し、遠方より見ると黒色に見える為、黒い河となずけられた。この色はジャングルに堆積された落ち葉が染み出した色である。上流コロンビアから合流点まで、増水期(6月が中心)には河水が低地を冠水する。イガポと呼ばれる水中林が形成される)に堆積した落ち葉、腐植土から染み出した、タンニンが河を黒く染める。
河の上流のコロンビアの土壌は、アマゾン上流のソリモンイス河上流に比べて、古く、無機質も少なく、土壌流失も少なく。清水は容易に落ち葉に染まる。タンニンが抽出され、その分、酸性が強く、PH 3,5では、オレンジ並みの強酸性水である。イガポと呼ばれる水中林は冠水のピークは6月頃で、その面積は70万平方キロに及ぶ。例年、マナオス近辺でネグロ河の水位は10メーター位上がるが、2009年7月は1955年以来の大増水で水位が29,6メーター上昇した。9月末に飛行機よりジャングルを見ると、、木々の間の冠水地が反射光で輝るのがかいま見える。タンニンで染まった水質は、生態系にも影響を与えている。同じアマゾン地帯でありながら。ネグロ河の魚類はアマゾンの1/3で
個体数は少ないが。巨大化した魚が多いい。又、魚体の色も鮮やかで、蛍光色の鮮やかな
観賞用熱帯魚ネオンテトラはネグロ河の特産である。淡水魚で世界最大の大きさの魚といわれるピラルクーは体長3エーターが最大といわれているが、かっては、ネグロ河で体長5メーターの電信柱に匹敵するピラルクーが棲息していたらしい。水質の影響であろうか、蚊の発生も少なく、河の黒い色が太陽光線をより吸収する為か、水温もアマゾン河に比べて高い。この河とよく比べられるのは800km下流に合流点がある、タパジョウス河である(水色は色つきの無い清水で合流地点でアマゾン河の黄褐色とコントラストをなしており、夕焼けの景色の美しさはネグロ河と対比される)が増水期の冠水地も少なく、流失土壌も少ないため、水本来の明るい色を保っている。マナオスのアマゾン、ネグロ、両河の合流地点では、川水が全く混じらず、下流6−10kmまで、水の層が平行して続いている。両河の水質の違いによるもので、両河の相違に就いて、下記に列挙する。
             ネグロ河            アマゾン河
マナウス迄の水源地より  2230km          4800km
流速           2−3km/hr 8―-9 km/hr
水温           25−26度C         21−23度C
密度           少ない             大きい
PH           3,5− 4,9        6,0−6,5
魚類の種類        約700種           約2200種
魚の大きさ        個体数少なく巨大魚多し     個体数多く巨大魚少ない
河の色          茶黒色             黄褐色
両河とも熱帯雨林帯にあり、年間平均気温は24度C、年間雨量は2500−3000mm、雨季は12−2月、乾季は6−8月。1850年―1852年にかけて、英国人の探検家ウオーレスがネグロ河上流を調査し、魚類の標本も数百種類、収集しているが、惜しくも、火事で消失している。ネグロ河の自然は科学的にまだ解明されていない点も多く、それだけに、ロマンを掻き立てられる処である。
以上
2009年9月23日
麻生



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