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山下晃明のブラジルで損せぬ法(251)、(252)、(253)11月、12月、1月号
山下晃明さんの『ブラジルで損せぬ法』が溜まっている。何とか年内に彼のホームペジに掲載している259回(7月号)までは掲載する積りにしている。良くもまあ30年近く掲載しているものだと感心する。もっともブラジルで唯一の日本語による月間経済誌の【ブラジルの実業】は、今年で発刊50周年に当たる。健筆家の山下さんの時々奇抜な発想には成程と感心させられたり驚かされる。陰陽学の知識も深く良く当たる陰陽学による説法が冴える。
今回は、昨年の11月号、12月号に今年の新年号を纏めて掲載している。
「各自の一日の時間は同じであるから、情報がこの調子でどんどん増えると、これからは何を見るかではなく、何を見ないかの選択リストが必要になるだろう。またパソコンを離れるチャンスを如何に多く取れるかが健康管理に重要になるだろう。」とのご宣託、耳が痛いが真実であろう。
写真は、時々SKYPEで連絡を取り合うことがあるがその時に撮った山下さんの近影です。山羊髭が良く似合う。


山下晃明のブラジルで損せぬ法(251)
大儲けをした人と大損をした人

 10月になって連日のようにNYC株式と日経平均株価は過去最大の上げ幅、過去最大の下げ幅などと報道される。平時なら詐欺罪で逮捕されそうな行為が毎日どこかで起きており、大儲けをした人と大損をした人が世界中に毎日発生していることになる。
 世界中の政府は銀行救済のための国庫予算規模の救済資金導入のニュースばかり、先月号でもふれたが、金融危機の規模は極めて巨大で税金の注入のみでは救えない、抜本的に何かを変えねばならないのである。だが客観的情勢より、米国のヘッジファンドは経済戦争の武器になり得ることを証明したのが興味深い。台風の進路を変えるSFシネマを見てこれは武器になるなと思ったことがあるが、株価操作である国を破綻させる原爆的効力がありそうだ。

 日伯環境フォーラム・リオへ参加した

 多くの学者、専門家や関係者が時節柄、極めて熱心に本音で報告していた。プログラム過多で、予定時間が超過、2日連続午後7時過ぎまで質疑応答も討論も時間切れ省略の報告ばかりのフォーラムであったが、環境関連で、今まで筆者が知らなかった衝撃的な事実も知ることができ、大いに勉強になった。
 まず日本政府が最近提唱した2050年世界温室効果ガス排出量半減という案は、日本を含めてOECDが炭酸ガス排出量をゼロにして、それ以外の発展途上国が現状維持をしないと達成できない、すなわち省エネ努力のみでは達成不可能な数字である。なるほど米国が賛成しないわけである。
 世界中が西洋文明型経済成長をするのは資源が不足して持続できない。特にアメリカ型経済発展を発展途上国が目指すことは絶対にできない。これは真実であるが、BRICsはじめ発展途上国にどのように伝え、どのように協力させるのかの世界戦略がまったくない。
 日本の環境対策と関連技術は製鉄業や火力発電所、重化学工業などで非常に進んでおり、省エネ車や省エネ家電製品の開発でも世界一と聞いていたが、全体の排出量では京都議定書の2010年目標を達成どころか逆に6〜7%増えており、現状ではエタノール85万キロリットルを輸入せねばこの目標は達成できないとのことだ。
 日本はJAXAの衛星写真提供含め、地球環境改善に協力のため、所有する技術はすべて提供すると言っているように見受けられたが、発展途上国は排出量削減の提案を先進国のエゴとしか受け取っていないようで、また米国をはじめとする先進国側の足並みも揃っていないようである。
 例えばセルローズからエタノールとブタノールを採取しバイオ・ディーゼル油を生産するのは現時点で大変有望であるが、単一作物の生態系への影響と持続性の問題はほとんど未解決であり、サトウキビからのエタノール生産と異なり、高度な遺伝子組替えや分子化学技術が必要であって、米国のパテントでがんじがらめになっているとのこと。米国はすでに国家事業として2015年ごろの量産をめざしている。

 手ごわいBRICsの反応

 BRICsはそれぞれ急速に工業発展しているが、温暖化ガスの削減には聞く耳を持たないように見受けられる。先進国に今必要なのは、BRICsの指導者と国民に「少なくとも現状以上に環境を悪化させないことが地球維持の絶対条件で人類の義務なのですよ」というメッセージを伝え、深刻さの意識を共有させるための努力であろう。
 ブラジルの指導者は、一部の研究者を除いては、環境問題を検討するよりも、サトウキビなど食品からのエタノール生産が、環境団体などにより、国際規制になることを危惧しているように見受けられる。曰くブラジルには十分な農地があり、中国とインドは農地使用率100%だがブラジルは16%しか使用していない。サトウキビでのエタノール生産と輸出は大豆や砂糖の生産量に影響を与えないと、声高に複数の人が主張する。始めから自分たちはサトウキビ・エタノールを作って生活態度は何も変えないぞと身構えているように見受けられる。ブラジルを特例で許すことは同じ気候のタイなどが追従するだろうから有り得ない話なのだが。
 その他のBRICs諸国、ロシアは資源葛藤に備え、すでに資源獲得の臨戦態勢に入ったかのように見受けられる。最近の報道からも、グルジア侵攻、原子力新空母建造、ロシア・北朝鮮鉄道改修、(韓国、北朝鮮、シベリア鉄道の接続をねらう)、弾道ミサイル発射実験、シベリア・パイプライン建設、宇宙開発に積極的など一連の動きは平時として尋常ではない。最悪軍事力を行使してもと考えている節がある。
 インドは中国に次いで温室効果ガス排出量の多い国であるが、民間工業の成長意欲は活発で、鉄鋼生産では世界制覇をねらっているし、少燃費の小型カーの量産も計画、太陽電池でも世界3指に入るほど強力になっている。宇宙の資源もねらっているようで、月探査衛星を打ち上げると聞いた。今後は原子力発電にも力を入れる方針で、最近米国と原子力協力協定を結び、日本へも協力を求めているようだ。もとより自らの工業発展を止めてまで温室効果ガス排出量削減に協力する気はなさそうだ。中国に原子力発電協力を求めたパキスタンとの核競争がどうなるか見守る必要があるだろう。
 中国は言うまでもなく、世界一の工業急成長国、アフリカを含め世界中で資源獲得外交と投資を進めており、もちろん宇宙開発で月の資源もねらっている。ロシアほど露骨ではないにしても海軍を主とする軍事力を着実に強化し、地球レベルでの解決よりも、自国のみの保全を考えているように見える。食料危機と共産党解体が何時おきるかが問題であろう。

 クリチーバを見習ってモデル都市を

 ブラジルのクリチーバ市の「都市の主人公は人であって、決して車ではない」という都市計画、対人口自動車保有数を世界の同規模都市平均の30%減にしたというのが、光っていた。
 高層ビルを建てるところは市内の長細い地区に限定し、その中央には地下鉄なみに乗り降り時間を早めたチューブ型ステーションで全線同一料金のバスを1分間隔で走らせる。さらに高層ビル地区の外側にハイウエイを置くというもの。ただしカリオカはリオのような大都市には無理だと無視しているようであった。
これを聞いて思ったが、理論やアイデアの押し付けは自国内でも受け入れられない。だが実際に環境対策モデル都市を見せて説得するとそれを意識するという効果はあると思われる。
 まず日本が国際的な発言力を持つには、自国の環境問題を自己技術でクリヤーしてみせないと説得力がない。さらに西欧型経済モデルは、環境的、資源的に持続可能性がないことが疑いない事実であることを明確に証明し、発展途上国の国民にも繰り返し知らせる。これは幼児のころから、教育する必要があり、「お父さん乗用車でたばこを買いに行くようなことやめて」というように子供のころから教えこむ。
 つぎに過去の東洋の節約型経済発展モデルを優れたものとしてもう一度認識してもらう。その上で日本型、中国型、インド型、アジア型、ブラジル型の経済モデルを作る。さらには各人口規模別の町モデルも作って推奨推進する必要がある。
 重要なことは、技術やアイデアの押し付けでなく、それをまず日本の地方で実践しながら、XX町モデル、YY村モデルを、そのまま開発途上国へ、東洋型の持続可能な都市モデルとして同時に指導の人も金も出すと言うと受け入れられると思うのだが如何なものだろうか。


山下晃明のブラジルで損せぬ法(252)
いよいよ2008〜2009年の歴史的大変化

 昨年12月号は「あっというまに今年も終わる」で書き始めたが、あれから1年があっというまに過ぎた。時間の流れが段々速くなると言う陰陽自然学の飯田亨先生の予想である。さて2008〜09年の自然の大改革が08年4月から本格化している。
 何度も繰り返すが「システム統合画一化を続けてきた長い旅路が最後の加速をし、2008年4月〜6月にその画一化の鎖が解け始め、10月に完全崩壊する。旧潮流の事実上の終焉である。地球核力激震10年22ページ)
 事実、10月、11月のわずか2ヵ月間に、世界中で政治経済の統合力が粉砕分解したのは、歴史的驚異である。10月に世界中の株式を暴落させ「100年に一度の経済危機」となり、米国金融破綻、米国の3大自動車メーカーなどを倒産寸前に追いやっている。
この12月は10年期前半の総括月となり、今後近未来に何が訪れるか、この1ヵ月で明白となるとのことだ。
 さらに2009年1月の強い変化を得て2009年2月より改革の新しい時代となる。この急変化は陰陽歴学的に90年に一度の現象である。なお自然システムは人間もその一部であり、特に顕著なのは、不合理な経緯によって上位に君臨していた人たちや時代に不適合の人たちも、事物、システムとともに弾劾脱落される月となる。
もちろん火山活動などを含む「火」の象の天地異変も胎動することになると飯田先生は言う。

 米国の自動車工業危機

 GMがまたも破綻寸前といわれている。ビッグスリーが倒産すれば、数多くの部品メーカーも道ずれにして、米国経済の一大危機であろう。しかしながら、これを危機とみるかチャンスとするか新政権の出方を見たいものである。もし救済の道を選べば永久注ぎ込みの泥沼にはまりこむ。もし環境問題も一挙に解決するチャンスとしてガソリン以外の新燃料車への転換に新資金を入れれば、大英断で歴史に名の残る大統領となるだろう。
 GMが左前になったのは自動車が古い産業になって、アジアとコスト競争が不可能になったためである。すでに1980年ころにも日本のメーカーとの競争に敗れて石油ショックと共に経営危機になったが、今回は日本のみでなく韓国や中国も大量生産に加わり、ロ シアやインドも後を追っている。
したがって米国勢敗退は時代の趨勢であり、これを今政府が救済しようとしても金ばかりかかって成功しないであろう。社長の年収を1ドルにしても何の意味もなく、一番正しい道はこれを機に新しい技術と新しい方法で出直すことである。
 例えば、これを機に、あっさりとガソリンエンジン自動車の製造をアジアに譲ってしまう。労働のUNION問題のアメリカ・コストがあるから、最少数の労働者で、米国は開発部門と新技術、新メンバーで電気自動車など無公害燃料車の製造に絞って再スタートするのである。
 アメリカ人の好きな巨大SUVも電気自動車にすれば良いのである。出足の良さはすでに今の技術の電気モーターで可能であるし、500馬力の気分よい重量音を希望するなら擬音チップを日本に依頼すればすぐ出来る。

  アメリカ型よりもむしろスペイン型に

 またもNHKテレビの話で恐縮だが、先日何の番組だったか失念したが、スペインで子供が母親と学校から帰り、昼食の料理を手伝って、そのうちに祖母も来て、お父さんも仕事から帰ってきて家族全員で食事している風景があった。
 スペインは確かに昼休みが長い、12時ごろ閉めて16時ごろまで閉鎖の店もある。初めてスペインに行ったとき、旅行者だからその間に行くところもなく、「だからスペインはあまり発展しないのだ」と憤慨したものだが、今考えてみると、スペインの方が進んでいるのかも知れない。昼食を30分で済ます米国風を勤勉日本人は見習っているが、人間尊重面では家族揃って食事するスペイン人の方が上であろう。
 大気汚染など環境問題や資源供給量よりも、アメリカ型経済は全発展途上国が模倣することは許されない時代に入ることが証明された現在、何でもアメリカ型を最良とする思想は間違っているだろう。
 ブラジルのスーパー現在は24時間営業の店が多いが、50年前、確かに昼休みは商店が閉まっていた。日本からの進出スーパーや日本人の販売店が昼休みに閉鎖しないから、また米国のセブンイレブンなどを見習って、ブラジル人も昼休みに閉めないようになった。その後は24時間営業と師の上をいくことになったのであるが、歴史的にみると、これは間違った先進指導であったかも知れない。
 もっとも、カリオカのえらいさんは、今でも昼食に出ると16時ごろまで帰ってこない人が多いから、その影響を受けていない層も存在している。

 異常なブラジルの単純サービス費

 行く度に、腹が立つのはカルトリオの原本証明(コピア・アウテンチカーダ)料金である。1枚4.50レアイス、100枚あったので、450レアイスになった。なんとカラー・テレビよりも高い。このサービスの基本作業はスタンプを押すだけである。2004年からは同業協会が印紙(セロ)を発明し無理やり価値を創造したようであるが、米国のパブリック・ノタリーは無料である。1レアイスの時でも高いと思っていたが、今の料金は異常である。正常料金はコピー代10センタボスの4倍としても40〜50センタボスが妥当な線であろう。
 これから比べるとガソリンの2.60は誠に安い。あれほど巨額の投資をして採油し、精製し、遠くからタンカーで運び、トラックで配給、ガソリン・スタンド建設にも多額の投資をしている。
 コーヒーの2.50レアイスも高い。クリーム入りになると5レアイスというから、250円で、地球の裏側から吟味したコーヒー粉を輸入して、豪華な雰囲気、きれいなカップで飲める日本にくらべてもこれも異常に高い。ブラジルのバールのいい加減なコーヒー粉の立ち飲みであれば高くとも50円が相場であろう。 

 米オバマ新政権とブラジル経済

 1月には、いよいよオバマ新大統領がスタートするが、ヒラリー氏を国務長官に任命、就任に先がけて、大規模な公共工事や、情報スーパー・ハイウエイ、公共建造物の近代化などで250万人の雇用を作り出すインフラ投資策を表明した。景気対策に内需の拡大であるが、サブプライムの金融危機ですでに巨大な政府出費が出ているので、これら反動で経常収支の大赤字や貿易収支の大赤字を是正する動きも同時に出ると考えるべきである。
 中国を始めとする世界の工業製品の輸出先の大半は世界最大の消費国の米国であり、米国が貿易収支赤字の削減を図れば、当然ブラジル含むBRICsも今後、米国向け輸出量が削減すると覚悟しなければならない。クリントン時代に貿易収支均衡策を日本の自動車工業などに執拗に迫ったのはオバマ氏の属する民主党政権であった。
ブラジルも、すでにヴァーレ社などは人員解雇を発表し、政府はペトロブラスなどに金融援助策を発表しているが、ブラジル人はクリスマス前にはなるべく騒がないで穏便にすます風潮があり、工業の生産調整は一斉休暇などで年末を対処している。
米国の影響で解雇などが本格化するのは来年度に入ってからであろう。なお現時点で、外貨の流出は活発で10月は46.6億ドル流出、外貨準備も2006年からの連続記録更新が止まり92億ドルの減少となった。11月の外貨の流出は100億ドル以上といわれており、ドルレートは12月5日に2.49まで上がった。

山下晃明のブラジルで損せぬ法(253)
輝かしき新年を迎えて

 輝かしき新年を迎えてと祝福したいところだが、世界金融危機による不況の影響で、状況は芳しくない。欧米日は昨年末すでに人員解雇など市場に即応したが、ブラジルはせいぜい年末一斉休暇程度でお茶を濁しており、欧米日の工業生産減少、中国の欧米への輸出減少、資源買い付け量の減少が起きて、これからじわじわと資源国ブラジルの輸出にも影響が出るだろう。カーニバル開け頃には出社に及ばずの人が増え、失業者が不動産、自動車などの月賦の支払いが出来なくなると金融界にも大影響を与えることが予想される。

 昨年を一桁に収めたインフレ指数

 FGV公表の12月のIGP-DI指数は▲0.44%に下がり、12ヶ月累積はなんと9.11%となった。
 昨年4月から6月ごろには月2%に近いインフレが続き、為替の下落による輸入品コストの上昇と需要の加熱が加わると年末20%突し、ハイパーインフレになる最悪シナリオも予想されたが、2008年は一桁に収めたことになる。消費が落ちたのは世界金融不況のおかげで、まったくルーラは強運である。
  月インフレ 過去12ヶ月累計
7-Dec 1.47  
8-Jan 0.99  
8-Feb 0.38  
8-Mar 0.7 9.18
8-Apr 1.12 10.24
8-May 1.88 12.14
8-Jun 1.89 13.97
8-Jul 1.12 14.82
8-Aug -0.38 12.82
8-Sep 0.36 11.91
8-Oct 1.09 12.29
8-Nov 0.07 11.2
8-Dec -0.44 9.11
IGP-DI(FGV)指数

 サルコジのセールス外交

 12月22日、フランスのサルコジ大統領が美人の夫人を伴ってブラジルにやって来た。第2回ブラジル・EUサミットのためであったが、宿舎のホテルのコパカバーナ海岸では沖に駆逐艦が来るほどの警戒態勢であった。
 夫人がマスコミで大統領の雰囲気をやわらげるのに大変に役立っていると見た。というのは、大統領はブラジルを国連常任理事国に押すとか、BRICsが国際発言力を持つのに協力するなど、甘い言葉と、かなりえげつない方法で潜水艦4隻を売りつけ、戦闘用ヘリ50機のノックダウンの商売と、将来戦闘機36機の導入の道すじも決め、総額120億ドルの売込みを行った。
 特に注目すべきはアマゾンの共同探索調査機関協定にも調印したことで、環境問題を含め生態系の問題、持続可能な環境型生産体制研究を目的としているが、フランスは宇宙ロケット基地のある仏領ギアナを有し、アマゾン国境地域への地政学的関心度も高く、その意味では、この動きは外交辞令ではなく真剣であることである。
戦後日本の首相でトランジスタのセールスマンと言われた宰相がいたが、フランスはそんなものではない。動くたびに100億ドル単位の売り込みを行っている。
 サンパウロの地下鉄のときも積極的であったが、フランス人は必要であれば賄賂を払うことも辞さない南米取引きへの理解力があり、その意味で大変商売上手である。将来のリオ・サンパウロ新幹線でもTGVが強力な競合になるだろう。
 大統領は2007年11月に中国へ原子炉やエヤバスのトップなど270人を連れて行ったときも170億ユーロの売込みを行ったし、これが本当の国の外交の姿であろう。
 もし日本が環境産業で世界の主導権を握りたいのであれば、地球のために必要だから一緒にやりませんかと、きれいごとで単なるお願いベースではなく、国別に、これをしてくれたらこれを提供したしましょうといった国家戦略というか、露骨な脅しまではしなくともそのようなニュアンスで押すのが外交力であろう。今の政治家は過去の戦国時代の知将に学ぶ必要がある。
 昨今の大改革の時代に生き残るには、政治にも、謀略、策略、えげつない、など普通の日本人が忌み嫌うことも戦略として敢えて決行することが、つわものの相手国に対抗するには絶対に必要である。宰相は2代目3代目のボンボンでも誰でも交代で出来るような易さしい職業ではなく、もっと野望的エネルギッシュな人が、改革には命を張ってもらわねばならない職であろう。
 また国会内で無く、テレビの番組で野党と討論しながら相手に全部手の内を見せながら国家戦略を議論するような考えかたは、いくら民主主義といっても、相手国から見れば、誠にふざけていることになるだろう。もっとも相手国はテレビ討論を国営テレビの与党の宣伝番組ぐらいにしか理解していないであろうが。

 統合を舞台にデジタルに見た

 シネマ・タイタニックの主題歌を歌ったセリーヌ・ディオンのTVショーを見ていて感心したのだが、舞台バックの超大型デジタル・スクリーンが違和感なく見事に舞台風景と一体化している。フランク・シナトラの映像とデュエットをするなど、小細工ものもあったが、一体の美術力はすばらしい。
 今年の紅白歌合戦も昨今はバックがデジタル・スクリーンであるが、スクリーンが浮き立っており、まだ違和感無く舞台と一体の域には達していないように見うけられる。
舞台の後ろの幕は歌舞伎などでも、大変重要なもので、今までは大幕に絵を描くにも、年季の入った芸術家が担当し、その上げ降ろしの操作なども、裏方さんの伝統芸であった。当初は従来の垂れ幕をそのままデジタル・スクリーンでそれを踏襲する形態になるだろうが、色彩の変化、動き、カメラの映像、シネマの映像、模様、音や音楽にシンクロさせて何でも見せることができる。すなわち劇のバックの空の雲が動いたり、自動車や電車が通ったり、日の出日の入りなど朝夕の景色の時経変化、雷音付き稲妻が当たり前になる。
 またその操作はパソコンの画面でできるから、誰でも簡単にできるようになったといえる。もちろん舞台の美術監督は必要であるが、音感がよくて絵心のある子供が、その日始めて来て操作してもバックの幕ができる時代になったことになる。
さらに興味深いのは、出演者、舞台とウラ幕をそれぞれどんなに凝って操作してみても、その舞台をビデオに撮ると、一枚のデジタルの連続写真に他ならず、その舞台にかかわったすべての一体化の原点に復帰することである。
考えてみれば、昨今の、証券会社危機、金融危機とその影響を受けた世界不要もデジタル一体化の結果である。
 グローバル時代に過去の膨大なデータ、全企業の財務データ、経営陣の人的データ、事業予想データ、株価予想ソフト、市況予想ソフト、為替予想、金利予想などすべてをデジタル情報にして集中させた勝負でディーラーが負けたに過ぎず、すべてがコンピュータの出現で可能になったことである。
最良の人員、最良のソフトで膨大なデータ処理に大型高速コンピュータを使っても、考えてみると、最後に決定することは買うか売るかである。場合によってはエイヤッと決めた勘の方が勝つ世界である。

 すべてがパソコン画面内に

 日本の民放テレビがインターネットで見れる時代になった。従来のテレビはアンテナやケーブルがあって、機械も大きく家に据付てあったが、これからは、家でも仕事場でも飛行場でも車の中でも無線モデム付きパソコンさえあればどこでも見ることができる。
 今までは何か興味ある番組があるとき誰かに依頼して録画してもらう必要があったが、今やインターネットで予約さえしておけば自動的に録画してくれて、後でいつでもダウンロードできる。新聞や雑誌も徐々にデジタル化してパソコンで見えるようになりつつある。
 一日中パソコンの前にいるヤツをパソコン・オクラというそうだが、eメールもインターネットも、テレビ番組も新聞も、仕事上でも物書きをするのもパソコン、辞書はインターネットが早い、データ検索も同様、表計算など数字をならべる仕事もパソコンが便利。電話はSKYPEでテレビ電話と、すべてが自分のパソコンの画面内に一体化してしまい、将来は一日中パソコンのみを相手にすることになる。
 ただし一度に見れるのは一つの画面でそれを選ぶことになるから、要するに、これからは、テレビにいくつチャンネルがあろうと無関係ということになる。
聖徳太子ならば一度に7画面見るだろうが、最終的な姿は株やのディーラーのように、いくつかのディスプレイか大型ディスプレイの中で、複数の画面をみながら仕事することになるだろう。
 各自の一日の時間は同じであるから、情報がこの調子でどんどん増えると、これからは何を見るかではなく、何を見ないかの選択リストが必要になるだろう。またパソコンを離れるチャンスを如何に多く取れるかが健康管理に重要になるだろう。



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