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麻生悌三のブラジル不思議発見 23 アマゾンの電気ウナギ
麻生さんのブラジル不思議発見10月号は、アマゾンの電気ウナギです。電気ウナギは、強力な電気を発し小魚に放電し、気絶したところを捕食するそうです。電流が弱いことで、人の感電死は事例がないが、感電に弱い馬はショックで死ぬ例はあるという恐ろしい魚のようです。今回の付録もアマゾンに生息するアマゾンの毒蟻 − ツッカンデイラ(tucandeira) でこれも猛毒の蟻のようです。このアマゾンの毒蟻に手を刺させてその痛さを耐える儀式がインヂオの中で行われているとの事。一人前の男として認められ嫁を貰うためには耐えないといけない儀式だそうですが何とも野蛮な儀式なのでしょう。
何時も麻生さんのブラジル不思議発見には驚かせられますが、良く珍しい話題を見つけて来るものですね。驚嘆すると共に感謝しています。有難う。
写真は送って頂いた電気ウナギです。その他の参考写真はBLOGに掲載して置きます。


ブラジル不思議発見―23 アマゾンの電気ウナギ
アマゾンに電気ウナギと云う古代魚が生息している。英名electric eel ポ名poraqueでアマゾン川の中流から下流にかけて棲息が多いい。古代魚とは数千万年前から、姿、形が変わらず、化石でも出土する魚を言う。 成長すると体長2mまで成長し、丸太のような格好だが、うなぎとは全く関係の無い魚である。発電する発電魚は数種あり、デンキナマズ(北米)、シビレエイ(コロンビア)等が知られているが、電気ウナギは発電量が極めて大きい。体長の80%が発電版が並んだ尾部であり、内臓部は20%の前部に配置されており、鰓のすぐ後ろに肛門がある。鰭は胸鰭、背鰭、尾鰭を持たず、長い尻鰭だけを使い、泳ぎ、前進も後進も器用に行う。(後進する魚類はこのウナギ以外聞いた事ない)
発電する配電盤は1個は1,5V程度だが、数百個配列されており、最高電圧は600−800Vになり、電流は1アンペアで発電時間は1千分の1秒である。電流が弱いことで、人の感電死は事例がないが、感電に弱い馬はショックで死ぬ例はある。発電時間も極めて短いが、感電するとそのショックは相当なもので、アマゾンで日本人が導入したジュート麻栽培は収穫、剥皮、浸漬、発酵、乾燥等の作業が川の中で行われる、テルサードと呼ばれる山刀で水中の麻を刈り取るが、山刀が電気ウナギに触れる事がある。その時は、ショックで山刀の柄を水中で放り投げる程だと云う。電気ウナギは目は殆ど退化しているが、弱い20Vの電気を発生し、レーダーの役割をさせている。又、鰓呼吸の他に、肺呼吸も出来
一定時間毎に水面に呼吸に現れる。行動は主として夜間の夜行性の肉食魚で、小魚に放電し、気絶したところを捕食する。水中の覇者、ワニも感電の怖さを知っているらしく、電気ウナギと遭遇すると,避けるらしい。肺呼吸のおかげで水が枯れた沼地でも生存可能である。アマゾンには古代魚の種類が多く アロワナ、ピラルクー、肺魚等であり、肺魚は古代魚の代表格のシーラカンスよりも古いと云われている。 電気ウナギは肺魚と若干、姿、形が似ており、大胆な仮説を唱えれば、電気ウナギは肺魚から派生した魚ではなかろうか。電気ウナギが自己発生の電気で感電しないのは、豊富な皮下脂肪え覆われており、脂肪が絶縁体となっている。このウナギを蒲焼きにして食った日本人移住者の話だと、脂肪が多すぎ、やたら脂っこく、香りもなく、味はちっとも旨くないと云う話だった。
写真は電気ウナギ

付録  アマゾンの毒蟻 − ツッカンデイラ(tucandeira) 別名パラポネイラ(Parapon
eira)英語ではBullet Ant(小銃弾蟻)和名(ネッタイオオアリ) と呼ぶ猛毒蟻がアマゾンにいる。
蟻はスズメバチ上科のアリ科に分類される昆虫であり、れっきとした、スズメバチのファミリーである。女王を中心とした各蟻の役割分担を決められた、社会性を持つ昆虫で蜂も蟻も繁殖、社会性、役割分担等、酷似している。1億2千万 − 1億5千万年前に蜂と
蟻の共通の、祖先から各々、分科した。その当時の最初の蟻の化石はブラジルから出土している。 日本に棲息するアリは無毒又は毒の弱いアリで、凶暴なスズメバチのイメージは湧かないが、ブラジルの熱帯雨林に棲息する蟻はスズメバチ級の毒腺と針を持つ獰猛なアリはゴロゴロいる。その代表格の蟻がTucandeiraと云う一種で、成長すると4−5cm
の巨大蟻で黒色をしている。一度刺すと死ぬミツバチとは違って、何度でも刺す、羽のないスズメバチと同じである。アマゾンの或るインジオの部落では、青年を成人式に、この
蟻を入れた籠に手を入れさせ、数分間、蟻に刺されて、痛みを堪える、我慢の儀式があり、それを通過しないと、一人前の成人と認められず、嫁を貰うことが出来ない。スズメバチと同じツッカンデイラの毒は、毒のカクテルと云われる程、神経毒、蛋白質溶解毒、等各種の毒が混じっており、毒性は強い。成人式では、余りの痛さに失神する若者もいる。
この儀式を通過しないと、カーちゃんを貰えない、インジオの青年に同情する。この蟻の食性は昆虫、等肉食で顎の力も強い。兵隊蟻のように団体で行動せず、単独で行動することが多いい。人間に対して、危険な攻撃的な昆虫(スズメバチ、アフリカミツバチ、ファイアーアント等)数種の昆虫のトップクラスにランクされている猛毒蟻である。この蟻は
咬むのではなく、尻尾の毒ハリで、ハチの如く、刺し、毒液を注入する。刺されると、激痛と炎症が24時間続き、サソリより危険な蟻である。
(写真はツッカンデイラ、とスズメバチ、ツッカンデイラが入った篭、儀式を待つインジオの青年)
2011年10月1日

麻生



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