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麻生悌三のブラジル不思議発見 43 アマゾンマナテイー(牛魚)
麻生悌三さんのブラジル不思議発見6月号を公開します。毎月欠かさずに送って呉れており几帳面な麻生さんの性格を伺わせて呉れます。惜しげもなく付録の形で毎回一つの話題として生かせる可能性がある面白く貴重な付録で今月号でも『アマゾンスカンク』、『世界2大美鳥の一つケツアール』、『ロワの類人猿』と興味深い話題を満載している。
アマゾンマナテイー(牛魚)は、ブラジルでは、正に牛魚、ペイシェボーイと呼ばれて水族館の人気者で誰もが知っているようですが、私も水族館でしかお目に掛かった事がないですが、水に産むようになった哺乳類との事で人間に似た行動をするとの事で興味深いです。交尾の際には女性上位(メスが上に乗るとの事)ですが水中で交尾をするのですかね。水面に立っている姿は人間にそっくりとの事。想像すると微笑ましいですね。
送って頂いた写真は、1枚しか使用できませんが、BLOGには4枚とも掲載して置きます。麻生さん今月も有難う。


ブラジル不思議発見 − 43 アマゾンマナテイー(牛魚)
鯨、イルカ、アシカ等は水性哺乳類であり、太古の昔、陸上から海に、生息場所を変えた
哺乳類である。その仲間に、人魚のモデルとされた海牛類がいる。海牛類は海洋性のジュゴンと淡水性のマナテイーがあり、ジュゴンは体長4m、体重800kgにもなり、日本では沖縄、南西諸島に生息している。ブラジルではエスピリットサント州からマカパ沿岸にかけて生息している。一方、マナテイーは、フロリダ、西アフリカ、アマゾン(オリノコ河)に生息し英名Manatee ポ名 Peixe Boiで体長2,5−4m、体重300−500kgに成長する。両者の体形は同じだが、尾は異なり、ジュゴンはイルカと同じ3角形で、マナテイーは丸い,うちわ形である。食餌はジュゴンはアマモを主体とした海藻類でマナテイーは水生植物や岸辺の陸生植物である、大食であり、1日体重の10%を食べ、1日8時間は食餌をしている。それだけに、腸も長く、ジュゴンなどは腸の長さが体長の15倍の45mにもなる。アマゾンのマナテイーは2千―5千万年前のアンデス山脈隆起により、太平洋から陸封された哺乳類で、大西洋から数千km上流に生息する。水温25度C以上の場所に生息し、家族単位の群れで棲息し、乾期の水が少なくなる時期には水の多いい所に移動するが、草がなくなれば、体内の脂肪を燃焼させて、雨季までしのぐ。体色は、青みがかった灰色で、マナテイー類では最小の体格である。肺呼吸ゆえ、15分間隔で水面に出て、呼吸する。底で睡眠中も水中より呼吸の為、浮上する。繁殖は胎生で妊娠期間1年の後1頭の仔を産む。は水中で窒息しないように,逆子で産まれる。(水中哺乳類は逆子で生まれるのが普通で頭が先だと窒息のリスクが多い)交尾は向かい合った人間と同じスタイルだが、どういう訳かメスが上になる女性上位らしい。鰭の付け根に1対の乳房があり、子を抱いて、立って水面にいる姿は人間そっくりらしい。マナテイーの肉は脂肪が多く、豚肉に似て美味しい為、原住民から狩猟の対象とされ、生存頭数が激減し、ブラジル政府は1973年より保護に乗り出している。 INPA(国立アマゾン研究所)が1998年に人工飼育で養殖池内で1頭の繁殖に成功している。
マナテイーの棲息する湖沼は、特に水の減る乾期は、肉食で獰猛なピラニヤ、ワニも棲息し、餌不足から,より凶暴になる。草食性でおとなしく、動作も緩慢で、肉の塊の御馳走が、ワニにもピラニヤにも襲われず、同じ湖沼に生きながらえているのは不思議である。
アフリカの湖沼でも、カバ(海牛類の祖先と云われている)とワニは同じ場所に生息し、
共存しており、水の減る乾期でも、カバがワニに襲われた話は聞かない。お互いのDNAに、共存のスタンプが太古の昔から押されているのかも知れない
(写真はマナテイー=Peixe Boi)。

附録 アマゾンスカンク(ポ名Zorrilho Amazonense)
スカンクは悪臭を放つ動物で、カナダ南部からアルゼンチンにまで生息している体長40cm、体重4kg前後の、夜行性の雑食のイタチの仲間で、肛門の横に1対の香のうを持ち、悪臭の源のメタルブタン(硫化水素)を溜め、5−6回分の悪臭発射分をストックしている。ブラジルではアマゾン下流のアマパから旧仏領ギアナにかけて生息している。悪臭を放つ動物は多く、腸内発酵のガス(屁)を放つイタチなど有名だが、悪臭の程度では、スカンク等とは較べ物にならないほど軽微である。尚、動物園等で見られるスカンクは手術で、香のうを除去しており、悪臭はだせない。
悪臭を放って、外敵を退散させる動物の3大ランキングは1位タスマニヤタイガーと云われているが、今世紀初頭に絶滅している。有袋類の食肉獣で背中にトラのようなしま模様がある、オオカミの仲間で、別名フクロオオカミと呼ばれた。この動物の悪臭にかんする文献は見ていないが、今日、悪臭にかけてダントツのスカンクを凌駕する悪臭であり、まさに、殺人的悪臭であった事は想像できる。2位はスカンクで危険を察知すると、牙ならぬ、肛門を相手に向け、硫化水素の濃縮液を吹き飛ばす。目に入れば、一時的に失明状態になり、皮膚や衣服につけば、悪臭(玉ねぎの腐った臭いの凝縮した臭い)は抜けない。
悪臭は2km離れても臭う強烈さである。ジャングルの王者ジャガーも、スカンクだけは
手を出さない悪臭のキングである。3位がアフリカに棲息するハイエナでで犬そっくりな肉食獣である。恰好から、オオカミの異種と思われがちだが、これは、れっきとしたネコ族で、ジャコウネコの仲間である。臭いを出す香のうを持ち、悪臭を放つ。メスも睾丸のような袋(香のう)をぶら下げていることから、雌雄同種とみられていた時代もあった。ランクは知らないが、南北アメリカ大陸に生息する、オポッサム(フクロネズミ)も相当な悪臭を放つ猫ほどの大きさの動物で、小生の経験だが、アマゾンの田舎の民家に泊まっていたとき、夜中、異様な悪臭が漂い、ランプで照らすと、天井の梁にネズミそっくりな、とんがった顔をした小獣を見た。よく見ると、背中に数匹の仔を乗せていた。
悪臭を露払いに侵入してきた動物はポ名Ganbaと知った。このガンバと云うフクロネズミは妊娠期間が12−14日と極端に短く、未熟で生まれた仔を育児袋の中で育てる。袋の口は後部に向けて開いており、カンガルーの様に頭方向(上)に向いて開いていない。
タスマ二ヤ島の肉食有袋類最大の動物、タスマニヤデビルも同じで、袋の口は後ろ向きに開いている。これは、地中に穴を掘る際、土が袋に侵入するのを防ぐ為であると云われている。アルゼンチン、チリー、ペルーにはスカンクは棲息しているが、どう云う訳か、棲息最適地であろうに、ブラジルの中南伯ではスカンクの棲息している話は聞かない。ブラジルには、胡散臭い人間が多いいので、臭いでは敵わないと、敬遠してるのかも知れない(写真はスカンク)

附録 世界2大美鳥の一つケツアール
コロンビアアマゾンの山岳地帯から、中米の山岳地帯にかけて棲息する鳥で、姿が美しい
ことで、ニューギニアの極楽鳥と並んで、世界2大美鳥と云われる、和名カザリキヌハネドリ、英名Quetzalは世界のバードウオッチャーの間では、垂涎の的である。頭と胴体の長さが35cm、尾が50cmの大形の鳥で、目の覚めるようなエメラルドグリーンの背中に真っ赤な腹部の色のコントラストは絶妙の美である。深い山岳地帯に、単独もしくは
番いで棲息しており、羽色がより濃厚になる繁殖期には、コスタリカの自然保護区では、バードウオッチャーのツアーが組まれる程の人気である。ガテマラの国鳥に指定されている。(写真はケツアール)

付録 ロワの類人猿
1920年スイス人地質学者フランシス ド ロワはヴェネズエラのコロンビア国境近くのジャングルで、石油探査中、2匹の巨大な猿に襲われ、(投石したり木の棒で殴りかかったり)、1匹のメスを射殺した、逃げたもう1匹はオスのペヤーだと思われる。1954年イギリス人の探検家も同じ場所で2匹の猿に襲われ、岩の欠片で殴り撃退した。ロワが射殺した猿は身長1,50cmあり、尻尾はなかった由で、頭部を切断し、持ち帰るはずであったが、事故で紛失している。猿は猿人ではないかと物儀をかもし、ロワの猿人と呼ばれた。しかし、クモサルに似ており、クモサル説が有力となった。クモサルなら親指のない、4本指の手だが、写真では親指があるように見える。又、クモサルは長い尾があり、第二の手と言われる程,器用に使い、枝からぶら下がる(尾の先の裏側には毛がなく、指の指紋のような筋がある)添付の写真には、尾は写っていない。もし、猿人だとしたら、人類発祥がアフリカだけでなく、南米にもあった事になる大発見である。(写真はロワの猿人の実物写真―体長は周囲の被写体の大きさから測って70cm位との話もある)

2013年6月1日
麻生



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