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【ブラジル、消える日本人街 (地球回覧)】 日本経済新聞WEBばんより 賀多井さんが送って呉れました。
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≪W50のみなさん 岡山の賀多井です。
10/26の 日本経済新聞の電子版に下のような記事が出ていました。そっくりコピーを送ります。
先人が築いた日本人街が消えつつあると言うのは、寂しいですね。≫
サンパウロに出張すると何時も定宿として使用しているニッケイパレスホテルの新しいオ―ナ池崎 博文さんを紹介しながらの旧日本人街（現在は東洋人街と呼ばれている）グアルボンブエノ街の昨今、特に韓国、中国の進出ぶりを活写している。今後も変わり続けて行くと思いますが歴史的な一コマとしてホームページにも残して置く事にしました。写真も日経新聞掲載のブラジル移民100周年の際に皇太子殿下がこの下を通過された≪大きな赤い鳥居≫の写真を使用させて貰いました。賀多井さん有難う。
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ブラジル、消える日本人街 (地球回覧)
2014/10/26 9:52
ブラジル・サンパウロ市の東洋人街、リベルダージ。日本庭園の横を抜け、真っ赤な大鳥居をくぐり、日本食店などが軒を連ねる表通りを進んだ先に「ニッケイパレスホテル」がある。客室100室ほどの小ぎれいなホテルだ。
ロビーで待つと、がっしりした東洋人が現れ「どうぞ」と日本語で案内してくれた。80代後半と思えない若さだ。
池崎博文氏。現地ではドトール・イケザキで通る。幼少期に移民した日系１世で、化粧品の小売りで成功した名士だ。実は昨年から、このホテルの経営にも乗り出した。
「ニッケイパレスが中国資本に買われるらしい」。そんな噂が飛んだとき、日系人社会は浮足だった。ならばと買い手に名のりをあげたのが池崎氏だった。
「街は日系以外の人々も歓迎し、あえて自らを東洋人街と呼んできた。中国系が買い手だから、ということでは決してない。ただ日系社会の象徴が消えてしまうのはあまりに残念だった」。池崎氏は、そう胸の内を明かす。
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大戦前後から1970年代にかけ急発展した「世界最大規模の日本人街」で、日本の存在感は薄れる一方だ。
日本風の名前と看板を掲げる食材店でも並ぶのは中国語やハングル文字の輸入食材。日系３世の女性店員は「ここの社長は台湾系。日系人のお店はもうほとんどない」と不慣れな日本語で寂しそうに話す。日本人観光客を相手にする数件隣の土産店でも日系２世の初老の男性店員が「うちのオーナーは韓国人です」と教えてくれた。
ブラジルの日系人は推定160万人。だが現地社会に溶け込み、日系の意識は薄れている。リベルダージの商店も２代目や３代目の多くは勤め人になり、街を離れた。新規の移住や企業進出が細り在留邦人が急減したのも響いた。
一方、約５万人の韓国系は移民が本格化した1970年代から膨らみ続ける。自動車や家電製品の市場シェアが日本をしのぐなど韓国企業の活発な進出も背景にある。
より勢いづくのが約25万人いる中国系。輸出入ともブラジル最大の貿易相手になったのと歩調を合わせ中国籍の新規居住者は10年前の倍以上に増えた。東洋人街の外でも、その存在感は際立つ。
オフィス街を貫くパウリスタ大通り。ビルの低層階を占めるバザール風の市場に小さな店舗がひしめく。売るのはバッグや宝飾品、小物など。店主の８〜９割は中国人だ。
携帯電話ケースなどを売るルシアさんは約20年前、５歳で上海近郊から移住し、一家で商売を営んでいる。「商品は中国からの輸入品よ。卸業者もみんな中国人ね」
中国はブラジルから大豆や鉄鉱石を買う一方、電子機器や雑貨、衣料を輸出。関連分野に中国人が一大流通網を築いている。その勢いに韓国系２世で電子機器の会社を経営するレオ・パクさんも舌を巻く。「衣料、食品、不動産……。韓国系の会社を中国系が買いあさっている。アラブ人の商売も標的のようだ」
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教えられるまま旧市街の問屋街に足を運んで驚いた。アラブ系とユダヤ系の商人が共存する街として知られたが、今や通りは中国人ばかり。「まけてよ」「ノン。もう十分安い」。未熟なポルトガル語で、たくましくブラジル人の買い手と交渉している。
見ていて池崎氏が語ってくれた話と重なった。リベルダージの旗艦店がにぎわう「池崎商会」は今年で50周年。同氏もイタリア系移民から店を買って未知の化粧品分野で事業を広げたのだ。
世界から人が集まる「移民共和国」ブラジル。街の彩りは国々の浮沈とともに移民たちの情熱の軌跡を映し出す。
（米州総局編集委員西村博之）
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