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あるぜんちな丸の基本設計に携われた辛島光二さんよりの寄稿。
私達が乗って来たあるぜんちな丸の基本設計に携わられた辛島光二さん(神戸市在住)からお便りを頂きました。辛島さん宛に下記の御礼の手紙をだしました。写真は、適当なものが送られてくるまでサントスの海洋博物館に展示されているあるぜんちな丸の写真を掲載しました。
辛島 光二 様
お忙しい中、ある丸に付いての原稿を書いて頂いており感謝します。第一報を受け取り非常に喜んでおります。震災で殆どの資料を全焼してしまっているとの事、それだけに資料の羅列でなく基本設計に直接参加された辛島さんの頭と心に残っている個人選択によるお話を今後何回かに分けて書き残して頂けるとの事、楽しみにしておりますので宜しくお願いします。
早速この第1回目を『私たちの40年!!』HPに掲載させて頂きますが、辛島さんのお気に入りの写真数葉をお借りできませんか。出来れば最近の辛島さんのお写真 (ご自宅の周りを散歩しておられるもの等)とやはりある丸関係の写真があれば是非お願いしたいと思います。
急ぎませんが、今後とも続けて書き残してください。宜しくお願いします。


和田 好司様
はじめまして。 ある丸(私たちは、“あるぜんちな丸”を“ある丸”と呼んでいました。)の基本設計を担当させて頂いた者です。神戸じいじ(香西くん)から電話がかかってきて、ある丸の設計について何かとのことだったのですが、個人的には阪神淡路大震災により全焼し、すべてを失い何も残っていないので年寄りの記憶は当てにならないとは思いますが、記憶のみを頼りに40年以上昔のことを思い出して見たいと思います。
なお、あるぜんちな丸の紹介記事として雑誌などに掲載されたものは、次の3件です。
著者            題名              掲載誌
甲斐 敬二(三菱神戸) 移民船“あるぜんちな丸”について 関西造船協会誌第90号(平成33年7月)
新三菱神戸造船所    貨客船「あるぜんちな丸」船の科学 Vol.11(1958、9月)
西村 俊明       南米航路移住船「あるぜんちな丸」 LAMER 115号(1995 11/12)

上記の中で1番目と2番目は内容的に殆ど同じです。いずれも私が書いたと思います。一番目の著者名は当時の課長(後に三菱重工副社長)です。 いずれの記事も探して見ます。
このような船の設計には百人を超える人が関係して初めて一隻の舟の設計が出来上がりますが、私が担当した基本設計(初期設計とも言います)とはその最初の段階で設計する人にどんな船を建造するかを示すものを作って示すことが担当の業務です。 具体的には、船の寸法を決めること、船の一般配置図を作成すること、及び基本的な仕様を決めることが基本設計の仕事となります。
私が新三菱重工株式会社(現在の三菱重工業株式会社)に入社したのは、昭和29年の4月です。 本船の完成が昭和33年の5月か6月で当時はこのような船の設計に着手するのはその約2年前にこのような複雑な船の設計が入社2年目の私に来るはずも無く、私の入社以来ご指導してくださった上司の小野政雄氏が担当ということで設計が始まったのですが、設計が始まって間もなく小野氏が過労のためか病に倒れられたため、新米の私が引続き基本設計を纏めなければならない羽目に陥ってしまいました。
幸い船主の大阪商船株式会社の工務監督をはじめとして関係者のご援助により無事責務を完遂できたものと深く感謝しております。
本船の設計中には色々なことがありましたが之を書くとながくなりますので今回を第1回とし、何回かに分けてご報告させていただきたいと思いますので宜しくお願い申し上げます。
追伸 “私たちの40年!!” 及び”長谷川先生の写真帳〈3〉“のあるぜんちな丸の写真は進水時の写真ではなく、本船完成後神戸港で行ったレセプションの時に撮影されたものと見受けられます。 左舷側のホースパイプから水が落ちていますが、之は泥に埋まっていた錨鎖を洗浄していることを示しており、進水時には、この水を出すことはできませんので、船の完成したことを示しています。 また、この写真では、外板の塗装が完成しているように見えますので、船の完成後の写真であることに間違いありません。長谷川先生は大阪大学の先生でしたので、神戸港で写した物に間違いないようです。

〒  652-0045
神戸市兵庫区松本通5丁目3-18
辛島 光二
Tel/Fax  078-511-9667
MailAdress karashima@k4.dion.ne.jp




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