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『同船者の皆さんへ 40年目のビデオ・レター』
今回、同船者の有志の方からの貴重な献金を受けた事から、40年振りの同船者会開催実行基金(仮称)を設ける事になりました。この基金の範囲内で何が出来るか、浄財を無駄にせず何らかの形で後世に残せる物をとの願いからコロニアの著名な記録映像作家の岡村淳さんの協力を得て『同船者の皆さんへ 40年目のビデオ・レター』(仮題)を制作する事になりました。
同船者の皆さんと関係情報、資料等を共有して戴く意味で岡村 淳さんから戴いたビデオ制作企画書の全文を下記して置きます。積極的、且建設的なご意見等がありましたら是非お聞かせください。添付写真は岡村 淳さんがポルトアレグレに取材に来られた時にと撮ったものです。



あるぜんちな丸第12次航
『同船者の皆さんへ
40年目のビデオ・レター』(仮題) 

ビデオ制作企画書


2002年1月23日
記録映像作家・在サンパウロ
岡村 淳

<はじめに>
2002年1月、あるぜんちな丸第12次航40年誌刊行委員代表の和田好司さん(在ポルトアレグレ)の要請を受け和田さんと共にベレンを始めとする北伯を1週間にわたってまわり、あるぜんちな丸の同船者の皆さんを訪ねました。
訪問した同船者の方々の反応はさまざまでした。遠方からの同船者の来訪を歓迎して当時の資料を探して下さり、飽くことなく思い出を語る人もいました。いっぽう「何も話すことはない。帰ってくれ」と門前払いをする人もいました。それぞれの人生の重さを痛感せざるをえませんでした。
今回、私の発案で取材を受け入れてくださった方からは、本年5月のサンパウロでの集いに参加する同船者の皆さんへの自由なメッセージをビデオ・レターという形で撮影させていただき、それぞれの方々のナマの姿と肉声、思いをビデオに収めることができました。地元の同船者の方々の尽力により40年前にベレンで下船された31名のうち、今回14名の方々の近況とビデオ・レターを撮影することができました。
14名のメッセージはいずれもかけがえのないないものばかりで、同じ移住者ではあっても同船者でない撮影者の私の胸を打ってやみませんでした。
今回、物故者となった同船者の写真も遺族の方々のご好意で撮影させていただきました。入植早々、10台の若さにして亡くなった少女の写真をレンズを通して見つめていた時です。彼女の生前の輝きといのちの尊厳に私は圧倒されました。いま命のある方々のことはもちろん、志半ばにして、あるいは不本意、失意のうちに世を去った方々の思いをも同船者の皆さんにビデオを通してお伝えしたいと願った次第です。
そんな体験をもとに、予算と時間と私の能力の範囲内で、ビデオを使ってどんなことが実現可能か、まとめてみました。
<「ビデオ・レター」企画のねらい>
本年5月に同船者の集いがサンパウロで行われる予定ですが、遠隔地の方々は経済的・時間的あるいは健康上の事情などで参加がむずかしいことと察せられます。
又同じ船で南米に渡ったとはいえ、ブラジル国内でもアマゾンとサンパウロでは3千キロの距離があり、さらにボリビア、パラグアイ、アルゼンチンと別の国に移住した場合、特別の事情がなければその後の交流もなく、横のつながりも同船者意識もかえりみられなかったのが実情と思われます。
南米各地におよび、帰国した方々も含めて祖国日本をも結ぶ同船者の壮大な地理的な広がりを映像と音声でお互いの存在を確認し合いながら再認識して、さらにお互いのメッセージへの共感をもとに新たな同船者意識を構築して今後の人生の糧としていただくことを願っています。
私の制作する「ビデオ・レター」は情報を伝えて記録として残すだけにとどまらず、生きていること、生きてきたことの感動を共有するドキュメンタリーにしたいと考えています。その感動は同船者のみならず、皆さんの家族そして日系人全体、ひいては移住とは縁のなかった在日日本人たちとも共有し得るもので、後世への映像遺産になり得るものと信じています。
そしてあくまでも一時的な訪問者であるNHKなどのマスコミやJICAといった「お上」に頼らず、移住者自身が移住者自身の手によって主体的に映像記録を制作するという画期的なあり方に、これまでの移民を題材としたテレビ番組等と異なる可能性と移住者の心意気を刻み込みたいと願っています。
<「ビデオ・レター」企画の形式>
今回のビデオ作品は、それぞれの方が同船者に向けて自由な形式でメッセージを伝えるビデオ・レターをメインとしながら、現在の生活地の情景と背景、そしてそれぞれの方の生活ぶりや近況を紹介するドキュメンタリーの形式とします。
今回の「40年誌」刊行委員の代表であり、遠隔地の同船者を手弁当で訪ね歩こうとする和田好司さんをいわばリポーターとして和田さんの旅に岡村のビデオ・カメラが同行するスタイルをとります。そして和田さんの同船者を訪ねる旅そのものを映像を通して同船者の皆さんで共有することをはかります。
<「ビデオ・レター」企画の公開方法>
本年5月に予定されている集いの会場において、ビデオプロジェクターと大型スクリーンを用いて上映します。
また完成テープ(マスター・テープ)を業者に依頼してVHSテープにダビングして取材関係者に送付したり、希望者に販売することも別途に可能です。
<第一次「ビデオ・レター」企画の題材と完成形式>
今回は5月の集いでの上映をめざし、予算と時間及び岡村の能力を考慮し、以下の3地域にスポットを当てることを提案します。今後、継続して今回取り上げなかった地域や人たちの取材が行われる可能性を考慮して、今回の企画を第一次プロジェクトと称することにします。第一次では集いの地であるサンパウロから最も遠隔地にあるアマゾン、次にボリビア、そして日本に帰国した同船者たちを取材する事として、それぞれの地域ごとに作品としてまとめます。以下に上げる作品のうち、@のアマゾン編は、Bの日本編取材のための訪日を機会に日本でスタジオ編集を行って日本語字幕やナレーションなどをほどこし、より完成度の高いものとすることを希望します。この作品をもって、プロの手と施設である程度の期間とコストを費やせば、このレベルまでのビデオ作品の制作が可能である事を示すサンプル作品として今後のプロジェクトのための参考とします。
@ アマゾン編
* 取材期間:本取材1月9日―15日(7日間、取材済み)。補足取材としてポルトアレグレにおける和田さんの活動と紹介(移動を含めて2日間)、およびリオ州フンシャール移住地にて保存されていた船内新聞等(移動を含めて2日間程度)を撮影予定。
* 編集期間:オフライン編集(仮編集)約4週間(サンパウロにて)。スタジオ編集 約2日間(日本にて)
* 仕上げ様式:1月の北伯取材分に、アマゾン移住70周年式典など、これまでに岡村が撮影した映像素材も用い、約30−40分程度の作品の完成をめざします。日本でのスタジオ編集作業を行って、整音・日本語字幕・日本語ナレーション(岡村によるナレーションを想定)等をほどこす完成版を制作します。
A ボリビア編
* 取材期間:2月20日−25日(約6日間、和田氏の予約済み旅行に同行)。サンタクルスならびにサンファン移住地、およびラパス、コチャバンバにいる同船者訪問予定。
* 編集期間:オフライン編集 約2週間。
* 仕上げ様式:今回は仮編集版(整音・字幕・ナレーション等なし)までの制作として仮編集版のビデオを上映して、岡村がその場で活弁スタイルの短い解説を行います。約20分―30分程度の長さの仕上げとします。
B 日本編
* 取材期間:4月15日―21日前後の約7−10間(和田氏の予定する訪日に同行)。日本に帰国した同船者のうち、コンタクトのとれた方々を期間内で訪問。
* 編集期間及び仕上げ様式:Aのボリビア編と同様とします。
<取材方法について>
ビデオ取材及び仮編集はスタッフとして岡村ひとりが行い、ビデオ機材一式ならびに編集機材一式は岡村所有のものを使用するものとします。
<撮影テープと著作権に付いて>
撮影用及び編集用デジタルビデオテープ(60分テープで日本の定価は1本約8ドル。ブラジルで購入の場合1本約25ドル。アマゾン編の撮影のみで9本使用)は岡村の負担及び所有とします。岡村は全撮影テープのVHSコピーテープ(LP録画)を刊行委員会に提供することとします。
オリジナル撮影テープの著作権は岡村に属し、完成版および仮編集版の著作権は岡村と刊行委員会の共有とします。<所要経費について>
岡村使用の航空運賃・自宅と空港往復の交通費及び日本での交通費ならびにスタジオ経費およびダビング経費・通信連絡費などの諸経費は制作基金(仮称)を使用するものとします。
和田氏の旅行の全経費および和田氏と同行する場合の岡村の地上交通費(日本のジャパンレールパスを除く)・食費。宿泊費(日本では同室を原則とする)は和田氏の負担とします(これは和田氏の提案にもとづきます)。
<制作基金使用希望予算>(USドルに換算して計上*航空運賃はUNITOUR社調べ)
@ アマゾン取材分
*航空運賃(岡村使用分。サンパウローベレン往復) 588.30ドル(1459レアイス支払済み。1ドル=R$2,48換算)
 *市内交通費(岡村自宅―グァルーリョス空港往復。タクシーとリムジンバス使用。26,20ドル(65レアイス岡村立替)
(ポルトアレグレ取材分)
 *航空運賃(岡村、サンパウロ-ポルトアレグレ往復。TAM-Kクラス使用として) 330.42ドル
 *市内交通費(岡村自宅-コンゴニアス空港往復、タクシ-使用)15ドル。
(フンシャール移住地取材分)
 *航空運賃(岡村、サンパウロ-リオ往復、ポンチアエレア使用) 230ドル
 *市内交通費(岡村自宅-コンゴニアス空港往復) 15ドル
               小計 1204.93ドル
A ボリビア取材分
* 航空運賃(岡村使用分。サンパウローラパスーサンクルスーサンパウロ) 625ドル
* 市内交通費(岡村自宅―グァルーリョス空港往復)27ドル
* 雑費(通信連絡費等:現地協力者あて参考ビデオテープ送りなど) 20ドル
              小計 672.00ドル
日本取材分
 *航空運賃(岡村使用分。サンパウロー成田往復。VARIG使用として)           1640ドル
* ブラジル国内交通費(岡村自宅―グァルリョス空港往復。タクシー使用。75レアイスx2として)60.48ドル
* 日本国内交通費@(成田―岡村の東京の実家往復。リムジンとタクシ併用。5000x2として) 75.76ドル
* 日本国内交通費A(ジャパンレイルパス普通券2週間分)                347ドル
* 雑費(通信連絡費、和田氏と合流までの私鉄交通費など)                200ドル
              小計  2323.24ドル
C 日本でのスタジオ編集諸経費
*スタジオ使用費(ビデオ編集および録音作業、作業素材費)               1200.00ドル
*VHSテープ、ダビング経費(アマゾン編の約50本のコピー制作として)          240ドル
*予備費(通信連絡費、荷物発送費等)  200ドル
              小計  1640.00ドル
              合計  5840.17ドル

備考1)ポルトアレグレおよびリオへの移動は長距離バス使用も可能ですが、取材地での体力温存と編集期間を1日でも多く保持する事を考慮して飛行機利用で計上しました。
備考2)日本でのスタジオ編集は東京で行うものとして、岡村は東京の実家を拠点に作業に当たる計画です。(滞在費は発生しません)
備考3)合計3週間以上にわたる取材期間、および合計8週間の編集期間、総計11週間以上となる岡村の人件費および機材使用費は計上していません。
                 (以上)



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