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沢田 啓明さんのサッカーコラム復活!!
毎週、スポーツ報知に掲載しておられたサッカーコラムが7月末で打ち切られサッカーフアンには寂しい思いをしておりましたが今回沢田さんが書いておられるブラジル・サイトから許可を頂いて月に2度のペースで華麗な沢田さんのサッカー談義、コメントを掲載させて頂く事になりました。沢田さんとブラジル・サイトに感謝します。
沢田さんから次のコメントと共に12月8日掲載文を送って頂きました。今後継続して掲載させて頂きます。
写真は、クルゼイロのHPよりお借りしたブラジルチャンピオンのPRです。

サッカーの記事を、ということですが、「ブラジル・サイト」というブラジルを紹介する日本語HPに今年の初めから毎月2回ほどの割合でサッカーコラムを書いており、このほど、「記事の下に『提供:「ブラジル・サイトwww.brazil.ne.jp 』と明記してもらえるのであれば」という条件で、貴HPへの転載を承諾してもらいました。">vhttp://www.brazil.ne.jp 』と明記してもらえるのであれば」という条件で、貴HPへの転載を承諾してもらいました。
ついては、とりあえず、最新のコラム(12月8日掲載)をお送りします。
ご希望であれば、今後も更新の度にコラムをお送りします。


<パルメイラスの2部優勝とコリンチアーノの憎まれ口>

 昨年は、コリンチャンスがコッパ・ド・ブラジル(ブラジル・カップ)で優勝し、サントスがブラジル全国選手権を制覇して、サンパウロのクラブがブラジル国内のタイトルを独占した。ところが、今年はコッパ・ド・ブラジルもブラジル全国選手権も、クルゼイロにさらわれてしまった。

 ただし、今シーズンのクルゼイロは、一言でいうと「あまりブラジルらしくないチーム」だった。ゲームメーカーのアレックスはドリブルがうまくてスルーパスが出せてミドルシュートも打てるという素晴らしい選手なのだが、このアレックスを除くと、飛び抜けたタレントがいない。忠実なプレッシングで相手ボールを奪い、アレックスが巧みにボールを散らして得点を狙う効率的なサッカーを実践したのだが、ブラジルらしい「過剰なテクニック」を見せつけて勝つチームではなかった。
今年、最もブラジルらしいサッカーを見せてくれたのはサントスだ。18歳のMFジエゴ、19歳のFWロビーニョの華麗で意表を突くプレーは、見ていて実に楽しかった。しかし、肝心な試合でミスを犯すことが多く、リベルタドーレス杯(南米クラブ一を争う大会)でもブラジル全国選手権でも準優勝にとどまった。

 サントス以外のサンパウロ勢では、サンパウロFCもまずまずだった。シーズン中にゲームメーカーのカカをミランに売ったにもかかわらず、弱点だった守備を強化することで戦力低下を最小限に食い止めた。ブラジル全国選手権で3位に入り、来年のリベルタドーレス杯出場権を獲得したのは上出来だった。

 ふがいなかったのは、コリンチャンスだ。シーズン中に主力選手数人をヨーロッパのクラブに売ったのが響いて失速し、ブラジル全国選手権では早々と優勝争いから脱落した。コリンチアーノ(コリンチャンス・ファン)は勝っても負けてもチームを熱烈に応援することで有名だが、さすがに終盤戦はスタンドに空席が目立った。

 一方、昨年のブラジル全国選手権で26チーム中24位という惨憺たる成績で2部に陥落したパルメイラスは、若手の活躍で2部を制し、1部復帰を果たした。終盤戦はスタンドがいつも超満員で、パルメイレンセ(パルメイラス・ファン)は「強いパルメイラス」の復活に大喜びだった。

 コリンチアーノにとっては、これが実に面白くない。「たかが2部で優勝したくらいで、いつまで喜んでいやがるんだ。今年1年間、2部で臭い飯を食ってきたのを忘れたのか」、「まさか、ユニフォームに記念の星印でも付けるつもりじゃあないだろうな(ブラジルでは、重要なタイトルを取るとユニフォームのクラブのエンブレムの下に星印を付ける習慣がある)」などと憎まれ口を叩いている。

 サンパウロにはコリンチャンス、パルメイラス、サンパウロFC、サントスの4大クラブがあるのだが、最大のダービーマッチはコリンチャンス対パルメイラスだ。しかし、今年はパルメイラスが2部にいたせいで、州選手権以外ではこのカードがなかった。
ブラジルでは、同じ街の強豪クラブが激突するダービーマッチが一番盛り上がる。来年のコリンチャンス対パルメイラスの試合が、今から楽しみだ。
(提供:「ブラジル・サイトwww.brazil.ne.jp )">vhttp://www.brazil.ne.jp )

<ブラジルと日本の差は、「技術」の差>12月22日ブラジル・サイトに掲載されたサッカーコラムの転載です。

 UAE(アラブ首長国連邦)で行なわれていた世界ユース選手権(20歳以下の世界大会)の決勝で、ブラジルがスペインを破って通算4回目の優勝を遂げた。グループリーグでは1勝1分1敗と不安定な戦いぶりだったが、準々決勝の日本戦に5対1と大勝して波に乗り、準決勝で宿敵アルゼンチンに快勝。決勝戦はあまりよい出来ではなかったが、終了間際に決勝点をあげた。
 ブラジルは、今年8月にフィンランドで行なわれた世界ジュニアユース選手権(17歳以下の世界大会)でも優勝しており、昨年のワールドカップ以来、FIFA(国際サッカー連盟)が主催する年齢別の3大会で立て続けに優勝していることになる。
 ワールドカップで過去17回のうち5回優勝し、世界ユースが14回で4回の優勝。そして、世界ジュニアユースが10回の開催で3回の優勝だ。ブラジルばかりが勝っている。

 ブラジルが強い理由は、はっきりしている。とにかく、選手一人一人の技術が高い。きちんとボールを止めることができるし、狙ったところにボールを蹴れる。ドリブルで相手を抜けるし、相手になかなかボールを取られない。もちろん、身体能力だって高いし、戦術的にも洗練されているのだが、何と言ってもブラジルサッカーの最大の強みは技術の高さにある。
 準々決勝の日本戦が良い例だ。開始直後にゴール前でFKを得ると、これをダニエル・カルバーリョが強烈なカーブをかけてねじ込んだ。その後も、右サイドでアドリアーノ、左サイドでダニエル・カルバーリョが日本選手を抜きまくり、一方的に攻め立てて前半14分までに3得点。早々と試合を決めてしまった。ブラジルが途中から力をセーブしたから5点ですんだが、もし最初の勢いで攻め続けていたら、日本は何点取られていたかわからない。
 試合後、日本のGK川島が悔し泣きをしていた。これを見て、97年にマレーシアで行なわれた世界ユース選手権でブラジルが韓国から10点取って勝った試合で、韓国選手が試合中に泣いていたのを思い出した。試合をしていて、相手選手を泣かせてしまう。ブラジルサッカーは、それくらい強い。
 
 さらに言うと、今回の世界ユース選手権に出場したブラジルはベストチームではなかったし、万全の準備をしたわけでもない。現在、ブラジルの20歳以下で最高の選手はサントスの18歳のMFジエゴと19才のFWロビーニョなのだが、二人ともすでにフル代表やU−23代表に選ばれているため、クラブからの要請で召集を見送られた。また、パルメイラスのFWバグネール・ラブとMFジエゴ・ソウザの19歳コンビも本来なら召集されるはずだったのだが、クラブの試合を優先したためにメンバーから外れた。大会への準備にしても、南米大会に出て出場権を獲得した後は、大会の直前に国内で一週間ほど合宿を張っただけ。それでも勝ってしまうのだから、すごい。

 近年、日本のスポーツ総合誌やサッカー専門誌で「日本選手は技術が高い」という記事を頻繁に見かける。確かに、昔に比べると日本選手は格段にうまくなった。しかし、世界のトップクラスと比べたら、まだまだ。システムがどうの、戦術がどうのという前に、もっともっと技術を高める必要がある。そうでないと、いつまでたっても世界では通用しないだろう。
( 提供:「ブラジル・サイトwww.brazil.ne.jp )">vhttp://www.brazil.ne.jp ) 

<激烈な競争を経てプロになるブラジルの若手選手たち> 1月6日付けコラムより

 ブラジルのサッカーシーズンは1月半ばから12月半ばまでであり、年末年始のこの時期には試合がない。僕は一週間以上サッカーの試合を見ないと体の具合が悪くなることがあるくらいのサッカー中毒なので、試合がないこの時期は少々つらい。昔の試合のビデオを見返したりして我慢しながら、新しいシーズンの到来を今や遅しと待っているところだ。

 それでも、プロの大会ではないが、「コッパ・サンパウロ・ジュニオールス」(サンパウロ・ユース・カップ)が1月4日から始まった。これはサンパウロ市が1月25日の市制記念日に合わせて主催するユースレベルの全国大会で、プロの登竜門という位置付けをされている。過去にリベリーノ、ファルカン
といったブラジルサッカーを代表する名選手も参加しており、一昨年の大会ではサントスのMFジエゴとFWロビーニョ(出場した当時の年齢が、それぞれ16歳と17歳。現在は18歳と19歳だが、今では二人ともユース代表を飛び越えてU−23代表やフル代表に選ばれている)が活躍した。昨年の大会に
出場したパルメイラスのFWバグネール・ラブとMFジエゴ・ソウザ(いずれも出場した当時が18歳で、現在19歳)は、この大会での活躍が認められてその後トップチームに上がり、昨年のシーズン途中にレギュラーポジションを獲得して現在ではチームの主力選手だ。このように、この大会で目立った活躍
をした選手がプロ契約を勝ち得てトップチームに引き上げられたり、あるいは他のクラブからスカウトされてプロになることが多い。

今年は、ブラジル各地から80チームが参加している。まず4チームずつに20組に分かれて総当たりで戦い、各グループの首位チームだけが勝ち残って、以後はノックアウト方式で勝ち上がってゆく。決勝戦は、1月25日にサンパウロのパカエンブー・スタジアムで行なわれるのが恒例となっている。

大会に参加する選手たちは、たいてい12、3歳くらいからプロクラブの下部組織に入り、プロコーチの指導を受け、厳しい練習を積んでユースまでステップアップしてきた精鋭ばかりだ。それでも、ここからプロになるまでにはまた大変な競争がある。選手たちは、あと一歩というところまで近づいてきたプロ選手の座を目指して必死にプレーするから、大会のレベルは非常に高い。以前、この大会にヴェルディ川崎と名古屋グランパスのユースが参加したことがあるが、いずれもグループリーグを突破することはできなかった。日本選手は、技術、身体能力、精神力のすべてにおいて、ブラジル選手とは大きな差があった。

 ブラジルには、広い全土に800を超えるプロのクラブがあり、どんな田舎に生まれても優秀な選手であれば必ずプロクラブの関係者に見出されるシステムができあがっている。そして、プロの下部組織に入ってからも激烈な競争があり、この競争に勝ち抜いた者だけがプロになることができる。さらに、晴れてプロ選手となってからも、試合に出るための厳しい競争が現役である限り続いてゆく。

 クラブにおける選手の育成、厳しい競争、そして選手たちのハングリー精神。これが、ブラジルで次から次へと優秀な選手が現われる秘密と言ってよいだろう。
( 提供:「ブラジル・サイトwww.brazil.ne.jp )">vhttp://www.brazil.ne.jp ) 

<サッカーの恐ろしさ、マザマザ――ブラジルがアテネ五輪南米予選で敗退>1月27日付けブラジルサイト

 これだから、サッカーは怖い。アテネ五輪での優勝を目指していたブラジルが、南米予選であえなく敗退した。グループリーグを勝ち抜いた4カ国の総当たりで行なわれた最終予選で、ブラジルはチリには勝ったもののアルゼンチンとパラグアイに敗れて1勝2敗に終わり、2勝1分けのアルゼンチン、2勝1敗のパラグアイに次ぐ3位に終わった。この結果、アルゼンチンとパラグアイが南米を代表してアテネ五輪に出場することになり、ブラジルは1992年以来3大会ぶりに五輪出場を逃したのである。
 それにしても、どうしてブラジルが予選で敗退したのか。これを説明するのは、なかなか難しい。
 今回の五輪予選代表にはMFジエゴ、FWロビーニョという傑出したタレントがおり、12月の世界ユース選手権の優勝メンバーであるFWダニエル・カルバーリョ、ボランチのドゥドゥ・セアレンセらの優秀な若手も加わっていた。MFカカとFWアドリアーノをクラブの供出拒否のために召集できなかったのは痛かったが、それでも南米予選を突破するには十分な戦力を備えたチームだったはずだ。事実、アルゼンチンとの試合でも決定機の数はブラジルの方が多かったのだが、惜しくも得点をあげることができず、逆に、セットプレーから失点して0対1で敗れた。この敗戦が痛かったが、それでも地元チリに3対1で快勝し、パラグアイとの最終戦で引き分けさえすれば2位以内を確定してアテネ五輪出場権を獲得できるという有利な状況にあった。しかし、パラグアイ戦の前半、ブラジルは中盤の守備の甘さからパラグアイに押し込まれる時間が続き、右からのクロスをフリーでヘディングされて失点を喫する。後半、ブラジルはFWを次々に投入して一方的に攻め立てたが、わずか1点が取れなかった。
 ブラジルのメディアは、リカルド・ゴメス監督のチーム作りと采配を非難し、ジエゴ、ロビーニョの主力二人が期待外れの出来に終わったことを批判している。また、チームが苦しいときに選手たちを叱咤激励するリーダーがいなかったことを指摘する声もある。ブラジルは、選手の技術、身体能力、戦術ではなく精神面に問題があったと言うべきだろう。
 ただ、ブラジルを批判するだけでなく、パラグアイの健闘も称えるべきではないか。パラグアイに限らず、南米各国はブラジル、アルゼンチンといったサッカー大国といつも戦っており、こういった「大国」との戦い方を熟知している。後半、パラグアイは11人全員が自陣に戻り、徹頭徹尾、守り倒した。もともと守備が強い国にここまで徹底して守られると、いかにブラジルといえどもそうそうチャンスを作れるものではない。それでもダニエル・カルバーリョやダゴベルトらがドリブルで切り崩して後半だけでも4回の決定機を作ったのだが、惜しいシュートがことごとく外れてしまった。負けるときは、こんなものだろう。
 サッカーでは、強い方が必ず勝つとは限らない。不器用な足で丸いボールを扱うのだから、ハプニングが起こるのは仕方がない。サッカーというスポーツにつきものの不条理。それでも、長い目で見れば強いチームが勝つ確率が高いのがせめてもの慰めではあるのだが…。
(提供 : 「ブラジルサイト」  www.brazil.ne.jp/ )">http://www.brazil.ne.jp/ )

<ブラジルサッカーの強さの秘密(の一端)は、州選手権にあり>2月6日付けブラジルサイトより

 日本より一足先に、ブラジルのサッカーシーズンが開幕した。
 今年は、1月下旬から4月中旬までブラジルの全27州(正確に言えば、26州とブラジリア連邦直轄区)で州選手権が行なわれ、これと平行して2月初めから6月下旬までリベルタドーレス杯(南米クラブ一を争う大会で、今年、ブラジルからはクルゼイロ、サントス、サンパウロ、サンカエターノ、コリチーバの5チームが出場する)とコッパ・ド・ブラジル(ブラジル・カップ。今年は64チームが参加し、ホーム&アウェーで対戦しながら勝ち上がってゆく)が行なわれる。そして、4月下旬から12月中旬までは国内クラブ王者の座を争うブラジル全国選手権が開催される。また、ブラジル代表は3月末から11月中旬までに2006年ワールドカップ南米予選7試合を戦うほか、7月にはペルーで行なわれるコッパ・アメリカ(南米選手権)に参加する。
 プロサッカーで州選手権を行なっているのは、おそらく世界でもブラジルだけだろう。ブラジルには約800という膨大な数のプロクラブがあって2万人という膨大な数のプロ選手がおり(このうち、約2千人が外国でプレーしている)、だからこそ、プロの州選手権を行なうことが可能となる(これは、日本で言えば各県でプロリーグを行なうようなものだ)。そして、州選手権も少なくとも2部まであり、人口が最も多いサンパウロ州では5部まである。
 州選手権は、中小のクラブの選手にとっては自分をアピールする絶好の場であり、ビッグクラブにとってもいろいろな選手をテストする格好の機会となるから、毎年、州選手権の舞台から新しいタレントやスターが大勢出現する。常々僕は、ブラジルサッカーの強さと無尽蔵とも思える選手層の厚さの秘密の一端は、この州選手権にあると思っている。
 2月1日、サンパウロのモルンビー・スタジアムでパルメイラス対サントスの試合を観戦した。サンパウロ州選手権の今年最初のクラシコ(ダービーマッチ)である。
 パルメイラスは昨年のブラジル全国選手権2部のチャンピオンで、2部の試合で鍛えられた将来性豊かな若手が目白押しだ。一方のサントスは昨年のブラジル全国選手権(1部)で準優勝し、リベルタドーレス杯でも準優勝した南米でもトップクラスのチームで、A代表3人、元A代表1人、U−23代表3人を擁する。
 本来なら、選手個々の力でもチームとしての成熟度でもサントスが上のはずだが、サントスはジエゴらアテネ五輪南米予選から帰ってきたばかりのU−23代表の選手たちの動きが重い。これに対し、パルメイラスは若手選手がサントスのディフェンスラインの裏側に走り込んで決定的なチャンスを何度も作り、前半に2点をリードした。しかし後半、サントスもロビーニョらのスターが意地を見せて2点を取り返し、結局、試合は2対2の引き
分けに終わった。
 シーズン初めなので両チームともまだ調整不足かもしれないと思っていたのだが、案に相違して、非常にスリリングで面白い試合だった。今シーズンも、面白い試合がたくさん見られそうだ。
(提供 : 「ブラジルサイト」  www.brazil.ne.jp/ )">http://www.brazil.ne.jp/ )

<日本選手とブラジル選手の技術に差について考える>2月16日掲載分

 昨シーズンJ2で優勝して今シーズンはJ1の舞台で戦うアルビレックス新潟が、1月末からブラジルでプレシーズン・キャンプを張っている。最初の2週間はブラジル南部のパラナ州クリチーバでフィジカル中心の練習を積み、2月11日からサンパウロ郊外に拠点を移してほぼ1日おきにサンパウロ州のクラブと練習試合を行ないながら
本格的なチーム作りを行なう計画だ。
 その新潟の練習試合を、2試合、観戦した。2月12日のイトゥアーノ(サンパウロ州リーグ1部)戦が0対1で、14日のパルメイラス戦が0対3。2試合とも中盤を完全に支配されて守備に追われ、ほとんど攻撃の形すら作れないという、点差以上の完敗だった。
 新潟は、ちょうどこれまでの練習の疲れがたまっているところ。一方、ブラジルのチームは1月末にシーズンに入っていて体調はほぼ万全だから、試合に負けたこと自体は問題ではない。それでも、試合を見ていてつくづく考えさせられたことがある。それは、「日本選手とブラジル選手とでは、どうしてこれほど技術が違うのか」。
 身体能力もちがうし、戦術的な動きの点でもかなりの差がある。しかし、身体能力がどうの、戦術がこうのと言う前に、ボールを止める、蹴る、ドリブルする、といった基本技術のレベルがまるでちがう。本当に、悲しくなるくらいの差がある。もちろん、新潟はJリーグのトップクラスのチームではないが、新潟の選手に限らず日本の選手全般についても、おそらく同じことが言えるだろう。
 ブラジルのプロ選手に話を聞くと、たいてい、5、6歳くらいから近所の路上や広場でボールを蹴り始めている。学校から帰ってくると、終日、近所の子供たちとミニゲームをして遊ぶ。そして、10歳頃に地元のアマチュアのクラブに入り、13歳前後にプロクラブのテストを受けて入団し、プロコーチの指導を受けるようになる。まだアマチュアではあるが、この時点から、サッカーが彼らにとっての「仕事」となる。ただし、「仕事」がサッカーなら「趣味」もサッカーだ。クラブの練習が終わってからも、友人とミニゲームに興じる。プロになってからも、この習慣は変わらない。ついでに言うと、現役を引退しからも、友人と草サッカーをする。つまり、彼らの人生はいつもボールと共にある。
 このような「サッカー漬け」とも言うべき生活環境に加えて、激烈な競争がある。
 ブラジルにはプロのクラブが800以上あり、プロのサッカー選手が2万人ほどいる(このうち、おそらく、Jリーグでプレーできるレベルの選手が数千人、日本代表のレベルを超えている選手が数百人はいるだろう)。選手たちは、できるだけ大きなクラブと契約すること、試合に出場して活躍することを目指して、しのぎを削る。その厳しさは、Jリーグの比ではない。この競争の中から、強くてうまい選手が続々と現われてくる。
 日本選手とブラジル選手の技術の差は、まだまだ大きい。日本人がもっともっとサッカーを好きになって、もっともっと長い時間、ボールを蹴らない限り、なかなかこの差は埋まらないだろう。

<リオのサッカーに復活の兆し>    「ブラジルサイト」2月26日付けコラム
 今年のカーニバル初日の2月21日、リオ州選手権前期決勝戦のフラメンゴ対フルミネンセの試合を見てきた。フラメンゴはリオ最大の人気クラブで、フルミネンセは1902年に設立されたリオ最古のクラブだ。マラカナン・スタジアムは7万人近い大観衆で埋まり、試合の始まる1時間以上も前から両チームのファンがうるさいくらいの応援合戦を繰り広げた。
 試合前の下馬評では、ロマリオ、エジムンの「悪童コンビ」にMFロジェール、ラモン(前東京ヴェルディ)らのスターを揃えたフルミネンセが有利とされていた。しかし、フラメンゴは今シーズン絶好調のMFのフェリペが若くてスピードがあるFWを操って多くの決定機を作り出し、3対2で快勝した。
 試合後は、フラメンギスタ(フラメンゴ・ファン)が車のクラクションを鳴らして街を走り回り、リオはカーニバルの開始と相まって一晩中騒然としていた。
 リオは、長いことブラジルサッカーの一大中心地だった。ブラジルサッカー協会の本部はリオに置かれ、1950年に行なわれたブラジル・ワールドカップのメイン会場もマラカナン・スタジアム。ガリンシャ、ジーコ、ニウトン・サントスといった名手を輩出し、フラメンゴをはじめとするリオのクラブは国内トップクラスの実力を備えていた。
 その後、リオは経済力でサンパウロに追い抜かれ、サッカーでもサンパウロをはじめとする他州に追いつき、追い越されてしまった。そして、近年、リオのクラブの財政状態は悪化の一途をたどり、ビッグクラブですら給料の遅配が相次いだ。このため、有力選手の多くが他州や外国に流出し、戦力が著しく低下。全国レベルの大会で、リオのチームは優勝争いにすら加われず、中位から下位に沈むのが恒例となった。こうなると、ファンは怒ってスタジアムに足を運ばなくなる。昨年の後半などはビッグクラブどうしの対戦でも1万人前後しか観客が集まらないという惨状だった。
 マラカナン・スタジアムは今でこそ安全上の理由などから収容人員が12万人程度に減っているが、1950年のワールドカップでは20万人を超える観衆を集めた世界最大のスタジアムだ。この巨大なブラジルサッカーの殿堂に1万人足らずの観衆しか集まらないというのは、実に悲しい光景だった。それだけに、リオのスタジアムにファンが戻ってきたことは本当に喜ばしい。
 とはいえ、肝心の試合内容の方は今一つ。サンパウロやベロオリゾンテで見る試合に比べて選手の走るスピード、判断のスピードが遅く、ボールを持っていない選手がスペースに走り込む動きも緩慢だった。優勝したフラメンゴにしても、クルゼイロ、サントス、サンパウロFC、パルメイラスといった国内トップクラスのチームには歯が立たないだろう。
 リオ出身の選手は、ロマリオ、エジムンドに代表されるように素行に問題がある者が少なくないが、反面、テクニックと創造性では素晴らしいものを持っている。リオのサッカーが再び「ワルだけど、とんでもなくうまい選手」を輩出し、クラブもブラジルのトップレベルに帰り咲いてほしいものである。
(提供 : 「ブラジルサイト」  www.brazil.ne.jp/ )">http://www.brazil.ne.jp/ )











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