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ルーラ大統領の訪中とその後の大豆戦争?と中国との貿易の難しさを指摘するコメント。
前回、この欄でルーラ大統領の訪中随行員として中国に出向かれたマナオスの山岸照明さんとサンパウロの工藤章さんの報告を掲載させて頂きましたが、その後大豆の対中国輸出問題が大きく拗れ中国との貿易の難しさを浮き彫りにしており、内山さんの対中国には性悪説で立ち向かわないと大きな損害を蒙るとのコメントが正に的中した形で大きな話題になっております。伊豆山さんの工藤さんへのご質問の形で本件が取上げられており、ルーラ大統領の訪中大型ミッションの残した問題としてこの大豆問題に付いての工藤さんのコメントを続編として掲載させて頂きます。
写真は、中国における大会議の様子を伝える山岸さんから送って頂いた写真で奥から工藤さん、山岸さん、一人置いてZFM(ゾナ・フランカ・デ・マナオス)のフラビア長官の会議上でのものです。


工藤さん、山岸さん
伊豆山です。
訪中レポート有難うございます。 
ブラジルがサンバ隊まで用意周到な準備で臨んだことのご報告興味深く読ませて頂きました。
一週間も立っての 「書き込み」 で恐縮なのですが、昨今の新聞記事で、大豆の返品でブラジルは1億ドル以上の損害とのことで、大豆、鉄鉱石の売り込みがブラジルの目玉と云われていたのに、何故、そんなに大事な大豆で、舌の根の乾かないうちに、こんな商売の基本中の基本事項で躓くの? と考えさせられて、ここは、日本一の総合商社にいらっしゃる、工藤さんに質問させて頂くことにいたしました。 お許し下さい。
質問1、 検査基準を早急に確立しなければならない、と 騒いでいるように新聞には報道されていますが、こんな大事な商売の基本事項である、検査基準が、何故契約時に交わされていなかったのでしょうか?
質問2、 日本の大手商社は世界のComoditiyを、世界に広く販売しているから、中国の商習慣や、検査基準などは熟知しているのではないですか?  
質問3、 もし、そうであれば、そのノウハウをもって、中国との契約に仲介の労をとることで、商売に割り込む隙はなかったのですか?
質問4、 結果論になりますが、例え、商社口銭を払っても、もし、今直面している問題や、損害が省けたら、ブラジル側も、中国側も決して損ではなかったわけで、こう云うチャンスをみすみす逃すのは、残念だとは思いませんか? 或いは、もう既に動いていらっしゃる?
Comodityの世界は、私には、月世界に匹敵する、全く未知の世界ですが、商社からメーカーに転向してみて、商売上のノウハウも、生産上のノウハウの如く、お金になるものと、つくずく思いますので、もしかすると、そのあたり(商売)の先進国である、日本企業の出番があるのかも知れないなんて思いまして、ご質問をさせて頂く次第です。 
もし、企業秘密であれば、そうおっしゃって頂くことで、ご返事に代えて頂いても結構です。

伊豆山さん
我が社の専門家のコメントを下記しますので参照して下さい。
ブラジル・中国の間のビジネス上の信頼関係を作るには時間が掛かりそうです。
工藤
 まず 今回問題になっている種子の混入とは 作付(播種)用にリザーブする為に 防カビ剤が塗布された種子が、輸出用の大豆に混入したものです。
 従来 欧州向けの取引では 1KG中に3粒までの混入との制限があるようですが、日本・中国向けには そのような基準が決められていませんでした。より正確に言えば、日本では 「この類の種子そのもの」の規定は設けていませんが、農薬全般について、残留農薬基準を設けており、例え「多少の」混入があったとしても、その種子に由来する農薬は残留農薬基準では問題とならないレベルであったのだと思います。多分、中国でも同様であったのであろうと推測します。
 一方 目下中国の搾油会社(大豆を輸入して搾油し、油と粕=飼料を生産・販売する)が直面している問題は、鶏インフルエンザの影響で、鶏の肥育数が大幅減となり、大豆粕=飼料の需要が落ち込み、原料用の大豆在庫増に苦しんでいます。
 また 昨今輸入が予定されている(いた)大豆は その多くが相場が高い時に買い付けが行われたもので、現在はその時期よりも2-3割価格が下落しています。
 かような環境で、中国側が難癖をつけていると言うのが、本件の一般的な見方で、例え、作付用種子についての基準があったとしても、何か他の要因を粗探しして、大豆の受け取りを拒否する動きにでていた可能性もなしとは言い切れないでしょう。
 本件中国向けビジネスの難しさが改めて浮き彫りにされた形となりましたが、その中でも、信頼にたる顧客としっかりした関係を構築する事が やはり大切であり、わが社もそのワークを継続しています。

伊豆山さんから工藤さんへの再質問
それにしても、品質や契約上の問題なら、何故、国際仲裁裁判所への提訴でなくて、WTOへの提訴なのか、しかも、アメリカ、アルゼンチンをも巻き込んで、なのか、さっぱり内情が分かりませんが、私の問題提起は大豆返品実情解明にある訳ではありませんので、これ以上、お忙しい工藤さんを煩わせるのは止めにいたしたいと思います。
ですが、一つだけ、三菱商事のご専門の方に質問させて頂ければ幸いです。もし、商事がこの商売に絡んでいても、問題は起こり得たのでしょうか、商事なら、この様な問題を起こすはずはない、或いは、起す可能性は非常に少なかったのでしょうか、 それとも、問題を発生させた可能性は十分にあったのでしょうか。

工藤さんからの伊豆山さんへの回答。
伊豆山さん
回答は下記の通りになります。
WTOに提訴しても結論が出るのは、2年も先になります。
我が社のビジネスは、需要家とのディールなので問題は起こりにくいのですが、我が社が絡んでも今回の問題は起きたといえます。それにしても大きな問題ですので、早く解決する事を祈っています。
工藤

同問題に付いて元丸紅ブラジル会社副社長として長年ブラジル勤務の経験があり山岸さん工藤さんの訪中報告書に対するコメントを出されていた内山 勇さんからの本件へのコメントです。
和田殿
ブラジル政府と中国との間の第一回試金石とも言うべきブラジル大豆の中国側の引き取り拒否問題が出てきました。
これを如何に旨く捌くかブラジル側の腕の見せ所だと思います。この様な経験を積んでブラジルも利口になるのでしょう。
ブラジルが、アルゼンチン、アメリカと連携して生産者連合を組むべきかも知れない。しかし、ブラジル側の輸出業者には欧米系の大手業者が居るので、彼等が何とか収めるのだろうと思います。これこそ、日本の経験者が言うところの中国人相手には性悪説で行かないと駄目だと言う実例でしょう。
内山 勇




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