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トメアス−にて御活躍の新井範明先輩より年末のお便りをいただきました。
遠い昔、昔にブラジルにそれも移住を前提にした南米大陸に夢を馳せた学生団体が組織されました。その名は「日本学生海外移住連盟」。拓大、農大、日大、早稲田、上智、神奈川大等の移住研究会が中心でした。今年が創立50周年になりますが、組織そのものは時代の役割を果たし消滅してしまいましたが今も当時の夢を追い続けている人たちによるメーリングリスト「夢・ベテラン」を神奈川大の大束 員昭さんが管理運営しておられます。メンバーのお一人北伯トメアスー移住地に入られた上智大学の新井範明さんからの新年に寄せてのお便りが届いています。新井さんご夫妻には、1962年の着伯当時にトメアスー移住地を訪問した時にお知り合いになり63年のお正月をご一緒させて頂いており40年近い月日を隔てて2002年の1月に再度トメアスーを訪問し第二トメアスーのブレウ区に今も住み着き夢を追い続ける姿に感動しました。入植当時の同じ移住地に40年以上住み続けるということが何を意味するか?幸せなケースとしてその初期の夢を追い続けておられる新井先輩を羨ましく思うと共にその成就を祈らざるを得ません。
写真は、2002年1月に新井さんのご自宅で撮らせて頂いたものです。


「夢・ベテラン」の皆様へ
2004年もあとわずかな日数となりました。アマゾン地域も今年は天候異変で10月まで雨が降っていましたが、11月に入ってやっと乾季に入りました。

先ず、植林事業について:
今、コチア青年OB会が 国士舘スポーツセンター内に コチアの森造成を計画しております。2508本の植林をして、再生原始林を子孫に残すという目的です。指導に当たっておられるのは、橋本梧朗先生です。
トメアスーでは1999年の入植70周年記念として農大の坂口のぼるさん発案で文化協会敷地内に約1ヘクタールの「移民の森」があります。先亡者750体に250を足して、1.000本植林計画でした。もうすでに伸びたのは10m 以上になっております。なお、坂口のぼるさんはこの植林運動で、森林農業の功労者として山本喜譽司賞を受賞されました。
私の森は人工林ではなくて自然林です。グアリーバ(吼猿)がいまだに回遊してきます。先日の夕刻も元気な吼猿達の合唱が聞こえました。
次いで、私の短かった学生時代、青春の日々の出来事が今日の私との数々のつながりとなっているエピソードを紹介したいと思います。
アリアンサの栗原自然科学研究所について:
上智大学海外移住研究会のメンバーから第二回学移連委員長堀口進一氏が選出され、大学と他の多くの大学の研究会とのつながりが芽生えておりました。アリアンサの栗原自然科学研究所は当時、橋本梧郎氏(のちのブラジル植物分類学者、現在も御活躍中)を中心に活動されておりましたが同僚の神屋信一氏が訪日され、文芸春秋社から「百姓の書いたブラジル動物記」を出版され、ブラジル日系人の代表格でもありました。
学移連では 神谷信一氏を講師として農業高等学校の学生へ海外移住の啓蒙運動を行っていたのでした。東京外大の山本康弘氏と農大の菊池延氏と私の3人は神屋信一氏と共に長野県下伊那高等学校などの農村の二・三男対策として、ブラジル移住を推めておりました。海協連の堀切さんが写したフイルムをナトコ映写機で、南米の移住地紹介などを放映、神屋さんのブラジル体験談で花が咲きました。
それから20年がすぎてトメアスーに橋本梧郎先生がお見えになって原始林で植物の標本など採集されました。すっかり忘れていた神屋信一先生のことと、橋本梧郎先生が、アリアンサで共に研究されていた事を思い出し、当時は若さのいたりで「ソフィアコロニア」をブラジルに建設しようと神屋信一氏に相談、神屋先生からそれならば橋本梧郎氏を通じて受け入れてもらへばとの返事をいただいたときの事などが思い出されました。
私は、移住は「第一次産業の農業が基本」と言うペルー在住の第二次世界大戦勃発と、ペルーの日系社会が焼打ちにされ敵国視された経験から、農業を第一主義として平和なブラジルと比較、農業者としての移住の道を選んで大学は中退し、北海道江別市の町村農場で実習し、農業者としての資格を取得して、トメアスーへ移住しました。
町村農場の研修のおかげで、日大の今村邦夫氏が、新井は牛男だからアマゾン向きだ、アマゾンで胡椒栽培を希望している須磨和章氏に紹介、須磨氏の支配人としてトメアスーへ移住がすんなりと決まった次第でした。妻の慶子はトメアスーのブレウ地区で文化協会のブレウ日本語学校分校を開設、日本語教師をしておりました。
環境問題と取り組:
その後ブラジルにて、たまたまJICAのS.Paulo合同研修会に参加した折、S.Pauloで橋本梧郎先生とお会いして、“Conheça Verde” と言う「サンパウロ市公園植物案内」と言う大版の厚い1冊の本をいただいて来ました。この本は橋本梧郎先生を中心としたサンパウロ博物研究会の千田良宏さんたちの作成で、サンパウロ市内にある主な公園の地図と植物分類をのせた学術書でした。
この“Conheça Verve”の本から私の所有する原生林も立木調査をして、自然の公園に行く行くはしたいと言う希望がわいて来たのでした。こんな事があって、今環境問題と取り組んでおります。
原生林20ヘクタールを囲む再生林を含めて100ヘクタールの川のある地域を自然保護区としております。自然林の地域には45m もの樹冠をもつ巨木や銘木などがあり、かって、トメアスー全体を覆っていた原生林の樹海を思い出させてくれます。
今トメアスーは森林農業のメッカとして世界の各地から研究者が訪れております。最近日本のNPO.WRS(野生生物を調査研究する会)の兵庫県会員の人々が“アマゾン自然学校”を開設、これからのアマゾンを守る自然環境にたづさわる若いインストラクターたちの育成、環境教育事業がトメアスーで始まりました。皆さんが私の森にこられて、生き生きとしてお帰りになるのをたのしみにいたしております。
学移連時代の農業高等学校の啓蒙運動が神屋信一先生をとおして、橋本梧郎先生との出会いとなり“Conheça Verde”の本から今の自然保護の大切さが、私のこれからの仕事となりつつあります。
高橋順次氏との再会:
海協連時代の若槻課長を座長として学移連が協力した「国内開拓と海外移住」、後に「海外移住の効果」として朝日新聞の1ページを飾った調査報告書に参加したことなどがありました。私は神戸の移住斡旋所と神戸港の入国管理局を調査したのですが、斡旋所には学移連第一回委員長だった拓大卒の高橋順次郎氏が新人赴任しており、大変お世話になりました。
以後10年経ってから高橋さんはJICAの第2トメアスー直轄移住地の所長として赴任されトメアスーで再会のはめとなりました。
私達はどこかで同じ糸につながっているような気がいたします。
メリークリスマス そして、平和な2005年が訪れますように。
皆様のご健康をお祈りいたしております。
在トメアスー新井範明




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