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ブラジル東北伯(ノルデステ)のダム ダム男、荒木昭次郎さんからダムシリーズ(4)です。
産業開発青年隊という日本の建設省派遣の技術者軍団による移住者が300数署lブラジルに移住して来ておりますが、その内の一人荒木昭次郎さんは、文字通りダム一筋、ダム男の名が相応しい方で現在もベロオリゾンテにお住みでダム建設関係の仕事を続けておられます。ブラジルでも馴染みの薄い東北伯(ノルデステ)地域でのダムの建設現場でのお仕事が多かった荒木さんから【ブラジル東北伯のダム】としてその1とその2を送って頂きました。
写真は、一度は乗って見たいサンフランシスコ河を今も航行する生活に密着したプロペラ船の写真を荒木さんから送って頂いているのでこれを使用しました。


ノルデステ
1. イタパリッカ ダム
中国では黄河流域の水が枯れて、長江流域の水を引いて流す工事が始まっているそうですが、ここブラジルでも永年の夢だった雨の少ない東北地方に、サン・フランシスコ河の水を流す運河工事が、ルーラ大統領の断で今年から始まる事になりました。ペルナンブコとバイア州境のイタパリッカ ダム(パウロ・アホンヮsから50km上流)の貯水とその上流のカブロボ市の二箇所から揚水して、北のセアラ州地方と東方のパライーバ州地方に最高毎秒63m3送水する計画です。このイタパリッカ ダムの年間平均流量は毎秒2850m3あるので2,2%の送水は問題ないとの事ですが、一般世論は落Zが45億レアル(約17億ドル)を使って旱魃地帯のほんの一部を潤すだけだと反対しているようです。

このサン・フランシスコ河の水源はミナス州でバイア、ペルナンブコ州境それにアラゴアス、セルジッペ州境の2800kmを流れて大西洋にそそぎます。またこの河は大変庶民に親しまれた河で、30年代にアメリカから平底の蒸気船が輸入され、河に沿って発展した町々を航行していました。この船は薪を炊いた蒸気で船尾の回転翼を回して航行する昔ながらのめずらしい方式で私はブラジルに来た当事に写真で見て知り、いつか実物が見たいと思っていたのですが、2年前にミナス州のピラポーラ市に住む友達の工藤さんを訪ねた折、この船の発着地である同市で新しく整備された同船を見てきました(現在観光船として運転しています)。このピラポーラ市近郊には以前旧コチア産業組合が灌漑施設を施した農地を分譲して沢山の日本人が入植され、私等と一緒に来たやはり青年隊の工藤さんが大きくぶどう園を経営されており見学してきました。

このイタパリッカダムにはイタイプ第一期工事の後、1982年から4年間工事に従事しました。家族5人の移転で環境と気候の変化で慣れるのに少し時間が掛かりましたが、ブラジルの地方を知るよい機会で4年間は一寸長すぎましたが、やはり青年隊出のダム屋、片岡さんと杉江さんも家族連れで移り、一緒に苦楽を共にしました。
このダムの発電所は150MW(メガワット)の発電機が10基据えられて計1500MWになりますが当時は6基だけ据え付け4基は将来という計画でした。このダムは堰堤工事に難点があって、下流に出来たモショトダムのため水位が高くなり、そのため流れが止まり川底に砂が体積して除去作業に多大の期日を費やしました。仮堤防を主堰堤の上下流に築くのですが、漏水を防ぐのに堰堤の中心地帯の巾10m程は川底の砂を全部除去して仮堰堤を築くのです。水深が50mにもなると川底のポンプで砂を吸い込み押し上げて川岸まで送る作業に、特別なポンプが必要で日本から輸入しました。水中作業には専門の潜水夫が交代でポンプの移動を受け持ち、水中で一息する水中カプセルと潜水から上がった後の減圧装置を全部揃えての難工事でした。

ノルデステ
2. シンゴーダムとその周辺

バイア州パウロ・アフォンヮsからサン・フランシスコ河を50kmほど下るとシンゴーダムがあります。このダムは年間を通して安定した豊富な水量で3000MW出力の水力発電所が建設されました。以前の資料にありますが,この3000MWの発電は世界ランク付けでは14位に位置する規模で、ダムの高さが140m、堰堤の長さは850mでダムとしてはあまり大きい方ではありません。ロックフィルダムは中心に粘土質の土で心壁を作り両側に土砂と岩石を積み上げるのですが,90年代からダムの上流側の斜面にコンクリート版を施工して遮水をする工法が開発されてこのダムに施工されました。この工法は日本でも知られて色々実験されているようですが、地震の多い日本ではまだ実績はないようです。

パウロ・アフォンモノはサン・フランシスコ河の水がいっきに82m落下する滝があって以前から有名でしたが,50年代から滝の落差を利用した地下発電所工事が始められ,第1期から第4期工事まで合計4000MW出力の発電所になり,70年代に10km上流にモショトダム440MW,80年代に40km上流のイタパリッカダム1500MW,続いて90年代に下流にシンゴーダム3000MWが建設されました。約100kmの区間に合計約9000MW(イタイプダムの実に71%)の発電量を誇るこの旱魃地帯は世界でもまれな水力発電地区となりました。このためこの町にはVARIG航空便が毎日通過して便をはかり,滝のすぐそばにはVARIG直属のトロピカルホテル(名前が違っていたかも知れません)があって殆んど工事関係者に利用されていました。この間最終回を終えたTVグローボの夜の連続放送劇(Senhora do Destino)の最終回はこのパウロ・アフォンヴュ電所付近で撮影されました。地下発電所から出た青く澄んだ水が渦を巻いてキャニオンを流れ、その上部100mに掛かる吊り橋から女優が身を投じるのですが、非常に良く撮影されていました。私としてはついでに付近4ヶ所のダムも撮影してくれたら良かったのにと思いました。

92年から働いたシンゴーダムは子供たちの勉学の関係もあり単身赴任で,家族はサンパウロ州のリベイロン・プレット市に住み,この町には日本人が多く住んでいる町なので友達は出来るし喜んでいました。今でも思い出すのは,以前住んだイタパリッカダム社宅では日本人が初めてで幼稚園に入った三男がある日,ジャポネスを止めたいと言い出してビックリし,よく聞いたら皆からジャポネス,ジャポネスと珍しがられ,からかわれたようで,母の康子は日本人は優秀な民族なので大いに誇りを持って気にしないでと諭していました。

インジオ部落
ペルナンブコ州内陸に車で1時間ほど入るとインジオ保護区に指定された場所があります。いつも日曜日には広場に集まり祭りをやるらしいとの事で,ある日愛用のスーパー8ミリ持参で悪路を通ってたどり着きました。林を開いた中央に広場があって賑やかにインジオが集まっており,インジオ達は頭から膝まで隠れる蓑のような物で身をまとい(なんと言う種族か忘れましたが)掛け声を掛けて踊っていましたが,私達を見て数人すぐそばまで近寄りなんか話し掛けて来るので,よく聞いたら 撮影するのだったらお金をくれとの事でした。突然の思いも掛けなかった事でしたが小銭を渡して撮影して帰りました,インジオの世界でも出演料をせがまれるのかと驚いた思い出でした。

カンガセイロ(盗賊)
このパウロ・アフォンモフ滝があった少し奥に大きな洞窟がありますが,そこは50年代に付近一帯を荒らし廻った盗賊「ランピオン」とその一族の隠れ家だったそうです。最近TVを見て知ったのですが,アラゴアス州側のピラニャの町には資料館があり,ランピオンと愛妻マリア・ボニータそれに署柏lの荒くれ者共の写真が飾ってあるとか。この盗賊は一般の住民は襲わず(もっとも当時は貧民と商人と農場主だけの世界でした)主に農場主を襲っていたので住民からは義賊のように扱われていたようです。最後にバイア州兵から討伐を受けるのですが,サボテンの多い潅木地帯を独特の皮の帽子をかぶり馬で駆け回るのを白黒映画で見た記憶があります。

ポト(蛾の一種)
このポトと言う蛾が発生する時があります。1,5cm位の大きさで別に針もとげもないおとなしい蛾ですが,腹の中に毒物を隠し持っています。夜に首筋とか腕に寄り付くのを手でたたいたら,腹から出た液ですぐ真っ赤に腫れ上がり一週間ほど治りません。ダム工事でクレーンの操作員が皆やられて工事が4,5日ストップした事がありました。

さそり
独身用の部屋住まいなので,夕方汗臭いGパンを浴場近くに吊り下げておくのですが,毎朝良くズボンを振り払わないとさそりがひそんで居る事があります。知らずにズボンに足を通して二度ほど刺された事がありました。この辺りのさそりは毒はほとんどないので危険はないのですが,最初に刺された時はビックリし,現場の診療所に車でスットンデ行きました。二週間ほど後にサンパウロから来たやはり技術者が刺されて私の部屋に飛んできて「さそりに刺されたそうだけど生きていますね」なんていいながら安心して帰って行きました。

海岸地方
週末には時々マセイオ市とか海岸地方にいきましたが,バイアから北の海岸はどこに行っても白い砂浜にヤシの木が茂り一様に絵に描いたような風景で,訪ねた人は皆リタイアしたらこちらに住みたいなーと言っています。が,現実には家族の事もありなかなか実行できません。私もその一人で,そのうちそのうちと考えて云っています。



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