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NHKで見る陳謝の場面   ーともすれば不毛の儀式にー 赤嶺 尚由                              
ブラジル日本商工会議所(田中信会頭)のコンサルタント部会のML、BATEPAPOで色々の情報交換、選ばれた話題に付いての意見交換が活発に行われておりますが、BATE PAPOの牽引き車として活躍されているメ[ルナセンテ人材銀行の代普A赤峯 尚由さんが掲題の話題に付き仲間の意見等も参考にしながら纏められた文章が8月5日のサンパウロ新聞4面の殆ど半ページを使って紙面化されました。
流石、元邦字紙記者の赤嶺さん良く視線を定めた書き振りには感心しておりますが、『私たちの40年!!』HPでもこの記事を取り上げて掲載させて頂くことにしました。
読後感等を是非お聞かせ頂きたいとの赤嶺さんのご希望ですので宜しくお願いします。
写真は、適当なものが見付かりませんのでサンパウロ市の臍、セー広場の写真を使用しました。


ブラジル日本商工会議所(田中信会頭)のコンサルタント部会では、ブラジルの北はマナウスから南はポルト アレグレに至るまで、それと日本も一緒に結んで、お互いの意見と日々の情報を瞬時にして交換するために、バテパッポという愛称の会員登録制度によるEーメールのやり取りをして二年以上になる。私は、つい最近、「NHKで見る陳謝の場面」というテーマで、広くメール仲間の皆さん方のご意見をお伺いして見ることにした。以下は、そのあらましである。

 実は、何も公共放送と銘打つNHKが嫌い(仮にそうであったとしても、当地では、日本の民放各局を視聴することができないので、NHKを見るしか仕方ない)というわけではなくて、ことニュース番組に関する限り、ここ地元のTV各局のニュース番組以上に見ている時間も長く、さすがNHKだ、と信頼だって充分に寄せている。しかし、もう数年前あたりからになるだろうか、どうも一つ気になって仕方のないことがある。

 それは、何かというと、日本国内で、ある公共団体とか民間企業絡みの事故(件)といったいわゆる不祥事が発生した時、それを公式に発浮キるための記者会見がまず開かれ、状況(顛末)と今後の対策の仕方に就いての説明が一応終り、サテ、もうそろそろやって来るぞ、と卵z(覚悟)していたら、案の定、責任者、当事者らしき人たちが全員やおら揃って立ち上がり、カメラ(視聴者=国民)の方に向かって、陳謝のための頭を下げ、お辞儀する場面を何度も繰り返し放映することだ。

 少々意地悪な見方をすれば、民放各局も多分そうだろうし、あるいは、民放こそ、狼が子羊を狙うように、問題を引き起こした弱い立場の企業をヤリ玉に上げよるべくもっとひどい取材の仕方をするという情報もある。ここで見ることの出来る公共放送のNHKは、さすがにそこまでは行かないにしても、少し執拗な感じで公げの団体や民間企業の社会的な責任を追及しているのではないか、と見えてならない。もう一つ腹立たしいのは、複数のお辞儀関係者が立ち上がり頭を下げるタイミングが見事に一致している(いや、小生の目のちょっとした錯覚かも知れないが、社長とかの地位のより高い者の頭の下げ方が微妙に一呼吸だけ早い気もする。あれは、多分この陳謝シーンのために、記者会見の前に某所で何度となく専門の危機管理会社の担当者の指導を受け、お辞儀のタイミングの取り方等を繰り返し練習してきたとしか思えない。

 そして、更に意地悪を増幅させて追い討ちをかける格好で言わせていただければ、記者会見を終えて、それぞれの帰るべき所への道すがら車の中あたりで、恐らく関係者同士「オイ、やっと詫びちゃったぞ、これでひとまず何とか一息付くことが出来そうだな」とかお互いの労を労ったり、あるいは、反対にトップあたりから「キミら二度とこういうつまらない不祥事を起こして、社長の俺にカッコ悪い頭の下げ方をさせてくれるなよ」と、叱責やら訓示を受けている様子だって、それとなく連想されて来て仕方ないのである。事故(件)の当事者や関係者らの事情説明までは良いとして、こうも毎回毎回、不祥事の度毎に、頭を下げて陳謝する似たような型通りのシーンばかり見せられては、特に海外に住む者にとって堪ったものではない。

 陳謝のために頭を下げるというのは、きっとまだ日本独特の文化だろう。日本人が理解するいわゆるお辞儀の意味は、まず「感謝」、「尊敬と畏敬」、「お礼と答礼」、「恭順」(お互い良好な関係を築いて和を保とうじゃないか)、「腹芸」(別に悪いとは思っていないが、まず相手の腹の内を読むのに、駆け引きみたいに一応頭を下げておこうか)、そして、「陳謝とお詫び」などではないか、と考えられる。その中で外国人に一番訳がわからず難しいのは、謝罪の意味での頭を下げることに違いない。神戸にお住まいの内田さんという人から届いたメールの中に、三菱自動車の外国人社長があの一連の不祥事を起こした件で、コトの真意が良く理解できないまま、殆ど泣きべそを掻くようにしてカメラに向かって頭を下げていた、と書いてあったのが何とも印象的で、今でもなかなか頭から去らない。

 約諸N頃前あたりから、当地の超人気TVタレントのシルビオ サントスも、スタジオまでわざわざ足を運んでくれたと言う意味でだろうか、あるいは、自分の番組をいつも見てくれて視聴率を上げて貰って有難うという意味で以って、会釈のような軽いお辞儀をすることがよくあるが、あれは、単なる<オブリガード>の意味しかない筈である。ブラジル人国民は、長い奴隷時代を通じて自分たちの方から非を簡単に認めれば、すぐにギロチン台へ送られるというような過去に厳しい歴史的背景を抱えていて、今でも非常になかなかしたたかというか、自分から進んで詫びようとしない風潮が根強く残っており、ましてや、頭を下げて詫びると言う習慣など考えられないような気がする。その点、最初にお辞儀ありきというか、とりわけ頭を下げて詫び上手な日本の国民とでは、極めてその辺の事情が異なることも充分に承知して置く必要があるように思えてならない。

 しかし、逆にサンパウロにお住まいの伊豆山さんからいただいたメールの中で非常に現実的な視点に立って指摘されていた通り、一朝一夕、不祥事を起こしたある民間企業(公共団体)のトップが一種のお詫び社会である日本で、一人だけ頬被りを決め込めば、陳謝を求める大合唱が反対に激しく巻き起こり、特にマスコミあたりからの袋叩きの目に遭いかねず、かえってその組織の立場を危うくしてしまう危険性が存在する事実も確かに否定できない。その証拠に、サンパウロでも、ある日系の伝統的な専門校が児童売春をさせていると言う奄間違って立てられ、その後、筆とカメラによる激しいキャンペーンを張られ、とうとう閉校、破産状態に陥ったケースもあった。ただ、もう一点だけ、私の意見を垂オ述べることにすれば、繊維や化粧品分野の老舗企業であるK社の旧経営陣が最初から明らかに犯罪意思を腹に一物の如く抱きながら、巨額の粉飾決算を策謀して一般株主(投資家)に大きな被害を与えていたことが判明し、とうとうつい最近になって関係者らにお縄が就く結果になった。

 また、日本道路公団の元幹部たちが談合を請負業者に強制して一般国民の大切な税金を結果的に無駄使いした事実も最終的に明るみに出てしまい、当事者らが逮捕される破目になってしまったが、名門企業K社の旧経営陣や道路公団の元幹部たちも、事件の解明と逮捕に至る遥か以前に、既におかしくなりかけていた経営事情の説明とその時点での社会に対する一応の理解と陳謝の意を求めるための記者会見を行い、早々と頭を下げる模様が多分NHKを通じても放映されたに違いないから、その場合、見方によっては、事件の真相を逆に糊塗することに手助けし、引いては、犯罪の幇助(ほうじょ)にもなりかねず、神戸の内田さんの言う通り、それはそれこそ「不毛の儀式」だったと言っても決して過言ではない。あらかじめ社会に被害を与える犯意を抱いていないかどうか、良く調べてから記者会見で頭を下げさせ、陳謝させる機会を与えるか、そのための基準つくりも、今後の一つの重要な課題になるだろう。

 多くの関係者が理解し、同意してくれるかどうかはともかく、ここ最近で一番心の底から声を絞り出して真剣に詫びていて、むしろ、同情さえしたくなったのは、まだ多くの人たちの記憶にも新しい筈のあの大事故を引き起こしたJR西日本鉄道の社長の一連の記者会見であった。同社の幹部に望みたいのは、人の奄燻オ曙ワ日と簡単に考えずに、これから、例えば、三ヵ月、六ヵ月、一年という区切りで以って、事故対策の経過報告をしていただくことである。そして、最後に気になって仕方ないのは(これも飽くまで外国から見ていてのことだから、物の見方や考え方の相違が当然の如くあることを承知の上で)、直接事故を引き起こしたあの若い運転士のご両親に対しても、同じようなお詫びと哀悼の言葉があったかどうかということだ。

 私は、残念ながら、ついぞ見聞きすることが出来なかったが、会社側が全面的に責任(非)のあることと、元々管理運営面にも無理があった点を認め、痛ましい事故の後で駅の酷烽ナの停車時間を少し延ばしたり、ダイヤグラム(電車の発着時刻普jも出来るだけ緩和するように改定した時点で以って、あの前途有為な運転士さんも間違いなく多くの犠牲者の中のその一人になったに違いないと判断される。少し余談になるのを許していただいて、これも神戸にお住まいの内田さんからの情報で教えて貰ったことであるが、停車時間を少し延ばし、時刻浮同じくちょっと緩やかにしただけで、かえって電車の発着作業がスムースになったそうである。 (筆者はメ[ルナッセンテ人材銀行代普j




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