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人種差別??? リオの出羽 孝史さんのコラムです。 
久し振りに出羽さんからのコラムが送られて来ました。日常生活に即した思い白い話です。ブラジル全国何処にでも居るようなペルナンブカーノ、バイヤーノ、ミネイロ、カリオッカ、パウリスタ、ガウショー等々その出自と言うか出身州の名前で呼ばれている勤労者の一人が仲間の黒人を示して彼らは天国では門前払いだと嘯く話。
ブラジルで普及している日本食の代蕪Iな握り寿司を握るのは日本人でないと喰う気がしないと言われる日本人の話し。これは人種差別??
寿司の話ならとプルデンテに住んでおられる秋山章子さんの飛び入りコメントと合わせて新しい寄稿集を開き掲載しました。
今回の写真は、出羽さんでなく秋山さんの今年4月に東京のオフ会で撮らせて頂いた一枚を使用させて頂きました。
昨夕、出羽さんと直接電話でお話させて頂きましたが、お元気そうでした。イタニャングアアのゴルフ場でハーフをご一緒するとの約束があるのですが何時果たせるでしょうか。少し生活速度をスローにしてゴルフでも楽しめる時間を作りたいですね。出羽さんこれからも宜しく寄稿文を送り続けて下さい。


人種差別 
                               出羽孝史          
 行きつけのガゾリン・スタンドにいつも屯っているペルナンブーコと言う呼び名の中年のメカニコがいます。一年中うすっぺらな油でよごれたシャツと半ズボン、ピアーダ(笑い話)が得意の愉快な男です。
 白人と先住民の混血のようで、割に色白で中肉中背、日本人を感じさる骨格、「俺はブランコ(白人)」と自称。
 毎日そこにいますが、従業員ではなく、独立採算の修理屋で、仕事は丁寧、結国ス忙のようです。
 ある夕刻、給油に行きましたら、そのペルナンブーコ君が
 「今日もグラサス・ア・デウス、無事に一日が終わりましたよ。人間は毎日、毎日、一生働いて、そして、ある日あの世に行ったら、そこでやっとお休みを頂戴することになるのですよね。あの世と言っても、帰ってきた人がいないから、どんな処か分かりませんが、天国と地獄があるそうで、私は間違いなく天国行きです。しかし、絶対天国に行けない連中もいるのです」
 「誰です、それは」
 「あいつ等ですよ」
と言って指を指します。
 指の方向を見ますと、そのスタンドで働く色黒の従業員が三人。
 「ネグロは門前払いになるからで、彼らに天国はないのです」
 色の黒い従業員たちとは親しい間柄、年中冗談のやりとりらしく、彼らは怒りもせず、お互いニヤニヤです。
 ブラジルは人種差別のない国と言うことになっていますが、実際はそうではなく、黒人の多くは子供の頃から肩身が狭い人生。学校でも、社会人になってからも。人間は神の子であるそうですが、神様は平等ではありません。
 黒人の友人がいます。弁護士ですが肌の色は彼にとって大変なハンデイキャップであるそうです。
 別の話。
 日本人又は日系人が経営する食堂が少ないリオですが、日本食ブームとかで、非日系人の店、特にポルキロ(計り売り)でもスシとかサシミ、それに海苔巻が食べられる時代です。一般ブラジル人には日本食(コミーダ・ジャポネーザ)とはスシとサシミ、それにノリマキ、大きく分けてこの3種類です。
 リオの都心にあるあまり安くないポルキロの食堂。感じのいい店で、そこにも日本食コーナーがあり、北伯系らしい若い職人が握りながら並べています。
 半年ほど日本人の店で働いていたことがあるとのこと。半年で「一人前」です。どうせ寿司飯の味なんか分からない客が常連ですから、メシのダンゴの上に魚の切り身が乗っていればそれでよしと言うことのようです。
 その店の丸い醤油皿は直径が6センチで深さ2センチ半。ブラジル人の客は上手な箸さばき。ですがニギリのほとんど全部を醤油にドボン。硬く握ってあるので、崩れることはありません。
 醤油の味でご満足の’客ですから、炊き上がったご飯を団扇であおぎ、さましながらすし飯の味付け。こんな手間はムダ。その店の日本食コーナーはいつも繁盛ですから。
 スシマンと呼ばれる職人がカウンターの向こうで握ってくれる店もあります。
 「そのスシマンだが、色が黒いと俺は食う気にならん」
 「それは人種差別か」
 「いや、そうじゃあない。ものにはお決まりの“かたち”があって、フランス料理に箸と茶碗はない。ガイジンが見れば非礼と思うだろうが、麺類は音を立てながらが美味く、“音なし”では味が落ちる。すし屋のカウンターの向こう側にいる職人は日本人のツラ(顔)であること。更に清潔なハチマキとハッピ。ツラは日本人でも、髪の毛が黄色とか茶色だったら落第だ」

和田様、出羽様、MLの皆様
こんにちは。秋山です。
出羽様のメール、面白く読ませていただきました。
ペルナンブーコ氏自身北東部出身でしょう、他では田舎者といろいろ言われる立場のはず・・・。
実際、日本人、ポルトガル人、アルゼンチン人と、ピアーダの世界ではボロクモナすよね。
最初はよく戦争にならないもんだと感心しましたが、最近では、その辺の尊敬と侮辱の入り混じった微妙な感覚も、少しずつわかってきたような気がします。
私はブラジルのそういう複雑さが好きです。
さて、スシの話にも反応いたしました。
リオはまだ海がありますから、刺身にしろ寿司にしろ、ある程度は許せそうですが、私の住んでいるサンパウロ州奥ャ鴻Jバナ地域(西部)は、海が遠いので、チラピア、ピアウなど、河魚を刺身にします。
たまに美味しいのもありますが、泥臭くてかなりツラいです。
この辺の定番スタイルは、ごく薄くスライスした刺身に生白菜とニンジンの千切り、タマネギのみじん切り、オロシショウガ、わさび、レモンが添えてあり、醤油で食べます。
白ご飯に合うというより、サラダ感覚ですね。
日系人が多いのでノリマキ、醤油はポピュラーです。
先日、市内のスシ・バーに行ったら、暖かい寿司飯の握りが出てきて、悲しくなりました。この店は、マグロが入荷されることはほとんどなく、メニューはせいぜい冷凍サーモン、海老、カニカマ、卵焼きです。
あとは、マンゴーやアボガドのノリマキ。
そこのスシマンは日系2世で、ビジュアル的には問題ないのですが、1年半日本の寿司屋で修行したと言ってました。
そこで出されたスシのテンプラ(クリームチーズと焼き魚のノリマキに衣をつけたフライ)が意外と美味しかったんですが、1個で助ェですね。2個目は食べられませんでした。
健康食として注目されている日本食ですが、ブラジル風に改良されていて御馴染みの食材が全然違う使われ方をしていたり、ここにないものを意外な食材で代用していたりと、非常に興味深いです。特に戦前に移住された方々の創造性とたくましさには驚くばかりです。
あきやま しょうこ


秋山さん、和田さん、皆さん、
リオの出羽です。
私の雑文に対するコメント、有難うございました。
お言葉通り、ペルナンブーコ君の出身地はペルナンブ−コ州ですが、RECIFEではなく、CARUARUと言う町の更に田舎で、日雇い百姓ではメシにならないので、二渚ホの時、トラックの荷台に乗ってリオに来たそうです。
このタイプの北伯からの国内移住者を PAU DE ARARA と呼んでいます。
リオまでの距離(日数)は2週間以上であったとのこと。
リオでは自動車修理工の見習い。ずい分苦労をしましたが、今は独立採算の修理工で、細君と子供が二人。中学校に通う子供二人は彼の誇りです。
垂オ訳ありませんが、川魚の刺身をお召し上がりになる秋山さんは”お気の毒”です。刺身はやはり、海の魚に”ほんもの”を感じます。
リオは海に面していますが、ここで頂くスシや刺身用の生魚はサンパウロから来る、と聞いたことがあります。(それが事実かどうかチェックしたことはありませんが)リオでもチリーから冷凍輸入のサーモンが大量消費されています。
チリー産の鮭の輸入の歴史は割に新しいらしく、昔、リオでサーモンにお目にかかることはあまりありませんでした。
私は長年(30年)日本航空に勤務したことがありまして、割に頻繁、日本通いをしていましたので、帰る日、必ず、あま塩をした鮭を一本買いに行ったものです。
今でしたら、リオでは簡単にチリー産が買えますので、後生大事に鮭を担ぎこんだ昔が夢のようです。
そのチリー産ですが、大量日本向け輸出されているそうです。
マンゴーやアボガドのノリマキ、スシのテンプラ、私は食べたことがありません。如何でした?お口に合いましたか?
今日のリオは曇天で、しのぎやすい18度から26度。明日、明後日は晴天と藍されています。



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