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山下晃明のブラジルで損せぬ法(214)(215) 実業のブラジル 2005年8月及び9月号より。
ブラジルで損せぬ法、山下経済論評と言うか分かり易い経済コラムです。どうしてここまでロングラン19年間も書き続けてこられたのでしょうか。その理由を一度ご本人に聞いて見たいと思っています。
訪日中に地震があったとのことでリオは日本より安全との実感を覚えて帰ってきたようです。
場外の万博レポートも面白い。ブラジルは万博に参加しなくて良かった?磁気浮上(リニアモター)の電車の乗り心地、中部新国際空港への感想等。
【ブラジルで旅先からe-mailを送る法】の開設も大いに役に立つ。毎回、旅先で苦労するのがNOTE BOOKの接続環境でLANで繋がるのがベスト、駄目ならモデムを使っての電話線接続、この前サンパウロのクラウン・プラザで電話線接続をしたが、市内電話でもべら棒に料金を取りホテル代より市内電話料金に方が高く付いた苦い経験をした。
写真は、話題の万博の正面入り口に居た喋るロボットの案内嬢です。


山下晃明のブラジルで損せぬ法(214)
雑感 最近の日本 リオは日本より安全(地震の話)
 東京で大相撲をテレビで観戦していたら、震度5強の直下型地震にあった。最初にドーンと下から突き上げがきて、部屋のまわりがガタガタとしばらく揺れてその後2-3回ゆらゆらと体に感じる余震があって収まった。相撲の画面に「只今関東地方で地震がありました」とフロップが流れるが、震度とか震源地の報道は無い、30分ほどしてから震源地は千葉で震度は5強の発浮ナ納得した。地下鉄とJRや私鉄電車の全線と高速道路が止まった。私鉄は1,2時間後に徐々に復旧したが、その日山手線は運転再開せず、多くのビルのエレベーターが動かなかった。
 そのとき思ったのだが、地震で床が揺れているときは、普通の人は動けない。平素から動く丸太に乗っているとび職のような人以外は無理だろう。また都心は歩行者があふれて歩くのすら困難で逃げられないという事実を検証した。実際に大地震が起きたら大変だ。
 人間とは弱いもので、最初から「今日は震度5が一回あるだけですよ」と絡垂ェあれば高ヲているから平気だが、この揺れのあとに次は震度いくらの地震が何回くるかわからない場合は心高ヲも対策も不可狽ニなる。電車などは運行を止めてしばらく様子を見ることとなる。新潟頻発地震の被災者の心理的不安は大変だったであろうと察する。
地震の翌日にも小さな地震があり、翌々日は台風七号が本土上陸するというから平和なリオに飛んで戻ってきた。考えてみたら如何にリオが誘拐や強盗で恐ろしいといっても、人間のやることだから何が起きるか想定できる。自然災害はどれほどの強烈さか卵zできないから不安である。

 日本人の恐れるもの地震、雷、火事、親父
 リオで恐きもの誘拐、強盗、ひったくり、交通事故。ブラジルで恐きもの、インフレ、切下げ、高税金、高金利とするとブラジル側の恐怖の要因は人為的だからいずれは解決する。日本の災害は永遠に続くぞ!

 場外の万博レポート
 愛知万博に駆け足で行ってきた。催しものの感想は省略するが、有名パビリオンはどこも長蛇の列で2-3時間待ちは当たり前、最悪7時間待ちの日もあったとか、地元の人がジグザクの列に地面に座り込んで、お花見のようにお弁当を食べながら順番を待っている。入場整理券もあるのだが、朝早く列に並んで受け取らねば手に入らない、地元の人に利があるから外国からのお客には不人気であっただろう。
 ブラジルが万博に参加しなかったことが問題になったが、遠い外国からわざわざ行って、有名なパビリオンが殆ど見られなかったら参加者は機嫌をそこねるのではないかと、もしブラジルのマスコミが行ったら悪口を書くだろうと、その意味では参加してなくてよかったかなとも思う。
 この万博の会場、JR名古屋駅からかなり遠く、40分ほど電車で行った駅から乗り換えて会場を結ぶ10KMほどの距離に磁気浮上の電車が走っている。以前リオのセントロからバッラまでこの電車をリオ市に売り込むのだと故稲田氏ががんばっていてプレゼンテーションのビデオ作りを協力したことがあったので特に興味を持って見たが、乗り心地は普通の電車と同じだった。線路のつなぎ目のゴトンゴトンがないだけだ。車輌は小さくて大荷物が積めないから空港線には向かないとも思う。
 帰りに中部新国際空港にも立ち寄ってみた。当初の建設落Zを大幅にカットして建造したと聞くが、中々立派な空港で一見の価値がある。訪日のときここへ降りてみられると良いだろう。空港の建物内の一角に日本の中世の商店街ができ外国人が喜びそうな趣である。名古屋からの特急電車の便も良く快適である。

 日本の景気は底抜けだが
 景気は底抜けと報道された。たしかに東京にはその兆しがあるが、日本の地方都市を歩いてみると、日銀総裁の報道とは裏腹に駅前の目抜き商店街などでシャッターの降りている店の方が多い。ニューヨークなら落書きが始まってスラム化するだろう。このような異常な傾向は一都市のみでないのが不気味である。最近は米屋や酒屋も閉店になりだしたと聞いて少し心配になる。ある都市の遊興街ではビルの殆どが閉店で一つのビルに一軒のみが開店しているところがあった。

 ノー・ネクタイ、半そでの奨励
 政府が省エネ目的で官庁のエヤコン温度を27度にして半そで使用の運動を始め、国会も小泉首相率先でノー・ネクタイ・スタイルである。
 テレビで見ているとノー・ネクタイの方がよく似合い、ネクタイをしている人がヤボに見えてくる。およそネクタイは日本人には似合わないのだ、役人の日本人に一番似合うのは裃だ。中世に裃を発明した日本人デザイナーに敬意を浮キるものである。
 ノー・ネクタイの正装にパナマや東南アジアの暑い国には特殊なシャツがあるが、興味あるのは日本にノー・ネクタイ用の高級シャツの店ができたことで、商魂たくましいといえばそうだが、単にネクタイをはずしただけのワイシャツ姿では何か心情的に失礼ではないかと引け目もある。素材や襟やポケットやボタンに趣向をこらした高級シャツにして、はずしたネクタイよりも高価にして失礼にならない?ことをねらっているとのことで、飛ぶように売れている。おかしいのは、これにつられたかフンドシをカラーにして高級クラシック・パンツとして市場に再認識されているとのことだ。
 そうだ!鳥でもオスの方がカラフルなのだ。男性下着も女性用以上に派手にすべきである。

 ブラジルの議員買収騒動
 ブラジルに帰ってみると政治汚職問題が混沌としてきた。先月号でも書いたが、ブラジルの政治危機状況を刻々知るにはヤミ・ドルという良い指数がある。
 因みに 7月26日 2.667 マルコス・ベレーリオ氏夫人のレニルダ・サンチャゴ証言
 27日  2.663
 28日  2.65
 29日  2.643
 8月1日 2.64 PL党首辞任
 2日  2.647ジルセウ元官房長が官倫理委員会に召喚される、マルコス・ベレーリオ氏が31人の資金提供先を発
 3日   2.630
 4日   2.63
 と殆ど変動せず、少なくとも4日までのレートはCPIの影響を受けていないことを意味する。見方としてレートが安定しているときは大統領まで巻きこむ恐れはないが、もし跳ね上がるとか急変があるときは、何かが起きて内部事情を知った人が大量に買いこみ始めたと見ることができる。
 一方最新のVEJA誌によると2002と2005年を比較してルーラ政権になってブラジルのマクロ経済指数がいかにドラスチックに改善されたかを伝えている。パロッシ蔵相のすご腕とその蔵相を任命したルーラ大統領の功績としてマスコミが"よいしょ"をしているように見える。
  2002年 2005年
貿易収支 130億ドル 370億ドル
国際収支 赤字76億ドル 黒字100億ドル
内債 1860億レアル 320億レアル
外債 1600億ドル 1300億ドル
外債/GDP 31.9% 20%
外貨準備高 160億ドル 130億ドル
国際リスク指数 800 400
IBOVESPA 10800 25000
 なおインフレは年率10%程度に抑えているが、金利水準は世界レベルで依然高く、8月3日、リオデジャネイロで、ノーベル経済学賞を受賞した経済学者、ジョセフ・スティグリッツ博士は「社会とバランスの取れた経済発展」をテーマにしたフォーラムで、世界最高水準のブラジルの金利を批判し高金利は雇用創出の阻害要因であると指摘している。
なお今回の議員買収金の支払いには国内銀行がからんだが、おそらくは現在、CPI開始後は口止め料などのウラ金が従来以上に飛びかわっているものと想像される。国内銀行では秘密が保てないとなると外国銀行を使うことが想像され、今後当局の外為への取締りが一段と厳格になる可柏ォがある。
 これらの議員買収金汚職を始め選挙資金汚職の問題を広義で見れば、日本の郵政民営化参議院阜の自民党内分列問題も含めて世界的な問題で、究極は民主主義の国民代侮メ選別のシステムである選挙そのものに問題があるように思われる。
 選挙に勝つには多額の資金が必要とする現在のシステムを是正しないかぎり、この問題は過去も将来も解決しないだろう。新時代の民主主義は、政治家が選挙資金を心配しないで安心して政治に専念できるように、選挙運動に金のかからない画期的な政治家の選別方法が発明されるのが待たれる。
山下晃明のブラジルで損せぬ法(215)
ブラジルで旅先からe-mailを送る法
 今でも、「俺はインターネットなどやらない」という豪傑がいるが、世はすでにワープロの時代は終わり、迷うことなくインターネットの時代となった。北米はもちろん、ヨーロッパ、インターネット先進国と呼ばれる韓国やオーストラリアではブロード・バンドとよばれる高速大容量通信が基準になりつつある。日本も政府支援で2010年目標にブロード・バンド空白地ゼロを目指すとのこと。ブラジルでのポータブル・パャRンもかなり普及、インターネットへの接続の知識としてレポートする。
1)webmail
 KDDI(nethall)などをプロバイダーに使う人にはwebmailというのがある。今使っているプロバイダーにwebmailはないかと聞いてみられると良い。これはインターネットにさえつながればKDDIのHPを呼び出してe-mailの受信も送信も出来る。
街のサイバー・カフェー、空港のAMEXやDINERSカードの待合室、友人の家などでインターネットにつながるところであれば、自分のパャRンを持ってなくてもどこでも出来て便利である。欠点は自分のパャRンにコピーが残せないことと、場所によっては漢字対応になっていない機械があることで、その時はローマ字で返事すれば良い。送信のとき、念のため自分にもccで送っておけばコピーが残る。
2)携帯セルラー
 NOKIAの"i"シリーズのように、携帯セルラーにモデムが内臓しているのがある。別売りのケーブルでパャRンのUSBャPットにつなぐ。この場合は最寄りの自分の契約しているプロバイダーへ携帯セルラーでつなぐことになるから電話番号を事前に調べておく。料金は携帯電話と同じだ。スピードはあまり上がらないが、野外でもどこでも使えて便利である。
3)パームPC(手のひらサイズ)
 まだ値段は高いが携帯電話を大きくしたようなモデルでインターネットにつながり、e-mailの送受信できるモデルがある。欠点はキーボードが小さいこと、画面が小さいことである。
4)インターネット・PCカード
 TINなど各電話会社が売っているが、パャRンに差し込むと、カードに小さいアンテナがついていて、インターネットにつながるようになる。このPCカードの中に送受信機があって、あらかじめ電話局に指定された電話番号にてこの電話会社経由でインターネットにつながる。料金は月固定の払い方がある。
5)LAN無線PCカード
 これはLYNCSYSなど無線LANの装置が既にある酷烽ナインターネットが使用可狽ノなる。最近はサイバー・カフェーや空港、ホテルのロビーなど思わぬところで使えるようになった。パャRンを持っている人は空港や見本市などで近くにLANの信号が出ていないかチェックしてみられると良い。
6)LANケーブル
 最近主なホテルの部屋にはLANケーブルのャPットがあって、またはチェックインのとき依頼するとケーブルを貸してくれるので、それとパャRンとつなぐだけ、従来のような面倒なLAN設定なしにインターネットにつながるようになった。通常ホテルのサービスで通信料は只である。前述のLYNCSYSなど無線LANの装置は、今は北米で100ドル程度で買えるが、これをホテルなどのLANケーブルにつなぐと、その部屋全員のLANカードを付けたパャRンと連絡がとれるようになる。会議などのとき覚えておくと便利である。なお機密漏洩のリスクはあるから大切なファイルは"共有"にしないようにするとか、その対策は専門家にしっかりやってもらわねばならぬ。
7)モデム
 なつかしのモデムは、まだ地方のホテルではこれしか使えない所が多い。ホテルなどの電話の線をはずして使う。あらかじめ旅先の接続プロバイダーの電話番号を調べておく必要がある。モジュラー・ジャックという小さくて四角のャPットがあれば電話機のコードをはずしてモデムにつなぐ。昔はドライバーを持ち歩いて固定の電話線をはずして使ったりしたこともあったが、今は殆どが電話機の裏でモジュラー・ジャックでつながっている。ホテルにより最初に外線発信に"0"や"9"をダイヤルする必要があるから、ダイヤル設定を変更する。最初にプロバイダーに普通の電話からダイヤルして接続音を確かめてダイヤル番号をメモしておくと良いだろう。モデムの欠点は接続プロバイダーが市内であっても、ホテルが非常に高い電話料金を徴収するところがあって電話代がホテル代より高くなることがあることだ。

 一億総評論家
 今ブラジリアで連載ノベラをやっている。
 毎日が卵zもしない展開である。CPIで毎日誰かが何かをバラしてしまい、次の召喚者を決めるステップへ進む。日本のように口をつむいでハラキリをする人はいないから、形勢が悪くなると聞かれないことまでぶちまけてしまう。実は与党も野党も選挙に勝った人は何らかの方法で選挙資金を調達したのだから、叩けば埃は出るのである。
ブラジリアが汚職で大もめにもめていても、街のブラジル人は現政権に対してそれほど怒ってはいない、皆笑いながら話の種にしている。1960年カラー・テレビが出たころ、日本で大宅壮一が「一億総白痴化」と言って、その後誰かが「日本人は一億総評論家」と言うようになったが、今や評論家はブラジルが本家のような気がする。日本人の論説はメデイア論とニュース解説の域を出ないが、ブラジル人の場合は一人一人が自分の独特の意見を持ち、それぞれの立場で2時間くらいはとうとうと述べる。
 日が落ちる、街角のバールで最近はカフェーと称する少しスマートな店が増えたが、まずビールを一杯飲み、少しアルコールが入ると口が回り始める。アルコールが入るからストレスの解消にもなるし、家に帰る道の渋滞がなくなるまでの時間つぶしにもなるのだ。 
皆が自称プロ、軍や政府や宗教や企業のえらいさんと親戚か特別懇意な人ばかりで、裁判官、検事、弁護士、評論家の立場の意見やウラ情報を面白おかしく話す。皆がリーダーで座長はいないから、話はまとまらず、さんざん話した後、何の結論もなく、その日は終わる。続きはまた明日と毎日延々と続くのである。
 ピアーダで「ブラジルは夜成長する」といわれる。成長の邪魔をする政治家が眠っている時間帯に成長するの意味である。大統領は就任以来いまだ選挙演説をしているし、任期もあと1年となると、最近地方へ行っての演説は本当に次期選挙運動のように見える。国会議員は重要な改革案を何ひとつ審議せず、相手議員を落とすためのCPIを設け、裁判官や検察官のまねごとに貴重な時間をついやする。だが、ブラジルは本当に夜成長しているかも知れない。無駄話のバテパポはブラジリアでも行われているだろう。大統領にも大臣にも議員にも多くの補佐官やアシスタント、ロビー活動者がいるから、関係者は全体では大変な数になるだろう。国にも州にも市にも各分野に実に多くの専門のキーパーャ唐ェいる。あのプロジェクトは誰、あの業界なら誰、この企業とは誰と言った具合だ。従って、偶然に実に多くの人で、毎日いろいろな組み合わせのバテパポが行われていることになる。この中に誰かの補佐官がいたとする。バテパポの馬鹿話しやパーテーの会話の中で何かヒントを掴み、アイデアがひらめいて明日の会議に出席する大臣の演説原稿に影響を与えるかもしれないのだ。

 8月9月の天変地異
 陰陽自然学の飯田先生によれば、この8月(7日から翌月6日まで)は「水」に関する災害、水害、大洪水、水質汚染、水事故、秘密迄Iや小さいものによる事件が起きる。日本や台湾には続々大型台風が上陸、最近の台風はいつも大型で強力になった。フロリダやニューオリンズには大型ハリケーンが上陸し、フロリダは140万人が停電で被害、ニューオリンスでは50万人が市外へ避難したが、海面より低い街の8割が水没し130人以上死亡。8月に入って旅客機がギリシャ、ベネズエラ、ペルーと3機も墜落した。ブラジリアの議会では秘密迄I紛争で議員達は戦々恐々、ブラジル南部では風速120kmの竜巻が連発、近年その数が増えている。イラクではテロ情報で混乱した参拝者がパニック状態になりチグリス川に800人以上が転落して水死、とにかく公浮ウれる数字の規模が尋常でない。メキシコ湾にある精油施設も被害を受け原油価格のNYMEX先物相場がバレル70ドルを突破した。
9月(7日から翌月7日)に入ると、こんどは「火」に関する災害、エネルギー、原子力、火山、ビル火災、人心は爆発し、東西国家間紛争内乱テロ、過激テロ、戦争、大事故頻発マスコミ、政治等の大騒動の可柏ォがある。
 なおこの異変は「2008〜2009年の時代大変換」につながり、それまでの九諸N間、世界を支配してきた政治経済、文明、イデオロギーのすべてが終焉し、新時代の解体の芽を宿し始める。そのころまでにプーチンも挫折、米国も新型大統領、自民党も崩壊、中国政治形態の異変、極東再編、エネルギー革命、メディアや出版大革命、精神論革命も起きるとの卵zだ。




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