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【ジャングルで迷った体験物語】 マナウスでアマゾンのガイドをしておられる高橋さんの実体験です。(前編)
アマゾンのガイド職を32年間やっておられる超ベテランの高橋さんがお父さん弟さんの3人でジャングルにピメンタ(黒胡椒)の支柱になる木を探しにジャングルに入り家に帰れなくなった実体験に基づく物語ですが、もう40年以上前の話を良く記憶されておられ又それを面白く?再現させる筆力に感心しておりますが、女房と同じ年に生まれ同じ時期に移住して来られた移住当時中学生だった高橋さんの日本語の正確さに感心するばかりです。
アマゾンでの猟の話しにも言及、『私たちの40年!!』メーリングリストに連載の形で週末に送って呉れておりその到着が待たれるお便りです。パート6迄を前編として掲載して置きます。
当時は、写真を撮る余裕もなかった時代で関係の写真等はないとの事ですので1月にマナウスを訪問した時のものを使用しました。ゴムのラテックス採取場でおどけて超大型ゴムを手にしてご機嫌の高橋さんです。


【ジャングルで迷った体験パート1】
親子3人してジャングルで道に迷った体験があります。私が17歳、弟が14歳それに父と3人でした。
アマゾンに来てから3年がたち、密林での仕事にも慣れてきた頃でしたから油断があったのでしょう。
ジャングルに分け入る時は同じ所へ戻って来れるように、途中の樹木などに山刀で印などをつけて、奥深くへ移動していきます。
しかし、入念にマークをつけていたのでは、そのことに時間をとられ、本来の仕事がはかどりません。 ですから、多少の土地勘があれば、その作業は省き効率のよい仕事ができる方を優先していきます。
わざわざ、山刀(テルサード)でマークをつけていかなくとも、勘がよければ特徴のある樹木や地形、それに太陽の位置などで、おおよその方角の見当はつきます。
しかし、その勘も状況によっては役に立たなくなるということを後ほど知らされました。雨季が始まった12月の事です。雨が降り始めるとアマゾンでは農作業が忙しくなります。雨季の始まりと同時にいろんな作物の植え付け準備が始まるからです。
その頃、私達は黒胡椒(ブラックペーパー)の栽培に取り組んでいました。
黒胡椒は支柱木を使って、そこに黒胡椒の蔓を這わせて、3年ほどで収穫することができます。支柱木は土中に約1メートルほど埋めて、高さ2メートルほどは土の外になります。 土中に埋めるので支柱木は腐らない丈夫な材木を必要とします。
その有用材である支柱木のある、自分達の耕作地(密林)で道に迷ってしまいました。
アマゾンの密林には樹木の種類は豊富で、1万種以上の樹木があるそうですが、しかし意外と、有用材は数が少なくて、お目当ての木材もジャングルを、あちこち歩きながら探すことになります。
先ず一本目のマリラナと言う木を見つけ、それを倒し幹を3メートルほどの長さに切りそこから、それを裂いて支柱木を作ります。 幹の大きさにもよりますが、最初の木からは70本ほどの支柱木がとれました。
その年の黒胡椒植え付けは300本ほどを嵐閧オていましたから、まだまだ始まったばかりです。有用材を探し、それを切り倒して3メートルの長さに切断して、さらにそれを細く裂いて支柱木にする。 それから支柱木を肩に担いで耕作地まで運ぶわけですから、かなりの重労働になります。
2本目の木を見つけて、切り倒し3メートルの長さに切断している作業を進めているときでした。 突然、密林にけたたましい咆哮が響き渡りました。それは、かなり近いところで、わめき叫んでいました。
アマゾンに来て間もない頃、この咆哮を聞いて、ビックリしました。猛獣が傍まできて自分達を襲おうとして威嚇しているのではないかと。
しかし、猛獣ではなく、それは「吠え猿」であることが分かりました。
雨が降り始める直前になると、よく吠えるようになりガオーという咆哮が,そこら中に響き渡ります。 そうです12月ですから、スコールが襲来してきたのです。
それまで太陽の日差しであかるかった密林が、急に薄暗くなり、強い風が吹き始めすべての樹木がワサワサと激しい音を立て揺れ始めました。
あちら、こちらでドサツーと上空から折れた大きな枝が落ちてくる音がしています。
これ以上、作業を続行するのは危険です、樹木の切断作業をやめて、我が家へ戻ることにしました。吠え猿の咆哮も、それを促しているようでした。
しかし2本目の木材を見つけたところは、かなり奥地の方でしたし、例のマークもつけていませんでしたから、戻りの方角の見当がつかなくなったようです。
先導は父でしたが、その父の素振りから出口がどちらの方角なのか定めかねている様子がよくわかりました。厚い雨雲のせいで太陽も隠れてしまい、今までに一度も来た事の無い深い密林に入っていましたから、あらゆることが悪い方に傾きはじめ、激しい雨の中、ざわざわと揺れ動く木々の間をすりぬけながら、我が家の方角が、どの辺りなのか見当のつかないまま歩いていました。
時折、強い風にあおられるように閃光が走り、ドカーンと大音響を立て落雷が近くであったようです。

【ジャングルで迷った体験パート2】
アマゾンのスコールは時折、強い風と雷雨をともなう場合があります。
そんな時にジャングルに居ては、強い風にあおられ枝木や枯れ木が上空から落ちてきます、それにシロアリに食われ、ほとんど木の内部が空洞になっているような大木が根こそぎ倒木する場合だってあります。ともかく、強風が吹き荒れる状況の時にジャングルにいては、とても危険です。私達がジャングルに迷ったときは、そのような事態でした。
父はあせっていました。早くジャングルを脱出しないと、やがて陽が沈み暗くなってしまうと、身動きがとれなくなってしまうからです。
随分と、あちこちを歩きまわりました。(さまよっていたと云うほうが正解でしょう)そのうち、強風と雷もおさまり、激しく降っていた雨も小降りになり、ざわざわと揺れていた木々も静かになりました。 雨雲が風にのって西にながれていけば、太陽も顔をのぞかせるので、一安心です。 しかし不運でした、いったん雨は止みましたが、それもつかの間で、第2弾のスコールに見舞われることになってしまいました。
今度のスコールは激しい風は伴わなかったものの、大粒の雨になり、容赦なく私達の頭上に降り注ぎ、脱出の可柏ォもうちくだかれました。
赤道直下のアマゾンではありますが、ずぶ濡れになった衣服から体温が奪われていくようで、寒さで震えがきました。 動揺しているときには、その寒さが一段と厳しく感じられ、これ以上歩き続ける気力まで無くなっていくようでした。
先導している父は、時折、心配するな!というだけで、口数も少なくなっています。
アマゾンの密林は植物の密集度が高いので下草が多く、歩くと云っても、すいすいとは歩けるような状態ではありません。棘ヤシや葉っぱの両側がギザギザになっているチリリッカなどが繁茂していますから、歩きながら、そんな行くてをさえぎる障害物を切り払い、除去しながら歩きますから、状況によりますが、一キロ進むのに1時間かかったりします。ましてや雨が降っていたりしますと、歩く速度は極端に遅くなり、時間からすると、相当に進んでいるように感じられても、それは錯覚で、ほとんど前進はしていないということになります。
障害になる下草ばかりではありません、アマゾンはとても蟻の多いところなのです、蟻の種類も様々で、最大級で2センチほどの「トッカンデイラ」とか、長さが数百メートルにおよぶ、恐ろしい軍隊蟻などがいますし、加えて猛毒の蛇もいます。
だから足元も注意しながら歩くわけですから、前進は、はかどりません。
雨季が始まりますと、密林の窪みの所に水溜りができ、ぼうふらが大量に発生して蚊も多くなります。 さまよっている3人は格好の攻撃目標だったのでしょう、蚊の大群にも悩まされました。 雨が降っているせいなのでしょうか?もしやと、恐れていたジャガーには出会いませんでした。
あてどもなく歩いている最中、木々を飛び交いながら、オウムのギャオッという叫びを耳にしたり、猿の群れが頭上で通りかかる私達に向かって、枝木を揺すりながら、奇声をあげていました。それは私達のあせりを煽るようでもあり不安をかきたてるような雑音に聞こえました。 あせる気持ちとは裏腹に時間だけが経過していき、疲労が全身を支配し、脱出不可狽ナはという気持ちが頭をよぎっていきました。 

【ジャングルで迷った体験パート3】
歩いても、又、歩いても、我が家の方角が(出口になる方)皆目、分からず、やみくもに、ひたすら歩き続けるという状況でした。
スコールは、ほとんどの場合が短時間でぱたっと雨が止むのですが、今日のスコールは、しぶとく、雨足は弱まったものの、まだ以前として雨が降っている状態でした。
ずぶ濡れになった衣服が重く感じられ、時折、足がもつれ、ぬかるみに足をさらわれ転んだりしました。
いよいよ、ジャングルは薄暗くなり、日没が近くなっているようです。
父は、もう少し頑張って歩いてみようと言います。しかし、その日の脱出の望みや可柏ォはゼロになったのではと、悲しくなりました。
1時間ほど歩きますと前方が見えなくなるくらいに、暗くなってしまい、とうとう夜になってしまったのです。 父の号令で持っていた山刀を使い下草を切り払い3人が野宿できる場所を作りました。 少し大きめの木の下あたりにしたのですが、それは選択がよくなかったようです。 (寄らば大樹ということで、その時は分かりませんでした)後で教えてもらったのですが、大きな木は落雷の標的になる可柏ォが高いので雷雨の際の避難場所はなるべく木の下などは避ける事だと。
まあ〜しかし、お陰さまで何事もありませんでしたから幸いでした。
野宿の場所ができあがった頃には、しぶとい雨も止み、ほっとしましたが、ずぶ濡れになっていますから、寒くてブルブルと震えがきました。
赤道の真下アマゾンで震えがくるほどに寒さを感じるとは卵zもしませんでしたが、日が暮れると、どうかした場合、気温差が藷xくらいに下がる夜もありますので、日中の暑さが、うそのようです。
ましてや、衣服はずぶ濡れ、密林のまっただ中、雨は止んでいるが地面は濡れています、湿度は高いので濡れた衣服も乾燥しない、又、作業着ですから薄着です。
しかも、空腹でしたから一段と寒さを厳しく感じました。
3人、膝を合わせ円座になって座り、生まれて初めてのジャングルでの野宿です。
とうとう真っ暗になってしまいました。父は喫煙者でしたから、マッチは持っていたのですが雨で濡れてしまい、焚き火をすることもできませんでした。 (それから父はタバコやマッチはビニール袋に入れてジャングルに行くようになりましたけど、そのような備えも経験をしてやっと分かるようになるものですね)
父は濡れた火のついていない半分ほどからちぎれて折れそうになるタバコを口にくわえていました。
もう暗くなってしまったから、今日はここで野宿をするが、明日の朝には家に戻れるから心配するな、一晩だけの辛抱たい、これから父ちゃんが、お前達に、こんな野宿とは比較にならないほど、生死をかけて戦ってきた戦地での話しを、いっぱいしてやるからなと、云っている矢先に、周りから、異様な音が聞こえてきました。
ブワーンという鈍い音です、露出している腕、足、顔に大群の蚊が、おしよせてきたのです。密林に潜んでいる蚊は大きめで、衣服の上からもブチブチと刺してきます。
ジャングルで一夜を明かすときは、移動をやめて一箇所にとどまっていた方が安全であるとの濫知識はありましたが、蚊の大群に襲われ集中攻撃に、浮き足だってしまいました。 とても我慢できるような状況ではなく、別の所に移動することになりました。
明かりもなく、手探りの状態で大群の蚊から遠ざかるように足早に移動しないといけません。 足元はまったく何も見えません、毒蛇、サャ梶A毒蜘蛛(タランチュラ)、軍隊蟻、それに肉食のジャガーだっているのです。
そんな危ないところを歩いて移動せざるをえない程に、蚊の襲撃は強烈でした。
しかし、真っ暗のジャングルを明かりも無いで歩くのは無謀です。
数百メートルほど移動しましたが、ちゃっかりと蚊の大群は自分達の後を追いかけてきていました。覚悟をするしかありません、これ以上暗がりのジャングルを歩き続けることは、もっと危険な事になるやも知れません。
移動をやめて立ち止まり、葉っぱのついている枝木を切り取って、それで襲い掛かってくる蚊の大群を追い払うように撃退の方法をとりましたが、たいした効果はなく、容赦なく蚊に身体のあちこちを刺されつずけ、猛烈な痒みと痛みで、蚊に殺されてしまうのではないかと思うほどでした。

【ジャングルで迷った体験パート4】
大群の蚊に悩まされながらジャングルで夜を明かす事になるとは思っていませんでした。もちろん昼間も多少の蚊はいましたから、あちらこちらを刺されて痒みや痛みはあったのですが、暗くなって出没した大群の蚊は想像を絶するものでした。
その大群の蚊を避けて、暗がりの密林を移動するのは、もっと危ない目にあうかも知れませんので移動をあきらめて、なされるがままの状態になりました。
またもや大きな木の下で枝葉を振り回して蚊を撃退しながら、今度は覚悟を決めてこの場所で夜を明かすということになりました。
空腹と疲労や不安で、あまり眠くありませんでした。
バサッバサッと枝葉を3人で振り回す音に交じって、父が戦地で体験したことなどを語り始めてくれました。 やがて時間もかなりたったころになると、それまでの大群の蚊も、どこかに移動したのか、あるいは3人が提供した、ご馳走でたっぷりになったのか極端にすくなくなりました (蚊が発生する時間帯があります、日没から数時間の間は多くても、時間になりますと波を引くようにいなくなってしまうのです)
多少の蚊はまだまだ居ましたが、必死に枝葉を振り回さなくても良くなりました。
雨もすっかり上がり木々の間から星がまばたいているのが見えました。
明日の朝、天気になって太陽が顔をのぞかせれば、およその方角の見当はつきます。どの辺りにいるのか分かりませんが、我が家の方角は東のほうでしたから太陽の方に向かって歩けば時間はかかっても脱出できるはずです。
そんな期待を胸にしながら、父の話し声が子守唄のように聞こえて、やっと眠りにつくことができました。
ユメのを見ました。母と残っている兄弟達が自分達の事を心配して不安そうな顔で私達の帰りを待っているところや、食卓に黄色に熟した美味しそうなバナナと、湯気のたっている暖かいご飯です。 (変な組み合わになりますが)
浅い眠りから目が覚め、いちばんに空を見ますと明るくはなっていましたが、曇っているのか太陽は出ていなく、ただ全体が明るくなっているだけで、太陽を基準に方角を定めることはできなくなってしまいました。
ついていない時は、多いにして、このような事態になるのでしょうか?不運です。
父も目を覚ましておりましたが、弟はまだ眠っていました。
ご馳走の夢でも見ているのか頬がゆるみ幸せそうな顔をしています。 しかし、その顔は大群の蚊に刺されて、ぼこぼこになっていましたから可哀想でした。
そう云う自分も父も同じくぼこぼこにに腫れ上がった顔になっていました。猛烈な痒みですから、強く引っかいたところからは血がにじみ出ており、おかしな阜サですが、まるでお化けのような顔になっていました。
曇ってるなという声を発し自信のない不安の入り混じった声で、そんなに奥地には来ていないから、運がよければ朝の間にはジャングルを出れるから心配するな、イガラッペに行けば水もあるし、そこにあるブリッチ椰子の実でも拾って食べれば少しは腹ごしらえになる、もうちょっとの辛抱たいと云いました。
イガラッペ(ジャングルの低地にある小川や細い水路の事)ブリッチ椰子(松かさ大の実がなり食べることができます)弟も目を覚ましたので、又、ジャングルを歩き始めました。脱出ではなく、イガラッペを見つけて、水を飲んだりブリッチ椰子の実を拾って食べるためです。
いぜん空模様は曇りで、又もやスコールがくるかも分かりません。 ホエザルの叫びは無く、別の種類の猿の群れが木々を飛び交い、私達を頼しない侵入者だと言わんばかりに声を出し合っていました。

【ジャングルで迷った体験パート5】
曇り空では太陽も出てこないので、太陽を目印に方角を定めることができず、ともかく勘をたよりに歩く事しかできませんでした。幸いな事に曇っては居ましたが、雨は降ってきませんでした。これで又、雨でも降ってきたら気分的に滅入り、頼りない勘ではありますが、その勘もますます当たらなくなるでしょう。
昨日から何も食べていないので腹が減っていました。 たった一晩だけの野宿で3食抜きくらいですから、それほどの空腹感では無いと思えますが、がむしゃらに歩いていましたし、疲労もあってなおさらに空腹が辛かったのです。
それに一滴の水も飲んでいませんでしたから喉も渇いてきました。
ジャングルには低地になっているような場所に行けば、かならずと云ってよいくらいにイガラッペがあります、そこまで行けば水は飲めるはずです。
やっとイガラッペを探し当て、水をたっぷりと飲むことができました。 探していた椰子(ブリッチ椰子)もありましたが、椰子の実は、ほとんどが動物に食べられており食べかす程度の実しか拾えませんでした。それでも多少の足しにはなりました。
その辺り一帯に(ブリッチ椰子のある所)沢山の動物の足跡があり、それは昨晩に椰子の実を食べていた動物達の足跡に違いありません。
空腹にたっぷりと水を飲んだものですから、ダッポン、ダッポンと歩くたびに、お腹が左右に揺れて、しばしの間は歩きにくかったものです。
ジャングルをさ迷っている最中に、いろんな雑音が聞こえてきました。それは鳥の鳴き声だったり、あるいは近くにいた動物が接近してくる私達を警戒して走り去って行く足音だったりとか、木々を飛び交う猿の群れが発する奇声とかでした。
特にアララ(赤色金剛インコ)はギャッという高い声で鳴きますので、その度にドキッとしたものです。 ジャングル最強の肉食動物であるジャガーに出くわすのではと、極度に緊張していましたから、些細な音にでも反応して怖くなったものです。
昨晩の父の体験で、満州と中国の国境付近の戦線にいた際に大きな虎を退治したことがるとの話を聞いていましたから、なおさらです。
そんな、怖い動物に出くわさないことを念頭に、さらに歩きつずけました。しかし一向に脱出の気配は無く、さらに密林の奥深くに迷いこんでいくような気持ちになり、泣きだしたくなるような感情でした。 そんな時、ガリッガリッ、ガツガツ、ブキュッというような音が聞こえてきました。さほど遠いところではなく自分達が向かっている数百メートル前方あたりのようです、そして多数の動物がいっせいに歩くドドドドッという足音も聞こえてきます。 危険を感じて、その方向に向かって歩くのを止め、歩く方角を修正しました。
脱出した後、分かったことですが、あの奇妙な複数の雑音の正体は猪の群れが餌を求めてジャングルを移動する最中の音だったのです。
日本に生息している猪よりは一回り小さい猪で野生の豚に近く、群れをなしてジャングルを餌を求めて移動する習性があります。 大きな群れになりますと、80〜100頭ほどになり、およそ100キロくらいの道のりを半年ほどの周期で同じ行程を移動していきます。移動している際には群れが多いと、遠くからでも、ドドドドッという足音や木の幹に牙を食い込ませるガリッガリッとかガツガツという音が聞こえます。
ベテランの狩人(ハンター)などは、この猪の集団の習性や行程を熟知していますから自分の守備範囲内のジャングルに移動してきた群れを見つけ、数頭から数藷ェの猪を仕留めたりします。 数年後、私もこの猪の群れを狩るハンターと一緒になって狩の体験をしたことがあります。 そればかりではなく、いろんな野生動物の狩の方法も伝授されて、実に様々な野生動物を仕留めることになります。
本題からは外れますが、余談として次回は狩の体験実話を紹介します。

【ジャングルで迷った体験パート6】
今回は私が体験したジャングルでの狩について話します。
狩もいろんな方法があります。猟犬に獲物を追わせたり、木の実や椰子の実が落ちている場所に、その実を食べに来る(夜間)動物を待つことの出来る仕掛けを作って動物が現れるのを、ひたすらに待つ方法や、少々危険ですが罠を作って捕獲したりとか、この罠が何故に危険であるかと言いますと、それは罠の種類にもよりますが、古い猟銃を使って動物が通う「けもの道」に、その動物が通りかかると発砲するように仕掛けます。 この場合、罠を作った本人は、その罠の場所が分かりますが、第三者は知らないので、知らずに、そこを通りかかった場合には悲劇が起こります。
実際に私の一番下の弟が、現地の人が仕掛けた、その罠にひっかかり、足に弾が炸裂して大怪我をしました。幸いなことに我が家から遠くなかった事、それに狙っていた動物が小型のパッカ(天竺ネズミ)でしたから、銃が低い位置にあったので、脛のところに命中したわけですが、これが不幸中の幸いでした、もし大型の動物を狙う仕掛けでしたら大腿のところに弾が炸裂して、歩けなくなってしまい、出血多量で死に至ります。大怪我をした弟はマタマタの皮で止血をして片足で我が家に戻ってくることができたのです。炸裂した弾も中心部を反れて骨には達していなかったので大事にはいたりませんでした。
猟犬をともなって狩をする話になりますが、ジャングルで迷ったときに自分達の近くまで接近していた、あの猪の集団を狩することになりました。
メンバーは町で開業医をしているドクターと中間の2名それに私を加えて4名です。
ドクターは狩が趣味で、暇をみつけては中間と共に、あちこちのジャングルで狩をしているベテランです。
ドクターは5匹の猟犬を伴っていました。3匹はポインターで、見るからに狩が上手そうな、賢そうな猟犬に見えましたが、残りの2匹は狩とは無縁な駄犬のようでしたので不思議に思えました。しかし、この2匹の駄犬が猪狩の主役?になるのです。
猪の群れは周期的に移動を繰り返し、ほぼ同じ場所を一年に2回ほど通過します。
この習性を熟知していれば、どの辺りで、どの時期に群れが通過するのかという判断ができます。ドクターは事前に地元の猟師から情報を得て猪の群れが通過する時期と場所を察知していたらしく、準備を整えてやって来たわけです。
この猪(ケッシャーダ)の群れを狩する場合、留意しないといけないことは、その群れの近くには必ずジャガーが潜んでいるということです。肉食のジャガーは、猪の集団が自分の猟場にしている所に移動してくると、その群れに接近して数ヶ月間を過ごし猪を餌にしています。自ら歩き回って餌を探さなくとも、相手の方から来てくれるわけですから、格好の獲物になりジャガーにとっては、ありがたい話でしょう。
しかし、ジャングル最強のジャガーといえども、集団の正面からは攻撃することはありません、何故なら群れの先頭にはリーダーの猪が居て群れを統率していますから正面から敵が来ればリーダーの号令とともに数藷ェの猪が牙をむきだしにして突進してきます、いかなジャガーといえども、この反撃には敵いません。



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