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鹿児島県研修生(3期生)山下大介君のメキシコ漫遊記(ML投稿より転載)
同船者の園田昭憲さんは、鹿児島(日本)とブラジルの架け橋的人材を養成する目的で鹿児島県と郷里の鹿屋市から毎年数人の若者をブラジル研修生として受け入れる事業を続けています。2005年度研修終了の3期生山下大介君が帰国後メキシコを訪問した時の漫遊記を『私たちの40年!!』MLに書き送って呉れています。元気な若者の新鮮な目で見たメキシコ漫遊記を収録しておきます。
写真は、下記画像掲示板の書き込みからお借りしました。『2005年度研修終了で山下大介君、福岡工業大学卒、鹿屋在住、赤シャツの青年です。夢は幼稚園の先生になること、ピンガ大好き、金髪にメチャ弱い性格』


研修生3期 OB男子が帰国後メキシコに数ヶ月旅行し、漫遊記を書いてくれましたので、何回かに分けて紹介したいと思います。(園田昭憲)

鹿児島県研修生のメキシコ漫遊記 第一回
メキシコ迷走ランナー   〜追憶テキエーロ〜
 今からメキシコの今までの旅のあらすじを書いていこうと思います。時間がある人は読んでみて下さい。
 まず、メキシコシティーについたのが6月13日の夜7時半、予想に反してかなり明るく、宿も予定通り見つかり、すぐにタコスを食べに行きました。人生ではじめて食べるタコスは最高においしかった。でも翌日からおしりが大変なことになってしまい日本食を探すがどこも高くて中華にすることにした。そこで出会った”ちょう”という女性。中華料理屋に入るともの凄く怖い声で怒っている女性がいて(どうしようかな)と思っているとその女性がめちゃくちゃ優しい声で「オラ〜!!」と言ってきた。女って怖いなと、こんなにもすぐに感情をコントロールできるとは...そこでご飯を食べて店を出るときにその女性がニコニコしながら「どこから来たの?」と聞いてきた。自信過剰で妄想番長の僕は”はっは〜んコイツオレに気があるな”と思いながら「日本からや」と答え「名前は?」と聞かれ「だいすけ」「だいふふ?」ん”〜まぁいっかと思い「だいふふや」と教えてやった。そして「君は?」と聞くと「ちょう」と言ってきた。その日から毎日お昼はそこで食べるようにして、何回も通ううちに”ちょう”と呼び捨てにするのもな〜と思い「ちょうさん」と呼んだら「さんって何?」「セニョリータって事や」と教えてやった。
 そして、メキシコシティーについてちょうど一週間目に体調を崩し下痢と嘔吐を繰り返した。こんな時こそ”体力をつけないと”と思いちょうさんのみせへ、そこで「体調悪いんよ」と言ったら「待ってて」と言って茶色い液体を持ってきた。最初ウーロン茶かなと思いきや匂いを嗅いだら紹興酒!!しかも大きなビンを見せられてそこにはいろんな変なものが入ってる。イヤやなと思いながらも一気飲みしてその後、卵スープを頼み店を出た。そして寝ることに...しかし紹興酒のせいなのかやたらと体が熱くなって何回も服を着替えることに...翌日目が覚めると体調はバッチし!!中国4000年の歴史は侮れないと感じた。そして、メキシコシティーを出る前の日、また店に行き「明日この町から出て行くわ」と言ったらその日の料理の量がハンパなく多い。しかもビールも大瓶を出してくれた。僕はめちゃくちゃうれしくて全部食べると、ちょうさんのお母さんが「インクレイーブレ!!(信じられない)」と言い、僕は感謝の気持ちとサヨナラを言いこの町を後にした。
 次にパパントラ、この町ではやたらと人の目が気になる。子供は目を丸くして棒立ちになり、おっちゃんたちは「中国人!!」と叫んでくる。おばちゃんは通り過ぎてなお振り返り見てくる。中高生の男女は「一緒に写真とってイイ?」と群がってくる。なんともイイ気分だ...スターになった気分だった。
 そしてベラクルス、ここでは8年間首から下げていた十字架をメキシコ湾で泳いでいるときに失くしてしまった...失意のままレストランへ向かいパエリアを頼んだ。人生初めてのパエリア、そのお味は...最高!!レストランから見える海、まるでその奥深くまで潜っていく感じ。一口また一口と食べるごとにえびやカニたちが姿を現し、僕は海の底まで引っ張られていく...そして、最後に残った鶏肉(骨がついてたから)を食べた瞬間現実に引き戻された。”何やねんコレ!!パサパサやし味無いし...さっきまでの気持ちを返してくれ”と思いながらも食べてしまい、なんとも微妙な感じ。アレさえ無ければサイコーの気分だったのに...。
 そしてカンペチェへ、ここではある女性から「テキエーロムーチョ」という言葉を聞くことになった。この旅の目標”「テキエーロ」と言う言葉が聞きたい”という目標を達成することができた。しかも2人から...まぁこの話はまた別の機会に。それよりこの町ではホテルでお金を盗まれた...ホテルに置いていた財布から日本円で2万円くらい抜かれていた。次の朝(気付いたのが深夜だったため)フロントに「お金盗まれたわ〜」と言い「どこで?」「ここのホテルでや、誰が俺の部屋に入った?」と聞くと「リンペーザだけや、でも今日彼女休みやねん」と言われ「じゃぁイイよ、どうせ今日全部使われるやろ」と言ったら「待ってて、じゃぁリンペーザ呼んでくる」と言ってホテルから出て行った。そして待っている間ずっと何て言おうか辞書を見ながら考えていたら彼女が来た。そして彼女の娘も、”ウッソ〜ン、卑怯やんか〜人の良心に付け込む作戦か...こんなのに負けてたまるか!!”と思いながらもさっき考えていた言葉が出てこない...「俺のお金知らない?」くらいしか言えなかった。彼女は知らない、盗ってないと言い、子供は何も言わずお母さんを見ている。”あ”〜もし警察を呼んだりしたらこの子は不幸になんねやろな〜、道端で「お金ちょうだい」って言わんといかんやろな〜”と思い「もういいよ...もしかしたら俺の勘違いかも知れんし」といって話し合いが終わり彼女が握手を求めてきた...”こんな俺のお金盗ったやつとなんか握手できるか!!”と思いながらもそれに応じてしまった...あ〜なんなんやろオレ...。
 そして、この町で僕に「テキエーロ」と言ってくれた女性、エレナとニレインだったのかエレンとニレイナだったのかあやふやになってしまった...。

鹿児島県研修生のメキシコ漫遊記 第二回
メキシコ足跡セレナーデ  〜つよがりディスカンソー〜
 カンペチェからメリダへ、ここではピステへの移動のためによっただけで何もなし。
 そしてピステ。ここに着いてすぐに胡散臭い男が声を掛けてきた。ボロボロの帽子をかぶり前歯が何本か無くなっていて胸には”ADO”と書かれている。ん?ADO?何だバス会社の人間かと思い「ホテル探してんねん」と言ったら「200はどう?」「高いな」「180は?」「まだキビしいな」「じゃぁ160!!」「それでエエか」と話し「ついて来い」と言ってくる。あやしい...ヒジョーにあやしいと思いながらついて行くと1つの古いホテルへ...

そこへ入っていくとカウンターの奥でハンモックに揺られながら寝ているおっちゃんが一人。そいつに向かって「客連れてきたよ!!」とADOが叫ぶ、そしておっちゃんは起き上がりこちらに歩きながらこう言った「あ〜ポコディスカンソ〜」え”〜ウッソ〜ん今完全に寝てたやん、ちょっと休憩じゃなくてドルミンドですやんと思いながらも一つのノートを差し出して「ここに名前書いて」と言われ、名前を書きながら「1日いくらなん?」と確認のために聞くと、すかさずADOが「160にしといたから」と小声で、そしておっちゃんは「160!!」と...僕は「3日泊まろうと思ってんねやけど」といったら「ん”〜じゃぁ300!!」とおっちゃんが言ったにもかかわらずADOが「450にしとき」といって「じゃ〜450!!」とおっちゃん。

何やねんこいつらの厚い信頼関係は、ていうかおっちゃん自分の仕事くらいシッカリせいやと思いながらも納得して450払い「部屋は?」と聞くと「ん”〜9番!!」とおっちゃん、またADOが「9番はもう客いるでしょ。2番にしとき」と「じゃ〜2番」とおちゃん。そして僕は2番の部屋に行きながら”このおっちゃんADOがついてないとグダグダやん”と思いながら部屋に荷物を置き町へ...

 そしてその夜、1時近くになった頃、それは起こった...そろそろ寝ようと思ってベットで横になっていたとき何かが聞こえてくる...はじめは小さい音だったのが今ではハッキリと聞こえる...コレはもしかして...ギターの音や!!やめろやおっちゃん!!と思いながらもまぁまだガマンできるくらいの音だと油断していたらギターではない音が...ピアノか〜...誰か一人増えたようだ、そしてまた少しして今度はボーカルまで...3人で大合唱をしながら歌の合間合間に「サルー」を連呼。たぶん飲んでいるのだろう。それを聞きながら僕はこう考えていた。”おっちゃん、お前の気持ちは分かる。昼間寝すぎてねむくないんやろ?でもここホテルやねん、しかも客はオレ一人じゃないんやかい少しは遠慮せいや”と思いながらもコレがメキシコかとおもい夢の中へ...

 次の日チチェンイツァーへ行った。世界遺産がナンボのもんやと思い行ってみるとまぁ大したこと無い。夜にライトアップショーがあると聞いてそれにも行ったが、ま〜しょっぼいライトアップ、何やねんと思いライトアップは無視して近くの森に目をやるとなにやら光が見える...なんだ?と思い見つめているとそれらの無数の光がホタルだと言うことに気付いた。そして、何匹かのホタルはこちらの観覧席のほうにまで飛んでくる。実に幻想的だと感じた。世界を闇が包み込み、その闇の中から遺跡だけを浮かび上がらせる光...

そして遺跡と僕との間にはほんの数秒だけ光を放つホタルが行き交う。空を見上げれば無数の星空...まるで宇宙の始まりを連想させる...。そしてよく分からないナレーションがこう言う「チチェンイツアーハッ"」そう、ここはチチェンイツァーなのだ、もしかするとこのコントラストがこの場所を世界遺産にしたのかもしれない。

 そしてトゥルムへ、トゥルムではカリブ海を見た。今まで見てきたどの海とも違う青い色、あ〜ここで産まれたら海に憧れるんだろうな〜という思いに浸り、自分がカリブの海賊になっている姿を想像した。

 そしてこの町ではセノーテ(泉)のシュノーケリングに参加した泳げない僕ははじめ、恐怖で浅瀬でしか泳がなかったが次第に慣れ目の前のモノをよく見れるようになるとなんとも素晴らしい世界がそこに広がっていた。目の前を泳ぐ小さな魚たち、下を見ればどこまでも深い闇が覆い尽くしている。その闇にどこからか木漏れ日が差し込み光のカーテンを水中に作り出している。

水面は鏡のように水中を映しだし水面から上の景色を消し去り、突然水面から突き出したように見える鍾乳石、そんな中を泳ぎつつける。そして人一人通れるか通れないかの岩の間を通り抜けようとした時、急に足ヒレが動かなくなった。パニックになり水面から頭を上げると、後ろで同じツアーに参加していたカナダ人が親指を立ててニコッてしてくる。そう彼が僕の足ヒレを掴んでいたのだ”ボンじゃねーやん、オレ泳げんねん”と思いながらも親指を立て返した。そしてツアーは進み、じっくり4時間掛けてセノーテの中を泳ぎ続けた。

最後に自由時間があり、そのときにはどれだけ早く泳げるかを試したり、できるだけゆっくり進んだり...ゆっくり進んでいくと、まるで空を飛んでいるような気分になる。遥か眼下には青く染められた岩肌がみえ、僕の周りには空飛ぶ魚たちがいる。そんな気分に浸っていると急に息ができなくなった。何かがシュノーケルの呼吸口を塞いでいる。そして頭を上げると案の定カナダ人が親指を立てている。”お前なんやねん、オレで遊ぶなや”と思いながらもそれに応える。そしてツアーが終わりこの日の午後にイタリアがワールドカップのチャンピオンに輝いた。

 そしてサンクリストバルデラスカサスへ。そこでは初めて日本人にあった。僕がホテルに1日泊まって次の日の朝、街中を散歩して昼過ぎにホテルへ帰ってくると2階のほうから「日本人?」と聞かれ目を上げると僕の部屋の隣に2人の女性が立っていた「日本人やな」と応え、そのときはそれだけで別れたが夜になって部屋が隣と言うこともあって僕の部屋で3人いろんな話をした。僕が日本から持ってきていたCDを聞いたり、ギターを弾いたり...彼女たちはメキシコのグァナファトの大学でスペイン語の勉強しているらしくそこで会うことを約束して次の日彼女たちは何処かへ行ってしまった。そして、彼女たちがいた部屋に新しく入ってきたメキシコ人、彼に「その部屋に昨日、2人の日本人のサボローサが泊まってたで」と教えてやったら。「マジで!!ちょっと待ってて、探してくる!!」と言って部屋の中へ、そして部屋から出てきて「あ〜無いわ〜」と言っている。

彼が何を探していたのかは僕には分からなかった。まだまだスペイン語が充分でないからそれを聞くこともできなかったが、ただ一つ分かったことは”こいつは頭悪そうやな”ということだ。そして、そいつとホテルのフロントの人と3人で飲み明かして次の日ココを出た。

 一つ付け加えておくと、隣の部屋のヤツはナント!!弁護士を目指しているとか...僕の読みは外れてしまったが、昨日飲んでるときにそいつがひつこく聞いてきたことは「ドラゴンボールの界王様ってどういう意味なん?」ばっかり...なんと説明すればいいのか分からなかったから「偉い人なんや」と言うことにしておいた。

鹿児島県研修生のメキシコ漫遊記 第三回 

メキシコ潮騒フラメンコ  〜土砂降りハードゲイ〜

 サンクリストバルからシポリテへ、シポリテは日本人の女の子から教えてもらった町で、僕が向かおうと思っていた町の隣町だったためそこに行くことに決めた。シポリテについたのは朝の8時、地球の歩き方にも載ってなかったので自分で宿を探すことに...そこで最初に入ったホテルのセニョールが朝っぱらからなにやら分厚い本を読んでいる。

 たぶん聖書だろうと思いながら「ここいくら?」と聞くと「80や」と、そこで「1週間いようと思ってるんやけど」というと「じゃ〜60」。まぁこんなもんだろうと思ってココに決めた。そしてなんとなく海を眺めながら部屋の入り口に座り込んでいたら、そのセニョールの元へ何かの相談にやってくる町人が何人かいた。多分この人は昔、先生か神父だったのだろうと思いながら僕は昼前に寝ることにした。

 昨日はバスの中で隣のおっちゃんのイビキやらヒジ打ちやらで寝ている場合ではなかったからだ。そして寝ていると物凄い大音量でアメリカンヘビーロックがかかっている。何やねんと思い目覚めて外を見るとセニョールだ...昼飯の用意をしているみたいだ、しかもこのロックがやたらと「It’s my life」を連呼している。”わかたとおっちゃん、これがお前の人生なんねやろ?誰もあんたを否定してないやん”と思うがこんな中じゃ寝れない。

 そして夕方になり日が沈むころ、空はとてもきれいに彩られた。水平線に日が沈むわけではない。太陽は山のほうに沈んでいくが空の色が...何といえばいいんだろう...まるでバニラ色に染まっていた。とてもきれいだった。

 そして。2〜3日すると老夫婦とその孫と思しき人たちがこのホテルに泊まるようになった。そのおじいちゃんが朝から僕の部屋の前で何か作っている。「何作ってんの?」と聞くと「食べてみ」といわれ、ナイフの先に刺さったモノを見るとなんとホタテ!!しかもナマだ!!メキシコ人も生もの食べるんだと思いながらもご馳走になった。

 次の日は車で近くの海水浴場にまで連れて行ってくれて(目の前の海は波が高くてあんまり泳いでいる人はいない。シポリテというのも現地語で”死人の海”という意味らしい)彼の孫(12歳)と一緒になって遊んだ。

そして6日が経ち明日ココを離れようと思っていたらまたまた盗難にあってしまった。しかも物凄い出際のよさで...僕が小便に行っている1〜2分の間、ドアは閉めていたから窓から入ったのだろう。そして窓の近くにあったケータイと充電器、カメラ、帽子だけを持ってかれた。

最初、全然気がつかずにトイレから帰ってきた僕はベットに横になり「ぶふぁ〜」としていた。フッと「あっ、そうだ友達にメールしとこう」と思ってケータイを取りにいったら無い...ん?...もしかしたら明日出る予定だったから無意識のうちにもう直したのかな?昔からそうゆうの多かったんだよね〜。例えば学校で友達の教科書とかよく無意識に持って帰ってたな〜とか思いながらバックを調べるけど無い...ん?...わけがわからない。もしかして盗られた?でもいつ?考えてみる...夕食を食べに行ったとき...あった。その後ウンコをしに行ったとき...持って行ってた。オシッコの時...あ”っそん時や!!ついさっきじゃん、まだ10分も経ってないやんと思いながら外を見る...いるはず無いか...。

 そして次の日警察へ行き盗まれたことを言った。警察はこの町には無く隣町の僕が行くはずだったプエルトアンヘルにしかなかった。そこでどういう状況で盗まれたかを説明するがコイツが聞く気が無い...彼女とメールしながらメールが帰ってくるまでのヒマ潰しぐらいにしか聞いてない様子。
 
 それども全て一通り話したら「現場検証に行くから少し待ってて」と言われ待つことに...でも2時間経ってもメールをしているだけだ。「まだか?」と聞いても「もう少し待って」しか言わない。はっは〜ん、コイツやる気が無いなと思っていたら突然、部屋に4〜5人の警察と2人の若者が入ってくる。若者の手には手錠が掛けられ、何やら警察が「わかってるのか?アミーゴ」と二人に怒鳴り散らす。なんか自分まで悪いことをしたような気分になり恐怖を覚える。
 
 そして二人のうちの片方が別の部屋へ連れて行かれる。そこで何が起こっているのだろう。めちゃくちゃ不安になりながらも残されたもう一人の奴が気になる。僕の中で警告する声が聞こえる「見てはダメだ!!」...でも自分の意思に反してそいつを見てしまう...そして目が合いそいつが口を開く「何なんそいつは?」と聞く。新しく入ってきた警察も「さぁ?」と言う表情を見せている。僕は怯えながらも「ホテルで盗難に遭いました」と言ったらその新しく入ってきた警察が「こいつが盗んだんだ!!」と言って警察と若者の奇妙なお芝居が始まった。

 ”なんなん今までの緊張感は?”と思いながらもそれに付き合い「俺のケータイどこや」と聞くと「もう売ったわ」とか言ってくるし、警察はそれを聞いて殴るフリをする...何や、メキシコの警察はめっちゃフレンドリーやなと思いながらも僕は待っている「まだなん?」と聞くと警察は「コイツらが先だ」と言う。どう考えても俺のほうが先に来てたのに...

 それで待っていると「オイ!!日本人。カラテ知ってるか?」と聞いてくる「知ってるけどやったことは無い」と言うと「じゃ〜他に日本は何がある?」と聞いてくるので「ん〜ポケモン」と言うと、若者もふくめ大爆笑。それから僕を呼ぶ時「オイ、ポケモン!!」と言われるようになった。”あ〜もっと別のものにしとけばよかった”と思いながら、その後無事に盗難証明書ももらいこの町を出た。

 次にオアハカへ、土砂降りの雨の中この町に着いてサンクリストバルで買っていたカッパが大活躍!!。オアハカではこの旅二度目となる日本人と出会う。一組は若夫婦で世界一周しようとしているらしい。ブラジルにも行くみたいなので”ぶえの”を紹介しておきました。

そして、もう一人は”エリ”彼女についてはこれから書きます。彼女が同じホテルに泊まっていることに気づいたのは二日目の夜だった。その日たまたま廊下でビールを飲んでいると彼女がホテルに帰ってきたところだった。そして彼女が共同シャワーを浴びている時、僕はまだ廊下で飲んでいたらドミトリーの部屋のほうから一人の男が出てきた。どう見ても怪しい、絶対あっち系の人だと思い、無視しようと思っていたら話しかけてきた。しかも目の前に座り込んできた。

 ”ヤベ〜な〜、もうこの旅で痛い目にはいっぱい遭ってるし、もう問題事はゴメンやな〜”と思いながらも話を続けていた。そしたらエリがシャワーから出てきて彼女も話の中に入ってきた。”助かった〜”一人より二人いたほうが安心できると思いながらも話をしていると、エリも気づいたようだ。コイツはヤバいぞと。そしてエリが切り出す「あなたってゲイなの?」「そうなのよ〜」と彼が言った。僕とエリは「やっぱり〜!!」と声を合わして、僕は彼に向かって「フェリースィダーデス!!(おめでとう)」と言ったら、エリとゲイが笑い出して「何でおめでとうなの?」と聞くから「それって、素晴らしいことよ」と言ってあげた。
 
 そして次の日の夜も三人で色んな笑い話をして、その次の日にエリはココを出て行くと言ってきた。しかも早朝に、だからその時にお別れを言って別れたはずだった。

 そして次の日、僕はオシッコをしたくなって目が覚め、部屋をあけ、後ろ手にドアを閉めようとした時、今までに感じたことの無い感触が!!何だ!?と思い振り返るとドアノブのところに手紙が巻きつけてある。それを読んでみる...思いもしなかった手の感触と手紙の内容にドキドキしながらオシッコを済ませ、部屋に戻りもう一度手紙を読んでみる...そしてある言葉が僕の中に蘇ってきた「ぜって〜ワリ〜女だよ!!」まこっちゃんの言葉だ。「グアナダハラに来たら家に泊まりに来てね」というような内容とメルアドが、そして彼女が話していた色んな言葉が蘇り消えていく...やっぱり最後に残るのは「ぜって〜ワリ〜女だよ!!」と言う言葉だ。

 次にプエブラへ行ったがココの話は飛ばして(もう疲れたから)今グァナファトに居ます。これからはどこかに長期滞在しようと思ってます。では、またの機会に...アディオス!!





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