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世話になった伯国への恩返し 轄リの花 元学移連OB社長が共生図る サンパウロ新聞WEB版より。
元日本学生海外移住連盟の第5次団員としてブラジルに1年間研修されていた鹿児島大学の宮本 修さんは、現在山口県で弁当製造工場を経営しておられ、その後も盛和塾の塾生としても何度もブラジルに来ておられます。今回サンパウロ新聞福岡支局長の吉永 拓哉記者が宮本さんの紹介記事を書いておられます。若い頃に過ごしたブラジルとの繋がりを生かし50人以上の日系ブラジル人を雇用しておられ日伯交流を実践しておられます。最近は、若い学生を受け入れる制度が日本ブラジル交流協会の研修生制度も頓挫、現在では鹿児島県の研修生受け入れ事業程度しか見あたりません。人生の選択として移住の道が査証問題等で実現出来ないのは残念です。
写真もサンパウロ新聞からお借りしました。


世話になった伯国への恩返し 轄リの花 出稼ぎ者暖かく迎えて 元学移連OB社長が共生図る サンパウロ新聞WEB版より。

【吉永拓哉福岡支局長】瀬戸内海のほぼ中央に位置する山口市秋穂(あいお)町。人口八千人に満たない喉かな農村地帯の一角に宮本修さん(六十三歳)が経営する弁当製造工場が所在する。ここではブラジルからの出稼ぎ者五十人ほどが勤務している。宮本さんは鹿児島大在学時代に日本学生海外移住連盟(学移連)の第五次団員としてブラジルへ渡った経験を生かし、ブラジル人出稼ぎ者との共生を尊重した経営者として知られる人だ。

 同氏が経営する(株)菜の花は、山口県内のセブンイレブン(日本最大手のコンビニエンスストア)のおにぎりや多種類の弁当を日に七万〜十二万パックほど製造し、二百二店舗に卸している。「弁当製造業での外国人雇用数は非常に高く、全国では一万人ほど働いていると言われてます」と言う。

 同氏案内のもと衛生帽、マスク、白衣姿で工場内を回った。徹底した衛生管理が施されており、室内温度はつねに二十度を保っている。炊飯用の釜は日に最大十二トンの米を炊くことが出来る。おにぎりは、ほぼ全自動で製造しているが、弁当の詰め合わせは、従業員の流れ作業で行う。

 従業員四百二十人のうち、その一割以上がブラジル人だが、日本語はあまり必要とされない。また、食事時には各自弁当が支給されることで、出稼ぎ者の食費節減に役立つという利点もあることから、長期勤務をしているブラジル人も多い。

 工場内の製品仕分け作業を担当するフランシスコさん(四十三歳)は、父の代からここで勤めているという。現在、同氏と夫人、娘、息子の一家四人が親子三世代にわたり工場内で働いている。 「社長は面倒見が良く、従業員も楽しくやっている。ブラジルには帰らないかもしれない」とフランシスコさんは嬉しそうに話していた。

 消費者からのニーズに応え、年々需要が高まっていくコンビニエンスストアの“経営の柱”ともいえる弁当製造業だが、宮本さんがこの業界にたどり着くまでは苦難の道のりだった。

 一九六五年に学移連の第五次団員として渡伯し、南麻州での農業研修を終えたあと、山口県で食鳥の処理工場をはじめた頃は、新妻とともに箱の上で寝るといった苦労の連続だった。

 苦しい時には、南米に留まった学移連の同胞の顔を思い浮かべ、「彼ら移住者の苦労に比べれば大したことはない」と心に言い聞かせながらがむしゃらに仕事をして今日を築き上げた。

 その間、多忙な時間を割いて六度の訪伯をし、学移連OBらを激励するなど、ブラジル側との積極的な交流活動も行っている。

 宮本さんは「学生時代にブラジルへ行ったことで、困難に立ち向かう『開拓者精神』を養うことができた。この精神こそ経営者にとって何よりも大切なことなんです」と胸を張って答えた。

 青年の頃に世話になったブラジルに対し、いま彼は出稼ぎ者を受け入れることでその恩返しをしており、結果、日伯両国の国益へとつながった。「弊社では、まだまだブラジル人を受け入れる余地があります」と山口県のブラキチは豪快に話していた。




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