世界3大飲料の「マテ茶」南米の心 アルゼンチン在住 相川知子さんが紹介(中国新聞 世界の街角から抜粋)
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アルゼンチンのMLを主宰しておられる相川 知子さんが連載で書いておられる中国新聞の世界の街角から12月15日版に掲載しておられる【世界3大飲料の「マテ茶」南米の心】にマテ茶が何であるかが要領よく記されている。今回『私たちの40年!!』ホームページの50万回アクセスをGETされた神戸の光田靖さんに贈呈する記念の品の一つとしてマテ茶を飲む容器のセットを用意して行くことにしており相川さんの説明文をお借りして知らせて置きたい。
ブラジル、パラグアイでもマテ茶が常用されておりブラジルではガウショーがその代表的な飲料者で特にパンパス地方ではこのマテ茶がないと一日が始まらない。熱い茶を注いで飲むので食道癌患者が南大河州では多いと聞く。飲み始めるとお茶が逆流して元の容器に戻らないようにどんなに熱くても最後まですする音が皆に聞こえる迄一気に飲み干すのが作法と云われている。お茶その物は緑茶に慣れている日本人には美味である。奥地の客先を訪問すると必ずこのマテ茶の回し飲みに誘われる。断ると失礼に当たるので一度だけは受けざるを得ない。2度目からはオブリガードと言って断る事が出来る。郷に入っては郷に従え。熱いマテ茶の一気飲みには参る。
写真も中国新聞にある「アルゼンチンでは、子どものときからマテ茶を飲んでいる」との説明のあるものを使わせて頂きました。
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コーヒー、紅茶に続く世界三大飲料として南米で愛飲されている「マテ茶」―。日本ではあまり知られていない魅力や作法を、「世界の街角から」執筆者で、アルゼンチンに住む相川知子さんに紹介してもらった。
同じストローで回し飲む
首都ブエノスアイレスに観光で訪れる人は年々増えている。アルゼンチンで味わえるものの筆頭に牛肉やワインがあるのだが、観光ではなかなか味わえないものもある。それは「マテ茶」だ。スペイン語で言う“ジェルバ(ハーブの意味)マテ”という葉っぱを使い、“マテ”と呼ばれる、通常はカボチャをくりぬいた容器で金具のストロー(ボンビージャ)を使って飲むお茶である。
アルゼンチンをはじめ南米ではよく飲まれているが、意外に日本では普及しない。好かれていないのだろうか。同じ容器で同じストローで回し飲みするのだから、潔癖症の日本人には向かない飲み物かもしれない。
しかし、同じものを共有することは、同じ釜の飯を食べたという日本的連帯感と同じ。一緒にマテ茶を飲めば、友達の輪に入れてもらったと言っても過言ではない。
茶道同様、マテの正しい入れ方、作法もある。
容器 2晩癒やす
まず、容器のマテは、しっかり使い込んだものをお薦めする。観光客向けのお土産店で買ったばかりではだめ。二晩程度、葉っぱを入れて容器を癒やす必要がある。そのときにオレンジの皮などを入れるなど、各人のウンチクだってある。
マテ茶ポットは、ピコ(クチバシ)と呼ばれる、ちょっと口が出た、マテ茶を入れやすいテルモ(専用ポット)がある。直接、パーバ(やかん)でも大丈夫だ。お湯は沸騰する一瞬前に白くなり、泡が出てくる直前に火を消すことが必要。
マテに、八分目程度のジェルバ(マテの葉っぱ)をしっかり入れる。そして、手をマテの口に重ねて容器をひっくり返す。ジェルバの茎で、ボンビージャがつまらないようにするためである。
最初はマテの縁から葉っぱを全部ぬらしてしまわないように、用意したお湯をゆっくり入れる。その後、そっとボンビージャを入れる。このマテ茶を入れる担当者は「セバドール」と呼ばれる。お湯の泡がぷくぷくと出たおいしいマテ茶を入れることができれば、評価される。
週末の夕方や、屋外で、マテ茶を飲むため集まった時は、ファクトゥーラ(菓子パン)やマシータ(クッキー)などのおともがあれば、おしゃべりしながら、また、おいしいマテの評価をしながら、楽しいロンダ(輪)となる。
マテ道で禁止されているのは、ボンビージャを回したり、動かしたりすることだ。穴が葉っぱで詰まってしまうからだ。
それから自分の番になったら飲むのに専念すること。ほかのことに気をとられたりして、いつまでも自分だけがマテを持っていると、「マテにおしゃべりを教えているの?」と、まるで(鳥の)オウムを前にしているかのように冷やかされる。
「サラダ」の役割
そして、いくらおいしくても続けて飲みたければ、「グラシアス(ありがとう)」は禁句だ。これは、「もう結構です」の意味になるからだ。
マテに含まれる「マテイン」の効用はカフェインに似ているが、気持ちを穏やかにさせることもあれば、高揚することにもなる。つまり焦っているときには落ち着かせ、穏やか過ぎるときには元気にする効用があるため、気持ちのバランス調整に役立つ。一人で朝ごはんとして飲んでも、徹夜で仕事をしたり、勉強したりするときに飲んでももいい。
鉄分、ビタミンCをはじめ、ミネラルが豊富なため、一食二百〜五百グラムの肉の塊を常食とし、緑黄野菜を食事時にほとんど食べないアルゼンチンの人にとっては、友人とのひとときに飲む穏やかなマテ茶が結局、「飲むサラダ」として役立っているのかもしれない。
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