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ブラジル日本商工会議所 元十両若東が我が相撲人生を講演 サンパウロ新聞WEBより
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現在平成１９年度の名古屋場所が行われており新横綱、白鵬の３場所連続、横綱場所での初優勝が可能か初日に黒星を喫した朝青龍の巻き返しが成功するかまだ２日目ですが興味が持てる場所となりそうです。阪神の話題を棚上げにして暫くは大相撲観戦に注力していきたいと思います。
と言う事でブラジル出身力士で初めて関取迄昇進した若東（玉ノ井部屋）のブラジル日本商工会議所における『我が相撲人生と角界』と言うテーマでの講演内容をサンパウロ新聞からお借りして紹介して置きます。
元若東関、黒田吉信さんは現在サンパウロの東洋人街のニッケイパレスホテルの真正面にあるブエノと言う美味しい『ちゃんこ鍋』を食べさせる店をやっておられ良くのぞかせて貰っています。
サンパウロ新聞には、講演中の写真が掲載されていましたが、このHPには店で撮らせて頂いた写真を使用しました。
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ブラジル日本商工会議所 元十両若東が我が相撲人生を講演 サンパウロ新聞WEBより
ブラジル日本商工会議所は十日、聖市内のホテルで『五月定例昼食会』を開き、ゲストスピーカーとして参加した元十両の若東こと黒田吉信さんが「我が相撲人生と角界」をテーマに講演した。
黒田さんは、サンパウロ生まれ。相撲好きの父親に育てられ、四歳からまわしをつけて稽古に励んでいた。
転機が訪れたのは十四歳のとき。先日引退した元大関の栃東が中学三年生で来伯した際、黒田さんが栃東に勝ったことがきっかけで、さらに親交を深め、「ともに角界に飛び込もう」と誓い合った。
黒田さんは、父親の夢でもあったという大相撲入りを実現するべく、一九九一年、十五歳のときに訪日し、玉ノ井部屋の門をたたいた。
当時、身長百七十一センチ、体重七十キロほどと小柄な体格だったことから、同部屋の体の大きい力士を見て不安を覚えたそうだ。
重ねて、力士への合格基準が身長百七十四センチ、体重七十五キロとわずかに足りないことにも心配していた。
新弟子検査を合格するために、食べきれないほどの食事を与えられたり、髪の毛にヘアスプレーをつけて身長を延ばしたりと、おかみさんからたくさんのアドバイスを受けた。
一リットルの水を飲んで臨んだ新弟子検査では、ブラジル出身ということでマスコミから注目を集め、たくさんの報道陣が詰め掛けた。
明らかに体重が足りないことに気がついていた黒田さん。ところが、身長測定では、「頭に何も当たらずおかしいなと思った」ら、審査官は百七十五センチのところで測りを止められ、パス。体重はさすがにまずいだろうと測定に臨むと、「七十五キロ」と告げられ、前日測った時に超えていなかった体重が増えているのを見て、本人は目をぱちくりとあっけに取られてしまったそうだ。
角界入り後、今まで歓迎ムードだった親方や兄弟子たちの態度ががらりと変わり、厳しい稽古の日々が始まった。
相撲教習所時代には、午前四時に起きて、兄弟子のまわしを屋上で干す作業から、国技館を何週も走らされたり、十キロの重石を載せて腕立て伏せをさせられたり、「とにかく、軍隊よりも厳しいと思いました」と徹底的にしごかれた。
入門後、一年目を迎えたある日。じん帯損傷を起こし、入院三か月を強いられた。親方からの励ましや何千回もリハビリをこなしてどうにか復帰した。
復帰後、「体格も小さいおまえは人の三倍努力しろ」と親方に言われ、努力の日々が始まった。シコ、腕立て、バーベルを二百回ずつ毎日こなした。
そんな成果が実り、入門から二年で幕下にスピード昇格した。その後、七年間かけて十両に昇進。「今でも自分の宝物のようだ」と十両時代の思い出を振り返る。
思い出に残る一番は十両を決めた幕下での最後の取り組み。前日から緊張していたとき、親方が京都へ連れて行ってくれた。
「あの時は僕の気持ちを察してくれていたみたいです。『楽にやれ』といってくれ、緊張が取れたんです」。
周りの仲間に支えられた黒田さんは、〇三年に引退した。
「今思えばいい経験をさせてもらいましたね」と昼食会参加者の前で、現役時代の思い出を語ってくれた。
（写真：講演する黒田吉信さん）
２００７年５月１２日付け
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