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山下晃明のブラジルで損せぬ法(231)(232)(233)及び(234)3月号/4月号/5月号/6月号
今回は、4ヶ月分を一挙公開です。いつもは2ヶ月分程度しか掲載出来ないのですが、4月号は、大変参考になるブラジルの世界ベストテン(1)から(5)までの5ページをソフトの関係で掲載出来ないこと及び5月号のアルゼンチン・ブラジル・メキシコ3国の過去20年間の貿易収支推移を示すグラフがソフトの関係で表示出来ず本文そのもののみとなり4回分を一挙公開出来る事になりました。内容そのものは非常に興味深いものですが肝心のベストテンのリスト、3国比較グラフ等をご披露出来ませんでした。
6月号では、前立腺肥大の治療のため人生に置ける強制休暇を日本の病院で取り手術後の入院生活、夏場所を始め日本のTV番組、ブラジルの病院との比較論、はしかの流行から憲法改正問題、ブラジル現地通貨レアルの高騰と日本円の下落による日伯物価比較論と話題が飛ぶ。
元気になった彼とリオで一杯遣りたいと思っていますが、写真は訪日前の3月にリオでご一緒した時に撮らせて貰ったものです。


山下晃明のブラジルで損せぬ法(231)
『実業のブラジル』誌に好評連載中(2007年3月号)

マイアミの南米からの観光客景気
 カーニバルのリオ向け観光客と逆方向に移動して、マイアミに所用で行ってきた。いつものビジネス・ホテルに予約を入れたら料金が倍以上になって満杯だという。ボートショーも終わっているのになぜかと聞くと、観光客が最近急増しているとのことである。空港から相当離れたビジネス・ホテルに入ったが冷蔵庫もない部屋が家族連れの客でいっぱいであった。この傾向はホテルのみでなく空港付近の広大な商業事務所倉庫スペースにも及んでおり、最近賃貸事務所の空きが極めて少なくなったとのことである。

 ダウンタウンは再開発建設ブーム
 米国は不動産価格が下がり景気にかげりが出ているというが、貿易など表向きの話は別にして、中南米の観光客を積極的に受け入れ、米国は彼らの個人資金を吸収しているようである。マイアミ・ダウンタウン、一時はさびれて観光客が寄りつかなくなっていたが、この一年の間に再開発で高層ビルがどんどん建ち、現在も無数に工事中でクレーン乱立風景は一見の価値がある。大きなモールへ行くと不動産のビラをくれるようになった。
 この最近建設中のビルは下の階が商業やサービス業用スペースで上の階は住宅のもが多いと聞いたが、まさに南米からの観光客目当ての売り物で、たとえばヴェネズエラの中産階級に買わして、毎週末に2時間飛んで、家族でマイアミ滞在をすすめているわけである。南米の政情不安、税制、為替事情などから逃げたい人を積極的に拾う米国のしたたかさには常に驚かされる。
 米国側の受け入れ態勢も半端ではなく、
この一年間に空港ターミナルの拡張工事が行われ、現在133機が同時にゲートに付けられる。実に南米諸国であれば空港何個分かの規模の拡張である。2006年の国際線のみの発着便数16.5万便(日割でなんと460便である)、年間乗客数は1400万人とのことである。
 どこかの国は管制官一人当たりの管理機数が、20機で順法ストになって空港を麻痺させている。マイアミ空港の管制官がこの大量の飛行便をどうやってさばいているのか勉強する必要がある。
 現在のマイアミからの南米主要都市への乗り入れ直行便を見ると、カラカス向け日に5便、同じくボゴタ3便、キト3便、リマ2便、サンチアゴ3便、リオ2便、サンパウロ4便、ブエノスアイレス4便が毎日飛んでいる。いずれも767クラスの大型機である。
 銀行のマネージャーの話によると、南米から30万から50万ドルほどの資金を持ってきて、商業を開始、数年間で失って国に戻る例は星の数ほどもあるとのことで、南米式のインフレに慣れて高マージンの商売が通用しない米国での自由競争の厳しさを語っている。 
 実際米国ではインフレは殆どないし、金利も安い、だが自由競争で、どんな品物でも誰かが少量持ち込んで、これは売れると証明しようものなら、大資本が金に糸目を付けずに参入してどんどん値が下がる傾向がある。ボヤボヤしていると市価が仕入れ価格より安くなってしまうのである。したがって売る前から赤字とピアーダ的な現象が起きるのである。
 商いのからくりは別にして、中南米の小金持ちに、それも本国では脱税益のような資金を米国に持って来させて不動産を買わせる。商業に投資させて、スッテンテンにする。なにしろ数が多いからかなりの額のドル還流になる。空港拡張なども含めて意図的なしたたか政策と思えぬこともない。

 アルコールの輸出
 2/7付FOLHA紙によれば昨年のアルコール輸出先1位は米国1749百万リットル、2位オランダ344、3位日本228である。イラク戦争の失敗で長期戦略的に石油資源確保に失敗した米国は本気でエタノール戦略を考えているようだ。ブラジルで一番早くエタノールの輸出を言い出して話題になったのは日本であったが、実際は米国の方が先行しそうな気配である。すでに米国ではサトウキビ以外のトウモロコシなどでエタノールの製造を始め、ガソリンにも混入しているが、今回のブッシュの南米訪問もこのためで、先行したNichoras Burns国務次官がGlobal戦略を持ち込んでいる。ルーラはブッシュ大統領に対しエタノールの米国関税、ガロンあたりUS$0.54をゼロにすることを申し出るようである。
 3/3付 FOLHA紙によると、三井物産がPETROBRASと組んで80億ドルの予算で40アルコールUSINASを建設する計画があるとのこと、バイオ・ディーゼル政策も含め、けっして米国の資源確保の動きを軽んじてはならない。米国は青田買いで消費の独占など平気で行うし、気がついたときはブラジルから売ってもらうものが無いということにならぬよう、日本もしたたかに計画を立案すべきである。

 右肩上がりのブラジル
 貿易収支の黒字額、外貨準備高とグラフにすると右肩上がりが続いているが、マイナスの右肩上がりもある。
 対GDP収税率2006年は過去最高記録で38.8%、昨年より0.98%増加している。1991の24.61%から直線的に右肩上がり、これほど収税を増やしても状況的に眼に見えて良くなったものがない。24.6%から上げなかった方が国民のためだったのではなかろうか。
 社会保険の赤字、赤字が問題と言われだしてから久しいが、2000年に100億レアル程度の赤字であったのが今は420億レアルに直線的に増加、減らすどころか均衡させる努力すらなされていない、赤字は4倍に増えているが眼に見えて良くなったものがない。社会保険の予算は途上国の国家予算の規模であるからもう少し真面目にやってほしいものだ。

 BRICsとメキシコの中のブラジル
 O GLOBO紙に米国商工会議所の興味ある記事が掲載された。 BRICsにメキシコも加えて1〜5で評価した数字。ベスト1の数で断トツは中国の10個、次はインドとロシアが3個、ブラジルとメキシコが2個である。ちなみにその内容は国内市場と汚職認知率。ワーストの5の数でトップは6個のブラジルで、実質金利高、税率合計、政府の透明度、調整機関数、会社設立所要日数、商品関連インフラ、などがワースト、続いてインド、メキシコ、中国は1個のみ。なお汚職はBRICsに共通する問題のようである。ブラジルの成長率は近未来の予想を含めて最下位、金利と税金はTOPと長期計画性の無さで現時点の見通しは暗い。

 南米インターネット事情
 最近南米を一周した人に話を聞いたが、構内無線LANのWiFiの普及はすばらしい。各部屋への配線が不要だから敷設が簡単ということもあるだろうが、ほとんどの地方ホテルがLANケーブル時代を飛ばして無線になる傾向がある。筆者もアルゼンチンへ旅行したが、かなり地方の観光ホテルでも無線が使用でき、これでSkypeで話せば旅行中にホテルに払う電話代はまったくゼロになる。

 ノーネクタイ国主が増えてきた
 昔は中国、キューバ、北朝鮮とインドやアラブ諸国の制服か民族衣装のときのみであったが、最近のテレビニュースを見ていると、イランのアフマディネジャード大統領のごとく背広にノーネクタイが増えてきた。南米でもボリビアのエボ・モラレス大統領、ヴェネズエラのチャーベス大統領、エクアドールのラファエル・コレア新大統領など、反米左派系大統領の公式の場でのノーネクタイ姿が目立つようになった。
 社会主義国でもロシアのプーチンはいつもネクタイ姿だが彼はすでに過去の人間なのだろう。考えてみると女性はノーネクタイだし、もはやネクタイは古い証しかもしれない。 
 話は変わるが、汚職で追放になった元官房長官のディルセウが昨年メキシコ(2回)、ニカラグア(2回)、ヴェネズエラ(2回)、キューバ、ボリビア、ドミニカなどへ旅行している。何しに行ったかは知らないがノーネクタイ国が多い。

 セアラ州の15人子供家族を考える
 セアラ州出身のある人の誕生パーティーで兄弟が15人もいることが分かって驚いた。オヤジは再婚して他でも9人子供をつくったというからギネス・ブック入りだか。他のところで驚いたとその話をしていたら、私もセアラ州出身で親戚には16人と17人の子持ちがいるとのこと。恐れ入りました。
 だが話を聞いてみると母親1人で15人の子供の面倒が見れるわけがなく、年上の子は下の兄弟姉妹を順繰りに面倒を見る、部屋中にハンモックで重なって寝るとほほえましい。
 小学生のころ筆者は岡山にいたが、母親が農業で忙しい近所の10歳くらいの女の子は学校から帰ると赤ん坊を「ねんねこ」で背負わされていた。ルース・ベネディクトの「菊と刀」で日本人が礼儀正しいのは赤ん坊のころ「ねんねこ」で背負われて親と一緒にこんにちはと頭を下げて挨拶するからだというのがあった。わかった。今の殺伐な親子関係の日本に欠けているのはまさにこれだ。やはり少子化はよくない。15人は多すぎるが1人っ子はだめですな。

山下晃明のブラジルで損せぬ法(232)
『実業のブラジル』誌に好評連載中(2007年4月号)

世界10位のブラジル
 計算方式の変更でブラジルの2005年公式GDPが世界10位になったと発表された。世界10位の規模の国家統計が、計算方式の変更で、国際ランキングが4位くらい平気で動く、この「いいかげんさ」には世界も特に追い抜かれた韓国はさぞ驚いたことだろう。2004の公式統計では10位インド、11位韓国、12位メキシコ、13位オーストラリアの次がブラジルであったから実に4位躍進である。
 GDPの計算基準が、最近急進の金融業やIT産業の比重が低すぎるとIBGEが計算基準を43業種80品目から56業種110品目に、サービス業の比重を全体の50数%から60数%に増やした。3次産業比率は中国で40%程度、60数%にもなるのは先進国の水準であって大いに喜ばしいことではあるが、為替高で中小輸出工業の多くが破綻していること、税金が高すぎて工業は保証サービス費など、本来は商品価格の一部であるものを節税目的で分離しサービス売上げにしているなど国内事情を知る身としては少々心配である。発展途上国はもっとまじめに工業の比重を高めるべきであろう。
 過去10年に遡って修正した結果11%ほどGDPが増え、底上げしたことになるから、2006年の対GDP税収率は38から34.5%に下がり、同じく対外債務率は50から45.7%に下がったというから恐れ入る。
 ドルベースのGDPは仮に為替が2.5から3レアルになると、たちまち世界14位程度に転落することになるが、とにかく現在は公式に世界10位に違いない。2000年より止めていた恒例の「ブラジルの世界ベストテン」を急遽集めて一覧にした。資料の年数にばらつきがあって雑だがブラジルの実力を知るにはお役に立つと思う。
 ブラジルは続投政権の組閣に3ヶ月も無駄にしたし、航空管制官問題は半年も続いて未解決だが、大統領を含め世界10位の国であることを自覚する必要がありそうだ。
 作業中にアレ!と思ったのは、都市別海外在留邦人数、アジアが延びて南米では唯一のサンパウロがかろうじて10位、次回は10位以下に転落しそうである。自動車保有台数、農業就業人口、森林面積などは過去に10位内であったものが、11位と圏外に去った。
 他にも多くのブラジルの世界ベストテン項目があるだろうから、お気づきの方はぜひ教えていただきたい。

山下晃明のブラジルで損せぬ法(233)
『実業のブラジル』誌に好評連載中(2007年5月号)

アルゼンチン・ブラジル・メキシコ
この3国の過去20年間の貿易収支推移をグラフで見る。国家も個人の家計も同じで収支バランスが取れていれば問題ないが、バランスが大きく崩れると外圧で何か大きな経済調整力が生じることになる。1987までは3国ともに貿易収支がほぼ同程度の黒字、中南米の3大工業国として、事務機や自動車の3国分担の計画があった。その後アルゼンチンとブラジルはハイパー・インフレになり、メキシコは89に貿易収支が赤字に転落、アルゼンチンも92年に赤字に転落した。メキシコは94年に北米NAFTAに加入し北米寄りの独自の道を歩み始めた。87年から後の20年間を追ってみることにする。
 年6000%以上の慢性ハイパー・インフレを経済教科書の通貨インフレ論通りに通貨量の極端な引き締めで、一夜で止めてみせたのはコーロル政権のゼリア蔵相が最初である。90年3月に突然預金を凍結し、物価も凍結した。コーロル・プランは結果的に失敗したが、この瞬間マジック的経済ショック療法は高インフレのアルゼンチンにも飛び火した。91年カバロ蔵相はアウストラルで予備期間を置いて物価を凍結し、92年に1万アウストラルを1ペソにして対ドル1ペソとした。コーロルは92年に弾劾されたが、その後蔵相になったカルドーゾは94年にURVという架空通貨の助走期間を置き、7月に新通貨1レアルを約1ドルに設定した。一見、各政策は独自に計画したように見える。しかし、国庫収支を均衡させ、通貨の発行を抑え、物価をドルにスライドするこれら3プランの基本思想は同じである。先に実施した政策の結果が微妙に次の政策立案に影響を与えているのは否定できない。
 その後アルゼンチンの対ドル1ペソ政策は7年続いた。そしてこのカバロ政策は国際的に成功モデルとしてもてはやされ、大統領は通貨のドル化を考えるまでになった。輸入部品がコスト安となり輸出工業の成長もすばらしく、94年にメルコスールの発足もあって、ブラジルへの輸出が増えた。ブラジルでは大衆車からミルクやジュースまでアルゼンチン製となった。このアルゼンチンの対ドル1ペソ政策は、増え続ける貿易赤字をブラジルが永久に受け入れる経済システムを意味していた。貿易収支の大赤字急増を支えきれなかったブラジルは99年1月、一方的に切り下げ調整した。これらをきっかけにアルゼンチンのペソの対1ドル政策も挫折し世界的な大混乱となった。
 2002年3月には対ドル4ペソになり外債の75%がデフォルトとなったのである。その後両国は国庫収支の赤字を禁止する法を制定しIMFの指導もあって収支が赤字にならぬよう努力している。03年5月にキルチネルが、02年1月のルーラが大統領に就任したが、両国とも現在急速に回復基調になっている。なお最近ブラジルの黒字は少し進み過ぎで何らかの調整が必要となるだろう。  
 一方94年にNAFTAに加入し、2000年にはEUともFTAを締結したメキシコは98年以後貿易量は増えたものの、貿易収支は毎年平均83億ドルの赤字を続けており、FTAは必ずしもプラスになっていないことに注目すべきである。

山下晃明のブラジルで損せぬ法(234)
『実業のブラジル』誌に好評連載中(2007年6月号)

夏場所に思う
 人生には、たまにはこういう強制休暇も必要なのだろう。前立腺肥大の治療のため、入院で2週間も日本の総合病院で禁酒を強いられている。毎日することがないのでテレビばかり見ている。連続ドラマ、夏場所、国会中継、討論会などをすべて見た。
 夏場所は白鵬が全勝優勝するまで毎日観戦、国技の相撲の東西正横綱が外国人で、幕内に外国人が11人という多さにも驚くが、横綱たちは下手な日本人より日本のしきたりや日本語が上手で、国技を国際的に楽しいスポーツとして継承させることは意義があると思う。外国人への積極的開放は他の文化事業も見ならうべきだろう。

 日本のTV
 日本のTV番組の司会者が一斉に高齢化しているのに非常に興味を持った。ブラジルもシルビオ・サントスやエベはかなりの年だから一般的な傾向かも知れないが、TV業界も老人業界に近いとおかしかった。将来全チャンネルがハイビションになり多チャンネルの時代になると、TV司会者の世代交代が余儀なくされよう。なにしろデジタル・ハイビジョン放送では、解像度の鮮明さはすばらしく、52インチの大スクリーンで見ると、しみそばかすどころか毛一本、肌の毛穴まではっきり見えるので、しわを化粧でごまかせない時代になりそうだ。
 日本はすでに通常TVをデジタル画像で送信しており、横幅が少し足らないが全チャンネルをデジタルTVで見ることができる。車の中でデジタルTVを見ると、画像のゆれがまったくなく完璧でスポーツの実況なども楽しめる。NHKが総合技術展をしていて、メガネなしの立体テレビの実験も見た。TV新技術の将来が楽しみだ。

 日本の病院に思う
 社会保障の恩恵を享受したからあまり悪口は言えないが、日本の総合病院は過剰サービスのようだ。保険証があれば大部屋だと室料はなし、ブラジルなれば手術の当日入院、点滴や管が取れて一人でシャワーを使えるようになると退院させられるが、日本は2-3日前入院で、なかなか退院させてくれない。入院日数はブラジル5日対日本2週間といったところか。
 病院食は悪いと覚悟していたが、食費はわずか1食負担286円3週間ダブリなしの献立はブラジルの常識で見ればかなり贅沢である。ちなみにメニューは、金目鯛の香味蒸し、たらの梅味焼き、かれいの唐揚げ野菜あんかけ、卵えび野菜のちゃんぷる風、太刀魚の塩焼きカレー風味、からすかれいの塩焼き、豚ロースのソテーごまソース、鶏もも肉のマーマーレード焼き、にしんの塩焼き、さばの味噌煮、さわらの西京焼き、と下手なレストランより豪華である。これがブラジルの病院であれば毎日がフランゴとバタタの減塩トマト味煮付けだろう。
 注目すべきは入院した総合病院は病院というよりは患者に寝たきり老人が多く、ナース・ステーションには業務時間中に数人の車椅子の老人を職員が仕事しながら面倒を見ている。まさに老人ホームの雰囲気である。看護師さんは超多忙で、24時間重労働であるが、将来は看護師さんを東南アジアから受け入れる必要があるだろう。

 過ぎたるは及ばざるが如し
 入院中、ひねもすTVを見ていて、日本の安全性にそれを感じる。日本の常識、世界では非常識ということになるだろう。
 横断歩道で歩行者ひき逃げのニュースがあった。日本では歩行者や自転車は信号が青になると驚くことに横を全然見ないで横断する。皆が信号を守るのは良いのだが、この環境で育った人が外国に旅行すると世界のほとんどの国で車に轢かれるだろう。リオでは犬でも道路を横断するときは左右を見て渡る。そうでない犬はとっくに死んでいるからである。
 日本の戸締りや盗難対策は場所によっては無いと同じだ。都市の商店でも万引き対策など配慮しているようには見えない。将来貧困国からの出稼ぎ移民が増えると対処不能になるだろう。
 日本では殺人事件が極めて少なく全国で日に1件あるかどうかだが、毎日多くのチャンネルが1つの殺人事件を縦、横、ななめから分析して報道している。ブラジルは年4万人以上だから日割りで110人くらい、よほど凶悪事件でないと新聞やTVでは報道されない。
 安全を追求するのは良いのだが、このような過度の安全環境を日本だけでつくると、他のほとんどの国へ行ったとき抵抗力がない、世界的にひ弱かつ迷惑な日本人にならないだろうか。
 画一教育で競争を排除した教育は、競争心や抵抗力の無い子供を増やし、日本では自殺者が年間3万人というが、ちょっとした挫折で自殺したり破壊的行為に走る子供を増やすだろう。赤ちゃんをゴミ箱に捨てたり、殺したりする親がいる報道が続き眼に着いた。この親たちの子育て本能は鳥や動物以下である。若い人を放任主義で勝手気ままに育てすぎたのだろうか。
 ある国際社会活動でメンバーに日本人が一人入ると、ミネラルウオーター、日焼け止め、虫除け、夜はクーラーが必要になるとピアーダになっているが、これがリオのファベラ出身の若者であれば一切必要ないだろう。

 はしかの流行
 20歳代にはしかが大流行していて、都内の主な大学が休校になっている。これは、はしかを撲滅したとして15年前ワクチン接種を止めたが、10年前にはしかが再発してそれ以後は乳児にワクチン接種を再開したので、10歳以下の人は問題ないが15歳以上の人は接種していないとのこと。まさに安全の過信そのものの結果現象である。

 日本の針路転換の兆しを感じる
 日本の歴史的変化、針路転換の兆しがみられる。出生率が1.26%を底に上向きに転じた。
 教育方針が画一型から才能開拓型に変わりそうである。画一化のゆとり教育は、一人っ子時代になって失敗、グローバル時代に必要なリーダー的人材が育たない。一人っ子が多くなって無責任親とわがまま 子供が多くなったことの是正であろう。
捕鯨の禁止、ロシアの海産物輸出禁止、北朝鮮の圧力、中国、韓国もなにかとあたりが強く、石油、石化ガス、ウラン鉱石、食料などの資源確保についての国際的な日本たたきが強くなっているように感じられる。憲法9条改正と自衛軍へ向かって日本は静かに針路転換を始めている感じがする。

 洗剤不要洗濯機
 三洋電機の洗剤不要の洗濯機を病院で初めて使うことになった。電解液を使用するとのことであるが、選択後のタオルなどに変なにおいもなくすばらしい。
 メーカー説明によると、洗濯槽の側面の電極で水を電気分解しできる活性酸素と電解次亜塩素酸の電解水を用いて、汗などの有機物を分解。これに微細な気泡を発生させ、気泡がはじけた際に生じる超音波で洗剤ゼロを実現した。また電解水は除菌効果もあるとのことである。

 為替のひずみ
 ブラジルのレアルが高すぎるとしたら日本の円は安すぎであろう。日本のコーヒーの500円も以前は高いと思っていたが、今はドルレートが120円と1.9レアイスとすると8レアイス以下で喫茶店の装備からして申し訳けないほど安い値段である。
 不況でデフレであった日本で6月からマヨネーズ、テイッシュ、ガソリン、オレンジ・ジュース、住民税などが一斉に上がる。バイオ燃料で世界的に農産物の供給が減るのが原因とのことだが、本当は円がもう少し高いと、他の輸入物品のコストが下がり調和されるわけである。
 今の日本とブラジルの為替レートは両方ともおかしい。日本の昼食は700〜800円である。15レアル程度であるから、ブラジルでは弁当しか食べられない値段で、日本では十分うまいものが食べられる。とくにリオの相場よりは遥かに安いですぞ。

 ゼロ円サービス
 最近ブームになっているサービスで「ゼロ円」というのがある。携帯電話にコマーシャルの入る無料インターネット・サービスがあったが、要するに只のサービスで、デジタル・カメラの写真のプリントをインターネットで依頼すると無料でプリントを自宅まで配達してくれるサービスである。写真の一部にコマーシャルが入るとのことである。写真以外にも用紙の裏にコマーシャルを入れた只コピーとか只のサービスがブームになりつつある。宣伝コマーシャルには大金を使う企業があるから、うまく話がつけばいろいろな応用ができそうである。



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