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桐井 加米彦さんの随筆集より『小倉百人一首』その成り立ちについて。
『私たちの40年!!』HP開設当初からですので既に5年近く前から色々お世話に成っており別府で2度お会いしている元高校教師の桐井 加米彦さんのHP『詩とエッセーの広場』の最新更新に『小倉百人一首』の成り立ちについてと100首を番号順に網羅したものが掲載されていましたので全文をお借りして寄稿集にUPして置きたいと思います。
耳に心地よい音楽と訪れる人に安らぎを 去りゆく人に幸せをとのメッセージと共に気持ち良い時間を過ごさせて呉れるHPは一服の清涼を感じる珠玉のHPです。奥様の育枝さんの水彩画も見応えがあります。是非ご訪問下さい。
www.oct-net.ne.jp/~k-kirii/
写真は、奥様の作品水仙をお借りしました。


小倉百人一首

 小倉百人一首は、今から772年前、文歴2年(1235年)5月27日、
藤原定家が天智天皇から順徳天皇までの約550年の間に詠まれた歌
の中から各歌人の歌一首ずつを選び、洛西嵯峨の小倉山の別荘で屏
風に書き移したことから、この名があります。
 出典はすべて勅撰集にあり、古今集から二十四首、後撰集七首、
拾遺集十一首、後拾遺集十四首、金葉集五首、詞花集五首、千載
集十四首、新古今集十四首、新勅撰集四首、続後撰集二首となって
います。作者は8人の天皇をはじめ、公卿・殿上人・地下など各層にわた
り、15人の僧侶、21人の女性を含んだ多彩なものです。
 部立ては、春六首、夏四首、秋十六首、冬六首、恋四十三首、離
別一首、羈旅四首、その他の雑二十首です。歌風は優雅・流麗で中に
は万葉の歌だったものも、新古今集のかたちでとられ全体が一つの調子に
統一されています。(平成19年5月大分県歌人クラブ事務局理事太田
宅美先生の講義より)
1.秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ(天智天皇)

2.春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の香具山(持統天皇)

3.あしびきの山鳥の尾のしだり尾の長々し夜をひとりかも寝む(柿本人麻呂)

4.田子の浦にうち出でて見れば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ(山辺赤人)

5.奥山にもみぢ踏みわけ鳴く鹿の声きく時ぞ秋は悲しき(猿丸大夫)

6.かささぎの渡せる橋におく霜の白きを見れば夜ぞふけにける(中納言家持)

7.天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも(安倍仲麿)

8.わが庵は都のたつみしかぞ住む世をうぢ山と人はいふなり(喜撰法師)

9.花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに(小野小町)

10.これやこの行くも帰るも別れては知るも知らぬも逢坂の関(蝉 丸)

11.わたの原八十島かけてこぎ出でぬと人には告げよあまの釣舟(参議 篁)

12.天つ風雲の通ひ路吹きとぢよをとめの姿しばしとどめむ(僧正遍昭)

13.筑波嶺の峰より落つるみなの川恋ぞつもりて淵となりぬる(陽成院)

14.みちのくのしのぶもぢずり誰ゆえに乱れそめにし我ならなくに(河原左大臣)

15.君がため春の野に出でて若菜つむわが衣手に雪は降りつつ(光孝天皇)

16.立ち別れいなばの山の峰に生ふるまつとし聞かば今帰り来む(中納言行平)

17.ちはやぶる神代も聞かず龍田川からくれなゐに水くくるとは(在原業平朝臣)

18.住の江の岸による波よるさへや夢の通ひ路人目よくらむ(藤原敏行朝臣)

19.難波潟短き芦のふしの間も逢はでこの世を過ぐしてよとや(伊 勢)

20.わびぬれば今はた同じ難波なるみをつくしても逢はむとぞ思ふ(元良親王)

21.今来むといひしばかりに長月のありあけの月を待ち出でつるかな(素性法師)

22.吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風をあらしといふらむ(文屋康秀)

23.月見ればちぢに物こそ悲しけれわが身ひとつの秋にはあらねど(大江千里)

24.このたびはぬさもとりあへず手向山もみぢの錦神のまにまに(菅 家)

25.名にしおはば逢坂山のさねかづら人に知られでくるよしもがな(三条右大臣)

26.小倉山峰のもみぢ葉心あらば今ひとたびのみゆき待たなむ(貞信公)

27.みかの原わきて流るるいづみ川いつ見きとてか恋しかるらむ(中納言兼輔)

28.山里は冬ぞさびしさまさりける人目も草もかれぬと思へば(源宗于朝臣)

29.心あてに折らばや折らむ初霜のおきまどはせる白菊の花(凡河内躬恒)

30.ありあけのつれなく見えし別れより暁ばかり憂きものはなし(壬生忠岑)

31.朝ぼらけありあけの月とみるまでに吉野の里にふれる白雪(坂上是則)

32.山川に風のかけたるしがらみは流れもあへぬもみぢなりけり(春道列樹)

33.ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ(紀 友則)

34.誰をかも知る人にせむ高砂の松も昔の友ならなくに(藤原興風)

35.人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける(紀 貫之)

36.夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづこに月宿るらむ(清原深養父)

37.白露に風の吹きしく秋の野はつらぬきとめぬ玉ぞ散りける(文屋朝康)

38.忘らるる身をば思はず誓ひてし人の命の惜しくもあるかな(右 近)

39.浅茅生の小野の篠原しのぶれどあまりてなどか人の恋しき(参議 等)

40.忍ぶれど色に出でにけりわが恋はものや思ふと人の問ふまで(平 兼盛)

41.恋すてふわが名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひそめしか(壬生忠見)

42.契りきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山浪越さじとは(清原元輔)

43.逢ひ見てののちのこころにくらぶれば昔はものを思はざりけり(権中納言敦忠)

44.逢ふことの絶えてしなくはなかなかに人をも身をも恨みざらまし(中納言朝忠)

45.あはれともいふべき人は思ほえで身のいたづらになりぬべきかな(謙徳公)

46.由良のとを渡る舟人かぢを絶えゆくへも知らぬ恋の道かな(曽禰好忠)

47.八重むぐら茂れる宿のさびしきに人こそ見えね秋は来にけり(恵慶法師)

48.風をいたみ岩うつ波のおのれのみくだけて物を思ふころかな(源 重之)

49.みかきもり衛士のたく火の夜はもえ昼は消えつつ物をこそ思へ(大中臣能宣朝臣)

50.君がため惜しからざりし命さへ長くもがなと思ひけるかな(藤原義孝)

51.かくとだにえやはいぶきのさしも草さしも知らじな燃ゆる思ひを(藤原実方朝臣)

52.明けぬれば暮るるものとは知りながらなほ恨めしき朝ぼらけかな(藤原道信朝臣)

53.嘆きつつひとり寝る夜の明くる間はいかに久しきものとかは知る(右大将道綱母)

54.忘れじの行く末まではかたければ今日をかぎりの命ともがな(儀同三司母)

55.滝の音はたえて久しくなりぬれど名こそ流れてなほ聞えけれ(大納言公任)

56.あらざらむこの世のほかの思ひ出に今ひとたびの逢ふこともがな(和泉式部)

57.めぐりあひて見しやそれともわかぬ間に雲がくれにし夜半の月かな(紫 式部)

58.有馬山猪名の笹原風吹けばいでそよ人を忘れやはする(大弐三位)

59.やすらはで寝なましものをさ夜ふけてかたぶくまでの月を見しかな(赤染衛門)

60.大江山いく野の道の遠ければまだふみも見ず天の橋立(小式部内侍)

61.いにしへの奈良の都の八重桜今日九重ににほひぬるかな(伊勢大輔)

62.夜をこめて鳥のそら音ははかるともよに逢坂の関はゆるさじ(清少納言)

63.今はただ思ひ絶えなむとばかりを人づてならでいふよしもがな(左京大夫道雅)

64.朝ぼらけ宇治の川霧たえだえにあらはれわたる瀬々の網代木(権中納言定頼)

65.恨みわびほさぬ袖だにあるものを恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ(相 模)

66.もろともにあはれと思へ山桜花よりほかに知る人もなし(前大僧正行尊)

67.春の夜の夢ばかりなる手枕にかひなく立たむ名こそ惜しけれ(周防内侍)

68.心にもあらでうき世にながらへば恋しかるべき夜半の月かな(三条院)

69.嵐吹く三室の山のもみぢ葉は龍田の川の錦なりけり(能因法師)

70.さびしさに宿を立ち出でてながむればいづこも同じ秋の夕暮(良暹法師)

71.夕されば門田の稲葉おとづれて芦のまろ屋に秋風ぞ吹く(大納言経信)

72.音に聞く高師の浜のあだ波はかけじや袖のぬれもこそすれ(祐子内親王家紀伊)

73.高砂の尾の上の桜咲きにけり外山の霞立たずもあらなむ(権中納言匡房)

74.憂かりける人を初瀬の山おろしよはげしかれとは祈らぬものを(源俊頼朝臣)

75.契りおきしさせもが露を命にてあはれ今年の秋もいぬめり(藤原基俊)

76.わたの原こぎ出でて見ればひさかたの雲居にまがふ沖つ白波(法性寺入道前関白太政大臣)

77.瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ(崇徳院)

78.淡路島かよふ千鳥のなく声に幾夜寝ざめぬ須磨の関守(源 兼昌)

79.秋風にたなびく雲の絶え間よりもれ出づる月の影のさやけさ(左京大夫顕輔)

80.長からむ心も知らず黒髪のみだれてけさは物をこそ思へ(待賢門院堀河)

81.ほととぎす鳴きつる方をながむればただありあけの月ぞ残れる(後徳大寺左大臣)

82.思ひわびさても命はあるものを憂きにたへぬは涙なりけり(道因法師)

83.世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞ鳴くなる(皇太后宮大夫俊成)

84.ながらへばまたこのごろやしのばれむ憂しと見し世ぞいまは恋しき(藤原清輔朝臣)

85.夜もすがらもの思ふころは明けやらで閨のひまさへつれなかりけり(俊恵法師)

86.嘆けとて月やは物を思はするかこち顔なるわが涙かな(西行法師)

87.村雨の露もまだひぬまきの葉に霧立ちのぼる秋の夕暮(寂蓮法師)

88.難波江の芦のかりねのひとよゆゑみをつくしてや恋ひわたるべき(皇嘉門院別当)

89.玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることの弱りもぞする(式子内親王)

90.見せばやな雄島のあまの袖だにもぬれにぞぬれし色はかはらず(殷富門院大輔)

91.きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに衣かたしきひとりかも寝む(後京極摂政前太政大臣)

92.わが袖は潮干に見えぬ沖の石の人こそ知らねかわくまもなし(二条院讃岐)

93.世の中は常にもがもな渚こぐあまの小舟の綱手かなしも(鎌倉右大臣)

94.み吉野の山の秋風さ夜ふけてふるさと寒く衣うつなり(参議雅経)

95.おほけなく憂き世の民におほふかなわが立つ杣に墨染めの袖(前大僧正慈円)

96.花さそふ嵐の庭の雪ならでふりゆくものはわが身なりけり(入道前太政大臣)

97.来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くや藻塩の身もこがれつつ(権中納言定家)

98.風そよぐならの小川の夕暮はみそぎぞ夏のしるしなりける(従二位家隆)

99.人もをし人も恨めしあぢきなく世を思ふゆゑに物思ふ身は(後鳥羽院)

100.ももしきや古き軒端のしのぶにもなほあまりある昔なりけり(順徳院)




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