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深刻な爪跡残すペルー大地震 サンパウロ新聞WEB版より
日本の台風、地震も大変ですが、先般のTAM航空のサンパウロの国内線空港、コンゴニアスの犠牲者199人を出した大惨事に引き続き今回は太平洋側のペルーで地震が起き500人以上の犠牲者が出ています。犠牲者の中にも日系2世一人が含まれているとのこと、町の半分以上の家屋が倒壊したり600人も収容していた刑務所が地震で遣られ殆どの受刑者が逃げ出したりまた水不足、食糧、医療不足でエピデミア(大量伝染病)等の発生の可能性もあるとかで心配されている。いち早く世界各国からの救援物資が届き初めているようですが、天候不順と共にこの天災は避けがたいものなのでしょうか?
一つの出来事としてサンパウロ新聞のWEB版よりお借りしてペルー地震の報道を記録として残して置きたいと思います。
写真もサンパウロ新聞掲載のものです。


深刻な爪跡残すペルー大地震 サンパウロ新聞WEB版より

≪日系二世に犠牲者出る 南米最古の仏教寺院も被害に≫

 南米のペルーで、現地時間十五日午後にマグニチュード八・〇の強い地震が発生した。米地質調査所によると、震源はリマ南南東百四十五キロの沖合い、震源の深さは約三十キロ。

 リマ市の日系三世の男性によると、「今回は、強烈な縦揺れを感じた。ただし、リマ市の被害はそれほどではなかった」という。

 被害は、同国中部の太平洋岸地方に集中した。現在までに判明している死者は五百人を超え、負傷者は千五百人以上、家屋倒壊や家族を失った被災者は約八万人にのぼる。

 太平洋岸南部のイカ市では、二世(二重国籍)の山野隆さん(本籍:熊本県上益城郡)の死亡が確認された。

 小さな村や集落には、行政や消防・軍隊などの救援隊が訪れていないうえ、二十日以降も震度六程度の余震が続いていることから、被害規模は拡大する見通しだ。

 被害が甚大だったのは、カニエテから南南東に約百キロ進んだピスコ市。市内の八割以上の住宅が倒壊もしくは半壊となっている。

 十七日、被災地を取材した川又千加子氏(ペルー新報元記者)によると、リマとの交通路(パンアメリカンハイウェイ)は一時、がけ崩れや路面の陥没のため不通となったが、現在は応急処置が済んでいる。救援物資も届き始めた。

 カニエテ市から南南東へ約四十キロ進んだチンチャ市では刑務所の壁が崩れ、六百人の囚人がすべて脱走した。同市を取材した川又氏は「カニエテとは違い、チンチャの被害は重い。市内のあちこちで葬列に行きあった。囚人による被災者への襲撃も続いている。しかし、もっと悲惨なのは周辺の農漁村で、救援物資がまったく届いていなかった。届いていても、一家族が受けられる配給の水がコップ一杯という村もあった」という。

 悪事を働くのは強盗だけではない。都市部への救援物資も役人や消防が真っ先に横取りしてしまう状況だ。川又氏によると、

「チンチャなどの幾つかの役場では、リマや諸外国から届いた救援物資を市価の数倍で被災者に売り付けていた」という。 救援物資の届かない村々からは、リマへ買い物に出る人々が多い。リマの親族は、自分たちで救援物資を届け始めたため、パンアメリカンハイウエイは大渋滞になっているという。ただし、「路線バスは通常運賃の二倍以上を要求している」(川又氏)。

 ペルーの太平洋岸は現在、真冬。厳寒のなか、人々は飢えと渇きに耐え、夜盗におびえながら路上での生活を余儀なくされている。

(写真:被災者の葬列(川又千加子氏撮影))

2007年8月23日付け



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