「秩父巡礼」と「坂東巡礼」の旅 勢古口 順さんの今年の夏休みです。
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丸紅時代からの結構古いお付き合いして頂いてる勢古口さんから毎週彼のHP更新の連絡を受けております。題してJ レポート。昨年の夏休みには四国のお遍路をTRYして3日間で19番札までの62,4kmを踏破しておられ今年もその続きをTRYするのかと思っていたら地元の関東の秩父巡礼と「坂東33箇所霊場巡り」を車で1000km以上を踏破されたとの報告を受けております。今年の巡礼の旅の様子も寄稿集に収録して置きたいと思います。昨年の四国巡礼の寄稿集収録URLは下記の通りです。
http://40anos.nikkeybrasil.com.br/jp/biografia.php?cod=964
写真は、J レポートより秩父1番札所をお借りしました。
来年は再度四国をTRYさせるのですかね?楽しみにしています。
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「秩父巡礼の旅」
8月13日の朝6時、自宅を出発して秩父へ向かう
連日の猛暑というか酷暑というか、熱気は朝から東京の空を覆い、既に30度を超えている
首都高速から外環道路経由で関越自動車道
もう帰省のラッシュは過ぎたと思っていたが、意外にのろのろが続く
それでも1時間ほどで花園インター通過、高速を降りて秩父へ向かう
第一番札所の四万部寺へ着いたのは午前7時45分、距離にして約100km
まずは観音堂で般若心経の読経をしてから納経所へ
開始は8時とのことだったが、ちょっと早目にしてもらい、納経帳を買い求め、朱印をもらい、道案内の地図も貰っていく
空は雲ひとつない青空
都会から離れ、心持空気も澄んでいるような感じだが、暑さは変わらない
秩父33箇所巡礼の道は比較的小さな場所に集中しているので、行程的には楽なのか?
続いて2番「真福寺」、3番「常泉寺」、4番「金昌寺」5番「語歌堂」と近郊の山間の寺を廻る
5番札所で朱印に梵字を書いてくれたお寺の奥さんが「次は9,7,6、8番と廻ったほうが良い」と教えてくれたので、順番を変えて、まず9番「明智寺」、7番「法長寺」、6番「卜雲寺」、8番「西善寺」と秩父市街地からは東側の山手を廻った
殆ど巡礼の人もおらず、私のみひたすら廻る
祈り、唱え、合掌するだけ
時として長い階段が続く
息を切らしてお堂に向かい、息を整えては、般若心経を
市の中心部に戻り、11番「常楽寺」
市内を横断して北のほうへ向かい、10番「大慈寺」、18番「神門寺」、19番「龍石寺」と午前中に12の寺を廻った
大阪時代の友人で秩父出身のK氏から紹介された蕎麦屋さんがあった
秩父は蕎麦の里、随所に手打ち蕎麦の店がある
市街地からは遠く南の方、「道の駅、あらかわ」の目の前にその店はあった
「あずまや」さん(0494−54−2818)
丁度昼時でもあり、店内は客で一杯
相席で「重ね蕎麦」を頼む。所謂ザル蕎麦が2枚重ねてある
蕎麦の香りも腰も味も良い
タレもちょっと濃い目だが実に味合い深い
店内は大忙しなので、「ぶどう園」のほうは遠慮して次は秩父市を離れて西の遠方の寺へ向かう
店の前を線路が通っており、そこを偶然に「蒸気機関車」が通過し、沢山の人が写真を撮っていた
「秩父鉄道」だそうだ
1番から9番が市の東、初日は周辺の遠い寺から回り、明日は市内中心部を廻って上がりとする嵐・
太陽はがんがんに照っており、水分を補給するものの、汗が噴出す
32番「法性寺」、31番「観音院」、
この寺が西の外れでまた一番の難所だそうだ
登り始めて、まだかなり上かと思ったら意外と近く、そう難所でもなかった
これまでの「西国33箇所」「四国88箇所」の一部ではもっと厳しい場所が幾多もあった
それを思えば、なんでもない
良い運動だと思えばよい
33番「菊水寺」から市内に戻り
20番「岩之上堂」、21番「観音寺」、22番「童子堂」、23番「音楽寺」
なにせカーナビがあるから、ほぼ位置が自動的に判明し、迷うことは少ないが、カーナビを信用し過ぎるとかえって迷う
最後は自分の勘とアナログの地図が頼りだ
狭い細い道の曲がりくねった先にある寺にはカーナビではなかなか行けない
「音楽寺」への道の途中に眺望が開け、眼下に秩父の市街地が一望出来た
小さな盆地に家が集中している
盆地の向こう側の丘の上に今夜泊まる宿がある
私の右手、秩父市の南に最高峰「武甲山」(1296m)が見える
山麓は石灰石の採掘場なのだろう、無残に白い山肌を晒している
盆地のため、夏暑く、冬寒いのだという
まあそれにしてもこの暑さ
参った
24番「法泉寺」、25番「久昌寺」を廻る頃にはそろそろ夕暮れに
空は明るいが、陽は山影に隠れてしまった
本日最後の「久昌寺」の庭の池に「蓮の花」が咲いていた
今日のお宿は「マチュラルファームシティ」「農園ホテル」というところ
市内が一望出来る、市の東側の丘の上にある
まずは風呂へ
今日一日の汗を流す
ほっとすると同時のノドが乾く
部屋に戻り、ビールを飲む
ノドに染み通る
体が水分を欲しがり、あっという間に2本飲む
一息入れてから、食堂へ
ブッフェスタイルだが、ダイエット中なので余り食べないようにし、そこそこで部屋へ
今夜は天体ショーを見るつもり
流れ星のみえる絶好のチャンスのはず
夜中まで頑張るが、中々見えない
12時過ぎに「あっ、見えた」と思ったら、残念飛行機の灯りだった
その内に空に雲が出てきて、星は見えなくなった
それでも雲が出る前までは東京の空とは違い、ほぼ満天の空に星が煌いていた
北斗七星も、勿論北極星も見えた
空を見上げていたので首が痛くなり、止めた
8月14日、秩父巡礼二日目
朝食後、7時30分にホテル出発
昨日の昼食を食べた「あずまや」さんの更に先
秩父市の南西にある30番「法雲寺」へ
そこから市内に戻るコースで29番「長泉院」、28番「橋立堂」、27番「大淵寺」、26番「円融寺」、12番「野坂寺」と分かり難い寺が続く
比較的小さな寺であると同時に、市街地からは外れているが、込み入った場所にあるためだ
残るは市内中心部の寺だけだ
13番「慈眼寺」、眼の木のお茶を戴く
意外とさっぱりした味で苦味は少ない
どんなものでも水分はありがたい
14番「今宮坊」、16番「西光寺」、15番「少林寺」で中心部も終わり、残るは上がりの34番札所のみ
北に最も離れた皆野町の外れ、長瀞に近いほうにある
まだ昼前
34番「水潜寺」で漸く
「ご苦労様」でした
これで秩父34箇所巡礼の旅は一応終了
それではと雑誌に載っていた天然氷のかき氷を食べに行く
「阿左美冷蔵」という皆野町にある評判の店だそうだ
天然の氷でかき氷をというものだ
私はかき氷を食べると頭が痛くなり、殆ど完食出来ないのだが、汗もかき、のどが鳴り、期待が膨らむ
しかし、店の前は大勢の人が並んでいる
車を停める場所もない
夏休みだからしょうがないか
残念だが諦めて家に向かう
約1時間ちょっとで家に帰れた
走行距離ほぼ300km、燃費は平均23km/L強と流石「プリウス」
駆け足の旅でしたが、夏の秩父を満喫
翌日15日からは坂東33箇所を巡り始める嵐・
暑さが最大の敵か
久々の9日間の夏休み
お寺巡りで夏の思い出を作る
ちょっと年寄り趣味かな
一昨年は1万円の切符で「鈍行列車の旅」を
昨年は足の骨折回復を記念して「四国巡礼の旅」を
今年は「秩父巡礼」と「坂東巡礼」の旅にチャレンジしています
以上、ジャパンパイルの
勢古口が秩父からお送りしました
「夏休み後半」
秩父を廻って、引き続き坂東33箇所霊場巡りをすることに
8月15日
まずは神奈川県西部からスタート
一路東名道路を
小田原で5番札所「勝福寺」、7番「光明寺」、厚木で6番「長谷寺」、8番「星谷寺」
ただひたすらに「般若心経」を唱え、納経帳に朱印を求めていく
鎌倉へ出て、4番「長谷寺」、1番「杉本寺」
驚くことに鎌倉のお寺は観光地化しており、「入山料」までとっていたし、夏休みなので一層混んでいる
鎌倉は狭い土地に家と寺が密集しており、非常に立て込んでいる
「杉本寺」は鎌倉最古のお寺で西暦734年開創され、坂東33箇所の一番札所になったのも988年と言われているほど古いお寺
お寺も12時から1時まではお昼休みなので
昼食をとるためにお寺の駐車場に車を置いて、向かい側のラーメン屋に
ここも満席
この辺りには食堂もなく、観光客も入ってくる
相席で焼きそばを頼んで兎に角腹を満たす
午後からは3番「安養院」、2番「岩殿寺」
横浜に戻り14番「弘明寺」、街中なので駐車場のない
京浜急行の「弘明寺駅」のすぐ隣
首都高速から東京湾横断道路を経由して千葉は房総半島へ
君津付近の30番「高蔵寺」、内陸部半島のほぼ真ん中の31番「笠森寺」
この寺は望楼式になっており、地上数純=[トルにあった
長い階段を登ると漸くお寺の本堂に
お寺の人に聞くと「風があると本当に涼しいのだが、今日は全く風がなく、暑かった」といっていた
周囲は濃い緑と高い木々に覆われ、陸の孤島のようであり、都会の喧騒からは隔絶した場所だった
夕暮れとなって漸く帰宅
本日の走行距離は約350km
8月16日
お寺をめぐり始めて4日目
本日は最北の寺へ
もう福島県境に近い21番「日輪寺」
6時に家を出て、8時45分到着
山奥にある寺だが、閉まっている
近くの旅館に人に聞くと、昨日がお盆で忙しかったのでちょっと遅れると連絡があったとのこと
しばし待つことに
運良く和尚さんは9時過ぎにやって来た
山を降りて常陸太田にある22番「佐竹寺」
笠間の23番「観世音寺」
ここで12時になってしまったので寺の隣の蕎麦屋で蕎麦を食べる
1時少し前にもう一度寺へ
そこで会った男の人と話をしていたら、彼は昨日埼玉方面を廻ったとのこと
「またどこかでお会いしましょう」と
次が24番「楽法寺」、20番「西明寺」、筑波山に登って25番「大御堂」
筑波山へはサーキット場のような道をバイクに前後を挟まれながら走る
筑波山で又先ほどの人に会う
会釈しながらすれ違う
山を降りて26番「清龍寺」
本日の走行郷里は約500km
その日は日本最高気温が出た日だった
疲れたので8月17日は休養日にあて、一日寝ていた
さて8月18日
朝から雨模様で涼しいのが助かる
群馬方面へ、伊香保温泉近くの16番「水澤寺」
お寺の境内に「かえる」の置物があった
気温は20度、ちょっと肌寒いほど
15番「長谷寺」
無人の駐車場に車を停めて、ふと気付くと一万円札が落ちていた
ちょっとしめっぽいが落とされたばかりのようだ
一瞬もらってしまおうかと思ったが、バチが当たるといけないのでお寺に寄進した(本当ですよ)
埼玉に戻り9番「慈光寺」、10番「正法寺」、11番「安楽寺」
涼しいのが助かる
昼になったが、時間もないのでコンビニのお握りで我慢し、栃木県の中禅寺湖へ
「いろは坂」を久々に登り、中禅寺湖畔へと
雲の中なのか、霧雨が降り続き、気温20度が嬉しい
18番「中禅寺」、ここは「立木観音」といって生きていた木に千手観音を彫ったという
坂東33箇所の特徴の一つに千手観音が多いということらしい。署伯ツあるという
それにしても関東は広い
あるお寺で和尚さんが「坂東とは、箱根の坂の東、関西とは関が原の西」と言っていたが、東側に広大に広がる平野に散らばる寺を歩いて廻るのは不可狽セ
19番「大谷寺」、大谷石に刻まれたここも千手観音像
17番「万願寺」で本日はお終い
と言っても本日の走行距離は何と620km
疲れたの一言
取り敢えずこれで残りは都内の浅草寺と千葉の5寺になった
残りは25日にトライし、満願を目指す
この夏休み、4日間で延べ約1770kmを走破
秩父34寺、坂東27寺の合計61寺を廻った
お疲れ様でした
「坂東33箇所霊場巡り」は漸く終了した
暑い夏に1000km以上走破して達成したが、最後に訪れた館山のお寺那古寺は意外なほど小さなお寺で、坂東33箇所の集大成の規模としては驚きの大きさだった
だが、寺に至るまでの房総半島の風景には別な意味で驚きがあった
それは小さな低い小山が多数あることだった
その景色は瀬戸内の讃岐平野の風景ソックリだった
讃岐の山は小さく、それこそお握り山のようだが、房総の南端の山もそれに近く、対岸の神奈川県は山陽に見えるのも同じだった
これらは風雨にさらされ、風化現象の結果できたものであり、地球上から見れば比較的新しい地層なのだろうと想像出来た
千葉県は標高が全国一低く、一番水没する可能性が高い県でもある
驚きのもう一つは8月なのに、もう稲刈りが8分通り終了していることだった。温暖な地なのだろう
今年の夏は「秩父」と「坂東」の霊場巡りを終えることが出来、ほっとしているのが本音だ
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