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ぼくのブラジル武者修行 飯島秀昭著
サンパウロには、『蒼鳳』と言うブラジル第二位の美容院チェーンを経営している飯島秀昭さんがいる。日系新聞に創業25周年を向え社長職をご子息の大さんに譲り第1線を退くと言う記事が大きく報道されています。飯島さんは、ブラジル盛和塾の主要メンバーのお一人で稲盛哲学を経営に実践しておられます。また『ブラジル掃除に学ぶ会』、『YOSAKOIソーラン』のブラジルへの導入等を通じて話題を振りまいています。彼の自叙伝的な本、『ぼくのブラジル修行』のポルトガル語版の出版も間近い。社長職引退後、まっ先に遣りたいのが四国88箇所の霊所遍歴との事でお遍路さんを通じて自分を見つめ直し、より大きな飛躍への過程にしたいと張り切っておられる。これからも実業界のみでなく日系コロニアへの各方面での貢献が期待される。
『ぼくのブラジル武者修行』の紹介文の一部を下記して置きます。『華やかな美容師の世界と、暗く汚いイメージのトイレ掃除。およそ接点のない両者をつなぐ社会活動をしているのが、本書の著者・飯島秀昭さんだ。 飯島さんは、常に夢を追い求め、それを実現させてきた。まず、日本で一流の美容師になる。次に、海外で自分の店を持ちチェーン展開する。そして、一企業の枠組みを超え、真の社会貢献を組織的に行う。 道は、平坦ではなかった。失明の危機、強盗の襲来――その度に著者は、「心耳を澄まし天意を受け止めてきた」という。内面に沈潜していくことで外側の現実を引き寄せた、魂のサクセス・ストーリーである。』
写真は、彼の著書の表紙です。


ニッケイ新聞 2007年9月22日付け
蒼鳳25周年、飯島さん社長引退=遍路巡りで新世界模索へ
 根っこを築いたので、その上にすばらしい建物を建ててほしい――。十五日に五十七歳の誕生日を迎えた「蒼鳳」の飯島秀昭社長は、同社の創立二十五周年と同時に引退を発表した。日本とブラジルでの生活時間が同じになるという今年、飯島さんは会社を離れ、四国八十八カ所巡り(遍路巡り)に出掛けるという。二十八歳でブラジルに渡り、二十七店舗、三アカデミーを持つブラジル第二位の美容院を築き上げた飯島さん。自身の教訓を記した著書「僕のブラジル武者修行」のポルトガル語翻訳本「O SAMURAI DAS TESOURAS」を出版し、新たな人生の門出を決めた。
 「『捨てなければ得られない』っていうでしょ。二十八年前に全てを捨ててブラジルへ来た。さらに(自分が)大きくなるためにここを離れる。新しい世界が開ける気がするよ」。
 一九八二年、飯島さんは三十一歳で蒼鳳の起点となる「カマリンヘアサロン」を開店し、その後次々と店舗数を拡大。現在まで約千人のプロ美容師を抱え、十四人の共同経営者とともに運営を行ってきた。
 「旅立ちの不安はあるけれども、新境地への期待も半分」と引退の心持ちを語り、「全ては根が基本なので、自分が作った根となる考え方を守りながら、その上にどんな素晴らしい建物を建ててくれるのか、楽しみにしている」と今後の蒼鳳への希望を話した。
 翻訳本「O SAMURAI…」については、「ブラジル人に読んでほしい。日本的な見方をよく知ってもらえるだろう」とし、自分の人生を振り返った「よりドキュメンタリー的な実録を記した本」を準備中で、来年早々にも出版する予定だ。
 飯島さんの引退後は、息子の大さん(32)が蒼鳳社長に就任。大さんは「責任はあるが、仲間がいるので不安はない」と話し、「会社の芯でもあるフィロソフィーを保ち、人間を育てることを大事にしながら、店のマネージメントなどを新しくしていきたい」と抱負を述べた。
 十六日には、蒼鳳創立二十五周年記式典がホテル・グラン・ハヤットで行われ、関係者五百人近くが参集。グループ「ひまわり」の太鼓の演奏で始まり、同社の歩みや飯島さんの人生がスライドで紹介された。
 「二十五年前に蒔いた種が成長し、花を咲かせ、よき実となった。そろそろ新しい世紀を始めてもいいだろう」と大さん。これまでの功績を称えて、飯島さんに金の像が贈られた。
 記念の節目には、日本から、飯島さんの知人や美容師ら五十五人が参加。旧友の利清二郎さんは「まだ早過ぎるよね」と飯島さんの引退を惜しみ、日本で飯島さんと働いたことのあるスタイリストのカズさん(ニューヨーク在住)は「飯島さんは昔から人を惹きつける人望があった。外国では言葉、習慣とマイナスから始まって今に至っている」と尊敬の念を表し、「別の分野でも頭を出していける。人のため、社会のためにと、お元気で」とエールを贈っていた。


〃日本の価値〃を日本人に=SOHO飯島さんが自伝=「ぼくのブラジル武者修
行」=東京で〃凱旋〃講演  2006年11月10日(金) ニッケイ新聞

 【東京発=藤崎康夫支社長】東京の一流ホテルで一移民が自伝出版パーティとは、
〃錦衣帰郷〃もしくは〃凱旋〃ともいえそうな出来事だ。十一月七日午後四時から
東京・ホテルニューオータニで、飯島秀昭さん(埼玉県出身)の自叙伝『ぼくのブ
ラジル武者修行』(致知出版社、一四〇〇円)の出版記念講演と出版パーティーが盛
大に開催され、約二百人が日本全国からお祝いに駆けつけた。美容関係者も訪れ、
熱心に耳を傾けていた。
 「日本の民族性など、外から見た日本の価値を日本の人に知ってほしい」。原宿の
カリスマ美容店で技を磨き、七九年に渡伯。現在では、従業員数約一千百人、三十
店舗の美容店チェーンSOHOを築いた。
 その長い在外人生を振り返る中で、「外国に住んでいると、かえって日本がよく見
えてくるって、あるじゃないですか。日本人の心とは本来こうであったのではない
か、という想いを込めて書きました」という。
 飯島さんは稲盛和夫氏の経営に学ぶ「ブラジル盛和塾」の会員。「ブラジル掃除に
学ぶ会」発起会員として昨年九月には第一回世界掃除大会をサンパウロで挙行した。
加えて、今年第四回を行った「YOSAKOIソーラン・ブラジル大会」導入など
を通し、日本的な考え方の普及に、少額ではない私費を投じてきた。その理由が余
すところ無く書かれている。
 さらに、この本とは別に、日ポ両語による『実録』も現在執筆中で、来年九月十
五日、自身の五十七歳の誕生日出版を目指している。ニッケイ新聞の取材に対し、
「SOHOをはじめた頃、私が毎晩深夜一時、二時まで働いていたことを、今の従
業員は誰も知らない。そんな歴史もみんなに伝えたい」と熱く語った。
 その翌日、来年九月十六日はSOHO二十五周年記念式典、十七日にはカット・
グランプリ大会も予定しているという。



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