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アマゾンの「悪魔の鉄道工事」の汚名返上工事。荒木昭次郎さんからのお便りです。
産業開発青年隊員のダム男荒木昭次郎さんから久しぶりにダム便りが届きました。今回はアマゾンのダムでマデイラ河に掛ける大工事で2007年より2012年の工期で建設される予定で奇しくも100年前に同じ地域でボリビア側の天然ゴムを運び出すための「悪魔の鉄道工事」と言われたマデイラーマモレー鉄道建設と重なります。
私は、1963年にポルトヴェイリヨの移住地を訪問し枕木1本に人1人の犠牲者を出したと言われるこの「悪魔の鉄道工事」により開通した鉄道に乗り終点のグアジャラ・ミリンまで行き河を渡りグアヤラ・ミリンに踏み込みそこからマラリア撲滅のためにDDTを散布して回る小型衛生船に乗せて貰いボリビアのリベラルタと言う町迄行きました。この町にはペルーからアンデスを越えて遣って来た日本人が何家族か住んでいて確か関東大震災の時にこの北ボリビアの田舎から義捐金を大量に送ったとの輝かしい歴史を古老の方から聞かせて貰った記憶があります。今から考えると良くあそこまで行ったなあとの感慨に耽ります。当時お話を伺った日本人の方達も亡くなられ歴史の中に埋没してしまっているのではないかと思うリベラルタの町をまた訪ねて見たいものです。
写真も荒木さんが送って呉れたものです。


1880年後期に栄えたアマゾンのゴム景気を利用するため、急流で船舶の航行が出来ないマデイラ河に沿って「マデイラ・マモレ」鉄道が建設されました。この鉄道はロンド二ア州都ポルトべーリョからマデイラ河沿い上流に366kmの長さで1907年に始まり1912年に完成しましたが、労働者がマラリアそれに黄熱病などに罹り1万人以上の犠牲者を出し「悪魔の鉄道工事」との汚名が付けられました。もっとも同時期に工事中のパナマ運河工事では3万人の犠牲者が出たそうですが。
偶然にも丁度100年経った2007から2012年までの同じ工期で同地にダム建設工事が始まる予定です。
建設を計画されている サント・アントニオダムとジラウダムは自然再生院から建設の認可が下りなく、経済成長促進を打ち上げたルーラ大統領を怒らせましたが、多くの工事制約を設けようやく11月に請負工事の入札が行われる事になりました。「Empreiteiro」誌にダムの工事仕様が載りましたのでその写真と規模を以下に要約してみます。

このマデイラ河の流域面積はボリビアとペルーの両国が主で、急流が多くあり水力発電には大いに利用出来る地形ですが、堰堤の長さが4kmに近いダムとなると、水没面積が多く、原始林の多い所では動植物の生態系に多大の影響が出るとの事で認可が見合わせられていました。
両ダムはロンド二ア州都ポルト・べーリョからボリビア国境まで延びるマデイラ河の二ヶ所に建設予定で、両ダムで6450MWの電力を供給するイタイプダム、ツクルイダムに次ぐ発電量になります。
ダムの高さは50米ほどと低く、また発電用のタービンも水流を利用する方式(ブルボ式)に設計されています。発電された電力はサンパウロ州アララクアラ変電所まで2450km建設される日本を縦断するような遠大な計画です。
工事は2007年から始まり2012年に最初のサント・アントニオダムが発電を開始する予定で、奇しくも「悪魔の鉄道」の完成から100年後当たります。

この「悪魔の鉄道」工事については沢山の著書がありますが、中隅哲郎氏の「ブラジル学入門」から一部を下記に引用いたします。

「悪魔の鉄道」と呼ばれたマデイラ・マモレ鉄道、366kmは、ブラジルがアクレ地方を領有する代償として、ボリビア領アマゾンのゴム搬出のためにブラジルが建設した鉄道である。この工事は1907年に着工、1912年に開通した。世界の鉄道史上、最大、最悪の難工事で、主としてマラリアによる犠牲者の数は1万人を少し超した。純金32tに相当する厖大な資本を注ぎ込んで建設した鉄道だが、完成していざ開通したら肝腎のゴム景気が終わってしまったという、因縁のある鉄道なのだ。アマゾンを語る場合、この「悪魔の鉄道」を外すわけにはいかない。




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