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【世界を制覇したブラジルのオレンジジュース工業】 麻生 悌三さんの寄稿です。
『私たちの40年!!』メーリングリストのメンバーのお一人である麻生 悌三さんは、1938年12月3日生まれで東京農大在学中の1960年8月に農大海外実習生として渡伯、1961年卒業と同時にブラジルに移住、アマゾンで5年間奮闘後サンパウロに転じる。日系商社数社を渡り歩き、最後は伯国三菱商事(食品部)に18年間勤務後2003年定年退職、爾来、日本向けブロイラーの輸出仲介を手がける。(麻生さんご自身が書かれ略歴の要約)。
麻生さんは、私より2年先輩でブラジルにも2年先に来伯しておられますがほぼ同じ時代を日本とブラジルで過ごして来ておられ商社勤務が長く同じような仕事をして来られており共通の友人も多くサンパウロに出ると気安く一献傾ける仲間の一人です。先日写真を撮らせて貰った時に折角だから何か寄稿集に送って欲しいとお願いした結果が今回の寄稿に繋がりました。三菱時代に手がけておられたオレンジジュースの輸出に関連してのサクセスストーリーです。現在でもブラジルのブロイラーの仲介で活躍されています。


世界を制覇したブラジルのオレンジジュース工業
云うまでもなく、ブラジルは農産物の生産、輸出に関して、卓越したポテンシアリテイーを持っている。その中でも、オレンジジュースの実力は顕著である.ブラジルのオレンジ工業は1960年代にサンパウロ州で産声をあげ、最初の搾汁工業は搾汁機械、FMCマシーン3台の家内工業より開始された。爾来、先進地フロリダの栽培、加工、流通のノウハウを学び、追いつけ、追い越せを合言葉に、ひたすら、拡大にまい進した。サンパウロ州の気候、土壌がオレンジ栽培に好適であったことが、成功の源だが、数年おきに、襲来し被害を与えたフロリダの霜害も追い風になり、半世紀を経たない、間に、栽培面積70万ヘクタール、原料オレンジ収穫年間1億5千万トン、濃縮ジュース生産年間140万トン、世界貿易量に占めるブラジルジュースの占有率90%と、ダントツの生産国に成長した。
この成果は農業補助等、一切、政府の補助なしの、民間だけの自助努力で成し遂げられている。そればかりでなく、フロリダから学んだノウハウを更に発展させ、フロリダ柑橘地帯に逆上陸をブラジル搾汁工業の雄,クトラレ、シトロスコの2社が行っている。
オレンジ園、現地搾汁工場の買収を行い、更に、他のブラジルの搾汁工業2社の同地に進出により、フロリダに於けるオレンジジュースの生産のシェアーの80%をブラジル資本が占有するに至っている。
―オレンジジュース生産のメカニズム概要
1) オレンジ園収穫 − 2)搾汁工業―濃縮ジュース生産1千トン冷蔵タンクに保管 − 3)専用タンク車にてサントス港のジュースターミナルに移送 − サントスターミナルにて保管(1千トンタンクに区分け)−ジュース専用船にて世界各地のジュースターミナルに移送(専用船は積載量1万トンで1千トンタンク10基を船倉に設置しマイナス15−18度Cにて保管)− 世界各地のジュースターミナル到着―消費地のジュースメーカーに原料として配布。           
上記がジュースの生産概要であり、ドラム詰めの流通は今日では流通量の7%程度であり、濃縮ジュースの流通の大部分がバルクによる流通である。ブラジルは現在専用船を11隻所有している。世界各地のジュースターミナルはタンパ(フロリダ)、ロッテルラム、アントワープ、豊橋(愛知県)、カジス(UK)等に設置されている。ジュースは生産段階から消費地に於ける迄、1千トンタンクで保管、移送され、その品質がコンピューターで記録されるので、品質クレイム等があった場合、トレースが容易で、原料の供給者、農場名、収穫月日、原料の品質等が容易に判明する。
―オレンジジュース工業勃興の立役者
何といっても、2大メーカーのクトラレ(イタリー、シシリー島出身の移民の3代目が現在のオーナー)とシトロスコ(ドイツ移民の3代目)業界シェアーを2分しており、2社の貢献が大きい。農園(年間搾汁量の30%を自家農園から供給)−搾汁工業―専用船―海外ターミナルを保有し、各々の資産総額は各、15億ドルと推測されている。移民としてサンパウロ奥地に入植し、初代がオレンジ栽培(当初は国内用のフレッシュ用オレンジを栽培)を始め、半世紀で大富豪になったブラジル版サクセスストーリーである。
―オレンジジュースの国際マーケット
フロリダの不作(栽培面積の減少、ハリケーン霜害による被害)と欧州による消費増大は、2年前の2倍の価格の上昇を見た。従来、フロリダのオレンジ園は霜害による減産のみの被害をこうむってきたが、昨今はハリケーンによる倒木の被害が加わった。(霜害なら樹勢の回復の余地はあるが、倒木はいっかんの終わりである。)フロリダの場合,灌漑を栽培に行う為,直根が深く入らず、突風に弱い。一方、サンパウロ州の場合、無灌漑の為、直根が深く入り、突風に強い。オレンジ栽培に関する限り、フロリダのハリケーンも追い風になっている。世界の2大生産地を牛耳ったブラジル資本はジュースの先物市場のコントロールにも強く、高値相場を維持させる実力を持つに至っている。2年前のFOB価格1200ドル・トンが現在2400ドルであり、ブラジルのジュース工業は未曾有の好況に沸いているのが実情です。
以上 麻生悌三



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