山下晃明のブラジルで損せぬ法(235),(236),(237)7月号/8月号/9月号
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『実業のブラジル』誌に好評連載中の山下晃明さんの『ブラジルで損せぬ法』の7月号、8月号、9月号の一挙公開です。マイアミに住んでおられたこともあり一時休んでいた期間も入れると実に25年近く書き続けて来ており纏めると本何冊分になるのでしょうか?好きでないと書き続けられるものではないでしょう。
私は神戸の生田中学(今は神戸中学と合併したそうです)卒ですが、生田中学の同級生はブラジルには居ませんので神戸高校で一緒だった山下君がブラジルに於ける一番古い同級生ということになります。彼と良くSKAYPEで話す機会がありますが、私もBENQのVIDEO CAMERAを取り付けて顔を見ながら話せるようにしましたが、彼の顔を見ながら一枚撮らせて貰ったものを今回使用することにしました。少しピンボケ気味ですが雰囲気は伝わるのではないかと思います。
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今すぐ出来る地球温暖化対策
日本は6月に殆ど雨が降らない空梅雨で、温暖化による気候異変と心配されている。気象庁の統計によると日本も世界の各都市の気温が1900年から上がり続けているようだ。地球規模の問題で安倍首相がG8サミットで2050年までにCO2排出量の半減を提唱したように地球規模の問題で政府が音頭を取るべき問題と考えがちだが、各個人が今日からでも出来ることがあるというTV番組を見た。ブラジルでも実行しよう。
自動車の排気ガスが一番犯人扱いされるが、発電とごみ処理に使用するエネルギーが排出するCO2もかなり大きな割合を占めるので、ごみになるような無駄なものの製造を止めるだけで、かなりの効果があるというのである。まずは目先にあるものから、日本ではごみの分別は定着しているが、コンビニやスーパーで買い物のときにもらうプラスチック袋を、今まで無料であった袋を有料にするスーパーや、割り箸の使用を止めたチェーン食堂ができている。
スーパーへ買い物袋を持っていくことと使い捨ての消耗品を止めることを奨励しているのである。
たしかにひと昔前は、八百屋や魚屋、パン屋、ケーキ屋で買うと、梱包はまったく無いか、せいぜい紙袋、木の船であったのが、現在はデパ地下、コンビニ、スーパーでは蓋つきのプラスチック・ケースに入れて売っているのである。食パンまで一つづつポリ袋に入っている。実際に長期滞在ホテルで朝食と間食のみでもミネラル・ウオーター、ミルク、ジュース、ヨーグルト、果物、パン、野菜など、一週間もすると、びっくりするほどの梱包材のごみ山ができるのである。
捨てるものは始めから製造しない、無駄をはぶくことと節電は各個人がその気になれば今すぐ始められるというのである。
試算では使い捨ての袋を止め、ごみの分別をするだけで日に1人114グラムのCO2が削減でき、電力は1キロワット節約するとCO2を0.39Kgs節約するとのことである。節電の方法はクーラーの温度を28度に設定する。電球を蛍光ランプにする。家電製品は最新型ほど省エネであるので、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機を新しいものに買い換える。使わない家電機器をコンセントから抜くなどで効果が上がるとのことである。
なお日本の人口1億3千万人が1人/日に1キロワットを削減するだけで年間1850万トンのCO2を削減し、政府目標の年3800万トンの半分を達成できるとのことである。
日本の高層ビルに思う
最近の東京で見るべきものは何かと知人に聞いてみたところ、東京駅周辺、六本木周辺、汐留周辺、品川周辺など最近完成した高層ビルセンターと複数の人から紹介された。東京の高層ビルは、霞ヶ関と西新宿から始まり、その後続々と建設されている。今や東京全体が高層ビル街になりそうな傾向である。
今回は高層ビルセンターのみを集中して見たので、特に思うのだが、どこも上階は貸し事務所、下はレストランと高級商店街、いずれも都心の地下鉄か鉄道の駅の近くにある。こんなにたくさん同じようなセンターを建設して大丈夫だろうかが率直な感想である。
【丸の内の新丸ビル】
2002年9月新設の丸ビルに並んで出来た新丸ビルは37階建てで9階より上は貸し事務所だが2つのビルを合わせて店舗134、レストランは35階36階を含めて合計126店ある。店は狭いがブラジルのシュラスコ店BARBACOAもある。レストラン数が多いので掲示板は1つの写真が1レストランになっている。
【六本木の東京ミッドタウン】
安藤忠雄の設計でリッツ・カートン・ホテルに隣接の東京ミッドタウン、ここは74店舗と64レストラン、サントリー美術館あり、近くに新国立美術館もある。広大な地域で一日遊べる。近くの新国立美術館、建物は黒川紀章設計でモネー展をやっていた。
なお初めて訪問すると素晴らしい施設と感じるが、今日来ている人が来週も来るかというと、これほど東京に新しい遊び場が増えると、毎週は戻らないと思われた。ミッドタウンオープン後に、近くにある六本木ヒルズなどの客足がどうなったか知りたいものである。
ブラジルの大きいショッピング・センターには多数のシネマと大衆向き商店やレストランもあって、特に大駐車場があるので客が毎週家族づれで車で戻ってくる。東京都心のセンターには十分な駐車場がなく、電車で来ねばならないから、家族のレピート訪問客は意外と少ないかもしれない。
【汐留シテイ・センター】
新橋付近の汐留の様変わりはすごい。汐留シテイ・センターには36レストランその他13店舗があるが、42Fのレストランから見ると川の右岸の高層ビル群がある。42Fから多くのビルの屋上が水平に見え、もし屋上を結ぶ橋をつければ未来都市風の景色になる。
【品川駅前のインター・シテイ】
ここだけで28レストランと15店舗があるが、ストリングス・ホテルのあるイースト・ワン・タワーの11レストランと11店舗やインターコンチネンタル・ホテルなど高層ビルがたくさん並ぶ。非常に興味あるのは、品川駅から高層ビルがすべて歩道で繋がって、歩道は地下道でなく2階レベルの信号なしにしたのは良いアイデアである。長い地下道を歩かされるより快適である。
【お台場近辺】
高層ビルではないが、グランパシフィックメリディアンや日航東京ホテルなどを中心に科学未来館、船の科学館、国際展示場などを中心の一大センターであり、宣伝によるとデックス東京ビーチは若者全般のスポット、お父さんはMEGA WEBで車見物、女性はビーナスフォート、家族連れはアクアシティーや船の科学館、修学旅行でフジテレビ、ビジネスマンはビックサイトなど、老若男女楽しめますとある。
ブラジルの物価高
ブラジルに帰ってみて、物価の高いことに驚く、昼食など日本の方が安い、品質も勘案するとさらに高い。
鉄鉱石や資源、農産物の値上がりで輸出が増え、貿易収支が月30億ドル規模の黒字が続き、ドルがだぶつきレアル高になっている。販売税が世界一高いことも企業が輸出に力を入れる要因であろう。中銀が介入し大量にドルを買い、外貨準備を増やし外債を前倒し決済したので、国際リスク指数が下がり、国際格付け機関S&Pが評価を1ランク上げてBB+になった。これがあと1ランク上がると投資適格になりすでに増え始めている外資直接投資の流入が加速することになるだろう。
レアル高と金利高が何時まで続くかが問題 だが、すでに長期化しているのでそれなりに市場に定着し政府も企業も国民も恩恵を受けているので是正しにくい状況になっている。
金利の効果
Selicの会議毎に下げ続けて、利率が12%と名目でも憲法で定める最低金利水準となった。利息率が国際的には世界一でも、国内では歴史的低水準となり。連邦も州も多くの債務を抱えるから金利の減少は支払利息の削減に、企業は月賦販売の強化に役立っている。
レアル高の効果
結果として輸入が増え、輸入税の税収17%増や輸入IPIが22%増と税収増に役立っている。一方為替高はブラジル人の海外旅行のコストを下げ、海外旅行者が急増している。
輸入部品を使う工業のコストを下げるので、
インフレ抑制に役立っており、ルーラ政権にとっても好都合だ。加工し輸出する工業も輸入品原価が下がるので為替高の恩恵を受けている。ブラジルからの海外送金が割安となるので海外投資や企業買収も活発になっている。
RIO 2007 PAN AMERICANオリンピック
今回のPANも競技数が多く、ボーリングやスカッシュ、水上スキ−まであって41種目、42カ国からの選手5648人が参加した。
ルーラは開会式に30分遅刻しブーイングで開会宣言ができなかったが、ブラジルは金メタルを54個獲得で改めて若き国力を見直した。なお金メタル数(メダル総数)は、1位米国97(237)個、2位キューバ59(135)個、3位ブラジル54(161)個、4位カナダ39(137)個、5位メキシコ18(73)個でブラジルは過去最高、前回2003年のサント・ドミンゴ大会の倍近い好成績であった。
特に最後の競技のマラソンでも1位になったので、閉会式の場でメダルの授与式がありブラジルの国旗が掲揚された。
ちなみに1963年にサンパウロで開催したときも見に行ったが、参加国は22カ国、19種目1665人の参加で、金メダル数(総数)は1位米国106(199)個、2位ブラジル14(52)個、3位カナダ11(64)個、アルゼンチン8(29)個、キューバ4(14)個であった。
メダル数では44年前は雲の上だった米国が今回は射程距離に入り、キューバとブラジル、メキシコ、カナダなどの国力がじわじわと上がり、アルゼンチンが凋落したのがわかる。
これだけの競技に選手と監督やコーチを送り込むには大変な費用がかかるだろう。新体操の選手のインタビューを見たが3年前から毎日6時間練習というから、誰がスポンサーにしても選手を育てるには莫大な費用がかかることになる。資金力というか国力がなければできないことで、メダル数は国力の指数になりそうだ。
開催前、大量の旅行者を受け入れるため市内のサントスヅモン空港の旅客ターミナルを改築していたが、最初の予定のカーニバル前には完成せず、またビア・アマレーラ沿いに新競技場を建設していたが、これも通る毎にハイウエイから見えるのだが、工事が一向に進展せず、開催間際までクレーンで屋根枠を取り付けていて、その他16地区の会場で新規または改装工事が7月開催に間に合うだろうかと巷で心配されていた。
またリオは極めて治安が悪いことと、有名な交通渋滞で16地区の遠く分散された会場へ数千人の選手と関係者やサポーターの移動が安全にできるかと心配されていた。
その後、飛行場のターミナルは4月末完成、各競技場は開催ぎりぎりに次々と完成してつじつまを合わせた。
カリオカの知恵は、主要道路とハイウエイの1車線に赤線を引き、一般車は通行禁止、PANの関係車輛とTAXIのみが通行許可された。渋滞しなければ強盗に会うことも少なくなる。
治安の方も警備を軍隊や警察5000人が協力して競技開催地区の犯罪発生率を前年より40%下げたというから立派である。ハイチの選手へPAN協会からの寄贈の1725着のユニフォームが輸送中に強盗に遭ったのがファベラから出てきてニュースになったがこれもご愛嬌であった。
バーラのセルナンベチーバ海岸にPANのコミテイとマスコミがセンターを設けた新ホテル(WINDSOR)ができた。出入りの警戒厳重で空港のようにXレイのゲートを通らねばならなかったが事故なしに終わったようである。
なお最後の週はあいにくの小雨で寒く、野球やソフトボールは球場が突風と雨で試合不能になり、決勝戦は中止された。米国チームなどは文句を言いながら帰国したと聞いたが、TVでは一切放映されず、サッカー以外にはあまり興味のないブラジルだからしかたない。一説によれば16会場全部に送る中継車、カメラとカメラマンがいないだろうと言う人もあった。
陸上競技の決勝戦は雨の中で行われた。コンゴニャス空港の事故の影響で、せっかく改装したサントス・ズモン空港も便が大幅キャンセルされて旅行者や選手たちは大変だった。
歴史的なレアル高と円安
ブラジルは異常なレアル高だが、日本も異常な円安である。現在1レアルが67円程度、日本で600円の昼食は9レアル、1000円ファミリーレストランは15レアル、5000円のカラオケは75レアル、8000円のビジネスホテルは119レアル、この価格ではブラジルは無理だ。
ガソリンは原油自給達成のブラジルが2.49レアルでドル換算$1.38、原油輸入の日本が140円としてドル換算$1.17となんと日本の方が安い。高級ホテルはすでにブラジルの方が高い。誰も抗議しないのが不思議なぐらいである。いろいろとレアル高を正当化する経済学者はいるが、先進国へ旅行し諸物価で比較したとき、発展途上国のブラジルの方が高いとなるとやはり異常である。
ブラジルの異常なレアル高で中小の輸出工業は数多く破綻している事実を知りながら政府はなぜ何も手を打たないのか。今は鉄鉱石など資源が中国などへの需要で高騰しているが何かのきっかけで値下がりし、貿易収支がマイナスになったら一体どうするつもりか。
最近自動車工業で、アルゼンチンで製造した方が税金も労務費も安いと考える企業が出たようだ。貿易収支過去12ヶ月累積推移を見守る必要がある。
ドル安、円安、元安、レアル高
米国のドル安がとまらない。米国が輸出製造業主導の時代は日本の円安にプラザ合意などで圧力をかけたが、今や米国は中国の「元」安には圧力をかけるが、円安には圧力をかけなくなった。米国内の対日競合製造業は既に破綻してしまって米国経済が輸入依存構造になったから円安にあまり興味はなく、逆に輸入品のコスト安を享受しているのである。
日本の円安がとまらない。実効為替はプラザ合意以前の水準といわれる。デフレ対策に金利をゼロにしたが、インフレにはならなかった。発行した円が出回らず中国やアジアへの外貨建て投資信託などで逃げて、円が日銀に戻っているのも原因のようだ。
中国の「元」安が是正されない。こちらも管理為替であることが問題である。本年の経済成長11.9%が予想され、7月20日に株価と経済の加熱を懸念して金利を6.57%から6.84%に上げたが、この程度では株価バブルは止まりそうもない。なお金利税を20%から5%に下げている。
レアル高は一向に止まらない。ブラジルは未だ多くの為替取引を規制している。現時点では単に外貨の買い介入を続けているが、貿易収支の大黒字の今こそが管理の一切を撤廃して並行レートなしに一本化する千才一遇のチャンスであるのだが。為替は管理せず、関税を下げて輸入を増やし自動的にレアル安に誘導するべきである。
レアル高是正になぜ関税を下げられないか
輸入関税を下げると国内の輸出工業が倒産するとする伝統的考え方から抜けられないからである。だが必ずしもそれのみではない。今のブラジル政府は税金など国家収入は公務員の給料を払うために存在するように誤解している節がある。いかなる税制の改革もまず自らの税収を下げない手段に出るのはまことに残念なことである。ルーラ政権になってから対GDP税収は2.6%も上がって昨年で35.2%と中国の水準の倍になり人件費負担はそれ以上に増えている。
なぜ為替切り下げが出来ないか
歴史的なハイパーインフレで、為替を切り下げると輸入品のコストが上がりインフレになるのをブラジル政府は極端に恐れている。これを防ぐには為替を切り下げると同時に関税も下ればよいのだが、それぞれの収入の受け口が異なり、各界の既得権者の反対が根強いのが問題である。為替代金は中銀へ、関税収入は大蔵省収税局と収入の入る先が異なるので、下げられる方は絶対反対なのである。
短期外資の引き上げの恐怖
伝統的にブラジル政府担当者は金利が下がると短期外資が流出することを恐れるが、たしかに同じ為替で利子が一定以下になると短期流入外資は止まるだろう。しかし為替を切り下げた後は投資者にとっては換金時のレアル通貨が増えるから、金利は下がっても同じである。ただし為替代金は中銀へ、利子収入は銀行に入るので収入が減るところは絶対反対なのである。
6月の外貨直接投資は1947年来の記録と言われるが、過去12ヶ月累積でも315億ドルと、民営化の投資が大量に流入した2000年11月の340億ドルに迫っている。公定金利は11.5%までSelic金利を下げているが、依然実勢では世界一高く、ブラジルの投資格付けも上がっている関係で投資流入が続くと思われる。投資にはレアル高で各国進出企業の本社からの救済援助資金の流入もかなりの額になると見るべきだろう。
近未来の儲けのネタを提供する
答えは携帯(セルラー)でモノを提供するサービスである。具体的にこのモノとは何であるかはあなたのアイデア次第だ。
ブラジルの携帯電話加入者数は1億台を越えた。また現在O GLOBOがデジタルTV放送の実験中で日本のワンセグ・テレビ付の携帯でブラジルでも画像が見えるとのことだが、携帯電話はカメラ内臓から始まって、インターネット端末としては専用のパーム型PCを駆逐しそうな勢いである。ワンセグ・テレビ、定期券やクレジット・カード、新幹線や航空機の予約、iPODの音楽、デジタル小説やマンガ、ニュースの呼び込み、銀行取引、自宅の家電へのリモコン、辞書、翻訳機、あらゆる趣味関連の情報など、考えられるすべてのことが出来る携帯端末に育ちそうである。
「いつでもどこでも何でも」と携帯がユービキタス時代の本流になるのは間違いないだろう。なにしろ機械を買うのに従来の商品のような高額負担がなく、1世代古いモデルはブラジルでも只同然で新型に交換してくれる。これで今はカメラ付携帯の使用者がどんどん増え、老人や子供までカメラ付きメール付きを持ち歩いているのである。このハードのコストを勘案しない流通システムは今後も続くと思われる。
また購入後ソフトをインストールする面倒さもなく、PCに比べるとキビキビと動いてフリーズもせず使いやすい。
画面が小さい欠点も問題ではない。近い将来にどこへ行っても部屋の壁に大スクリーンがあるのは当たり前になり、また携帯の画像信号を無線で受けて拡大スクリーンで見るようになるだろう。また小型の携帯用拡大プロジェクターも出るだろう。プレゼンも携帯だけ持って行けば後はOKとなるわけだ。
さらに見放せないのが現代の世界の傾向だ。携帯がクイズなどTV番組にどこからでも直接参加できる端末になりつつある。例えば潮の高さとか、趣味の情報などは携帯で見るのが主流になりつつある。
Youtubeへの自由投稿、携帯のカメラからの投稿で、速さと編集者に脚色されていない直の情報としてはTVの上を行く可能性がある。
YahooやGoogle客の膨大な検索行為連動の個人関心事項をデータベース化したリターン・サービス提供、これは検索を繰り返したり書籍の注文などを行うと、どんなことに興味を持つ人かをコンピュータが判断して新刊書など関連新商品を推薦してくるシステムである。
iPODで音楽や映画のダウンロードができるようになり、CDやDVDなど記憶媒体の販売やレンタル業の衰退と著作権の意味そのものがなくなりつつある。
ウィキペディア方式の自由書き込みシステムもそうだ。刻々と、より完璧なデータベースを構築し、データベース作成には金がかかるの常識を破壊しつつある。
携帯小説、携帯マンガ、携帯新聞がどこでも読める。ここでも著作権は力を失った。
近い将来常識になる各部屋の壁の大型スクリーンはTV、映画、ビデオ、新聞、音楽、インターネット、絵が毎日変わる額縁などが可能になる。
リビングは変化する。例えばキッチンでは料理や美容、子供部屋ではスポーツや勉強、書斎の壁では新聞やインターネット、大スクリーンがあってそれぞれの部屋で別の情報映像を、それも一方的な放送を受信するのではなく、見たいときに見たいものを見るのが当たり前になり生活の様式が完全に変わるだろう。
最近上野の東京国立博物館にある「応挙館」で円山応挙が床の間やふすまに描いた水墨画46点を、2年がかりで画像データに読み取り、コンピューターで処理し、高性能のプリンターで和紙に印刷して、細かい筆づかいまで忠実に再現したと話題となったが、傷みが目立ち収蔵庫に入り全体の姿を見ることができなかったものが一般に見られるようになった。
考えてみると、国宝的絵画を買った人は、カビや虫食い、湿気対策また盗難防止のため、部屋に飾るなんでとんでもなく、厳重に保管しておかねばならないのである。もしデジタル映像かプリントしたコピーが実物そっくりであれば、そのコピーを飾るか、大型スクリーンに額縁を付けた方が安全であり、考え方によってはオリジナルが不要の時代になった。
サブプライム・ローン
米国で住宅をローンで買って月賦が払えなくなったブラジル人が続出と報道されたが、実情はこういうことらしい。
米国の公定金利が上がったため、ローンの金利が10〜15%に上がり月賦額が上がった。同時に不動産価格が下がって2〜3年も月賦を払ったにかかわらず、債務残高が現在の新不動産価値より高くなり、月賦の支払いを止めて新しく買った方が有利となった。このため不動産月賦の払いを止め、放棄する人や払わずに差し押さえられる人が続出した。ブラジル人だけでも5000人以上が不動産を放棄して引き上げたといわれる。
サブプライムローンの残高は昨年末で推定625万人、1兆3000億ドルその80%の1兆ドルが焦げ付くといわれる。ファンドの損失は2500億ドルともいわれているが、救済のために米FRBは20日までに合計940億ドルを市場に注入、ヨーロッパのECBは2100億ユーロ、日銀5.6兆円、その他各国中央銀行が市場に緊急注入した金は莫大な額になる。
今回の危機はリスク・ファンドが低所得者用住宅ローンの再融資引受けやリスクの高い企業買収の大量の資金調達を高リスク債券(サブプライム証券)として小分けして他の比較的安全な債券などと混ぜて世界中に大量に売ったその元が焦げ付いたことによる。発端は米国で金利変動住宅ローンの不払いが急増し、米国大手の住宅金融会社アメリカン・ホーム・モーゲージ社他数社が倒産、サブプライムを取り扱う証券会社のゴールドマン・サックス30億ドルやリーマンブラザーズまで資金状態がおかしくなり、ヨーロッパでも大手仏銀BNPパリバが傘下の3ファンドを閉鎖する騒ぎとなった。
グローバル時代の証券取引はコンピュータソフトで、あたかも世界で一人が売買するような一律の動きをするのが危機に拍車をかけている。また高リスク債券は実態の把握は極めて困難で、住宅金融、証券、銀行、保険会社などが連鎖破綻する可能性がまだ今からあると考えるべきである。
ヘッジファンドの脆さ
今回のサブプライムの影響は、全世界の株式市場を値下げさせたが、日本とブラジルもからみあっている。ファンドは金利の安いとき日本の金融機関からも借り入れて金利の高いブラジルへは短期外資で入っている。
しかし世界のどこかで赤字が発生すると儲かっているところの債券を売って帳尻を合わせるのがヘッジファンドである。したがってブラジルに無関係な国で赤字が発生しても、ブラジルで儲けているファンドがあれば売却して資金の引き上げが起きることになる。何でも債券化して全世界で売るファンドの市場規模は、例えば日本のみで79兆円といわれており、日銀が少々通貨を発行しても追いつかない規模になっている。将来はファンド市場で起きたショックを国家が救済できない規模のリスクが発生する恐れがある。
したがって、この問題の解決は簡単ではない。米国の場合は工業が中国の輸入品に対抗できす衰退、ドルは目減り傾向があるので、代替産業として、米本国では不動産投資が活発となり住宅建設などにシフトしていたのが、つまずいたのであり、負債額が巨大なため解決には相当の時間がかかると思われる。
陰陽自然学飯田亨先生の2007年の予想
8月8日以後の「株、レートに明らかな変化」と予測的中させたが9月からも厳重注意である。参考まで「地球核力激震10年」の32ページには「2007年」予測として
*テロの脅威
*国際政治経済の駆け引きと東西国家間の紛争と調整の1年
*多くの政治経済の統制が解除され、あらゆる自由化が堰を切って開始する。
*旧来の社会通念、法律、憲法などの改正風潮が一気に高まる。
8月8日〜11月6日
*この年の前後動向を示す需要なサインと結論がある。
*政治経済の政策変換、株、レートに明らかな変化が起きる。
*テロ、暴動、伝染病の蔓延にも注意。
9月8日ー10月8日
重大な政治経済局面、天変地異、カタストロフィ警戒とある。
異常気象
地球温暖化で1度上がると、生態系に大変化が起こり、ある種は絶滅すると言われるが、最近の異常気象は少々の異常ではなく平年と10度以上差のある地区が続出している。気象庁の「全球異常気象監視速報」によると最近2ヶ月だけでも気温が平年よりも10度も高い地区が世界に16件もある。
また月の平均雨量が1日にまとまって降るのも同じく16件あり、もはやニュースにはならなくなった。台風やハリケーンのスケールも年々大きくなっている。
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