趣味が嵩じて笠戸丸づくり=クリチーバ=コチア青年の山村さん=首都セレモニーで披露へ ニッケイ新聞WEB版より
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ブラジル移民100周年の話題で持ちきりのブラジルですが、1908年6月18日に781名の移民を乗せてサントス港に到着した笠戸丸の模型作りに心血を注いでいる元コチア青年の山村泰夫さん(66歳、広島県出身)がニッケイ新聞のWEB版に紹介されている。原寸大80分の1、全長1メートル52センチの模型は、6月18日ブラジリアで皇太子殿下に見て頂く予定とのこと。その後山村さんの住むクリチーバに戻り兵庫県ブラジル事務所で展示し、来年の移民の日までの完成を目指しているクリチーバ市内の日本公園に移される予定とのこと。世界で3番目の笠戸丸の模型、次回クリチーバに立ち寄った際には是非見てみたいと思います。
写真は、ニッケイ新聞からお借りした笠戸丸の模型と山村さんです。
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定年退職後の趣味が嵩じて、第一回移民船「笠戸丸」の模型を製作している日本人がいる。パラナ州クリチーバ市在住のコチア青年、山村泰夫さん(66、広島県出身)。模型は原寸大の八十分の一、全長約一メートル五十二センチ。昨年、クリチーバ文協の卓球仲間の勧めと兵庫県ブラジル事務所(山下亮所長)の依頼を受けて作り始めた。笠戸丸の精巧な模型は、聖市の移民史料館、愛知県の博物館明治村に展示されているものに次いで、三作目とみられる。現在、仕上げ段階にあり、完成模型は今月十八日、皇太子さま列席のもとブラジリアで開かれる百周年記念セレモニーで披露される予定だ。
山村さんが経営する健康食品店の倉庫が作業場。精巧につくられた完成間近の模型は、マストから甲板、操舵室まで、細部の一つひとつが精巧に作られていた。
模型作りにあたり、兵庫県ブラジル事務所の山下亮所長らの仲介で、笠戸丸研究家の宇佐美昇三さんが協力した。宇佐美さん提供の資料をもとに設計図をつくり、今年二月から本格的に組み立て始めた。
「ジャングルで大木を切り出している先輩移民の写真に影響された」と山村さん。先達移民の気概に感動し、材料はすべて自分で調達、手持ちの工具だけで仕上げている。自宅に部品を持ち帰り、徹夜することも。
材料は木材が中心で、細部にプラスチックや銅線などをつかった。苦労した積荷用のクレーンの歯車作りは、細かく筋が入ったペットボトルの蓋を加工した。六月三日現在、ほぼ組み立てを終えており、残りは舷側部の手すりと救命ボートを取り付けるだけだ。
山村さんは、先に渡伯していた兄の呼び寄せで、一九六五年八月神戸出港の「ぶらじる丸」で渡伯した。ジェームス・ディーン主演映画「エデンの東」で、広大な台地に大豆を植えるシーンに憧れた。
サンパウロやパラナ州の各地で農業に従事、八九年にバタタ栽培がうまくいったのをきっかけに、日本へ。休暇を兼ねた一年の滞在を変更し、トラック運転手、デカセギの世話役として働いた。
〇二年、定年退職して帰伯。現在、クリチーバ市の郊外で妻と娘、孫と暮らし、健康食品店を営む。模型作りは小さいころからの趣味、定年退職後の楽しみにしていた。
力作の模型は六月十八日、皇太子さま、ルーラ大統領列席の記念セレモニーで披露される計画。「半分信じられない。調査を手伝ってくれた先生や関係者に顔が立ちます」と笑みをこぼした。
式典後、同模型は兵庫県ブラジル事務所で展示し、来年の移民の日までの完成を目指しているクリチーバ市内の日本公園に移される予定。
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