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ブラジルの酪農 麻生 悌三さんの寄稿です。
まだ収録出来ていない麻生さんの寄稿原稿が手元にありますが、貯まらないように最近送って頂いた掲題の『ブラジルの酪農』の寄稿を収録して置きます。
最近地元リオグランデドスール州でも大型の粉乳工場建設が具体化しており、州内における酪農農家の生産が増大傾向にあるが、酪農は、粗放大農場での肉牛飼育と違いそれ程大きくない中農または家族労働力を中心とした小農の現金稼ぎ的な形での牛乳生産形態が多く広いブラジルで集中的に牛乳を集配するシステム作りから始める必要がありRS州内でネストレ、パルマラッテ、エレジェ(鶏肉のぺルジゴンが買収)等が大型工場建設計画を発表しており粉乳にして輸出産品としての世界市場への参入を企てており麻生レポートにもあるように近い将来ブラジルは、世界一の牛乳の生産国として粉乳、乳製品の大きな輸出国になることは間違いないようです。人工授精による品質改良、原乳のロジスチック面(流通路)の整備が進めばまあだまだ伸びる可能性のある酪農産業に期待したい。
写真は、ブラジルの代表的な乳牛です。


世界の乳牛の数は、約2億5千万頭と言われている。(畜牛の総数は約13億頭)牛乳の総生産量は年間5億8千万トンと見積もられている.1頭当たりの牛乳の生産量は約2トンー年間である。ブラジルの乳牛の頭数はインドを除いて世界一の2千万頭(雌牛)と見積もられているが、牛乳の生産量は2300万トン(2005年)と低く、1頭当たりの牛乳の生産量は世界平均の約半分である。産地もミナス州以南に集中されており、北伯、東北伯等の乳牛の分布は全体の1割程度である。

―主要国の牛乳生産概要(2002年)
国        乳牛頭数     牛乳生産量     1頭当たりの生産量
アメリカ     928万頭    7050万トン   7462kg−年間
ドイツ      519      2862      5427
フランス     456      2541      5670
ニュージーランド 299      969       3300
イギリス     251      1439      5455
日本       121      838       7195
中国       395      584       1480
ブラジル    2000      2164      1082
ブラジルは乳牛専用種のホルスタイン種の他に肉用種ゼブーとの雑種が多いい。又、ホルスタイン種自体の品種改良も進んでいない。管理も粗放的飼養方式が多く、生産性の低い
原因はズバリこの2点である。品種改良の遅れが低生産性の要因の8割を占める。日本に於いても、1990年代から10年間に牛群検定による品種改良(雄 x 雌の優良遺伝子の相乗効果による交配)により生産性は略、倍に増加した事実がある。ホルスタイン種の場合、1頭で年間7000kgの搾乳は普通である。

―ブラジルの牛乳の消費(2004年)
ブラジルの牛乳の生産量は約2300万トンであり、人口1億8千万で割ると一人当たりの年間消費は127リッターであるが(全乳製品)これは1日当たり約350mlで世界的に見て低い水準ではない。(一日当たり一人の消費はアルゼンチン 540ml、ニュージーランド 450ml、アメリカ 350ml、日本 150ml)。但し、ここ10年間消費は横ばいであり、伸びていない。
年度   生産量    輸入量    輸出量    人口    一人当たり消費量
1907 1924万トン193万トン 28千トン  1億6千万 129リッター
2004 2332    32   638     1億8千万 128
中近東、アフリカ、等に粉ミルク、チーズ等の輸出が伸び、輸入は激減している
―ブラジルの牛乳及び乳製品
ブラジルに於いては、牛乳消費の41,6%が生で飲まれる。残りの48,4%が加工品
である。又、生牛乳の消費の特徴は、14,2%が市販を通さないで、農場から直接、消費者に売られている。(この傾向は地方に顕著)
消費形態は下記の通り(2005年度)
製品         数量           原料牛乳        比率
ロングライフ    440万リッター     440万リッター    18,7%  
ミルクA, B、C  159          159          6,8
生乳         54           42          1,9
直接消費牛乳    334          334         14,2
チーズ      8081         8000         33,7
バター        75          308          1,3
粉ミルク       42          437         18,6
其の他                    334          4,8
(ヨーグルート、アイスクリーム等)
ロングライフ=130度Cの高温で数秒間で殺菌する。原料はCタイプを使用。 
牛乳A =工場搬入まで、10度Cの低温を維持。バクテリアの数は2000/ml以下。
  B = Aと同様10度Cで搬入。バクテリア数は8000/ml以下。
  C =常温搬入。バクテリア数30000/ml以下。
ABCいずれのタイプも脂肪分は一律3%。各々、味覚に差がある。
牛乳及び乳製品の販売は、70%が国内に72000軒あるスーパーマーケットにて販売され、20%が国内に52000軒あるパダリヤ(パン屋)で販売される。 

―ブラジルの主要乳製品工場の生産シェアー
順位   工場名      年間原料乳搬入量    供給農家数   業界シェアー 
1) Nestle 135 万トン       2,8万    25%
2 ) Parmalat 82 1,6 16
3) Itambe 75 1,5 15
4) Paulista 62 2,2 12
5) Elege 60 3,4 12
6) Vigor 28 0,6 6
7) Batavia 27 1,0 5
8) F.Royal 18 0,3 4
9) Danone 14 0,6 3
10) Morrinho 12 0,4 2
スイスのネスレ社が粉ミルク、濃縮ミルク等の乳製品で抜群の占有率を持っている。
―2008年から2015年までの牛乳の生産予測と消費
年度    生産量      国内消費量      人口     一人当たり消費
2008  2620万トン  2440万トン    188百万  129リッター
2009  2698     2477       191    129
2010  2778     2513       193    129
2011  2800     2551       196    129
2012  2944     2580       198    130
2013  3032     2627       201    130
2014  3121     2666       204    130
2015  3214     2700       207    130
過去10年ぐらい一人当たり消費は横ばいであり、20年後の2011年になってやっと1リッターの伸びである。

―乳牛の繁殖
放牧による、自然繁殖では生後3年で妊娠,280日後に出産というサイクルだが、人工繁殖では、出産後10ヶ月の搾乳期間があり、次のサイクルを採られる。
1) 生後15ヶ月の幼牛に人工授精で受胎させる。
2) 妊娠期間280日にて出産。出産後15日間は母乳だけ与え搾乳せず。
3) 出産後16日より搾乳開始。搾乳期間は約10ヶ月。
4) 出産後3ヶ月で人工授精し第二子の出産に備える。
5) 出産後10ヶ月経つと乳量が落ちるので、搾乳を中止し次の出産に備える。牛は出産しないと乳を出さない。出産は3回―6回行はられる.不妊となったら屠殺する。       
人工授精のブラジルでの普久率は30%程度と予想する。人工授精で優秀な種牛の精子を
受胎させるのは、品種改良の切り札である。優良種牛,母牛の輸入を積極的に行い、品種の向上に繋げることが急務である。

品種改良と管理の改善により、1頭当たりの搾乳量を現在の3倍に増やすことは、夢ではない。中国が最近、豪州より乳牛1万頭を輸入し、品種改良して、乳量を急増させた実績がある。もし、実現できれば、ブラジルは世界一の牛乳生産国になることは間違いない。
以上
麻生
2008年7月11日 



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