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『実業のブラジル』誌掲載の南伯便り 【南の国境から見たブラジル】(その4)
ブラジルで発行されている唯一の経済誌『実業のブラジル』に僅か1ページだけですが、私の住む南部ブラジルの毎月の出来事を【南の国境から見たブラジル】と言う題で原稿を送らせて頂いている。気が付けばもう連載24を過ぎ2年間書き送っていることになる。これと云った原稿でなくその月にポルトアレグレを中心としたブラジル南部で何が起きたか経済面から新聞報道を拾い纏めただけのものですがそれないにブラジル南部の動きを追っており参考になる面もある。今回第19回から24回までを『私たちの40年!!』寄稿集に収録して置くことにしました。
写真は、サンパウロのパウリスタ大通り周辺に咲く見事なイッペーロッショーをあしらった7月号の表紙を使いました。


3月号 連載19

世銀(BIRD)の10億ドル融資実現

イエダ州知事は、世銀(BIRD)からの10億ドルの州財政建て直し資金の融資が実現し3月にはワシントンに出向き融資契約に署名する。6月には5億ドルが届きこの融資により初年度だけで1億7千万レアイスの金利を節約できる見込み。

アルゼンチン共同水力発電建設具体化か

長年の間、資金面と環境問題で棚上げされていた第2のイタイプとも言えるアルゼンチンとの2国間の共同開発となる大型水力発電所建設計画が隣国のエネルギー危機の影響で一気に具体化する模様。GARABI水力発電所は、RS州とアルゼンチンの国境にあるウルグアイ川の開発で20億ドルを投入して1800MWを生産する予定。アルゼンチン側のクリスチネ・キルチネル大統領が最優先計画としてルーラ大統領に協力を要請しており国境地域の市長以下住民の大きな期待が寄せられている。

大型石炭火力発電所建設が決定。

ブラジルの石炭の埋蔵量は、RS州にその90%が集中しており火力発電所計画が何度も挫折して来ているが、ポルトアレグレから400kmウルグアイとの国境の町バジェーから40km離れたCANDIOTA地区に600MWのSEIVAL IIが14億ドルの投資により2011年より発電を開始することになった。このプロジェクトは、MPX ENERGIAの投資計画の一環でIEDA州知事との間に投資計画書を交わした。
既に建設中のELETROBRAS傘下のCGTEEの350MW(投資額5億ドル)、フランスとベルギーの合弁によるSEIVAL一次計画の500MW(8億5千万ドル)を合わせると同地域で1450MWを発電する事になりウルグアイ側への買電も含め州南部地域の経済発展の原動力になると期待されている。

スペインのFORTUNY 風力発電所に投資

スペインのFORTUNY ENERGIA社は、州内奥地のLIVRAMENTO、PIRATINI、JAGUARAOの3都市に2010年に発電開始予定の 3風力発電所の建設を5億ドル注ぎ込んで実現させると発表している。この3風力発電所で223MWを発電予定で適正価格での電力買い上げを保証するブラジル国内での法制の整備を是非検討して欲しいとFerando Tamayo社長は、IEDA知事に要請している。

EU(欧州連合)向け牛肉輸出一部解禁

ブラジルの輸出産品のなかで大きな比重を占めるようになって来ている牛肉の輸出は、現在では牛肉輸出量では世界最大の国となっている。2007年度には、250万トン、44億2千万ドルの輸出実績を挙げている。その内ロシアだけで67万トン10億ドルを輸出、EUには、54万トン14億ドルを輸出している。
昨年後半からEU諸国、特にアイルランド、英国等からブラジル産の牛肉に衛生管理上の文句を付け今年2月1日からブラジル産の生鮮牛肉の輸入を禁止していたが、27日に突然106の処理場からの輸入を解禁した。これはEU市場に置いてブラジル産牛肉を締め出すと域内の需給バランスが崩れ品不足を来たす事から条件付きででもブラジルからの牛肉の輸入を再開せざるを得ない実情のようです。RS州は、口蹄疫フリーゾーンとして認められておりブラジル食肉特に高級部位を集中して購入するEU市場への供給源として重要視されている。

COPESULがETBEを日本に初輸出

COPESULは、昨年9月よりガソリンへの添加物ETBE(ETIL TERCIO BUTIL ETER)を生産しているが、今回日本向けにテスト輸出として5000トンを丸紅を通じて輸出した。今後の増加が期待される。
(著者:さわやか商会主・元南伯日本商工会議所会頭)


4月号 連載20

州、世銀(BIRD)の10億ドル融資実現

イエダ州知事は、世銀(BIRD)からの10億ドルの州財政建て直し資金の融資が州議会の承認も取り付け、後は上院議会での承認作業が残るだけで事実上実現しており州公務員の給料遅配も3月より解消し州財政建て直しの成果が上がって来ている。3月末にはUSA,カナダを歴訪し新規投資誘致に努めている。 

RS州の電力開発計画が順調に進む

アルゼンチンとの2国間水力発電所建設計画ガラビ(出力1800MW)は、2年以内に建設開始と見られているが、小型水力発電所計画が2008年度10件、2009年度15件、2010年度15件と順調に国内電力管理院(ANEEL)に承認されている。この小型水力発電所計画は、最大30MWまでの規模で20MW規模の小型水力発電所で人口1万5千人から2万人の町の電力消費を賄える規模で地方都市への電力供給策として実効性を発揮している。
ブラジル石炭の90%の埋蔵量(317億トン)を持つRS州では、石炭を利用した火力発電所が最近また見直されている。カンジオッタIII(CGTEE350MW)、セイヴァール(Tractebel 540MW)、セイヴァールII(MPX600MW)が実現する。

ロシア製軍用ジープ工場建設が具体化か

ロシア国営の軍用自動車工業がRS州への進出を検討しておりこの程、州政府及び州軍隊の代表者がロシア現地の工場を見学に出かけ具体的な話し合いに入るとのこと。ロシア側は、ブラジル民間企業との合弁を希望しておりブラジル側で1500万ドルを投資するパートナを必要としている。さらに生産予定のGAZ Tiger 2330軍用自動車1台20万ドルを最低32台の初期発注を要求している。ブラジル以外にも需要があるとは云え果たして実現するのか疑問。

RS州の輸出先国はアルゼンチンがトップ

RS州よりの輸出は、年初からアルゼンチン向けが2ヶ月累積でUSA向けを抜き最大客先となった。2007年度のRS州からの輸出総額ではUSA向けが177億ドル、アルゼンチン向けが110億ドルとなっていた。今年2ヶ月間のブラジル輸出総額の州別では、サンパウロ州が81億9千万ドル、ミナス州が31億3千万ドル、RS州が23億5千万ドル、リオ州が21億2千万ドルとなっている。輸入総額の激増により今年の入超額は、昨年の半額200億ドル程度まで下がるのではないかと予想されている。

葉タバコに変わってダチョウの飼育

ブラジルにおける葉タバコの一大生産地であるサンタクルスの町にダチョウの処理場が出現して州民を驚かせている。タバコ生産の先行きに不安を覚えている生産者の一部が3年ほど前から転換して飼育始めたダチョウが順調に増えこの程、試験的に初出荷した。100kgの生体から25-30キロの肉が取れるとの事で1年間の飼育費用が300レアイスかかり肉と革で800レアイスの収入が見込まれるとのこと。ブラジル全国に出荷できる許可を申請中とのことで牛肉、鶏肉、豚肉と共に州産の食肉として育って行けば面白い。

チリの合板工場MASISAが大工場を建設

チリの合板大手MASISA社が家具用の合板のMDPを年間に75万立方、MDFを30万立方生産する工場を建設中で2009年には生産を開始する。総投資額2億2300万レアイス、新規雇用200人を見込み、州の家具工業界への原料供給源として期待されている。
(著者:さわやか商会主・元南伯日本商工会議所会頭)


5月号 連載21

世銀(BIRD)の州への10億ドル融資

世銀(BIRD)からの10億ドルの州財政建て直し資金の融資は、最終段階で連邦最高裁の認可が必要となり6月12日入金が危ぶまれている。州職員への支払いが60%のリミットを超えているか超えていないかの判定を受ける必要が出てきている。イエダ州知事の州財政立て直し策に必要な融資が予定通り実現するように望まざるを得ない。 

Wtorre造船所に大型門柱クレーンが到着

ぺトロブラス発注の大型石油発掘船製造のためにWtorre社は、10億レアイスを投下し南半球最大の造船所を建設しているが同造船所向けに中国で生産された超大型門柱クレーンが特別船に積み込まれて(組み立てたまま船に乗せる方式)リオ・グランデ港に到着した。高さが85メーターあるとのことでリオ・グランデ港から対岸のサン・ジョゼ港に掛けられている高圧線(水面より72メーター)の撤去をしないと造船所に入れないとのことで苦労している模様。この大型造船所建設に呼応して入港路の水深を18メーターに増やす工事を1億6千万レアイスをかけて実施するとともにBUNGE/BIANCHINI/
TRANSPETRO/COPESUL/ARACRUZなどが挙ってターミナルの増設または新設を計画している。2000年に1300万トンの荷動きだったリオグランデ港は、昨年は2600万トンと倍増しており今後の増大が期待されている。

ARACRUZがグアイバーに新工場建設決定

州環境管理財団(FEPAM)の新工場建設と植林事業への事前認可がおりARACRUZによる28億ドルの新規投資が決定しグアイバーの年間45万トン生産の既存パルプ工場が180万トン生産の大工場に生まれ変わる。アラクルスのパルプは、59%がトイレットペーパー、23%が印刷用紙、残り18%が特別紙(印画紙他)の原料となっている。 USAにおける一人当たりの紙の消費量が300kgに対しブラジルではまだ40kg当たりの消費にしか達しておらず国内消費量の増大が期待され世界最大のユーカリパルプ工場として27%のシェアーを誇るアラクルスは、年間10%〜15%(平均12%)増え続けている。

3月までのRS州の輸出額は前年比25%増

RS州よりの輸出は、3月末で35億ドルを記録、サンパウロ州の124億ドル、ミナス州の45億ドルに次いで第3位をキープしているが輸入が前年比75%の増大を記録33億ドルに達し入超額が僅か2億ドル弱に低下している。隣国アルゼンチンとの貿易が増えUSA、パラグアイ等を抑え最大のパートナーとなっている。

ソウザクルス1億3千万投下新工場建設

ソウザクルス社は、ポルトアレグレ近郊に年間780億個のタバコ用の箱を生産する新工場を建設することを決定した。2003年から既に年間300億個のタバコ用の箱を生産しているが、現在リオで生産している工場を閉めて全てを原料の葉タバコ生産地であるRS州にタバコの箱生産を集中させることにしたとのことです。

GERDAU中米にも拠点を作る

ガウショーの巨大世界企業GERDAUが中米のCentroamericana del Acero社に1億8千万ドルを投下、中米に拠点を作る。同社は、年間50万トンの粗鋼を製産している。GERDAUグループは、ブラジル以外にコロンビア、アルゼンチン、チリ、ぺルー、ウルグアイ、メキシコ、ドミニカ、ヴェネズエラ、北米、カナダ、スペイン、インドに生産拠点をもつ国際企業で2007年には、342億ドルの売り上げと43億の利益を上げている。粗鋼の生産量は、1790万トンに達しておりANDRE GERDAU JOHANNPETER社長のもとに発展路線を繰り広げる企業に育っている。
(著者:さわやか商会主・元南伯日本商工会議所会頭)


6月号 連載22

世銀(BIRD)の州へ10億ドル融資実現

世銀(BIRD)からの10億ドルの州財政建て直し資金の融資は最終段階で、連邦最高裁の認可が下り6月12日入金が実現しそう。州職員の給料遅配もここ 3ヶ月は、起きておらずイエダ知事の州財政立て直し策がようやく効果を上げ出したようで喜ばしい。 

GMがグラバタイ工場で100万台生産達成

2000年7月20日に生産を開始したグラバタイのGM工場では8年弱の5月20日に100万台生産を達成しGM本社社長が参加して盛大な式典が行われた。現在年間23万台を生産しているが3シフト制を導入し2009年度には28万台生産を目指すとの発表がなされイエダ知事在任中の2010年までに200万台生産を祝う可能性もあると新規投資に意欲を示していた。GM本社社長は、ブラジルでの新規投資を発表したが投資場所を含め詳細は明らかにしなかった模様です。ちなみに現在グラバタイ工場で生産しているCELTA及びPRISMAは、注文してから35日〜40日待たないと入手できないとのことです。

VCPパルプ工場の最終候補地

VCP(ヴォトランチンセルローズ紙工場)の工場建設候補地として州南部の6都市が競っていたがこの程、最終候補地として港町、リオ・グランデと植林の中心地としてのアロイオ・グランデの2箇所に絞られ2ヶ月以内に20億ドルの総投資で2011年より年間130万トンのパルプ生産工場の建設場所が決定する。工場建設は、2009年6月に開始2011年に稼働予定されており3400人の新規雇用が予定されており20万ヘクタールの植林(50%が原料としてのユーカリの植林)が2011年までに実現する予定で州南部諸都市の活性化に繋がると期待されている。

2007年度のRS州の輸出総額は150億ドル

2008年度のRS州よりの輸出は、順調に伸びているが輸入額の増大で入超額が激減している。昨年年間の輸出総額が発表されているが、150億ドルの内、アメリカが11.8%、アルゼンチンが9.86%、中国が9,8%、ロシアが5%、オランダが3.16%と上位を占めておりドイツ、パラグアイ、チリ、ベルギー、イギリス、ウルグアイ、イタリア、イラン、ヴェネズエラ、スペインが各2%台で続きメキシコ、タイ、南阿、アラブ首長国、香港と1%台が続く。残念ながら日本が上位20位までに入っておらず香港の2億1千7百万ドル(1.45%)より少なくなる。以前は、大豆関連、馬肉、海老(海産物)、鶏肉、葉タバコ、パルプ、エチレン、プロピレン等の化学製品の輸出を丸紅ポルトアレグレ出張所長として私自身が手掛けていた頃は、少なくとも上位10位には入っていただけに寂しく感じます。

東芝がCEITECとコンタクトを開始

ブラジルのTVデジタル放送の日本方式採用を決める段階で日本からの半導体、チップ工場の建設を約束した、しないで物議を醸しておりますが、ポルトアレグレのCEITEC(高度電子技術開発センター)との3度目の交渉に5月22日東芝日本から3人、東芝ブラジルから2人の総勢5名がCEITECを訪問し意見交換をしている。CEITECでは現在牛の生体識別用のチップ生産を計画しており2009年の6月には市場に出てくることになっている。CEITECと東芝の今後の共同ワークとしては、東芝による機材の提供によりCEITECでチップを生産して行く方式を具体的に話し合いたい意向で今後の動きが注目される。

2014年のワールドカップが当市でも

政府は2014年のワールドカップ開催準備として総額385億レアイスを運輸部門への投資額と決めたが、そのうちの12億レアイスが開催地の一つポルトアレグレに振り当てられた。その内容は、82kmに渡るバス専用線の建設、9kmの地下鉄線、空港と地下鉄を結ぶ1kmのモノレール線が予定されている。
(著者:さわやか商会主・元南伯日本商工会議所会頭)


7月号 連載23

世銀のRS州へ11億ドル融資大詰めに

世銀(BIRD)からの11億ドルの州財政建て直し資金の融資を受ける為の上院での裏書き検討審議に入り7月3日までには承認され、大統領の署名も実現の見込み。

トヨタ新工場、サンタバルバラに決定か

RS州の悲願とも云えるトヨタの新工場誘致は、まだ諦めていないとの州政府の発言だが、インダイヤツーバ、サンベルナルドの既設工場に近いサンパウロ州のサンタバルバラ・ド・オエステに決定する見込みのニュースが当地のZERO HORA紙に出ました。非常に残念な知らせです。

ペルヂゴン、RS州に1億レアイス新規投資

州内のAVIPALグループを手中に収めて国内最大級の食品加工会社にのし上がったペルヂゴン社は、新規にトレス・デ・マイオ市に6500万レアイスを投下し、日産60万リッターを原料とした粉乳生産工場の建設を発表した。更にラジェアード市の豚肉加工工場の増設に3500万レアイスをつぎ込み処理能力を1日に豚3千頭に上げる。バジェー市には、100万レアイスを投下、日産10万リッターの牛乳の集配と冷蔵装置を新設するとイエダ知事に通知した。

AmBev、麦芽工場は、パッソフンドに建設

ブラジル最大のMALTARIA(大麦の麦芽工場)をAmBevが2億レアイスをつぎ込み大麦の生産地の近くであるパッソフンド市に新規建設することを決定した。生産能力は、最終的には22万トンを予定しているが2009年後半には11万トン能力で生産を開始し2010年後半には、22万トンの生産を目指している。問題は原料の大麦の供給量で新工場が必要とする原料を生産するには5万ヘクタールの新規植え付けが必要となる。AmBevの新工場建設により州内の大麦生産量が増えることが期待できる。

RS州の5月の輸出総額は、国内5位に転落。

年間を通じての輸出総額では常にサンパウロ、ミナス州に次いで国内3番目をキープしていたが、5月だけの統計数字では、サンパウロ(47億ドル)、リオ(22億ドル)、ミナス(20億ドル)、パラナ(18億ドル)に次いで17億ドルを記録5番目に落ちている。RS州輸出の仕向け先では、中国(16%)、アメリカ(9%)、アルゼンチン(8%)、ロシア(7%)、オランダ(4%)、ドイツ、イタリア、タイ、ヴェネズエラ、パラグアイと続いている。中国向けの輸出は、毎年この時期には、大豆、大豆油等大豆関連製品が増えることによる季節要因も影響している。各州とも同じ傾向が見られるが特にRS州では、工業製品(設備機械、運輸機械、化学品の輸入額が31%増と大きく伸びており10億ドルを超している。

風力発電所建設計画、27箇所へ建設許可

RS州の海浜地区オゾリオには、ラ米最大の風力発電所が存在するが、環境問題から増設許可が下りず停滞していたが、この程新規に総額30億レアイスに達する27ヵ所の風力発電所建設(1566メガワットの発電)が許可された。ブラジルにおける風力発電は、世界で20番目にランクされており世界の風力発電の僅か0.3%、ブラジル国内の発電量の0.1%を占めるに過ぎないが、季節的な代替電力としてクリーンエネルギーとして伸びる潜在力は持っている。今後に期待したい。

RS州、ブラジル第3のGNLガス基地候補に

ブラジルには液化天然ガス基地がセアラ州とリオ州に建設中ですが、第3の基地としてRSのリオ・グランデ港かタラマンダイのターミナルに建設される可能性が出ている。SC州のサンフランシスコ・ド・スールも候補に挙がっているようだが、ブラジル南部に是非とも必要な施設であり早期実現を期待したい。
(著者:さわやか商会主・元南伯日本商工会議所会頭)


8月号 連載24

世銀(BIRD)のRS州へ11億ドル融資決定

世銀(BIRD)ワシントンと州政府ピラチニ宮を繋ぐテレコンフェレンスにより7月30日に11億ドルの融資が正式に通知された。正式契約は、8月5日にポルトアレグレで締結され、6億5千万ドルが8月中にリリーズされ高金利の外債返済に充てられる。残りの4億5千万ドルは2010年3月にリリーズされ州財政健全化と新規投資が実現する。世銀として初めての州政府ベースへの大型融資となりました。

トヨタの新工場は、ソロカバに決定

先月号ではトヨタの新工場は、最終的にソロカバ市に決定しました。トヨタは、2002年よりRS州を含む10州を候補地として慎重に選択していたようですが、既に2工場を所有しているサンパウロ州のソロカバに決定し7億5千万ドル〜10億ドルの新規投資を発表し年間20万台(初期段階では15万台最終的には40万台生産計画)を2011年には市場に送り出すことになる。新工場建設によりFIAT、VOLKSWAGEN、GM、FORDのブラジル4大工場とのシェアーの争奪戦を繰り広げることになる。現在のシェアー3%から悲願の10%達成は実現することになりそうです。このトヨタの新工場建設によりソロカバ市よりトヨタが得るインセンチヴは、総額1億3千万レアイスに達するとのことで2千500人の新規雇用が見込まれている。

P-53完成。乗組員270人が勤務開始。

リオグランデ港で建設中のぺトロブラス向けのプラットフォームP53の建設は、8月15日に引き渡し、進水式が29日に予定されているが既に270人の乗組員が最後のテストを行っている。9月にはリオグランデ港を後にしてCAMPOS流域で水深1080メーターの海底油田より18万バレル/日の原油、6百万立方メーター/日の天然ガス、24万5千立方メーターの水処理、92MWの発電を可能にする海上に浮かぶ工場が稼働する。

RS州上半期輸出額、29%増、国内3位

RS州の上半期の輸出総額は、83億ドルを記録しサンパウロ州の273億ドル、ミナス州の105億ドルに次いで第3位をキープしている。リオ州が77億ドル、パラナ州が76億ドルを記録している。RS州の産品を輸入している国は昨年比7%減とは言えアメリカが8億2100万ドルでトップ、中国が昨年比100%増の7億9100万ドルと躍進している。ドルベースでは29%増を記録しているがレアル通貨ベースでは昨年比13%の減を記録している。輸入は64%増を記録、69億ドルに達し出超額は13億ドルに激減している。

ワールドカップへのPOAの港再開発計画

ポルトアレグレの港湾施設の再開発計画が具体化し年内に入札、2009年工事開始、2013年に完成予定で港の再開発計画が計画されている。ホテル、ビジネスパーク、ショッピングセンター、博物館、大会議場、野外公会堂遊歩道、マリーナ等を備えた川と港を市民と結びつけた再開発計画は、ワールドカップと言う行事に合わせての町の開発計画の一つとして期待されている。

国境線150kmから50kmへの制限法案

1979年の法令6635号で国境線より150km以内の外国法人、外国人による経済活動制限が規定されているが、現在RS州選出の連邦上院議員、SERGIO ZMBIASI提案の憲法改正案46/2006により50km以内に変更する法案を上院で検討している。RS州内の国境地域へのユーカリ植林の為の土地購入始めウルグアイのRS州への火力発電所建設計画等がこの憲法改正案が承認されれば改善されるだけにその成り行きが注目されている。
(著者:さわやか商会主・元南伯日本商工会議所会頭)





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