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【イチローの世紀の偉業】 スポーツナビ野球 吉川秀和さんのコラム他より
『私たちの40年!!』の寄稿集にはスポーツ関係欄も設けていますが、私の個人的な偏見もあり野球では阪神タイガース、サッカーでは地元のインテルナシオナル、日本のJリーグでは特定チームでなしに松田 浩監督のチーム、ワールドカップ、オリンピック関係、相撲等が取り上げられていますが、今回1世紀振りの偉業を事も無げにやり遂げたイチロー選手の8年間連続200安打の記録をスポーツナビ野球のコラム作家吉川秀和さんの纏まった記録、コメントをお借りしてこの世紀の大記録を各紙記事、松井、石坂選手等のコメントと共に記録に残しておくことにしました。写真はサンケイスポーツの『8年連続200安打を達成し、右手を挙げてファンの声援に応えるイチロー(撮影・戸加里真司)』をお借りしました。


スポーツナビ野球 吉川秀和さんのコラムより
記録達成はショート内野安打
球足の遅いゴロがショートの前へ飛んだ。猛然とダッシュして打球を処理したマイク・アビレスの一塁送球より一瞬早く、イチローがベースを駆け抜けた。イチローがメジャーでまた新たな「歴史」を刻み込んだ瞬間だった。

 カンザスシティーのカウフマン・スタジアムで18日(日本時間)に行われたロイヤルズ戦、8回の先頭打者で迎えた第4打席、ロイヤルズのサウスポー、ロン・マヘイの投じた2球目の外角低めに沈む変化球をイチローのバットがとらえた。見逃せば「ボール」と判定されてもおかしくないような難しいボール。ボテボテの当たりがかえって幸いし、内野安打とした。

「あまりきれいな形じゃなかったので、打った瞬間は『あれっ、ヒットになっちゃう』みたいな勝手なことを考えていました」

 一塁に走り込んだときの思いをこう振り返ったイチロー。本人も「ボクらしいヒット」と認めたように、メモリアルヒットは自慢の俊足を生かしての内野安打となった。

「ICHIRO SUZUKI HAS TIED THE MLB RECORD WITH 8 CONSECTIVE 200 HIT SEASONS」
 バックスクリーンに、イチローの輝かしい記録がこう映し出されると、スタンドのファンは偉業に気付き、拍手が沸き起こった。敵地にも関わらず、スタンディングオベーションで偉業をたたえるファンの姿も数多い。全力疾走の直後、一塁ベース上で両ひざに両手を付き、静かに呼吸を整えるイチロー。興奮の中心に立つ背番号「51」は、意外なほど冷静に見えたが、やがて右手でヘルメットを取ると、大歓声に応えた。

 今からさかのぼること100年以上、1894年から1901年にかけてウィリー・キーラー(当時オリオールズ)がつくった8年連続200安打のメジャー記録に並んだ。

今季151試合目での200安打到達
 前日までに大記録まであと3本と迫っていたイチローは、この日の試合もいつものように「1番・ライト」で先発出場した。ロイヤルズの先発ピッチャーは右腕ギル・メッシュ。初回の第1打席は四球で歩かされた。3回の第2打席には、外角低めの速球をジャストミートし、ライト線を鋭く破る二塁打を放った。5回の第3打席では、高めの速球に詰まりながらもサード後方へポトリと落とす内野安打。記録へ「王手」をかけた。

 そして、8回の第4打席、ピッチャーは相性の良かったメッシュから、2番手左腕のマヘイに代わっていた。

「きょう、あと1打席だけという可能性があったので、『何とかきょう』という気持ちがあった。明日の試合後は移動になってメディアの皆さんに協力できないですから」

 打席に入ったときの心境をこう明かしたイチロー。初球の速球を見送り1ボール。2球目の外角変化球に手を出した。ヒット性の当たりではなかったが、俊足でショート内野安打にして見せた。「王手」をかけてからの次打席に驚くほどあっさりと記録を達成し、「きょう達成できたことはボクにとっても大きい」と、晴れやかな笑顔を見せた。

 イチローが鮮烈なメジャーデビューを飾ったのが2001年。1年目のシーズンでは157試合目に200本の“大台”に到達した。それ以降の7シーズンは下記の通りである。

【イチローの200安打到達試合数/シーズン安打数】
・01年 132試合/242安打
・02年 156試合/208安打
・03年 155試合/212安打
・04年 126試合/262安打
・05年 160試合/206安打
・06年 148試合/224安打
・07年 136試合/238安打

 最も苦しんだのは05年シーズンで、残り3試合でギリギリの達成だった。開幕から全試合に出場している今季は、19日の試合を含めて「残り11試合」と、余裕を持っての大台到達だ。それでも、本人は「170本から180本の間はやっぱり予想通りちょっと重苦しい中でプレーしてましたけど、それを超えてからは、わりとノーマルな状態に戻った」と語った。
8月に固め打ち
今季は開幕直後の3月と4月こそ、安打数30、月間打率2割5分9厘と低調だったものの、イチローが例年“スロースターター”であることはマリナーズベンチや報道陣の間でもすっかり周知のことであり、今季の成績について深刻に心配する声は聞こえてこなかった。そして、5月に入ると“ミスター・メイ”の異名通り、どんどんペースを上げてきた。下に示した月ごとの安打数と打率を見てほしい。5月以降は3割以上の打率をキープしていることが分かる。

【月間安打数/月間打率】
・3・4月 30本/2割5分9厘
・5月   36本/3割1分9厘
・6月   34本/3割1分2厘
・7月   36本/3割3分3厘
・8月   43本/3割5分
(※安打数と月間打率は現地時間で計算)

 最下位に低迷したマリナーズは、6月にジェフ・ペントランド打撃コーチと、ビル・バベシ・ゼネラルマネジャーが相次いで解任されたのに続いて、イチローを最も信頼して起用していたジョン・マクラーレン監督も解任された。チームに衝撃が走る中、イチローは逆風をもろともせずに安打を量産し続けた。

 日米通算3000本安打を達成したのは7月30日。3000本に挑んでいた7月には、プレッシャーからか記録前日までの5試合は24打数5安打、打率2割8厘。「この一週間は本当に長く感じた。ボクが一番イライラしていました」とイチロー自身が振り返ったように、思わぬ重圧に悩まされた。それでも、7月を終わってみれば5月と同じ36本、3割3分3厘の数字をたたき出し、最下位に低迷するチームの中で一人気を吐いた。

 そして、何といっても注目すべきは8月だろう。月間28試合で43本の安打を放ち、打率3割5分と驚異的に数字を伸ばしてきた。夏場の酷暑と累積疲労などで多くの打者が調子を落とす中で、イチローはむしろ今季ピークともいえる活躍を見せた。

 9月に入ってもイチローの「上げ潮」状態は変わらず。11日のレンジャース戦では5打数4安打と大暴れ。9月にイチローが無安打に終わった試合は、わずかに7日のヤンキース戦のみだ。9月はこの日を含めて16試合を消化し、72打数22安打、3割5厘の好成績を残している。今回の200安打の「節目」に向けては、10戦連続安打と、順調に安打を積み上げた。
張本氏の3085安打も今季中の射程に
 メジャーで8年もの間、大きなけがをするなくコンスタントに試合に出続け、安打を量産し続けることは並大抵のことではない。高い技術を維持していくことは言うまでもなく、イチローは厳密に時間管理したルーティンの練習メニューから、オフの筋力強化トレーニング、食事の栄養管理、コンディショニング管理など、すべての局面で日々のたゆまぬ努力が欠かせない。プロとして徹底した自己管理を続けてきたイチローの修練が結実した記録といえよう。毎年200本を継続していく中でも、「感情は毎年違う」と語るイチロー。「ことしはゼロのところから200本を外せない状況で臨んだので大きな違いでした」と、安堵(あんど)感をのぞかせた。

「ひとまずこれが大きな目標だったので、その恐怖から解放されて、残り11試合はちょっと力を抜いてプレーできたらいいな。アメリカだけで1800本という数字、日本と合わせて3085本という目標がありますから、それを何とか達成したいと思います」

 当面の目標は、張本勲氏の最多安打記録3085安打である。イチローは18日現在、通算3070本まで近づいている。今季中に達成するためには残り11試合で、あと15本打たなければならない計算だ。

 そして、来季はいよいよ9年連続200本安打というメジャー新記録に挑む。9年連続への道は、100年以上の長きに渡るメジャーの歴史の中で、まだ誰も足を踏み入れたことのない領域である。しかし、イチローならばおおかたの人の期待を裏切らずに達成してくれるだろうと簡単に思わせてしまうところが、この打者が継続して築き上げてきた確固たる実力なのだろう。
 修練することを惜しまぬ天才打者は、ついに未踏の領域へと突き進む。

<了>

イチロー宣言!「絶対に張本さん超えてやりたい」
夕刊フジ - 2008/9/18 17:00
【カンザスシティー=米沢秀明】マリナーズのイチロー外野手が17日、ロイヤルズ戦で3安打を固め打ち、史上2人目となる8年連続200安打を達成した。ウイリー・キーラーがマークした大リーグ最長記録に107年ぶりに並ぶ快挙となった。「しんどかった。恐怖との戦いだった」とイチロー。残り11試合で、あと8本となった区切りのメジャー通算1800本安打、あと15本と迫った張本勲氏の持つ通算安打記録3085本超えを狙う。

 今季200安打目は最もイチローらしい当たりだった。8回先頭で、相手2番手左腕メイヘイが投じた2球目の外角のボール球をバットの先に引っかけると、打球は測ったように遊撃手の弱いゴロに。楽々と一塁を駆け抜けて、8年連続の偉業を果たした。

 一塁ベース上では、敵地のスタンドからの祝福の声援を受け、静かにヘルメットを取った。「打った瞬間にヒットになるとわかってしまった。超ファインプレーでアウトにしてくれないかなと思った。決め方の問題。去年は本塁打で決めていた。内野安打以外で決めたかった」と苦笑いだったが、さすがに肩の荷が下りたような表情だった。

 この日、イチローは1打席目に四球を選んだ後、大記録へ向かっての安打ショーを繰り広げた。まず、3回先頭でマリナーズの元チームメートだった相手先発右腕メッシュの直球を狙い澄ましたように一塁線を破る二塁打で今季198安打目。さらに、5回には3球目を詰まりながら三塁後方へ落として王手をかけ、200安打目につなげた。

 今季43盗塁目となる三盗、200安打ともう1つの目標、100得点にあと4得点と迫る今季96得点目となる先制のホームも踏んだ。

 大リーグで8年連続200安打は、ウイリー・キーラー(オリオールズなど)が1894−1901年にかけてマークして以来2人目となる最長タイ記録。

 実に100年の時を超えて誰も追いつけなかった記録に手を伸ばした。すでにシーズン最多安打記録を04年に塗り替えているイチローだが、その安定した安打製造能力の持続性も大リーグ最高となった。

 「今年も170から190安打目で(プレッシャー)が来た。最悪、また来やがったという感じ。欲しいという気持ち、これが邪魔をする。8年連続ということで、今年はゼロから意識しなければならず、通常の170安打でまた別に来た。この権利を持った選手がいなかったから、このトライでのプレッシャーはおかしくない」と振り返った。

 シーズン151試合目での200安打達成は、過去8年の中では5番目のペース。最速の126試合目で達成した04年と比較すると約1カ月遅かったが、相手チームの警戒が年々強まる中での達成。序盤は打撃不振に苦しんだが、中盤からは安定したペースで安打を放ち、内野安打49を含めての200安打だった。

 次の目標は残り11試合で15安打に迫っている張本勲氏が持つ日本最多安打の3085安打超え。「やりたい。やるつもり。張本さんが何か小さいことを言っていたらしいので絶対に超えてやりたい。大リーグ通算1800安打も含めて、簡単ではないが今季中に可能性はある」と早くも次の目標に向かった。

 しかし、チームはこの日も敗れて7連敗。8年間はイチローにとってもマリナーズにとっても長く、渡米して最高勝率でマリナーズを優勝に導いた01年の面影は跡形もない。近年は最下位争いが定着、モチベーションの上がらない試合の連続でもある。

 「できるだけ早くクラブハウスから出ることを心がけた。マイナスの空気は皮膚から入る。それで、悪い方に流れることだけはしないという信念を持っている」と、チーム不振の中で打ち立てられた大記録。

 変わり果てたチームの中で、イチローだけが何一つ変わらず、安打を積み重ねてきた8年はずっしりと重い。

敵地ファンも温かい拍手 日本人親子も観戦 共同通信社
【カンザスシティー(米ミズーリ州)17日共同】米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手が17日、8年連続200安打を達成すると、ロイヤルズの本拠地カンザスシティーのカウフマン・スタジアムには電光掲示板で、その快挙がファンに伝えられた。観客は温かい拍手を送り、立ち上がって祝福する人も。イチロー選手はヘルメットを取って応えた。

 コロラド州から2泊3日で観戦に来たという日本人親子は「記録に合わせて、この旅行を計画した」と満面の笑み。マリナーズの帽子をかぶった2人の子供は「(イチローは)格好いいから好き」と記録達成を喜んだ。

 カンザスシティー在住のマイク・ボーソーさん(50)は記録達成を見に来た一人。息子のネイサン君(13)を引き連れ「8年連続というけれど、彼がもしも1年目から米国でやっていれば、もっとすごい記録を作れたはず」と熱い視線を送った。

松井「普通にやってのけるのがすごい」 日刊スポーツより
ヤンキース松井秀喜外野手(34)が17日(日本時間18日)、イチローの8年連続200安打達成を祝福した。「すごいことを普通にやってのけるところが、イチローさんのすごいところ。それに尽きると思います」と話した。

松坂、イチローを祝福「本当のプロ」
レッドソックスの松坂は、イチローが8年連続200安打を達成したことに「当たり前に思われている中でその数字をクリアするのは大変なこと。けがをしないでずっと試合に出て、結果を出し続けているのが一番すごい」と祝福した。

 高いレベルを追求する姿をよく知るだけに「イチローさんは(達成が)遅かったと思っているかも。200からいかに数字を伸ばすかだと思っているでしょうし…。苦しみもあったと思うけど、それを見せずにプレーしている本当のプロ」と胸中を推し量っていた。(共同)




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