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『実業のブラジル』誌掲載の南伯便り 【南の国境から見たブラジル】(その6)
ブラジルに現存する唯一の月刊経済誌、『実業のブラジル』に掲題の【南の国境から見たブラジル】を掲載させて頂いてもう3年が過ぎ、4年目に入っています。その間毎朝、地元紙2紙に目を通し(スポーツ欄が一番先に目に飛び込んで来ますが)、その月のブラジル南部リオグランデドスール州の政治経済の動きの中で興味を引く話題を短信的に纏める作業は、結構楽しい作業で老化現象を送らせる役割位には役立っているのかも知れません。リオの山下さんには敵いませんが続けられる間は継続して行こうと思っています。
今回は、2009年度3月号から8月号までの6ヶ月分を一挙公開して置きます。写真は、『実業のブラジル』5月号の表紙です。


3月号 連載31

州公務員が待遇改善を要求してデモ行進

イエダ州知事に対する公務員(特に教師)の
待遇改善を要求するデモが行われ昇給、人間としての扱いを訴えている。給料遅配もなくなり健全財政を敷いて行く上での公務員の犠牲は健全な政策であり我慢が肝要と説き、デモも名誉であると発言し鉄の手による施政に賛同と批判が寄せられている。

 RS州の1月の輸出実績はここ3年来最悪

RS州の1月の輸出実績は、昨年比39%の激減で7億5百万ドル(全国の7.2%)に留まりサンパウロ州の27億5千万ドル(全国の28.1%)、ミナス州の14億2千万ドル(同14.5%)、3番目の地位を7億4千7百万ドル(同7.6%)のパラナ州に抜かれて4位に後退しています。前年度比ブラジル全国平均では26%減となっていますがRS州は39%減を記録しています。一方輸入は、5億9千2百万ドルを記録、出超額は、1億1千3百万ドルとなっている。

 RS州の靴産業は、ここ10年来の最悪状況。

 RS州の輸出産品の上位を占めて来た靴産業は、この1月の輸出実績は、412万足、8千7百万ドルに落ち込みこれは2008年の1月に比べ足数で32.7%減、金額で16.7%の減額となっている。金融危機発生後10月―12月に8千7百人が職を失い中国始めヴェトナム、インドネシア、タイ等のアジア諸国からの輸入が大幅に伸びており、僅か2.8%ではあるがイタリアからの輸入靴の単価(1足)が114ドルを記録しているのに対し71.1%を占める中国からの輸入単価(1足)の価格が僅か6ドル51セントとなっておりこれは明らかにダンピングであると抗議している。因みに1月にRS州が輸出した靴の平均単価は、21ドル15セントとなっている。ヴェトナムの靴の単価が14ドル65セント、インドネシアの単価が15ドル5セント、タイの単価が17ドル53セントとなっている。

 島内 憲大使のRS州公式訪問。

イエダ州知事は不在でRS州のウェンゼル官房長官他を島内大使が公式訪問し昨年の日本移民100周年祭及び2006年のRS州への日本移民50周年祭に際しRS州の大きな支援に対し感謝するとの挨拶と共に世界中の日系人の60%、150万人が集結するブラジルでの日系人の存在をアピールした。島内大使のRS州公式訪問は今回が初めてである。

三浦領事ペロッタス大にR$8万を寄贈。

ポルトアレグレの出張駐在事務所、三浦 春吉領事は、ペロッタスの連邦大学の糖尿病研究所に8万レアイスを地元日系人への支援感謝の気持ちとして寄贈、同研究所の医療器具購入に充当することになった。ペロッタス連邦大学のセーザー総長は、地元産業開発を可能にする日本酒製造工場建設へのプロジェクトに協力要請を出した。

PACの生みの母?ジウマ次期大統領候補

ルーラ大統領より次期大統領候補としてのお墨付きを取り付け選挙戦に突入した感のあるジウマ官房長官は、RS州にも足繁く遣って来てポルトアレグレ市内の20kmに渡る地下鉄敷設工事、飛行場と地下鉄を繋ぐモノレール、サンレオポルドからノーボハンブルゴまでの地下鉄線4駅の延長工事、飛行場の滑走路の延長工事と目に見える工事をワールドカップが開催の2014年までに総て完成させるとの確約と予算を付けて発表している。

中国のHERO MOTORS新製品を披露

1年前の2008年1月に中国のNanjing Yinghao Vehicle Manufacturing Company LtdaがROLANTE市に500万ドルの初期投資で電気自動車を生産する計画は資金不足で中断していたが6種類の電動バイクと自転車を持ち込み披露するとのことでリオグランデの港に到着しているとのこと。工場建設が実現すれば5000平方メーターの工場と200人の新規雇用が実現するとのことでその具体化が待たれる。
(著者:さわやか商会主・元南伯日本商工会議所会頭)


4月号 連載32

州教員スト期間中の給料カット

昨年10月、11月に計12日間、州立校教
師がスト突入した際にイエダ州知事は、スト期間中の給料カットを実施したが、州議会が支払いを命ずる法案を通過させたため知事は拒否権でこれを阻止していた。
3月に入り州議会で再決議されイエダ知事
の拒否権が最終的に認められた。州財政立て直しを懸命に実施している知事の姿勢を州議会が認めたことになった。

 RS州の2月の輸出実績27%減小

RS州の2月の輸出実績は、1月と同じ傾向を見せ、昨年比27%の激小で8億7600百万ドル(全国の9.4%)に留まった。これはブラジル全国的な傾向のようでサンパウロ州の29.3%、ミナス州の13.9%でブラジル第3位の輸出州としての地位を守っている。一方輸入も昨年同期比40%減の5億9400万ドルに減った。輸出仕向け先では北米向けが13.45%、中国向けが10.44%、アルゼンチン向けが8.76%と激減して来ており連邦政府に対しアルゼンチンとの貿易増大策を要請している。

 RS州のGM新規投資10億ドル

 RS州のグラバタイにあるGM工場は、米本社が瀕死の状況の中、新機種の自動車を製造販売することを発表しており州政府とフィスカル・インセンチブの話し合いを始めている。新規投資は10億ドルを予定しており現在生産しているCELTA、PRISMAに次ぐ新機種を生産する予定。25万台/年が13万台増の合計38万台生産を予定しており2000人近い新規雇用を生み出すものと期待されている。現在州政府と具体的な優遇措置を話し合っているが、このブラジルGMの新規投資計画は、自己資金及び開発銀行の融資を予定しており本社からの資金の持ち出しはなく独自の計画で本社の承認だけで進められるとの事だ。そう上手くいくのでしょうか?明るい話題の一つだが今後の動きを見守る必要がありそうです。

 ブラジル最初の半導体(CHIPS)工場稼働 

何度か取り上げて来たポルトアレグレの半導体(CHIPS)工場、国立電子機器先端技術センター(CEITEC)が連邦政府の3億1000万レアイスに州政府、ポルトアレグレ市政府の共同出資で3月27日にジルマ・ロウセフ官房長官を迎えて正式イナグラソンを実施した。半導体の生産は、ラテンアメリカでは唯一で今後の幅広い生産活動が期待される。この欄でも紹介したことがあるブラジルの牛のイデンチフィケーション、自動車への設置、TVデジタル放送への切り替え装置(日本式とアメリカ式を製造し輸出に向ける)用のCHIPS等を当面の製造品目としている。

中東向けの生牛輸出継続中

リオグランデ港からリバノン、ジョルダンなど中東向けに生牛の輸出が継続しており昔の移民船宜しく7500頭の生牛が船に押し込まれジョルダン向けに連れて行かれた。今年に入り2船目とのことで生きた牛の1kg当たり2.4レアイスとのことで最低重量350kgが目安とのことで1頭当たり840レアイスから1000レアイスになるそうだ。

ヅンガ監督故郷に錦を飾る

2014年のブラジルで開催されるワールドカップの候補地の1つポルトアレグレで、現在行われている南米予選のぺルとの試合を地元ベイラリオ・スタジアムで4月1日に実施し、ブラジル選抜軍を率いるヅンガ監督の采配が冴え見事3-0で勝利をおさめ故郷に錦を飾った。ガウショのヅンガ監督は、地元インテルの選手としても活躍、根強いファンを持っており南米予選を突破、南アフリカでの活躍が期待される。なおスタジアムへの交通網、治安管理などの実地テストは合格したとされている。
(著者:さわやか商会主・元南伯日本商工会議所会頭)


5月号 連載33

世銀融資4億5千万ドル年内にリリーズ?

昨年世銀(BIRD)がRS州に11億ドルの融
資を決定し、6億5千万ドルを支払い残額の4億5千万ドルは2010年にリリーズする予定であるが、州政府の財政改善努力を認め今年中にリリーズする可能性があると世銀の調査団のブラジル担当理事がコメントした。

 RS州の3月までの輸出が29.4%減小

RS州の3月までの輸出実績は24億7千万ドルと昨年同期比29.4%の減少を示している。一方輸入実績も46%減の17億ドルにとどまっている。輸出先国は、アメリカ、アルゼンチン、中国、ロシアとなっておりアルゼンチン向けが45%減と極端な落ち込みを示している。州別では、サンパウロ州が90億5千万ドル、ミナス州が43億2千万ドル、RS州は、24億7千万ドルで第3位をキープ、パラナ州21億9千万ドル、リオ州21億ドルと続いている。

 RS州のGM新規投資10億ドル実現か

 先月号でRS州のグラバタイにあるGM工場の新機種の自動車を製造販売する為に2009年〜2012年の間に合計10億ドルを投資する話を紹介したが、GMでは初めて具体的な資金計画を発表しRS州立銀行(BANRISUL)から1億5千万、開発銀行(BNDES)から3億5千万レアイスの融資を引き出すことが発表されている。この増設によりグラバタイのGM工場では現在の年間25万台から38万台の生産体制に入る見こみだが、アメリカGM本社の今後の行方が気になるところです。

 STORA ENSO植林計画を中断 

RS州のパルプ工場新設計画は、アラクルス、ヴォトランチン、ストラエンソといずれも100万トン以上のプラントを計画していたが、ヴォトランチンのアラクルスの合併吸集による計画統合が発表されている中、スエーデン・フィンランドの合弁会社ストラエンソが国境地域の土地取得、登記が出来ないとの理由で植林を中断した。国境線から150km以内の土地の外国籍の企業、個人による取得は認められないとの憲法規定を南マットグロッソ州、パラナ州、サンタカタリーナ州、RS州に限り50km以内に改定するとの憲法改正案が検討されているが、現行法では州の197の都市、面積の50%が150km以内に入る。

ポルトアレグレ港より1700トン積み出し

ポルトアレグレは、パットス湖に流れ込むグアイバー側に面した内陸の港ですが、喫水線の関係で大きな船は入港できないが、この度、エジプトのアレシャンドリア、アラブ首長国のカタール向けに11体の大型トランスとその付属品合計1700トンをポルトアレグレ港より積み出した。これは開港以来の実績で今後ポルトアレグレ港からの水路による輸出増が期待できると話題になっている。

環境に優しい緑のプラスチック生産計画

エタノールを原料とするエチレンから環境に優しい緑のプラスチックをブラスケン社が5億レアイスを投下してツリウンフォ地区に年間20万トンの規模で緑のポリエチレンを2010年10月から生産を開始する計画を発表している。プレマーケティングでは、既に年間60万トンの注文が入っているとのことで第2工場は原料の供給が容易なサンパウロ州に建設する予定。ツリウンフォ工場での使用原料は当初サンパウロ州から運んで来る予定で州内での砂糖黍の生産が待たれる。

世界社会フォーラム来年は当地で開催

スイスのダボスにおける世界経済フォーラムの向こうを張ってポルトアレグレで始められた世界社会フォーラムが10年目の来年は、ポルトアレグレでの開催が予定されている。5月のマロッコにおける世界会議で決定されるがほぼ間違いなく2010年にはポルトアレグレとその近郊都市で1月27日〜31日まで開催されることになりそう。
(著者:さわやか商会主・元南伯日本商工会議所会頭)


6月号 連載34

イエダ知事の選挙資金疑惑

RS州財政立て直しに敏腕を奮っているイエダ知事が、州知事選挙時に疑わしい資金が夫のカルロス教授に流れていたとか新居の建設資金の裏付け問題など個人的な金銭疑惑が持ち上がり取り消しに躍起である。「イエダお前もか」の声も聞こえて来るが、イエダ知事が州財政立て直しに注力出来る環境を与党がしっかり作って行く必要がありそうです。

 RS州の4月までの輸出実績27.5%減

RS州の4月までの輸出実績は、35億5千万ドルと昨年同期比27.5%の減少を示している。一方輸入実績も43%減の23億ドルにとどまっている。輸出先国は、アメリカ、中国、アルゼンチン、ロシアとなっておりアルゼンチン向けが45%減と極端な落ち込みを示している。州別では、サンパウロ州が122億6千万ドル、ミナス州が60億5千万ドル、RS州は、35億5千万ドルで第3位をキープ、パラナ州33億2千万ドル、リオ州29億ドルと続いている。

 GMの和議破産でRS州のGM新規投資は?

 世界を驚かせたGMの和議破産宣告によってブラジルのGMはどうなるのか、本国の破綻は、直接ブラジルには関係ないとブラジルGMの役員は説明しているが、はたしてどうなるか。6月中には何らかの方針が出て、新規投資を含めブラジル独自での経営が実現するのかどうかグラバタイの増設工事の行くへと共に見守って行きたい。

 2014年ワールドカップ開催決定 

5月31日バハマで行われたFIFAの総会で2014年のブラジルに置けるワールドカップの開催都市として12都市が決定した。その内に予定されていた通りポルト・アレグレも入っておりワールドカップ開催都市としての新規投資が具体化することになった。会場としてのインテルナショナルのホームグランドの改修工事(屋根を付ける)、周辺の開発、地下鉄、道路の複線化、飛行場へのアクセスとしてのモノレール、果ては港の再開発まで期限付きで突貫工事に入る。町の経済活性化が期待される。ポルト・アレグレで2試合が行われるとして4ヵ国のチームが合宿を張る事から近郊のカシアス、ベント・ゴンサルベス、カネーラ等の町がその受け入れ先として名乗りを上げており今後2014年までの期限付きの施設、工事が実施される事になる。

ポルト・アレグレの港再開発計画が実現化

ポルト・アレグレの町は、その名の通りグアイーバ河に面した港町ですが、河の増水から町を守るとの理由で作ったコンクリートの高い壁により河側にある港湾施設と町が2分されており過去20年来この港湾施設、倉庫等の再開発、利用を検討してきたが今回2年に渡る開発計画の結論を纏めイエダ知事がフォガッサ市長に港の再開発計画を手渡し具体化した。この港の再開発はワールドカップの開催に合わせて終了する義務があり実現は、確実視されている。古い倉庫の再利用によるレストラン、ショッピング、文化施設等、べレン、ブエノス・アイレス、リスボン等も参考にした河との直接のコンタクトを可能にした港を市民に帰すとのコンセプトでポルト・アレグレの中心地の地盤沈下もこの港の再開発計画で取り戻そうと図っており2014年までに大きくポルト・アレグレの町の中心地が変革することになりそうで楽しみです。

RS州のワインが世界に輸出される

イタリア移民により開かれた町、カシアス、ベント・ゴンサルベス、グアリバルジなどではワインの生産が盛んでありブラジル全国にヴィニョ・ガウショとして親しまれていますが、最近は、輸出も盛んでロシア、中国、サウジ・アラビアなどに輸出されている。今年は昨年比18.5%増を記録しており年間600万ドルの輸出が予定されている。
(著者:さわやか商会主・元南伯日本商工会議所会頭)


7月号 連載35

RS州財政逼迫、新規投資に影響か

RS州の6月のICMS税収は、今年最悪で、
1億4千9百万レアイスの減収を記録、州公務員の給料の支払いを26日、29日、30日分けて何とか遅配せずに支払ったようだが、新規投資は、先送りされる見込み。更に州公務員の昇給が州議会で承認されておりイエダ知事としてはこれは批准せざるを得ない状況で益々州財政は逼迫することになる。州税の増収策は、州経済の活性化、新規公共投資が必要となるが、その資金をカットせざるを得ない州財政では先行きが不透明である。

 農業融資総額UPと金利減

2009-2010のニュークロップ・プランは、昨年比37%増の1075億レアイスに設定され925億レアイスは、大型商業農家。残りの150億レアイスは、小家族農家対象で年間金利を6.25%に設定している。大農家向けの金利は6.75%となっており公定歩合(SELIC)が最低の9.25%まで下がって来ているとは云えこの農業融資の金利は安く設定されている。

 RS州のGM新規投資決定!!

本国GMの破綻でブラジルGMの動向が注目されていたが、7月15日にブラジリアでブラジルGMのJAIME ARDILA社長がルーラ大統領を表敬訪問した後、同日午後にイエダRS州知事にグラバタイの工場の増設計画を正式に報告する。総投資額10億ドルの内、5億ドルは自己資金、残りの3億5千万ドルは、開発銀行(BNDES)1億5千万ドルは、州立銀行(BANRISUL)よりの融資が決定している。
GMのグラバタイ工場は、2000年7月20日にCELTAを年間12万台生産する新鋭工場を稼働させ2004年2月にPRISMAを年間11万台生産する増設工事を実施、今回は新しい2機種を年間15万台生産する計画を発表し増設後には合計年間4機種38万台生産の工場になる。現在グラバタイ工場は5200人の従業員を雇用しているが増設により1500人の新規雇用が見込まれる。

 新型インフエンザAの犠牲者がでる 

7月2日現在、世界127カ国、89921人の感染者を出しているパンデミア、豚インフエンザは、ブラジルでも感染者が増えており特に猛威を振っているアルゼンチンと陸続きのRS州では、6月末にブラジルに於ける最初の犠牲者をだした。死亡者は、チリ、アルゼンチンを繋ぐ長距離トラック便の運転手でマテ茶を嗜好していたとの事で旅先で発熱、帰国後パッソフンドの病院で治療中に亡くなった。冬場の南半球を中心に今後も感染者が増えて行くことは間違いなく直ぐに10万人に達するだろう。救いは死亡率が普通の風邪並みで9月には予防接種も出て来る見込みで治療薬のタミフルも良く効くようで安心できる。

ワールドカップの経済効果55億レアイス

2014年ワールドカップがポルトアレグレで開催される事になった事を先月号でお知らせしたが、今回、ポルトアレグレのフォガッサ市長がワールドカップ開催に合わせて実施される諸投資16のプロジェクトをベースにして直接の投資、経済効果は、55億レアイスに上るとの試案を発表した。主なプロジェクトは、地下鉄線の延長(25億レアイス)、国道116号線と並行するバイパスの建設(8億5千万レアイス)、ポルトアレグレの港の再利用計画(5億レアイス)、国際空港の滑走路延長工事(3億5千5百万レアイス)、スタジアムとなるベイラリオの改修工事(1億3千万レアイス)等が1億ドル以上の投資案件でそれ以外にグアイバー河の新しい橋の橋梁(投資額不明)他、新しいホテルの建設ラッシュ、スタジアム近辺の道路の整備等が計画されている。2014年のポルトアレグレの町がどう変わっているか今から楽しみである。日本の選抜軍がポルトアレグレを本拠に闘ってくれるのが夢ですが実現するでしょうか?
(著者:さわやか商会主・元南伯日本商工会議所会頭)


8月号 連載36

アルゼンチンとR$35億の通貨交換協定

メルコスールの一番の対象国でブラジル
の3番目の貿易対象国であるアルゼンチンとの貿易を活発化させるのと、アルゼンチンのIMF、パリクラブなどとの交渉を手伝う意味合いで合計35億レアイスの等価ペソとの自由交換制度を設置することに合意した。この制度によりRS州のアルゼンチンとの貿易が従来の重要市場の勢いを取り戻すきっかけとなればと期待される。

 RS州6月の輸出総額昨年比6%UPを記録

2009年度のRS州の1月〜6月間の輸出総額は、67億ドルを記録、ブラジル全体の9.2%を占め州別ではサンパウロ州、ミナス州に続いて3番目の輸出州となっている。6月の19億ドルは、昨年同期比6%UPを記録、下半期の輸出の伸びが期待される。輸出先国では中国が昨年の49%UPを記録、大豆を中心にRS州からの最大の顧客となっておりアメリカ、アルゼンチンの凋落が目立つ。輸入総額は、6カ月累積で28億ドルの入超を記録している。

 GM20億レアイス投資決定!!

先月お知らせしたとおりRS州のグラバタイにあるGMの最新工場に新しい2機種、15万台を生産する工場の増設を正式に発表し来年から増設工事を開始する。GMはブラジル進出84年の歴史があるが今回の2億レアイスの投資は過去最大のものであり2012年には年間38万台の新車を製造する大工場に育ちRS州への経済拡大に貢献することになる。波及効果として自動車用ガラス工場が1億レアイスを投資することを決めており今後関連部品産業への新規投資が期待される。RS州は、22年間の州税ICMSの優遇措置をGMに与える事になっており州議会による承認を待っている。

 日本タバコ公社がRS州の大手2社を買収

JTI(JAPAN TABACO INTERNATIONAL)がRS州の大手タバコ会社、Kannerberg&Cia社及びKBH&C Tabacos社の2社を買収し10月までに州内でのタバコBUSSに参入することになった。中国に次ぎ世界で2番目の葉タバコの生産国で主要輸出国であるブラジルに自社拠点を所有する事によりJTIは、世界で3番目のタバコ会社の地位を確保することになる。買収総額は、2億3千万度に上ると伝えられている。

オゾリオ風力発電所に追加投資

RS州は、東北伯のRN州に次いで風力発電量が多くオゾリオ地区に設置された水力発電所は、2006年から150MWの発電をしており、新規投資予定の20億レアイスが実現すれば400MWに達しこれは170万の人口の都市に電力を供給できる規模になる。RS州は、クリンエネルギーとしての風力発電に期待をかけている。

2014年のワールドカップへの新規投資

先月号でワールドカップ開催によるポルトアレグレ市の新規投資案件、その経済効果などを紹介しましたがその内の国際空港と周辺のAEROMOVEL(風力を動力とする交通手段)設置計画が具体化している。サルガード・フィリオ国際空港の滑走路の幅が現在の42メータから45メータに広げる工事が始まり真夜中の12時から翌日の6時15分まで滑走路の使用が出来なくなる。現在の滑走路2280メータから3200メータに拡張する工事は2010年から始まる。国際空港からメトロの飛行場駅までを繋ぐAEROMOVELは、走行距離が854メータ、150人〜300人乗りの2連結で自動運転が予定されており2010年には運航される予定。
(著者:さわやか商会主・元南伯日本商工会議所会頭)



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