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麻生悌三のブラジル不思議発見(9) セルジッペ州イタバイアニーニャの小人村
麻生悌三さんのブラジル不思議発見8月号です。今月号は、ブラジルの東北伯、セルジッペ州の田舎町、イタバイアニーニャの小人村を紹介して呉れています。
この小人(小人症)は、1万人に一人位の割合のところ、この街には25倍の割合で小人が住んでいるそうです。現在分かっているだけで130名の小人がいるそうですが街から出て住んでいる人もおり80名前後の小人がこの街に住んでおりTVで紹介されたり話題の街となっているようです。ガリバーと小人達の話を思い出す迄もなく、私の住んでいるポルトアレグレでも時たま見かけます。人口150万人としてポルトアレグレの街でも150人程度は小人がいるのですかね。
この小人症と反対に子供の時(オタマジャクシの時代)は、巨大で大人(カエルに成長すると)普通の大きさに成ると云うあべこべ蛙と云う珍しい動物も付録として紹介して呉れています。色々不思議な現象が起きるのですね。
写真も一緒に送って頂いていますので送って頂いたのを1枚だけ使用しますが、残りはBLOGで紹介して置きます。


ブラジルのセルジッペ州の州都アラカジューより、南に120kmの地点にイタバイアニーニャと呼ばれる街がある。市の人口は約3万人で、街の規模としては、この地方ではさして小さな街ではない。200年ぐらいの歴史がある街らしいが、山地でもあり、大した産業もなく、人の往来も少なく、陸の孤島に近い寒村であったことは確かだ。
この街が知られるようになったのは、レシーフェのTVのドキュメンタリー番組で取り上げられ、放映(1999年頃)されてからだ。 それは、この街に小人(小人症)の人数が、非常に多いいい事だ。小人症とは、成長ホルモン不足、胎内発育不全、染色体の異常、等の原因により、遺伝的、突発的に起こり、成人しても、男児の身長が130cm以下の成長に止まった現象を言う。普通、小人症の例は成人人口1万人に一人位の割合だが、この街では、その25倍の割合だ。小人の総数は、130名と云われているが、各地に現在は分散しており、この街では80人がいる。このケースを調査した、サンパウロ大学、セルジッペ大学の専門家の話では、この地方では、近親結婚が多く、従弟婚等も多かった。小人同士が結婚しても、子供は全て、小人とは限らず、普通の背丈の子供もいるが、小人出産の確立は高く、普通の子供でも、小人を生む遺伝子を持ったケースもある。成人した小人は、背丈が低いだけで、知能的にも、問題なく、職業も、教師、商店主、農園主、等多方面に亘る。アフリカのコンゴーの密林にピグミー族と呼ばれる、小人族がおり、10歳ぐらいで、身長の成長が止まる、遺伝子を持って居り、体格の小ささに適した(密林内の活動、少ない食糧の供給等)活動を行っている。ピグミーの家族から、小人以外の子供が出る事はなく、ピグミー族の場合は、遺伝子が固定された原因と云えよう。イタバイアニーニャの場合は。遺伝だけでなく、成長ホルモン欠乏症が主因らしい(小人の未成人にホルモン注射で、背が伸びる実例がある)、それが、近親結婚で因子が増幅し、遺伝化したものではなかろうか。尚、ホルモン欠乏に因る、小人症は男性の方が、女性よりも、発症率は高く、比率は3対1である。南ブラジルよりも北、東北ブラジルの方が、小人の数がはるかに、多いように見受けられるが、残念ながら比較する資料もなく、科学的なデーターはない。
写真はイタバイーニャの小人の集い。

付録 = アベコベカエル 
アマゾンのコロンビヤ領の沼沢地帯に多く棲息するカエルで、和名アベコベカエル、ポ名
Ra Paradoxal, 英名Paradoxacal Frogと呼ばれる、珍しいカエルがいる。
このカエル、卵 − オタマジャクシ − カエルになる、成長路線は普通のカエルと
全く同じだが、オタマジャクシのときの大きさは、最大で体長25cm位に成長する。
成体のカエルになると、体長が縮小して5−7cmに縮む。成長とは、幼体が成体になる
につれて、大きくなる事だが、あべこべに、小さく成長するカエルで、1/4 – 1/5にちじむ。
成長するにつれ、成長ホルモンと逆の縮小ホルモンが分泌されるのか、遺伝子がそうなっ
ているのか、この現象はまだ良く解明されていない。オオサマペンギンの雛は、親より若
干大きく成長するが(親になって若干縮む)、アベコベカエルほど、顕著にちじむ例は他に
はない。写真はアベコベ蛙のオタマジャクシとカエル
                 
以上
2010年8月1日
麻生



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