麻生 悌三のブラジル不思議発見 (12)猿になったアライグマ(キンカジュ)
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麻生さんのブラジル不思議発見11月号は、猿になったアライグマ(キンカジュ)と付録としてアナホリフクロウを取り上げて呉れています。何時も面白い話し、珍しい話し、驚きを誘う話と毎月1日にリリーズして呉れています。
昨年11月にブラジリアでこのアナホリフクロウを散歩時に見付けて観察しましたが木の上に止まって私を見て呉れていましたが体を動かさずに顔だけは何時も私の方を見ていました。右に左に動いて見ましたが何時も顔を正面に向けていたので不思議に思いましたが何と180度自由に顔を回せるとの事、驚きです。ねじれを起こすのではないかと心配ですが。。。
写真は、使用ソフトの関係上1枚しか貼り付けることが出来ないのでアナホリフクロウの送って頂いた写真を使用する事にします。ブログには送って頂いた猿になったアライグマ(キンカジュ)も掲載して置きます。
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アマゾンの熱帯雨林からメキシコにかけて、キンカジュと呼ばれる、アライグマの一種が棲息している。何か、日本語みたいな名前だが、れっきとした英名でKinkajouと書く。和名はハチミツクマと云う。ポ名ではジュパラ(Jupara)と云うし、通称macaco da noite(夜のサル)とも呼ばれる。
アライグマの仲間では、イグアスの滝を訪れると、可愛いいポ名でクアッテイと呼ばれる、野生のハナグマが餌をねだって、群れで、遊歩道に現れる。このキンカジュ、夜行性で樹上生活をする。体長は50−60cm、体重は成獣で1,4−2,7kg位。尾長40−50cmを持ち、第三の手と呼ばれる、尾を木に巻きつけ、身を確保する、猿と同じ特技を持っている。全身は短い褐色の毛で覆われ、4本の手足には、生命線まである、猿の手である。アライグマの顔をした猿と云っても過言ではない。(マダガスカル島にキツネサルと呼ばれる顔がとんがった獣類に似たサルが棲息しているが、然し、これは、正真正銘の猿である)アマゾンの雨季は、水が溢れ、低地の森林は湖となり、高木の天辺のみ葉を残した、水中林が現れる。冠水しない、テラフィルメと呼ばれる高台の地上には、冠水から逃れた野獣がうようよしており、危険極まりない。樹上に生活の場を移してみると、餌(木の実、昆虫、等雑食性)の確保、天敵からの安全性等、有利性が多くあり、生活している内に、使用器官も発達し、いつの間にか、猿のように進化してしまったものと推測する。この動物は2夫1妻で群れを作り、1頭のメスにオス2頭がつき、ペアーとする(普通は1夫多妻が多く、種の保存、拡大に適っている)。交尾も1位のオス(正夫)に優先権があるらしく、2位のオス(スペアー)はお零れを頂戴する程度らしい。(どうやって本夫と2番手を決めるのかは不明)、夜行性で樹上生活ゆえ、天敵も少ないが、昼間、寝ている間に、猛禽類、蛇、山猫等に襲われる。人に良く懐くので、ペットとして人気も高く、又、毛皮が高価で売れるので、密猟が絶えない。このように、猿化した樹上生活獣は、アマゾンにキノボリヤマアラシ(ヤマアラシが矮小化し樹上生活に移した)、オポッサム(フクロネズミ)、ヒメアリクイ(矮小化したアリクイで樹上生活でアリを捕食する)がおり、探せば、雨季の間は、樹上生活、乾季には地上生活と器用に、使い分ける、動物がいる筈である。写真はキンカジュウ。
付録 アナホリフクロウ(英名 Burrowing Owl ポ名 Coruja-Buraqueiro)
北米からアルゼンチンにかけて、昼行性で草原に足で穴を掘って、営巣するフクロウがいる。殆ど、木にも留まらず、草原を棲家に、それも夜は活動しない、およそフクロウの習性とかけ離れているが、姿、形はれっきとしたフクロウである。アマゾン地域を除いた、ブラジルの草原(ゴルフ場でも)で至る所で見られる、体長22−25cm、で長い足を持ち、草原を走るのに好都合。草むらを走るって、驚いて飛び立つ虫を捕らえたり。ヘリコプターのごとく空中停止し、小鳥や虫を捕まえる、芸当も持つ。家族で営巣し、穴口には必ず、番を立て、不審者が近ずくと、ピイーと鋭く鳴いて警告を発し、巣のちかくにいるフクロウは穴の中に駆け込む。鳴き声も、鷹のような鳴き声だ。巣穴もウサギの巣のようにトンネル状に地下に広がっているらしい。 又、このフクロウは頭が180度回転し、体は正面に向いたまま、顔は裏側に回し真後ろを見ることが出来る。然し、南北米に多いい、草原に生息する、夜行性の蛇の防御対策は、どうなんだろうか(穴の中では、折角の羽を生かして飛んで逃げる訳にはゆくまい)。捕らえた小鳥やバッタを先の尖った枝に刺して保存する、日本のモズの様な習性も持つフクロウである。我々がもっているフクロウの概念(夜行性、森林生活鳥、繁殖期を除いて単独行動、鳴き声も独特のホウ、ホウ)と全く反対のフクロウである。フクロウを書いた文献によれば、1億年前の白亜紀までは、フクロウは昼行性の猛禽類であったが、いつの間にか、夜行性に変わったと言う記述がある。それが事実とすれば、アナホリフクロウは1億年以上も姿、形、習性の変わっていない、古代鳥と云う事になるかも知れない。(写真は穴掘りフクロウ)。
2010年11月1日 麻生
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