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松岡聡介君をしのんで  近藤 博之  
早稲田大学には数えきれない程のサークルが存在し学業と共に色々な課外活動、サークル活動に青春の一時、情熱を込めて活動するのですが、そんなサークル活動の中でも特異な存在として移住研究会という泥臭いサークルがあり人生の一つの選択として移住と云う道を選びブラジル始め南米諸国に移住した若者がいた。私もこの移住研究会に所属し仲間達と語り合い大学3年修了時に休学、移民船あるぜんちな丸に東京都の農業移住者として1962年に乗り込み来伯しました。私より5年も前の1957年に既に着伯してブラジルでの生活を始めていた先輩がいます。松岡 聡介先輩です。今年5月15日にリオを亡くなられましたが、交通事故で18年間も車椅子の生活を強いられていましたが強靭な精神の持ち主で最後まで大好きなブラジルで生き続けられました。リオに行く機会が度々あっただけに是非訪問したいと思っていながら電話だけでのお付き合いで最後までお会いする機会がなかったのが残念で成りません。 同時期にブラジルに来られた近藤 博之先輩が同僚、松岡さんをしのんで書かれた追悼文が寄せられていますので寄稿集に収録して置きたいと思います。


( 彼、及び彼の家族を応援して下さった方々に ) 近藤 博之                       
はじめに、この企画の取りまとめ役を致しました者として、その後の報告が本日まで遅れましたことを心からお詫びします。

私は病床に伏した松岡君を励まそうと、4月から企画した彼への見舞金は既報の通り、5月2日にそれまでに集まった R$. 4.075,00 を彼に手渡して参りました。  その後、6月末日の締め切りまでに集まった R$. 1.150,00 ( 最終的には36名の方々から 合計 R$. 5.225,00 が集まりました。) を稲門会長、相田氏より受け取り、7月20日、Rio に向かい、惜しくも5月15日,遂にこの世に還らぬ人となった松岡君のお宅に伺い,ご遺族の方に今では弔慰金となってしまったものを手渡し,そのあと、彼が生前「自分が死んだらその遺灰をRioの海に撒いてくれ」と遺言したそのコパカバーナ海岸のはずれにある岩礁に立ち、彼の無念に心からなる祈りを捧げて参りました。

    『 とこしえの旅路となりし リオの海 』

冒頭に掲げました写真は、1978年、彼が渡伯後21年目にして彼が思ってもみなかった異色の仕事に魅入られて活躍した、その製鉄業界においての基盤である溶鉱炉の建設、特に、耐火煉瓦の研究に、殆ど素人であった彼がこのラテン・アメリカの業界で、その優秀さが認められた瞬間の写真で、これはワセダ・マン松岡の移民人生一番の快事であったと思います。

それからの彼の人生は順風満帆、家族を連れての日本旅行をしたり、Rio のJacarepagua に大きな家を求め、さてこれからという、その4年後の1982年に事故を起こしてしまったのですから、「人生好事魔多し」の言葉は本当だったようで、私もその頃妻を亡くし、彼に忠告する言葉も出なかった頃のことで、そうしたことは何か運命の悪戯としか思えず、人生山あり、谷あり、の連続であると思い知らされたのです。

それから私は5回ほど彼をRio の病床に見舞った覚えがありますが、その都度彼の強靭な精神力に驚かされ、これなら大丈夫立ち直れると思って病床をあとにしたのですが、今にして思えば何故あの頃、今回のような企画を考えなかったかと悔やまれるのです。

今年の3月、富田君の肝いりで大束氏(Sr.Ootsuka 神奈川大移住研出身、松岡君と同じ職場で働いていた方)と昼食を共にした時、大束氏の言葉をきいている内に、これはワセダの諸兄にはかり、お見舞金を送るべきであると考えたのですから、いささか彼への励ましも遅きに失した感があるのです。

しかし、この企てを稲門会の有志の方々が賛成して下さり、蓋を開けたところ思わぬ反響があり、今の物欲にかられ、心の荒んだ世の中にあって、皆様の心の暖かさには、関係者一同感激した次第です。
ここに、この企画にご協力下さった方々に対し厚く御礼申し上げます。

最後に、彼の遺した息子(Satoshi),娘(Mika)も夫々結婚し家庭を持ち、彼等には二人ずつの子供ができ、既にその子供達は成人し、学業に励んでおります。
いずれ、彼等がブラジル社会にのこしたワセダ・マン松岡の名も引き継いで次の社会に貢献してくれることを期待しつつ、私の報告を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
                               ( 2010・9・25 )


移住研稲門会の皆さんへ
本年5月15日に逝去されたリオの松岡聡介さんを偲ぶ近藤博之さんよりのメッセージが、相田祐弘さん経由にて届きましたので添付致します。
あらためて松岡さんのご冥福をお祈り致します。
幹事 岡本



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