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『実業のブラジル』誌掲載の南伯便り 【南の国境から見たブラジル】(その8)
神戸高校同級生の山下晃明さんに誘われて書き始めた『実業のブラジル』誌の南伯便りの(その8)2010年3月号―8月号までを収録して置きます。
4月号から上智大学名誉教授の堀坂浩太郎先生の東京便り【ブラジル・ウォッチヤーのつぶやき】の連載が始まっておりその第1回の「便り」開始のご挨拶に『本号で61回を数える山岸照明さんの「マナウス便り」、同じく44回となる和田好司さんの「南伯便り」にあやかり、今回から「東京便り」を担当させていただくことになった。』との記載がありますが、マナウスの山岸さん、日伯交流協会当時からご一緒させて頂いている堀坂先生と肩を並べての私の南伯便りは、如何にも貧弱ですが、南の国境から見たブラジルも既に4年を超える連載でブラジル南部の出来事を記録して行く意味でこれからも続けて行きたいと思います。
写真は8月号の表紙、今年のサンパウロの七夕祭りの写真を使用しました。


南の国境から見たブラジル 2010年3月号連載43
ルーラ大統領PAC計画のイナグラソンに
10月の次期大統領選挙の一環として、ルーラ大統領はRS州関連のPAC計画のイナグラソンに頻繁に顔を出しており、今回は10年来もたついていたブラジル最初のチップ生産工場CEITECのイナグラソンにジルマ大統領候補と3人の大臣を引き連れてやってきた。CEITECは、現在輸入に頼っている半導体、チップの国産化をベースにブラジルのシリコンバーレの建設をめざす。

インタナシオナル社のトラック生産計画
ポルトアレグレの対岸にあるグアイーバ市のFORD自動車工場建設予定地960ヘクタールは、一部をトヨタ自動車の輸入車配送基地として使用されている以外はその行方が注目されていたが今回、アメリカのインタナシオナルの大型トラック生産工場として跡地が使用される可能性が出て来ている。2002年には6万8500台の大型トラック生産量だったのが昨年09年には倍増の12万3600台に伸びておりインテルナシオナルはキャタピラと合弁で輸出用のみの生産からブラジル国内市場を目指して1億2千万ドルを投下し大型トラック生産を目指すと発表し、政府とインセンチブなどの交渉に入っている。

 RS州1月の輸出総額4位に転落
 RS州の1月の輸出総額は前年度同月比19%増の8億3800万ドルを記録しているが、これはブラジルの輸出総額の7.4%でサンパウロの27.7%、ミナスの13.1%、リオの10,2%に次いで4位に後退している。リオ州は、輸出原油価格の高騰も手伝い11億5千万ドルを記録、第3位になっている。年間を通じての輸出額がどのように推移して行くのか見守って行きたい。

ENGEVIX社リオグランデの造船所に投資
ペトロブラス向けの海底油田用のプラットフォーム8基をリオグランデ港の造船所で製造するサンパウロのENGEVIX社は40億ドルを投下の計画で、イエダ知事に税制上のインセンチブと共に7千人に上る従業員の質の向上策を要請した。すでにペトロブラス向けにP53を引き渡し現在P55の建造中で、最近P63の正式契約も終了しておりリオグランデ市の造船都市としての発展が期待されている。
 
Celulose Riograndese増設計画に着手
チリのCMPCが元アラクルスのグアイーバ工場を買収したが、この工場は1966年にノルウエーのボレガード社が建設した小規模の古いパルプ工場で2003年にアラクルスがクラビンより買い取り増設計画を打ち出していたが実現していなかったものを今回チリのCMPCが社名をCelurose Riograndenseと改め植林計画から生産増大に踏み切る模様。国際市場におけるパルプ価格が400ドル割れまで落ち込んでいたのが昨今は700ドル台まで回復しており早期生産倍増計画を実施することを決定した。

大手鶏肉処理工場アウローラが投資再開
アウローラがRS州内、カラジニョー市に2007年11月に開始、08年末に一時中止していた鶏肉処理場の計画を再開4億レアイスを投下することをイエダ州知事に通達、流通税のインセンチブ、衛生関係の州政府の投資などを要請した。ツリニダデ市に建設中のデプロマッタ社の鶏肉処理場(1億5千万レアイス)も続行すると発表されており2000年にはブラジルの鶏肉処理数が17.76%あったシェア―が09年には10.59%まで減少しており全国第2位の鶏肉生産州から現在は第3位に転落しており新規プロジェクト完成で地位向上を目指す事になる。
(著者:さわやか商会主・元南伯日本商工会議所会頭)

南の国境から見たブラジル 2010年4月号連載44
イエダ州知事は再選を目指すが苦戦?
州の財政立て直しで、それなりの成果を上げているイエダ知事は、10月の州知事選挙に立候補を表明し再選を目指しているが、現在の所、州知事候補が7名と乱立のうえ、PMDBのフォガッサ、ポルト・アレグレ市長、PTのタルソ・ゼンロ元ポルト・アレグレ市長の2人が30%前後の票獲得予想なのに対し、イエダ知事はわずか8%でもう一つ人気がなく、再選は難しいかもしれない。州公務員(教職員と州警兵を対象)の昇給問題でも紛糾しており関係者の不満がつのる中、人気回復を期待できるかどうか、次期知事は、フォガサ(PMDB)とタルソ・ゼンロ(PT)の一騎打ちの様相を呈し始めている。

グアイーバのFORD跡地に州の工業団地
先月、ポルト・アレグレの対岸にあるグアイーバ市のFORD自動車工場建設予定地の跡地にアメリカのインターナシォナルの大型トラック生産工場建設のニュースを紹介したが、3月29日に州政府として正式にこのFORDの跡地を工業団地として設定、すでに6社がこの工業団地に入る事を決定し7億レアイスの新規投資と2631人の新規雇用が決定したと発表している。その内の1社VIPAL社は、アルゼンチンのFATE社との合弁で合成ゴム(タイヤ)製品の生産を目指し4億レアイスを注ぎ込み800人の新規雇用を生み出す。

 RS州2月の貿易は2億ドルの出超
 RS州の2月の貿易動向は、輸入が昨年同期比81%の増加を記録、11億ドルに達し輸出総額の8億7500万ドルを大きく上回り2億2500万ドルの出超を記録している。これは最近まで見られなかった傾向で原材料輸入が今後州経済の活性化につながればと期待されている。大豆始め一次産品の輸出が始まる3月以後の輸出の伸びが待たれる。

中国からの靴輸入に13.85ドルの課徴金
昨年9月より暫定処置として中国からの紳士靴、婦人靴、テニスシューズなどに1足当たり12.47ドルの課徴金(SOBRE TAXA)をアンチダンピング法に基づき取り立てて来たが今回、正式に1足当たり13.85ドルを課徴金として取り立てる事を貿易問題審議会(CAMEX)が決定し官報に公示した。中国製の靴の輸入は2004年から急増しておりブラジル全国で32万人いると言われている製靴産業従事者を圧迫して来た。特にその内の40%が集中するRS州はこの中国からのダンピングによる靴の輸入により大手を含め倒産が相次いでおり、一時凌ぎに過ぎないがこのアンチダンピングの課徴金制度は国内産業の保護の役割を果たす。
 
GM、140万台目の車PRISMAを生産
今年でGMのグラバタイ工場は10年を迎えるが3月に140万台目の車を生産し10万台生産ごとに植樹しているパルメイラの並木にまた新しい1本が植えられた。ちなみに昨年はCELTAとPRISMAの2機種で22万台を生産している。新機種の開発と増産が期待されている。

ポルト・アレグレ238年の誕生日
ポルト・アレグレは、3月26日に街が開かれて238回目の誕生日を迎えた。市の祝日かと思っていたが平日で週末に各所で誕生祝いの行事が行われた。1772年にアソーレス群島からの移住者が開いた街でポルト・ドス・カザイスと呼ばれていた。
なおポルト・アレグレでは、港の再開発計画、市内観光電車を走らせる計画、市内地下鉄網の新設、国際空港の整備等2014年のワールドカップを目標にいろいろな社会投資も計画されている。
(著者:さわやか商会主・元南伯日本商工会議所会頭)

南の国境から見たブラジル 2010年5月号連載45
イエダ州知事の人気度が4.5点に上昇
3月に行われたDATAFOLHAの世論調査では、昨年12月の同調査時のイエダ知事へのリジェクション率(非常に悪い、悪い)が50%あったがこれが42%に減少し就任以来最高の評価4.5点に達っした。州財政立て直しの成果を評価すべきにもかかわらず不思議と人気がないイエダ知事の10月選挙での再選は、現在の人気度、評価数字の上では難しいようだが、ここに来て上向いて来ている。一方同世論調査のルーラ大統領の人気は抜群で7.4を記録している。

NESTLE社牛乳処理工場を稼働
NESTLE社は、カラジンニョ市に有ったパルマラッテが所有していた牛乳処理工場をベースにして新規に1億1千万レアイスを投下し最終的には日産150万リットルの牛乳を処理する工場を目指し日産35万リットルで稼働を開始している。NESTLEのメルコスール市場向けの乳製品輸出大拠点をRS州内北部の地方に建設して行く予定で同地方の大豆を原料にした豆乳の生産も検討している。

 RS州3月まで輸出27億ドル昨年比11%増
 RS州の3月までの輸出総額は、27億ドルを記録、これは昨年同期比10.6%の増加になるがブラジル国内平均の26%増に比較すると伸び率が低い。これは他州に比べ穀物の輸出が例年に比べ出遅れていることによる。セルローズ、化学品、自動車、靴、皮革製品等は順調な伸びを示している。輸出先国では中国向けが落ち込みを示しアルゼンチン(12.7%)、USA(9.8%)、パラグアイ向けが伸びている。一方、新しい傾向としてRS州の輸入総額は30億ドルを超し3億ドルの入超を記録している。原材料、半製品の輸入が急増しておりこれはRS州の州経済の堅調ぶりを示すものとしてRS州工業連盟では良い傾向ととらえている。

P-63の製造2011年より開始13億ドル投資
1月29日にQUIP S.A.がPETROBRASと締結したP-63製造契約は、納期35か月で13億ドルを注ぎ込む事になるが、P-53/P55に続く第3弾であり州内南部のリオグランデ港が飛行場の整備、大型ホテルの新設、航路の浚渫工事などインフラへの投資も増大しており、新規に船体(カスコ)8台の生産を目的としたPETROBRASの入札に応じENGEVIX S.A.は、2012年から17年の5年間に40億ドルの投下を計画しておりリオグランデは、造船都市として一新しつつありRS州、南部地域の発展に寄与している。

リオグランデ港の水深2フイート増に
現在リオグランデ港の正式水深は40フイート(12メーター)だが現在浚渫工事中で7月末までには、2フイート増の42フイート(12.6メーター)になる予定でこれにより1袋当たり20セントの価格増につながり1600万ドルの収入増につながると大豆輸出業者の期待を集めている。リオグランデ港の浚渫工事は、PAC計画で港内の水深は12メーターから16メーター、港外(運河)は、14メーターから18メーターに改善される予定である。

ワールドカップ要投資額20億レアイス
ポルトアレグレは、2014年のワールドカップの開催都市になっているが副市長から市長に昇格したフォルチナッテ市長は、ポルトアレグレ市がワールドカップ開催の為の各種インフラ整備に少なくとも20億レアイスの投資が必要と発表している。ポルトアレグレの街がワールドカップ開催に合わせて近代化して行くことは喜ばしい。
(著者:さわやか商会主・元南伯日本商工会議所会頭)

南の国境から見たブラジル 2010年6月号連載46
RS州、過去最大の農作物の収穫予想
RS州の農務局EMATERの5月20日発表によると順調な気候に恵まれ2009/2010の州主要農産物の大豆、トウモロコシ、米、小麦、豆の総生産量が前年度比10.8%増を記録、過去最大の2437万トンに達する見込み。特に大豆は過去最大の1000万トンの大台を越す見込み。トウモロコシは、前年度比植え付け面積が16.2%減少しているにもかかわらず生産は28.8%増えているとの事。大豆、トウモロコシは順調に伸びているが小麦は10.8%、米も10.2%減少している。大豆の豊作は喜ぶべきですが、国際市場での価格の下落が心配されており農業の難しさがうかがわれる。

Philip MorrisがR$1億1千万を新規投下
タバコの大手製造会社のPhilip Morris Brasilは、タバコの都と呼ばれているサンタクルスドスール市の工業団地内にある1200人の従業員がいる工場の拡張計画をしており環境庁の工場増設計画の承認が6月には得られる見込みとなり1億1千万レアイスを投下、ブラジルにおける生産拠点をすべてサンタクルスドスール市に集中する計画を発表している。この新規工場増設計画では4万平方メーターの工場新設を計画、新規雇用400人が予定されており2011年に稼働予定。

 RS州4月輸入実績40億ドル、昨年比68増
 RS州の貿易収支は、恒常的に出超基調であったが、今年は異変が起きており4月までに輸入が昨年比68%増の40億770万ドルに達し輸出総額の40億790万ドルとわずか20万ドルに接近にしており、この調子が続くと今年は入超に変わる可能性が出て来た。4月の輸出額は14億ドルで昨年比28%増を記録しているが輸入の62%増10億ドルには敵わない。3月の入超3億ドルとなんとか4月で取り戻し僅差で出超を記録している。輸出先国は、アルゼンチン、USA、中国が御三家でその後にパラグアイ、ロシアが続いている。ブラジル全国ではサンパウロ、ミナス、リオに次いで第4番目でこの順位が定着しそうな傾向となっている。

ENGEVIX、造船事業をリオグランデに集中
先月号で報告したPETROBRAS向けP-63建設に13億ドルを投下する計画のENGEVIX ENGENHARIA S.A.は、さらに35億ドルの8隻の大型船倉(CASCOS)製造以外にPETROBRAS向け探索船(NAVIOS SONDAS)7隻、63億ドルの入札に参加することを発表し造船事業をリオグランデ港に集中する事を決めておりリオグランデの造船所(ERG1)を所有するWTorre社の株を一括購入すると発表している。経済的に遅れている地域としてRS州内南部地方への大きな起爆剤として注目されているリオグランデ港のPETROBRAS向けの造船事業の拡大が州南部地方の経済発展に大きく寄与すると期待されている。今後の動きを注目して行きたい。

リオグランデ港水深42フィートに
現在リオグランデ港の水深を47フィートにする為に2億レアイスの予算で浚渫工事が行われている事を先月号で知らせたが、その過程で5月17日に正式に42フィート(13メーター)が実現した。モンテヴィデオから4万6200トンの大豆を積んだYasu Unityという船舶がリオグランデ港に入港、大豆に追い積み作業を実施、従来の40フィートでは1万3800トンを積み6万トンが最大であったが今回は、1万7300トンを追い積みして6万3500トンを積みロッテルダム向けに出港した。現在太平洋側の港では、バイアブランカ、サントス、パラナグアが40フィート、イタジャイが36フィート、ブエノスアイレスが35フィート、モンテヴィデオが30フィートとなっておりリオグランデ港の47フィートが実現すれば南米大西洋沿岸の一大主要港としての機能が発揮され、大型船の就航が実現する。

ワールドカップ2014に向け整備工事開始
2014年のワールドカップの開催12都市の中で一番連邦政府からの割当金額が少ない(地下鉄工事が削られた為)ポルトアレグレに1億3000万レアイスが追加され総額5億2400万レアイスになった。8月から会場のベイラリオスタジアムへの道路の複線工事が始まるが、総合バスターミナル周辺、国際空港周辺の整備も計画されておりワールドカップ開催の近代都市として町が整備され便利になるのはうれしいことである。
(著者:さわやか商会主・元南伯日本商工会議所会頭)

南の国境から見たブラジル 2010年7月号連載47
イエダ知事、副知事候補を決定
イエダ知事は、10月選挙で再選を目指すが、元RS州環境長官として協力していたPPS党所属のBERFRANを副知事候補に決めて現職のまま州知事選挙を戦う。現在世論調査では第3位と出遅れているが、現職の強みが選挙が近付くに従い出てくるとして地方での票田獲得に自信を示している。

RS州工業製品輸出5月まで昨年比15%増
RS州の工業製品輸出額は、5月末で47億6千万ドルに達し総輸出額の84%を占めている。これは昨年同期に比べ15%の増加となっている。仕向け先は、中国13.7%、アルゼンチン11%、アメリカ9.5%、ロシア3.7%となっており、インドを含めたBRICs向けの輸出は11億ドル(25%)を占めており前年度比25%増となっている。

 GMのグラバタイ工場増設、ONIX計画開始
 GMは、ブラジルにおける新規投資計画を発表し総額50億レアイスを投下すると発表しているが、RS州のグラバタイ工場の増設計画として現在の年間23万台から38万台への増設と2機種の新型車を2012年10月に販売開始するONIX計画を6月8日にイエダ州知事を招いて開始した。投資総額は、14億レアイスで1000人の新規雇用を可能にする。

AMBEVビアモン工場を増設
ブラジル最大のビール会社、AMBEV社のポルトアレグレ近郊ビアモンの工場増設を決め、年間ビール生産量を7億6千万リットルから9億9千万リットルに増産し1時間に12万缶を生産する製缶工場も新設する。新しい製品として従来の350mlの缶より小型の269mlの缶ビールを製造販売する事を決めている。7月に工事を開始10月には終了予定で1億6千万レアイスを投下する。

DAER(州道路局)グアイバ河第3の橋計画
50年前に完成したグアイバー河のエレベータ橋を毎日4万台の車が通行しており、すでに許容量ぎりぎりに達しており、現在連邦政府のPAC計画の一環として新しい橋の建設計画を検討しているが、今回DAER(州道路局)が第3の橋としてポルトアレグレの南端LAMIからBarra do Ribeiroに7〜10kmの架橋計画を発表し話題になっている。総予算は、3億5千万ドルとなっており世銀他の融資を財源と考えている。

MARCOPOLO社ワールドカップで売上増
南アフリカでのワールドカップでは、ブラジル選抜軍は苦杯を被ったが、カシアスのバス車体建設会社MARCOPOLO社は、ワールドカップに備え850台のバスを供給、ヨハネスブルゴ、ケープタウン、ポートエリザベスなどの開催都市に供給しており過去10年の間に5000台のバスを売り込んでいるが現地組み立て工場も含め今後の南阿での企業知名度を上げる事に成功、昨年比倍増の8千万ドルの同国向け輸出が実現する。
(著者:さわやか商会主・元南伯日本商工会議所会頭)

南の国境から見たブラジル 2010年8月号連載48
知事選、イエダ現知事は3番手
10月の州知事選挙だが、IBOPEの世論調査によると支持率はPTのタルソ・ジエンロが39%でリード、PMDBのフォガッサが29%、PSDBのイエダ知事は15%で決戦投票に残れそうにない。何とか決戦投票に残るための2位確保を目指すことになるがこの状況では難しい。イエダ現知事は州財政立て直しに敏腕を振い実績を残している。大統領選ではPSDBのジョゼ・セーラ候補がRS州では46%の支持率でPTのジルマ候補37%を引き離しているが、州知事選に影響を及ぼしていないようだ。

工業製品輸出は昨年比11%増

RS州の工業製品輸出額は、6月末で59億7000万ドルに達し全輸出額70億ドルの83%を占めている。これは昨年同期比11%の増加だが、全国平均の32%増に比べると伸び率は低い。輸出シェアーはサンパウロ26%、ミナス13.8%、リオ10.5%に次ぎ第4位の8%に後退している。仕向け先は、中国、アルゼンチン、アメリカの順位は変わらない。中国向けには大豆油、セルローズ、化学品、皮革製品、鶏肉等が増えており、アルゼンチン向けにはディーゼル油、化学品、電力など、米国向けには皮靴、銃砲機、葉タバコなどが目立つ。

 世銀4.5億ドルリリース

 イエダ知事が2008年に世銀(BIRD)と締結した11億ドルの借款の残額4億5000万ドルが8月初旬にリリースされる。金利の高い18年のドル借款が30年払いに切り替えられ、金利分の節約が保証される。2008年に受けた6億5000万ドルの借款で昨年末までに2億7000万レアルの金利を節約となり、今回の残額りリースで公共投資への余裕が出て来ると期待されている。

ウルグアイと首脳会談
ルーラ大統領は、7月30日にウルグアイとの国境都市リブラメントでウルグアイのムヒッカ大統領と今年4度目の会談を実施した。国防関係の覚書を交換し、メルコスールの域内貿易活性化、両国に跨る水路の開発、国境にかかる橋の建設などに付き合意した。ポルトアレグレから500キロメートル離れ国境に位置するリブラメントとウルグアイ側のリベイラとはバスで7時間かかった。しかし最近ブケブス社がポルトアレグレ―リベイラをつなぐ国際線を開通させたので、国境の町への45分で空の旅が可能となった。

シャぺコ水力発電所、8月に稼働
20億レアルの投資で、サンタカタリーナ州と南大河州の12都市に広がる79平方キロのダムを造成し、4基のタービンで合計855メガワットを発電するシャぺコの水力発電所の第1号機タービンが8月に稼働、2か月ごとに新しいタービンが稼働して2011年2月にはフル稼働となる見込み。ここで発電される電力は、サンタカタリーナ州の25%、南大河州の18%の消費電力を供給する。

W杯関連投資が活発化
ワールドカップ開催地としてのポルトアレグレ市の再開発計画が目白押しでベイラリオのスタジアムの改修と道路の複線化工事などは既に始まっている。空港整備、港の再開発、中央市場など中心地の環境整備、新ホテルの建設と2014年に向けて動き出してきた。公共投資が目に見える形で民間企業もワールドカップ関連事業への投資が活発化して来ており経済効果が期待できる。
(著者:さわやか商会主・元南伯日本商工会議所会頭)



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