麻生 悌三のブラジル不思議発見 (19) ブラジルの矮小に進化した動物
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麻生さんの6月寄稿は、『ブラジルの矮小に進化した動物』でまるでダーウインのような動物記で面白い。付録も豪華版で320種類も存在すると云う蜂鳥に付いての解説です。この寄稿集には写真は1枚しか掲載できませんが、ハチドリの写真を送って呉れていますのでBLOGの方に掲載して置きます。
動物は、置かれた環境に対応し進化するとの事で調べて見ると面白いと云うか不思議な進化を長い時間を掛けて実現している。ハチドリも矮小化した動物(鳥類)の一種でその生態も分かりやすい説明をして呉れています。人間にも矮小化した小人村があったり、双子発生率が異常に多い町があったり麻生さんのブラジル不思議発見は毎月初めの楽しみ、驚きの連続です。大変でしょうがこれからも継続して楽しませて貰いたいものです。麻生さん有難う。
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アフリカのリベリアのジャングルで1913年にコビトカバと云う、矮小種が発見された。
体長1,7m 体重160−270kgで、普通のカバの1割程度の体重である。水辺ではなく、森の中で棲息しており、森の湿気に皮膚の乾燥を守られ、豊富な草があった、草原で大型化したカバと違って、群れを作らず、乏しい草でひっそりと棲息していた。原始的な種でカバより、むしろ、イノシシに近い。棲息環境が恵まれていれば、動物は、大型化するらしく、異種間、同種間の闘争でも、大きいほうが有利である。それには、餌が潤沢にあることが条件で、餌が乏しければ、摂取量が少なくても、活動出来る小型種の方が有利である。又、森林に棲息する場合、身が軽いほうが樹上生活に良く、隠れ場所、木々の障害物を逆に利用して逃げる等、小型の方が都合が良い。ブラジルに棲息する動物で、生存の為、矮小化を選択した動物は多い。(尚、体長は頭から尻尾の生え際まで。普通のサイズの動物と矮小種との対比)
動物 体長 体重 棲息場所
―ヤマアラシ 60−90cm 6−10kg 南米一帯
キノボリヤマアラシ 20cm ― アマゾン
―オポッサム 35−55cm 1−2,5kg 南米一帯
ピグミーオポッサム 11−20cm 40−100g アマゾン
―オオアリクイ 1,2m 20−40kg 南米一帯
ヒメアリクイ 10−27cm 10−30g アマゾン
―オオアルマジロ 70−100cm 30kg 南米一帯
ヒメアルマジロ 8−11cm 100g 北部アルゼンチン
―フクロウ 30−50cm − 南米一帯
アカスズメフクロウ 15cm − 南米一帯
―オマキサル 30−66cm 2−4kg アマゾン上流
ピグミーマーモセット 10−12cm 300g アマゾン
アイランドルールと呼ばれる学説があり、それは、島の様な限られた場所では、動物の大型化と小型化が起こる。大型化の例はガラパゴスのゾウガメ(体重200kg)小型化の例がジャワ島のマメシカ(体長35cm、体重1,5kg)然し、杓子定規には当てはまらない学説で、大陸アマゾンでも、種の矮小化は進化(選択)として存在する。世界最小のネズミは、アフリカのアルジェリヤの砂漠地帯に棲息する、アフリカチビネズミで体長3cm、体重3,5グラム(1円貨1枚で1グラム故、1円貨3,5枚の重さの哺乳類)で、この現象はアイランドルールでは説明出来ない。(写真はピグミーマーモセット)
付録 = ハチドリ(蜂鳥)
アラスカ、北米から南米、フェゴ島にまで、広く棲息する、和名ハチドリ、英名 Humming Bird、ポ名ベイジャ フロー(花に接吻)は鳥類最多種で凡そ、320種類ぐらいある。
ハチドリとは、蜂の羽音に似た、羽音で飛ぶので名付けられた。フランス語ではハエの飛ぶ羽音に似ているので、ハエ鳥(Oiseaux-Mouche)呼ばれる。
ブラジルだけで、160種類ぐらいいるだろうと云われている、小鳥の宝石といわれる程美しい体色と光沢で知られている。普通は体長10−16cm、体重10−20g位だが鳥類最小と云われている、キューバに棲息する、マメハチドリは体長5cm、体重は2gしかない小鳥と云うより、昆虫に近い。成鳥は花の蜜だけで、生活するが、雛の時は、普通の小鳥の雛と同じ広角嘴を持っており、昆虫を食する。成長すると、細い蜜を吸引するに都合の良い、長い管の嘴に変わる。足は退化しており、枝に留まる事はできるが、歩けない。元々ハチドリは高速飛行する、アマツバメが進化した鳥で、アマツバメはぶら下がるが,とまれない足を持っている。歩行は全く出来ない。
この鳥は、1秒間に50−80回高速で羽ばたき、空中停止も瞬間だがバックして飛ぶ技術もある。ホバリングしながら、長い嘴を花に差し込み蜜を吸う。又、ペアーで生活するが、縄張り意識が強く、テリトリーに侵入する、ハチドリ以外の小鳥にも果敢に攻撃する。
コロンビア アマゾンに棲息している、ハチドリで体長10CMに嘴の長さが10CMぐらいある、ヤリハシハチドリ(英名 Sword—Billed Hummingbird)と云う種類がいる。
花の奥の蜜を吸うのに都合が良く、嘴が進化したもので、嘴が長すぎて、毛ずくろいができず、その為、足が長くなり、片方の足を使って、毛ずくろいをする。同じくコロンビアに棲息するハチドリで嘴が半月に湾曲した鳥がいる。和名カマハシハチドリと云い、英名はSicklebill Hummingbird。湾曲した花の管の蜜を吸うのに、都合よく進化した鳥である。
写真はハチドリとヤリハシハチドリ、カマハシハチドリの写真。以上
麻生
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