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山下晃明のブラジルで損せぬ法(278)、(279)、(280) 2月、3月、4月号
今年最後の山下さんの実業のブラジル誌連載の経済記事は、やっと4月号まで来ました。あと数カ月で追い付き3ヶ月毎の掲載となる予定です。時間の経過を感じさせない基本的にしっかりした経済評論ですが、余り遅れてしまうと取り上げる記事によっては時のずれを感じる記事もあります。きっちりと掲載して行けるようにします。
ブラジルのカーニバル期間中に政府が無料配布した8400万個のコンドームの数が妥当かどうか?これでカーニバル時期に急増するブラジル人口抑制にどれだけの効果があるか?中抜きしており実数はもっと少ない云々の話題が面白い。
写真は、11月に『私たちの40年!!』メーリングリスト仲間のOFF会をリオで実施し75歳以上のラ米シニアー水泳大会に参加銀メダルを2個獲得した丸木さんの歓迎OFF会の席上で撮らせて貰った写真を使用しました。


山下晃明のブラジルで損せぬ法(278)

記録的雨量
2月のリオは45度になった。こう暑いと多量の水蒸気が上がって、またも大夕立が降らないかと不安を感じる。年初にテレゾポリスやペトロポリスなどで大洪水になったが、聞くところによると、水蒸気が上がって雨雲を形成し、臨界点まで大きくなり、夕方、涼しい風がその下に入り込むと、飽和した水滴が雨となって降る。その雨で下部の温度が上がって終わる。したがって一回の雨量はおよそ決まっているものだそうだ。
 温度が上がると雨雲が大きくなり、積乱雲なれば高さが倍になったりするが、ラ・ニーニャで涼しい風が続くと一つの雨雲の雨を降らせても雲の下部の温度が上がらず、次の雨雲も降らせてしまう。その結果、集中雨量が2倍3倍と増えるとのことだ。

 極めて多忙の新大統領

 ジルマ新政権は、37名もいる閣僚との打ち合わせやフルナスやエレトロブラスなど公社の代表決定で連立与党との折衝に腐心している。またPMDBの要望で一度決めた最低賃金の値上げの再折衝などの内部調整に極めて多忙で、政権1か月経過したが、新政権としての国家の新戦略、為替、金利、財政改革にはまだ手をつけていない。
 ルーラ大統領は自ら何もせず「よきにはからえ」であったがジルマ大統領は自分で全閣僚に細かく指示したいようで、37閣僚を4 グループにわけて管理しようとしている。
ルーラはFHC前大統領の経済政策を踏襲したが、ジルマはパロッシを中心に変更を検討している。必ずしもルーラの政策をそのまま継承しないのは、ルーラが2009年フランスの大統領来伯時に決めた軍用戦闘機の購入を再検討することにしたことでも見られる。
 経済閣僚の、年初のレアル高の是正策はまったく効果なく、目下、中国製品の輸入攻勢に矛先を向けた輸入制限を検討しているが、有効な打つ手はないようである。
 過去の政権の経済官僚はカーニバル休みを利用して新計画をねってきたから、カーニバル開けまで待ってみよう。何も出てこなければ当然、批判や不満が噴出するだろう。

 国際投資筋の動行に注目

 ブラジルは昨年度の経常収支が475億ドルの赤字である。インフレが昂進しそうな気配、財政赤字の気配、これらに対応するべく国際投資筋は、表面は「成長株のブラジル」といいながら、実は「売り」のボタンに指をかけてブラジルを見守っていると思われる。ひとたび投機外資がブラジルに見切りをつけて一斉に引き上げ始めたときは深刻な問題となる。
 レアル高が主原因で、工業製品の貿易収支の赤字も4年目に入って輸出品工業は材料確保、新商品開発も中止状態で、輸出品は完全に市場競争力を失っている。一方ハイテク部品の輸入依存が高まり輸入流通網が形成されつつあるので、急きょ為替を切り下げても輸出が増えるには何年もかかるであろう。
 現在レアル高は為替乖離率48%、実質金利は世界一とされているが、政府の役割が国家の未来への安定政策の実施であるとすると、為替、金利などはすべてあまり乖離しないうちに修正する必要がある。企業の利益率が数%から10%程度であることから通貨インフレを引き起こさず、民間に問題のない乖離率はせいぜい10%程度と思われる。乖離率を30%以上にして放置すると、ショック療法以外では是正できなくなり、将来経済大混乱を招くことになるから、今まで何もしなかった政府の責任は重い。

 ニュース報道のデジタル化に思う

 興味あることに今回のエジプトの政変も最初に伝えたのはYouTubeらしい。突発事件が起きたとき、それを最初に知るのはその場にいる人であるから、いかに通信社の報道網がはりめぐらされていても、突発事件はその場にいる人の情報が一番早いことになる。
 将来、皆がビデオ付き携帯を持ち歩くようになると絶対にこの速報が早い。ただし、この種の個人速報は、本物と偽者が入り混じる恐れがあることで通信社か大マスコミの裏づけ情報が必要になる。
誰かが報道社に通報して記者を呼んだ場合は、その報道社の情報になるが、マスコミを通すと、生の報道ではなく、編集者の取捨選択や優先順位など思想が入ることになる。
 オリンピックの開会式とか、あらかじめ実施時間が決まっている大イベントの実況は、版権を獲得して放映している特定の報道社のテレビニュースをみることになる。
 選挙開票実況、スポーツの実況、衛星打ち上げ実況、地震災害実況などは、チャンネルをグルッとまわしてどこか報映しているところで見る。

 
 新聞の電子化に思う

 先日のワールドカップのアジア予選は、結果が新聞の締め切り時間後に出たので、翌日の新聞には試合の結果が出ておらず、日本が勝った事実はテレビか別のルートから知ったはずである。
 地震発生や突発事件のニュースは、刻々ニュースが飛び込んでくるGoogleやYahooなどのポータル・サイトかTwitterのように誰かが刻々報道するソーシャル・ネットで知るケースが増えている。
どちらが勝ったかを知るだけであれば、特定の新聞社のニュースでなくとも良いことになる。ただし、どのように勝ったか詳細を知るには、ひいきの特定の報道社のニュースを見ることになる。
 最近有料の電子化新聞が話題になっているが、従来の新聞を電子化しただけであればネット世界では旧聞であり、それほど重宝されないのではないだろうか。今でも特ダネや試合結果を知るのに、新聞社のホームページを開けるのは減る傾向にあるからである。
 さらに最近はソーシャル・ネットワーク系のTwitterやフェースブックやYouTubeなどが盛んになって、多忙な人は電子版の全記事を読む時間がないのである。紙の新聞の場合のメリットは、ページを繰るだけで、見出しとか、コマーシャルとか目に入ったものを斜め読みするだけで時代の動きを知ることができる。デジタル情報は、時間のあるとき希望のテーマで検索してまとめて読む傾向があり、ポータル・サイトのニュースは無料だから、よほどのメリットがないかぎり有料電子版は受け入れられないことになりそうだ。

 特ダネや討論番組はその後の経過が必要

 では今後求められるのは何であろうか、特ダネ的事件は、最初は盛大に報道されるが、ほとぼり冷めるとその後どうなったか報道されない。読者や視聴者はその後どうなるか、どうなったかも知りたいのでありBrog形式で事件別に逐次方式でその後の結果が報道されると大変便利である。さらにそこに専門家や評論家の意見、解説、資料、一般のコメントもありそれぞれのヒット数のランキングもあると便利である。
 社会問題などの討論番組もそうである。タレントも参加して面白おかしく興味をひくが、2時間ぐらいの討論で世の社会問題が解決するはずはなく、その番組の出席者の人選が偏っていたり、また司会者の導きたい結論が見えているとき、視聴者は不満であるし、問題のある当事者にはまったく役にたたないのである。 
 番組の最後は「このあとは、このみんなのBrogで続けますから、ここへ連絡して意見を述べたり助言を参考にしてください」といったまじめな公共ネットが必要である。
 すなわち社会問題の討論特集番組はそのテーマの基調演説みたいなもので、それで終わりであれば極めて無責任な話しであり、実際は社会問題の討論は延々と続くべきだ。
 このネットには各社のその後のニュースのほかに、助言、援助機関の紹介、援助の受け方、賛成反対の両専門家や評論家の解説、意見、募金のしかた、占いもあってよし、一般のコメントもあると極めて便理である。選択技が多くなるから、ヒット数のランキングも必要である。

山下晃明のブラジルで損せぬ法(279)

今年のリオ・カーニバル
ショーダンサーが数万人の地上最大のショーは、歌手のロベルト・カーロスを主役とする「ベイジャ・フロール」がチーム7度目の優勝を果たした。
 直前1月19日のシダーデ・デ・サンバであるチームの製作中の山車が火災になったり、話題にはこと欠かなかったが、傑作と思われたのは、最終火曜日の夜中に市内数か所で飲酒運転の取締り(LEI SECA)を実施していた。
 普通火曜日は明け方まで飲み踊り、水曜日はまったく仕事にならないので昼まで休むのがこの国の永年の風習であったが、今年は少々違うようだ。取締りでつかまった人はまさに天国から地獄であろうが、あの警官はブラジル人ではなく外国人の傭兵だったかもしれない。なお本年のカーバル期間の 国道での交通事故死者数は213名で例年の140名程度から大幅に増加した。
もうひとつ、カーニバル期間に政府が配布したコンドーム8400万個が多すぎるの話題だが、ブラジルの人口1億8800万人で経済人口(15-64歳)が66.7%として1億2500万人、したがい8400万個も別におかしい数字ではないが、この国で大きな数が動くときは、予算はこの数字で出るが、実際はもっともっと少ない量が供給されて、中抜きが行われると言う人もいる。  
 なお本年のカーニバルの観光客が75.6万人、うち外国人客が30%で、昨年の73万人を上回る記録となった。経済効果は5.6億ドルとのことである。

 インフレの波

 2月のFGVのIGP-DI指数が0.96%と発表されたが、過去12か月累積は11.13%、かりにこの水準を年末まで継続すると本年は12%以上で、政府目標の4.5%を大幅に上回わる。 
通常企業の純益は数%から10%程度であり、10%のインフレになると純益が吹っ飛ぶのと、売り上げに比例する数多くの税金がこれでもかこれでもかとかかり、インフレをさらに高進させることになる。
 一方原油、鉄鋼、アルミなど資材価格の高騰の上にマネージャークラスなどの人件費の異常な高騰で、国産工業部品にインフレ以上の値上げが起きており、自動車工業、電子電気機器業界などは、部品の輸入代替、製品値上げを検討しているようである。
 なおこの数年間に中間財もかなり輸入比率が高くなっており、将来部品輸入が増えると為替調整をふくめた輸入規制が強化されることも考えられる。

 猛烈な外貨流入

 ブラジルに対する中国や韓国をはじめとする外国企業進出ブームの上に、中東の反体制ショックもあって、本年はカーニバル前までの2か月のみでファイナンス市場に実に244億ドルもの外貨が流入している。前年総計の260億ドルに迫る額であり、レアル高は止まらない。ジルマ政権はレアル高の抑制政策に躍起であるが、為替取引のIOF税の再増税、規制強化程度しか思いつかないようで先が思いやられる。

  公定金利の引き上げ

 3月2日に公定金利(Selic)を0.5%引き上げ11.75%としたが、公定金利にインフレ修正率を加算するのは直ちに止める必要がある、というのはインフレ率というのは算出の仕方によって、例えば5%と10%とかになり大きな誤差のあるものである。
 公定金利11.75%に数%の誤差があるのでは政策金利操作で0.25%から0.75%などを変動してみてもまったく無意味である。
 もともと金利のインフレ価値修正は預金を減らさないためと思われるが、外貨流入過剰の現状で、先進国がゼロ金利政策をとるなかで、ブラジルが金利を高くすると流入を奨励することになり弊害になっている。
 インフレ価値修正は別の手法で考えるべきもので、銀行や預金者がインフレで儲かるシステムにしては一度インフレになるとインフレ奨励策になってしまうと思うものである。

 無指導者革命

 FACEBOOKなどソーシャル・ネットワークでチュニジアとエジプトの独裁政権が落ちた。指導者不在のネット革命であるが、強権政府でも規制できない口コミ的な順次伝達システムで何百万人へ情報が伝わり、武器なしに政権を崩壊させることができる時代となった。
 重視するべきは、革命の引き金を引く人は政治家ではなく、その意味では無責任な素人で現政権を倒しても次にどう変えるかのアイデアは一切ない。だがエジプトにおける小麦価格の高騰とか、貧富の差など経済的不満が高まっている場合は受け入れされやすい状況となる。
 砂を一粒づつ積んで砂山を作ったら何粒目に重量に耐えられなくなってどちらの方向に崩れるかの予想は偶然と確率でしかできないそうだが、FACEBOOKの場合も、数多いメールのどれが革命のキッカケになるかは偶然である。歴史大変化は偶然と確率で変化するのだろうか。

 なぜ日本は無謀な戦争を選択したか

  NHKのWEBの要旨によると「開戦前の日本の国策決定の場は、全ての組織の代表者が対等な権限を持つ集団指導体制で、全会一致が建前。常に、曖昧で、玉虫色の決定が繰り返された。各組織のリーダーたちは、戦争に勝ち目がないことを知りつつも、戦争できないと言うことが自らの組織に不利益を与えると考え、言い出すことができない。海軍、企画院、陸軍、首相、それぞれが互いに責任を押しつけ合い、重大案件は先送りとなっていく。しかし、日米交渉が暗礁に乗り上げ、妥結の見通しがみえない中、首脳部は、国力判断、すなわち国家の生産力・戦争遂行能力のデータを総動員して、譲歩か、戦争かの合議を行う。結論は、各組織の自壊を招く「戦争回避」より、3年間の時間を稼ぐことのできる「開戦」の方に運命を賭ける。日本のリーダーたちは、国家の大局的な視野に立つことなく、組織利害の調整に終始し、最後まで勇気をもった決断を下すことはなかったのである。」とある。
  みんなが反対であったが、だれも過ちを認めて撤収したり責任をとる勇気がない、この日本人のリーダーの連帯性というか誰も責任をとらない稟議制的な風習は今もまったく変わらず、その意味では歴史の危険は現在も続いているのではないだろうか。

 独裁政権崩壊元年

 12月号でも触れたが、陰陽自然学の飯田亨先生によると、本年は旧潮流崩壊元年でかつ独裁政権崩壊元年、08年10月に始まったまったく先の読めない時代の大変化は本年3月から10月の間に過去のシステムや権力などが総崩れになり「歴史的ひずみの大清算」がおきるという。
 今年は地球の激しい東西陰陽破壊力によって権力ピラミッドを支えている南北筋「午子」が一刀両断される。人には4つの分類型があるが、チュニジアのベン・アリー、エジプトのムバラク、リビアのカダフィ、イランのアフマニネジャド、中国胡錦濤、北朝鮮金正日さらにキューバのフィデル・カストロ元議長もいずれも驚ろくべきことに「南北型」生れである。中国は習近平自らが自由化し、北朝鮮には軍部の内乱、崩壊が近い、地球からの強権独裁完全消失は2017年の酉年に達成される運命と予想している。
 天変地異も予測しており、地震や津波も活発になる。三月、五月、七月〜十月に激震(とくに七月に注目)地球の地理的方位の東西国家間に政治経済軍事衝突、東西に長い地形国家の東端と西端に天変地異、米国西部〈カリフォルニア州西部〉の断層と火山が最も危険、東部の局地的断層と大水害にも注意 、大水害、熱波、火山、地震が同時極限に発生、新世紀の大凶作飢饉元年、世界的水不足と水質問題、世界の穀物倉庫、ロシアと米国が同時凶作になるという。

山下晃明のブラジルで損せぬ法(280)

レアルの暴走気配
レアルが7日、対米ドルレートで1.60を割り11日には1.5664になった。一つの理由として円高対策に日銀が介入し大量の円を放出したことで、投信などでブラジルへの外貨流入が増えレアル高になる。ブラジル政府はIOFを増税することしか打つ手がない。
 日本の円放出はしばらく続きそうだが、いかなる理由でも異常なレアル高にすると、これがいつか戻るときに受ける経済ショックが非常に心配である。ジウマ大統領は、利子からインフレ価値修正を直ちに取りはずし、為替平価を自由化すべきだ。金利が下がれば投機流入が減り、平行レートを廃止してならせば少しレートが下がりましょう。
 レアル安への暴走気配は下記の理由による。
 昨年のブラジルの貿易収支は黒字だが、輸入の増加率が42%とますます輸入依存が高まっている。工業製品の輸出はそれほど伸びておらずこのままでは赤字に転落の恐れがある。経常収支は大赤字が続いている。 
 ブラジルは現在インフレ加速の兆候があり、レアル通貨が正常になると輸入品のコストが上がりさらにインフレを加速する恐れがある。
隣国アルゼンチンがきな臭い。歴史的に、アルゼンチンのメネムの1ドル1ペソの政策を破壊したのはレアルの大幅切り下げで、1ドル1レアル政策を破壊したのはペソの大幅引き下げであったことを忘れてはならないと思う。
 アルゼンチンの市場規模が独自に生産供給するには小さいため、国際企業はブラジル市場と併せて運営することになり、外貨準備高があり、対ドル価値のある通貨のほうの国が輸入を担当することになる。通貨高の国が部品を輸入する工業システムで、貿易収支の赤字に耐えられず大幅切り下げを余儀なくされると破綻する。この場合の相手との依存関係は、米中のように労働コストの補完関係ではなく、為替差のみの関係であるので、どちらかの為替が大幅に変動すると破綻することになる。
今は超レアル高と流入外貨過剰で、ブラジルが輸入の役割を担当しているが、最近アルゼンチンが輸入の急増に少し悲鳴をあげはじめた。 
 2月15日、アルゼンチンは高級車、自動車部品、携帯電話端末などを非自動輸入ライセンス対象品にすると発表した。ウルグアイ国境の税関ではノロノロ作戦で、トラックが長打の列になっている。
貿易収支を見守って、ペソの突然の大幅切り下げを警戒するべきである。

 円相場が迷走している

 東日本大震災で円が上がった。関西大震災でも円高になった。不況になると通貨価値は下がるはずの円がなぜ上がるか、やさしい経済学で見るとこうだ。
 日本は海外投信などで多額の外国投資をしている。震災で復興資金調達のためにこれを売る人が増えるだろう。大量の円を買う人ができて円の価値が上がるだろう。この資金は直接間接ブラジルにも入っているのでレアル投機も売られる可能性がある。
 もう一つ復興資金調達のため日本政府は米国債を放出しドルが下がるだろう。日銀が介入するようなことがあれば即売らねばならず、状況は刻々変化するので、証券よりも売買が瞬時にできる通貨投資が最適である。
 ドル関連債券を売ってスイス・フランとか別の通貨に変える、保全投機の対象としてみると円は上位の通貨であるので、買われて円の価値が上がるだろう。
 風が吹けば桶やが儲かる並みの理由であるが、この桶屋の論理は、実際に結果がどうなるかはあまり重要でなく、皆がそう考えればそうなるので、売るなり買うなりしてその後状況が変われば買いなおすか売りなおすのが現在の市場である。
 それでは一度円高になってその後円安に振れているのはなぜか。日銀が多量の円を放出したことによる。
 手持ちのドル債券を売るどころか、市場はBRICsなどへの投機が増えているからである。 
なお早稲田大学の野口教授のドルのインフレと購買力を勘案すると1ドル54.4円になるべきとする説もあり、日銀の介入が正しいかどうかは疑問である。

 雑誌のデジタル版について

 最近、筆者が雑誌の配達業であることを知っている友人が、iPADの方が安くて早いとわざわざ伝えてきた。だが紙とデジタルとどちらがよいかという議論は無意味である。
新聞・雑誌が紙から電子化すると出版社の人は思い違いをしているが、紙からデジタルに変えた人は、時間経過とともにその媒体価値をみとめなくなる。紙は、劇場で、ある役者の演劇を鑑賞するように、他の世界をシャット・アウトして、じっくりその新聞・雑誌のみを楽しみたい人のために残るのではないだろうか。
 伝統的紙の雑誌を一冊買って、別荘に行く、新幹線に乗る、海岸に行く、寝室や個室に持ち込むなど、一人で雑誌の記事と目次を行き来している間は、その出版社の編集長の域にいるわけである。また同じ新聞のページを繰っているときはその新聞の世界の中におり、時間があるときは隅の隅までじっくり読んで思わぬ新発見をすることがあるものだ。
 だが、一度デジタル・インターネット版になると検索やアクセスで世界中に飛べるので、例えば東日本大地震の記事から、「シーベルトは何キューリーだったっけ」とか「スリーマイルの原発はどんな事故だったか」など疑問が生じるたびに脱線して、もっと面白い記事に行きあたると、元の新聞や雑誌を忘れることになる傾向がある。そこで時間をとられると元へ戻る時間もなくなることになる。
興味もあり、それも無料であって、新鮮であるとすると、ますますその傾向が出る。ここではもう最初の雑誌の編集者は忘れられている。 
 雑誌購読を電子版に変えた人は、かなりの確率で早ければ次かその次の更新には、有料がばかばかしくなって止めてしまうのである。
 紙の新聞も同様で、ページを繰ってじっくり読むのによいのだが、一度デジタルになるや否や、ポータル・サイトなどから流される刻々ニュースが競合となる。TWITTERが今の試合状況を伝えているのに、新聞は昨日の結果で旧聞になってしまうのである。

 危険な原発事故に思う

 原発、何かものすごい秘密技術の固まりみたいに思っていたが、今回の事故で外部構造が細部までテレビで報道されて、非常に危険な高圧湯沸し機なのだとわかってきた。
スリーマイルの事故はどんな事故がよく読んでいなかったが、水ポンプが故障して水位が下がり燃料棒が露出して融解と暴走する部分は共通している。
 さらに緊急事態でも原子炉の発熱は制御棒を入れても止められない。使用済み核燃料も自然に温度は下がらず、冷やし続けておかぬと空気中では高温になり溶解する。地震などで冷却水のポンプが止まると、使用済み燃料棒の容器材が溶けて水素が発生して、爆発でコンクリートの屋根がふっとぶと知っていたら、誰が建設を受け入れただろうか。さらに廃炉にするにも放射線が出なくなるまで待たねばならない。早く言えば使用済み燃料の処理、廃炉手法などを配慮していない欠陥商品であったことになる。
 今まで一般は原発がこれほど危険なものとは知らなかったし、その危険さが正しく報道されていなかったように思う。それどころかメーカーは最近日本の安全原発技術を外国に売ろうとしていたから、この危険性は、専門家も十分想定していなかった可能性がある。
 報道でみると原発の配管も実に複雑で、維持も大変そうだ。使用済み燃料の冷却保持保管、最後に廃炉にするまで最低数十年も必要なことを勘案すると、原発は本当に経済的なのかの疑わしくなる。根本から見なおす必要があるのではないだろうか。 
 そういえば、ロシアの原潜で冷却システムが故障し乗組員が45シーベルトの放射線をあびて死ぬ「K19」というシネマがあった。
 世界中の原潜や原子力空母がいままで一度も冷却システムが故障して汚染水を放出していないと言えるだろうか。こんな危ない原子炉を積んで実戦などできるのだろうか。戦闘中に水漏れが始まったらどうするのだろう。衛星も核発電を搭載している。今まで故障で落ちたことはないのだろうか。世界中の原発で事故を公表した以外にも汚染蒸気を放出した例はないだろうか。
 ふと思ったが、ここまで危険と知った以上、使用を続けるのであれば、安全対策と同時に、事故時の対応を含め、今までとまったく違った発想でやりなおすべきである。今までは欧米模倣技術であったが、今の時点で日本人に構造設計させれば日本発安全原発ができないだろうか。当然のことながら、停電でも水位と温度を見る監視カメラ、掃除や修理ロボット、水上陸上の移動発電所も常備しておくべきだ。
 原子核反応の専門の部分は別にして、原発構造建設は、利害関係のない中小企業のモノツクリのオッチャンかアイデア若者に設計させると、緊急時に発電を止めたら、停電でも断水でも、炉と使用済み核燃料は必ず大量の水の中に落ちるような、地震や津波の多い日本に適した原子炉を設計してくれると思うのである。 
 使用済み燃料は、自然界のすでに放射線の多いところに捨てる。それぞれの国で処理しないで、地球規模で国際機関がどこかに集積して処理、例えば太陽に送るとか考えるのを提唱してはどうだろう。




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