エッセイ 7月 歌手・中平マリコ 13/07/30 サンパウロ新聞WEB版より
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今年、2014年8月16日、17日の週末に行われた第3回日本祭りの初日の土曜日に中平マリコさんが参加され地元ポルトアレグレの根強いファンの皆さんの喝采をあびた。マリコさんの南伯に置ける公演は、今年で6回目になり初年度より毎年、カシアスの高梨さん、イボチ移住地の折田さん、上村さん、ポルトアレグレのカトリック大学では、日本文化研究所(当時)の森口所長(医学博士)のお世話になって公演を続けて来ている。今年は、マネジャ?として全行程をご一緒しておられた御母堂芙早恵さんが一緒に来られていませんでしたが、元気に広いブラジル、パラグアイを廻られました。
昨年の7月の南米公演10周年記念チァリティーァコンサート後にマリコさんご自身が書かれた文章がサンパウロ新聞の『女性の広場』欄のエッセイとして残されているのでお借りしてホームページに収録して置く事にしました。
今後の中平マリコさんの公演継続をファンの一人として期待して行きたい。
写真は、サンパウロ新聞に使われていたお母さんと御一緒の写真を使わせて貰う事にします。
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記念公演を終えて
日本の歌手、中平マリコさんの南米公演10周年記念チャリティーコンサートが、14日午後2時から文協大講堂で開催された。会場を埋め尽くす約1000人のファンに見守られて、約3時間半疲れも見せずに熱唱した。童謡からオペラのアリアまで歌いこなす抜群の歌唱力を披露し、割れるような拍手の中、大成功でコンサートを終了した。公演を終えたマリコさんに熱い思いを書いていただいた。
移住経験のある女性から「ブラジルには帰りたくても帰ることができない年寄りがたくさんいます。よかったら日本の歌を届けてくれますか?」との言葉に誘われブラジル日系社会へ。
日系社会に残された古き良き日本魂、勤勉、実直、誠実、どんな困難にも打ち勝つ力を持つ皆さん…。その魂を受け継ぎ大切にしている皆さん…。日本人であることに誇りを持っておられる皆さんに感動の一言です。生まれて初めて自分の身体に流れる赤い血に日本人としての誇りを持ちました。
この喜びを一人でも多くの日本の皆さんに伝え続けたいという決心と、日系社会の皆さんと触れ合い続けたいと願う気持ちが毎年の訪伯に繋がりアッという間に10 年が過ぎました。
でも本当は「生きる力…愛と夢、勇気と希望」を与えてもらったのは私です。
左肩に障害を持ち 時間の痛みと闘う私に「来年も生きて待っているから帰って来てね」「痛みが取れるように祈り続けるわ。元気に戻ってね」の優しい言葉に励まされ、一生懸命頑張ることができた日々、ただ感謝をする10年でした。ブラジル公演と並行して始まったパラグアイの日系社会の皆さんからも同じ思いをいただき感謝の気持ちで一杯です。
そんな10年の間に起こった東日本大震災を通して、祖国を思う日系の皆さんや日系人を尊敬するブラジル人の支援活動に感動。そのことを被災された皆さんに伝えたく東北慰問を始めました。
被災者の方々からはブラジル、パラグアイの皆さんへの感謝の言葉を預かり、ブラジル、パラグアイからは再び応援メッセージを預かる。そんな時、遠く離れ たブラジル、パラグアイと日本の心と心は結ばれていると感じ、ますます今の活動を通していろいろなことを伝えられる人間になれればと思っています。
もう一つ、子供の園、希望の家、憩いの園、やすらぎホームの皆さんが毎年、大きな力を貸して下さるからこそ公演を続けることができました。その感謝の気持 ちを伝えたく、今回のコンサートを行う運びとなりましたが、実現に向け、多くの方々のお力をお借りすることとなり申し訳ない気持ちと、感謝の気持ちで一杯 です。会場にお越し下さった皆様にも心からお礼を申し上げたいと思います。
これからもこの気持ちを忘れず、努力を重ね続け、私のできる限りのことを行っていきたい、そう思っています。
私を支え励まして下さった皆様、本当に10年ありがとうございました。
最後に二人三脚で歩んでくれる母(芙早惠)にも心からの感謝を伝えたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願い致します。
【プロフィール】
1957 10月17日、大阪生まれ
1972 山口百恵、森昌子、桜田淳子などが誕生した日本テレビ「スター誕生」決戦大会で最優秀歌唱賞受賞。
1973 五木ひろし、八代亜紀が誕生した読売テレビ「全日本歌謡選手権」にて10週合格。33代チャンピオン。最年少の16歳でチャンピオンとなり歌手の道へ。
1975 ホリプロダクション&ポリドールレコードから5/21『だから雨が好き』でデビュー。芸名=中麻里子17歳。11月、舞台での事故により長期休養。歌を断念。歌手道から離れプロデューサー&ディレクター業に専念。
1996 歌手活動再開。
2004 初のブラジル、パラグアイの各地でコンサートや慰問活動11公演を行う。
2013年7月30日付
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