第29回バーチャル座談会『新春放談、行く年来る年2015/2016』(その4)
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バーチャル座談会(その4)は、丸木さんが見付けて来た日経新聞からの切り抜きキリンビールが株公開後初めて赤字決算を発表した。その原因がブラジルのビール会社の買収による損失を一気に計上した為との事で伊豆山さんが東芝の経営破綻を含めてて問題提起、ビール談議が年末に飛び交ったのを纏めました。
写真は、マナウスの新工場における忘年会で社員用に贈呈した大型テレビを手渡す伊豆山会長と一生忘れられないであろう特別プレゼントを貰い喜んでいる女子社員の微笑ましい記念写真を使わせて頂きました。
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伊豆山:東芝や、キリンの話を聞いて皆さんどう思われますか?
日本の大企業は一体どうなってしまったのでしょうか?
キリンはちゃんと市場調査をしたのでしょうか? 多分、ブラジルはビール世界第3位の市場で、気候的にもビールに最適だと、素人の感覚的思いつきで進出したのではないかと思わずには居られない。景気低迷が売上不振たったら、他社も同じように大赤字でなくてはおかしい。
嘘か本当か知りませんが、ブラジルのビール市場は、2大メーカーの独占で、邪魔者が現れたら、共同で潰しにかかる。或は買収してしまうと聞いたことがあります。であれば、新参者は彼らと競争するのではなく、小さく始めて、ファンを少しずつ増やして行くやり方でないと生き残れないのではないかと素人目には思えるのです。キリンの赤字の大きさからして、慎重に少しずつではなく、彼らと真っ向から競争して勝ち目があると思て進出したのでしょうか、そうであれば、市場調査がお粗末であったと言わざるを得ない。
東芝のトップは、粉飾をしているうちに、市場が回復するだろうと甘く考えていたのでしょうか。世の中が変わってしまったことに気付かずにいたのであれば、これは益々お粗末です。
双方とも、過信が災いの根源にあった、何ともお粗末な話に思えるのです。
和田;キリンの赤字転落のニュースは、丸木さんが日経で見付けられニッケイ新聞やブラジルの経済紙ECONOMICOでも取り上げられましたが、伊豆山さんの東芝、キリンの話題からバーチャル座談会の話題として残して置くことにしました。キリンビールの工場がRS州内にもあり南伯日本商工会議所のメンバーでもあり応援していますが、採算に乗り黒字化するのですかね。頑張って欲しいです。皆さんのご意見も興味が持てますね。話題提供有難う。
池田:伊豆山さん 素人ながらに思うこと書いてみます。
おっしゃる通りに感じておりました。
スキルカリヨルビールはあまり好まれてなかったのに国内市場確保の為KIRINが購入したのか?、国内市場調査不足と判断します。
新製品発売に当たりクリチーバ市場でテストしろと言われておるほど消費者の要望判断は安価よりも品質が優先で価格はそれに伴って適当であれば(安価!)Ok
初期は日本のKIRINだからと思い買っておりましたが、或る日一缶飲み尽くせなく残りを冷凍保存して翌日飲んだら頭が痛くなったので二度と購入しておりません。
他のSkol, ハイニケン、ドイツ製発酵技術、etc. のような良質発酵品は2日後に飲んでも頭が痛くなりません。酒飲みの方はこんな実験されないでしょうから信用されないかも。
KIRINスキンは熟成発酵が悪いか(エチル+メチル+?) コクがなく、12時間後にはアルコールの下味は別としてうま味が薄れる。
クリチーバ市場ではほとんど見れなくなっております。
伊豆山: 池田さん さすが食品会社社長さんだけあって、味覚が鋭いですね。
僕にはどのビールを飲んでも同じ味です。 もう20年も前の話ですが、日本のビール会社がブラジルのビールを分析して、雑菌だらけだと馬鹿にしていたのを聞いたことがありました。
丁度その頃、アメリカがフランスのチーズは雑菌だらけだと輸入を禁止し、フランス側は「冗談じゃない、雑菌のないチーズなんて不味くて食べられないとアメリカに抗議していたのを知り、食品の味は理屈ではないのだと思いました。ビールも同じかもしれませんね。人工の味より自然の味の方が優れている。理論に頼る麒麟の技術者より、池田さんの味覚を私は尊重いたします。
和田:池田さん 面白い実験をされますね。ビールと新聞は宵超しのものは、役に立たないと云われているのに冷凍保存して翌日に飲むのですか???私は、酒の味が分からずビールでもウイスキィでも無差別に何でも飲みますが、キリンがブラジルに進出して来てからは、キリン製のビールを飲むように心掛けています。どうせ味が分からないなら飲むなら日本の会社が作ったものをと思います。特にスキンカリオールの最新工場がグラマードに行く途中のイグレジニアと云う所に建設した直後にキリンが買収したので立派な新鋭工場が南部拠点として稼働しておりこの土地には優良の水が出るとの事でスキンのミネラルウーオタは、良く売れています。私は毎食小さな269oのスキンのビールを水代わりに飲んでいます。これからもささやかなキリンへの応援を続けたいと思っています。営業的にキリンの名前を使っている唯一の製品≪麒麟一番搾り≫をもっと沢山の食堂、スーパーで出せる体制作りをするべきでしょうね。これは高いからか味音痴の私でも美味いと感じます。
都賀: 伊豆山さん 御説に納得です。キリンも東芝も歴史ある 超優良会社だったのです。誰かさんの BuyMyEconomyの虚偽宣伝を信じて経営を甘く見た 二代目三代目のお坊ちゃん人物が経営層に多くいらっしゃいましたのかもしれませんね。
丸木で〜す 先ずは麒麟ビール:三菱グループの驕りでしょうね。マリリンモンローのようなマークのビール会社を買収してまで派手に進出し、リオのカーニバルのスポンサーなんかもやり、赤字を見通せなかった経営陣の敗北です。住友系のアサヒなら、石橋を叩いても渡らなかったでしょう。
東芝: 僕の出身母体ですから言い難いですが、この際、言ってしまいましょう。
東大卒にあらずんば人に非ずの雰囲気ですよ。まるで官庁ですわ。ブラジルでも「おい、今日は赤門会だぞ、さぁ行こう」と現法社長以下一族郎等が出て行った後で、成蹊大卒の石坂さんと大阪府立大卒の僕がアクリマソンの赤坂で夕食を食べてました。元経団連会長の御曹司でハーバード経営大学院ビジネススクールを首席で卒業された石坂さんは、米国現法会長時代にソ連の潜水艦事件で詰め腹を切らされ現地退職されましたが、父親以上の大人物でした。スコデラランジャを愛飲してた下戸でした。その長兄が日銀の長崎市店長の頃に、僕が東芝の長崎営業所長でした。日銀理事に昇進された頃にはオフィスにバーがあったぐらいの呑んべえでした。退官後はオーディオメーカーのトリオ社長され来ないかと勧誘されましたが、日本企業には二度と勤めたくないと断りました。東芝の犯した企業会計原則に反する背任罪の全責任は西室相談役が元凶です。
伊豆山: 丸木さんは東芝ご出身でしたね。 うっかり、忘れていました。
仰る通り、東芝、麒麟、どちらもエリート体質から脱却することが必要なのかも知れませんね。
吉田: 子供の頃から一生懸命勉強しないとろくな者に成りませんよと言われました。東大を出るには一生懸命勉強されたこととおもいます。残念です。
東芝といえば真空管を思い出します。価格は高かったけど、品質は良かったと思います。80、42,6ZDH3, 6C6 などを思い出します。またトリオと言えば、変調コイルだとか中間周波トランスを思い出します。
丸木で〜す 拝火教アフラマズダからとったマツダランプの商標はエジソンの創始したGEの白熱電球にも劣らぬ技術でしたが、両社共に儲からぬ電球製造は辞めたようです。特にGEは、僕が在職した頃から不採算部門を悉く切り売り撤退し、ドル箱の製品のみのメーカーとなってます。東芝なんかもそのうちGEのように電気製品は皆無になると思います。ケンウッドと社名を変えたトリオやパイオニアなんかは音楽マニアに好まれた音響機器メーカーでしたが業績は良くない様ですね。どんな業界にしても、過去の栄光に浸り役人のように前例に倣って仕事してる限り進歩はありません。ビール会社がビールの製造を辞めるぐらいの意気込みで取り組まなければ今後の成長は期待出来ないでしょう。
駒形: キチント調べたわけではないが、私の(思ったままー無点検)の意見以下です。
1.昔はブラジルのビール業界はANTARCTICA と BRAHMAが2大MAKERSでした。 その後、この2社が合併して AMBEVというダントツMAKERになり、独占禁止法でも
問題になりました。このAMBEVはさらにベルギーの何とかグループと合併して世界有数〔1−2位)のMAKERでした。キリンはこの様 な市場状況は十分承知で進出したのだと思います。
2.ブラジルの大手企業は小手先の脱税行為などはしないが、中小企業は脱税などをやります。それが大手に対抗する手段です。
キリンが買ったスキンカリオール〔スキン一族のFAMILY CO.)は同じ一枚のNota FISCALで何回も製品〔ビール)を販 売、輸送し〔脱税)し、あまりひどいので、脱税で摘発されています。中小で家族などで管理しやすいところはこうして脱税で稼ぎ、大きくな ります。〔ブラジルは取引税だけで18%かかる)キリンは勿論そういう(利益追求)はしなかったのでしょう。
3.日本からのブラジル進出を狙う企業に進路を誤らせるのに〔あまり経験のないコンサルタント企業があります) ブラジルは市場が大きい などの宣伝のほか・ ブラジルは公定金利が14.25%で当座貸し越し〔小切手)の金利などは月に数%になる。日本から資金を持って来 て銀行で回せばそれだけで儲かる。日本の技術をもってくればブラジルは遅れているから、簡単に市場を押さえられる。などと言い、それを新 聞にも書いています。
最近では 某日本の銀行のブラジル支店長だった人が(今ブラジルは経済的に良くないが、分野によっては大いに伸び ている。チャンスだ。FIATはブラジルの東北地方に新工場を作り新型車を売り出して大いに成功している}などおいしそうな話をしまし た。これを聞いていたブラジル元経営実務経験者じは「ブラジルは車メーカなどは世界有力各社が進出を終えており、十数社もある、競争激甚 だ。今年の車販売、生産は20%以上のマイナスで青息と息だ」と一刀両断の話をしました。
# 造船でブラジル進出してきた所もあてにしていたPETROBRASの発注が無くて、〔キャンセルされて)死活問題なのでないでしょう か? IHI, 川重など責任者は真っ青でしょう。
# こう言っては何ですが、ブラジルの営業には無責任においしいことを言う人が多いので、よくその辺を見極めて判断したほうがよいーと云 うのは伊豆山さんの仰る通りですね。
池田: 駒形さん 申される通りです。
私は100%ブラジル企業界で事業しておるので肌に直接感じております。
いろんな情勢判断するとそう簡単なものではありませんね。
基礎のないところにお金を持っている企業を誘致してなんとかしてもらおうと考えているなら今の状態では危険と判断します。
丸木で〜す 一般的に日本人は欧州人と同じく、アメリカはじめ新大陸のビールはブラジルも含めソフトドリンク(清涼飲料水)のようだと云います。僕の付き合いの範囲でも、日本人や欧州人はハイネッケンやカールスバーグを飲みますが、ブラジルも含め米州の連中は中味の薄いバドライト、ミラーライト、クアーズライトを好みます。日本では、こくのあるキリンラガーは苦みの強いビールの好きな人が飲み、中間層がサッポロとエビス、軽い口当たりのアサヒやサントリーは若者向けで売り上げが伸びてます。アメリカやブラジルの気候ではブラジルやアメリカのビールが美味いし、日本や欧州の気候では日本や欧州のビールが美味いです。
池田:ビールも使用する水の品質の良いものとそうでないもの、その辺で決まると思います。
良質のセワダ(ビール用麦)はパラナのグアラプアワで栽培されると聞きましました、ハイネケン社が契約独占購入しているとのことです。
この様に完全な雑菌処理、科学的にも質の良い水、製造過程もパーフェクト管理し、発酵菌の質、自然発酵の味、香りが大切、現在の若い技術者は味、香りetc. 科学的に処置しようと先走りする可能性があるが、その辺で差がではじめる。
都賀: ビール製造の話をします。キリンとスキンカリオールの関係ですが、30年前に経済の講習時に隣に座った技術者(SKOL)と休憩時の雑談で 技術者の『法律違反と苦労』の話題で気になった事が有ります。
その1つが メチルとエチルの話です、法律できめてあるメチルの許容量を守ることは 技術者にとってかなり困難だとのこと(メチルの含有量を減らすにはコストが多くかかる、よって限界ギリギリまでメチルが入ったビールを出荷させる、だから下級技術者の作ったビールは水っぽい(水を入れて増量してメチルの含入率をさげる)して販売するでした。
其の後 スキンカリオールの販売が安さで有名になって、一度 飲んで飲んでみましたが、ひどく水っぽかったので、二度と飲みません。
山下: 皆さん ビールの味論議に興味しんしんです
飲み物は、うまければ売れるのではないでしょうか。
私のブラジルでのキリンの第一印象、特にうまくはなかった。
アルコールの低い飲料は、外気の温度と湿度に、影響されるように思います。BRAMAの味はサンパウロとリオで全く異なると思います。
36度のコパカバーナの海岸で、渋滞待ちの夕刻の一杯は、ジョッキで泡と喉越しの味。
サンパウロで食事の時なら、グラスでチビチビと舌で味わうですね。
それから行った店にストックが無ければ飲めませんね。販売力不足。
2013年のビール生産ランキング、中国のスケールはスゴイですね。
1位 中国 46544千kL
2位 米国 22430
3位 ブラジル13460
4位 ドイツ 9437
5位 ロシア 8912
6位 メキシコ 8250
7位 日本 5532
和田:呑み助の山下さんらしいコメントですね。味の分からない私には、ビールはビールでしかありません。食事の際に皆で飲む≪先ずはビール≫は、どのビールでも格別ですね。キリンがその場にあればキリンを飲みたいですね。日本製、日本の名前だけで無条件に応援したいです。
山下さんらしい世界のビール生産ランキング面白いです。ブラジルは、世界第3位で日本の3倍近い生産量を誇っているのですね。本場のドイツを凌いでいます。と云うことはキリンの目の付け所は良かったと云うべきですね。激戦地でどう戦っていくか?身軽になったブラジルキリンの健闘を祈りたいと思います。皆さんもっとキリンを応援しキリンを飲みましょう。≪今日も元気でキリンが美味い≫こんなたばこの宣伝がありましたね。
丸木で〜す 飲み物にしろ食べ物にしろ、立地と気候が大いに関係あると思います。
同じ家に下宿してたリオに交換教授として滞在されてた東大発酵化学研究所所長の相場秀一さんとフラメンゴのビヤホールで、先生はブラジルで飲む生ビールを世界一と云われました。
ブラマかアンタークテクかどちらかは忘れましたが。
サンパウロでは瓶ビールの方が美味い気もします。
アメリカ人のようにブラジル人もキンキンに冷やして飲みますが、イギリスでは余り冷やさずにエールやラガーを飲みますね。
広橋です。私も私の周りの日系人も日本製、日本の名前だけで無条件で応援した奴等ですが、正直云って、”一番搾り”はただ価格が高く、特別美味しくなくて、ダマされたとまで思いました、いくら『日本びいき』しても、二度と飲む気がしませんでした。知り合いのレストランでも最初は期待して「キリンがありますよ」と宣伝していましたけど、最近は限られた冷蔵庫のスペースを考えて、置いてないそうです。
私は、スキンカリオーをキリンカリオーと云って宣伝までして応援しましたが、”一番搾り”より安くて美味しい、”ハイニケン”(オランダ)を(糖尿で飲めないのに)飲んでいます。
このビールは苦くてコク(漢字は?)があり、これこそ日本のビールみたいだと懐かしんで、満足しています。
最近、”ハイニケン”はブラジル好み(?)の安いビールを出しましたが、これは、私の予想では失敗するのではないでしょうか。
キリンは東洋街にいるブラジル在住四、五十年の口うるさい”のみ助”プロを集めて、一から研究をやり直したらどうでしょうか。
ビールはブラジルにとって大事な文化です。貧乏国でありながら一人当たりの消費では、米国と1、2位を争うのではないでしょうか。
しかし、もったいないキリンの投資失敗でしたね。この額(一千億円の負債?)はその原因究明と責任追及をしなくてはならないですね。
和田:広橋さんもキリンビールを応援された一人ですか。
コーロル大統領が、市場開放を唱えブラジルの車は、カロッサ(荷馬車)みたいだと云われていたのを外車の輸入ラッシュを起こしビールもその市場開放政策に乗り三菱商事がキリンビール、住商がアサヒビール、丸紅がサッポリビールと日本の商社がこぞって輸入しましたが、ビールにも賞味期限が表示されており丸紅がいれた札幌ビールが水になりそうとの事で社内でも問題になりポルトアレグレ出張所まで大量に買わされ毎日自宅で札幌ビールをがぶ飲みする時期がありました。その後どこの商社も輸入しなくなり一部の料理屋では、現在も札幌ビールを置いている所がありますが、高くて飲めません。イッウの工場で生産しているキリン一番搾りは、輸入ビールに比べると半額近くになり味そのものよりキリンの名前で応援していますが、矢張りハイネッケンとの競争になるでしょうね。来年は、是非、劣勢を挽回持ち直して欲しいものと願っていますが、どうでしょうか?水物は、水物なのですかね?
池田: 広橋さん 同感です。日本人、日系人として恥のない様に今からでも取り戻してほしいものです。
20年前倒産する寸前の中会社を救うのに雇われ土曜日曜と一人で事務所で思案、対策を練り実験しながら救い立ち上げましたが自社設立後に後継者(連邦大学卒)に任せましたが経営不振で10年後倒産しました。
現在の情勢は厳しいのですが苦境を乗り越す良い品質開発してほしいものです。
井川: 広橋さん、和田さん キリンの赤字問題は日本でも大きな話題になっています。今朝のよみうり時事川柳でも
キリンさえ 首をすくめる 初赤字
の句が出ています。
50年前ごろ「あずまきりん」という日本酒があって、「アタマキリン」と悪口を言われていましたが、あれはキリンとは関係ないでしょう? いまもあるのですか?
とにかく日本企業、ブラジルでもがんばってほしいですよね?
和田:井川さん 皆さん 東麒麟は、現在もブラジル産日本酒としてブラジルを完全に抑えています。元々は、三菱の創設者岩崎弥太郎がポケットマネイで東北の小岩井農場とブラジルの東山農場を創設したのが始まりで戦前からブラジルで日本酒を発売していました。そのブランド名が東麒麟と東鳳(あずまおおとり)でした。余りできが良くなく翌日頭が痛くなるので≪頭おおとり≫とコロニア間では呼ばれていました。頭キリンとは云われたことはありません。その後キリンの技術も入り生も販売しており美味しい日本酒がブラジルでも飲めるようになっています。酒の品質向上とあずまおおとりのブランド消滅で最近では≪頭おおとり≫の蔑称は、聞かれなくなりました。
戦後東山農場は、東山農牧(酒造)と云う酒造工場をカンピーナスの農場内に作り日本酒だけでなく、味噌、醤油も作りコロニアの食生活を支えました。丸紅ポルトアレグレではこの東山酒造の味噌、醤油、酒を地元に販売(繋ぎ)をしていましたが儲かっている食料の担当副社長から「酒屋の御用聞きみたいな恰好の悪いことはして貰いたくない」と営業会議の席でなじられ「恰好が悪いとは何事ですか。5%の口銭を貰い地元コロニアの皆さんから喜ばれている仕事でありポルトアレグレに事務所が有るからできる貴重な仕事で辞める積りはありません」と口論したのを懐かしく思い出します。さわやかになっても継続していたのですが、5年程前に販売店の「ひかり」と云う会社に商権を譲りました。オーナは、元丸紅ポルトアレグレの職員で東山の食品販売の担当者でした。
広橋:大多数の方の代弁として:勿論!私も私の周りの日系人(全員!)はキリンビールのブラジル進出を大喜びし、応援しました。全ての機会にキリン(スキンカリオー)に切り替えた程です。
しかし、”一番搾り”に全員がっかりしました。特に価格でした。
毎日飲むビール党にとっては余りにも負担が大きかったようです。
少々の味の問題はそのうち良くなるだろうと期待して、我慢する覚悟だったようです。
一般に、毎日ビールを飲む”のみ助”に金持ち(大金持ち)はいません。この大部分の大事なブラジル中流、下層の大消費者(大衆)を無視した高級ビールなんてどう考えても納得できません。キリンは頭に血が上らず、少し頭が狂っていたのではと全員思いました。(確かに、小規模の輸入ビールや小規模の高級ビール”一番搾り”と同額はあります)上流社会は高級ビールは似合いません、それよりも高級ウイスキーの冷たい水割りや冷やした高級シャンパンや15℃の専用保温室に保管した高級ワインをかっこよく飲みます。結果として、上流社会と中、下層社会を無視(馬鹿に)した最初から失敗が約束された”一番搾り”だったと思います。(スキンカリオは中流よりも、その下の下層を相手にしていました)
我々は日本の大資本で、じっくりと計画(企画)してブラジル市場に入り込むと安心していましたが、この大赤字を知ってがっかりしました。
なんとか、生き残ってもらいたいです。これから期待しましょう。
伊豆山: 丸木さん、池田さん、駒形さん、都賀さん、広橋さん、山下さん 皆さん 皆さんの書込みを読ませて頂き、今の日本企業の問題点が見えて来たように思います。東芝、麒麟の問題は一企業の問題ではなく、日本のひな壇社会の問題が背景にあるのでしょうね。裸の王様の話を思い浮かべさせられます。 他人事ではない。私自身もブラジル日立の内部問題を百も承知していながら、誰か(友人)を傷つけたくないので口には出せませんでした。
ブラジルは日本と比較すれば、余程自由平等社会ですが、反面ムチャクチャ社会。どちらも良し悪し、人間の世の中難しいです。まっ、災いが自分に及ばないように、上手く泳いで行きましょう。
丸木さん、プールではとても敵わないけれど、陸の上では互角に泳いで競争しますよ!
和田:伊豆山さん 話題提供だけでなく見事な纏めまでして頂き感謝します。日本、ブラジルと場所を決めつけるのでなく世界中どこにいても直面する話題ですね。プールでは丸木さんに敵わないが陸の上でなら互角に泳げるとの伊豆山さんのお言葉には難しいブラジルでのBUSSでの世界を泳ぎ回る伊豆山さんの自信が溢れていますね。和製ビルゲートに万歳です。
伊豆山:和田さん お褒めの言葉を頂き、有難うございます。
誰が言い出したのか知りませんが、コローニアのビルゲイとか、それが膨らんで、和製ビルゲイツとか云われることに僕は反発していましたが、最近はもう諦めて、強いて反発するのをやめました。その理由ですが、彼は持てる資産の半分を基金として提供し、世界の感染病撲滅運動をやっています。規模に於いても、内容に於いても、ビルゲイツとは比べ物になりませんが、お粗末ながら僕も理想だけは彼と同じくして、ブラジルの、そして出来れば世界の途上国の子供に考える力を付ける教育に余生を尽くすつもりで居ます。世の中を良くするには次世代の人間をよくするしか道がないとの思いからです。
先ずは、女房が残した、Reiko Isuyama & Associados Ltda. www.riaeduca.org を非営利団体として登録することから始ています。サイトはマサチュセッツ在の娘が管理していますが、現在、既に最低一日100回の訪問を得ているようです。
内容は未だ未だ不十分ですが、よい協力者を募って、レベルアップを目指しますので、皆さまのご協力を切にお願い致します。
和田:伊豆山さんの実業界での活躍の他にもう一つの顔と云うかお仕事がありましたね。早逝された奥様の弔い合戦、世界の途上国の子供に菅げる力を付ける教育の普及、奥様が残されたお仕事の継承と普及のお仕事も遣って居られますね。頭が下がります。頑張って下さい。40年!!サイトでも取り上げさせて貰います。頑張て下さい。
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