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伊豆大島で先亡者追悼会 ペルー「移民の日」にちなんで  サンパウロ新聞WEB版より 
このサンパウロ新聞の記事は、もう6年も前の2010年4月13日に掲載された記事を『私たちの40年!!』関連BLOGに転載されていたのを中平マリコさんがこの記事にある伊豆大島の富士山が見える観音像のある丘の上の公園に鹿児島の前田さんが送られたイペーの苗木の生き残りが今も健在との五味さんの最近の書き込みに答えて観音像の傍に植えられているイペーの経緯をメーリングリストに書き込んでおられるのを見て当然各国の移住の歴史欄に残して置くべき記事であるとの判断で遅巻きながら残して置くことにした次第です。マリコさん良く残しておられましたね。有難うございます。写真も当時のものをそのまま使わせてもらいます。


中南米への日系移住者の菩提を弔うとされる富士見観音(東京都伊豆大島)で4日、ペルーにおける日系移民先没者および日本におけるペルー系住民先没者の追悼会が、有志による無宗教・献花方式で開かれた。同観音で日系人が参加する追悼会は、初の試み。これは、ペルー共和国の公式記念日である4月3日の「日系移民の日」にちなんだもの。神奈川県等に在住する日系ペルー人やその配偶者のほか、若干名の島民も加わった総計15名の参会者は、異国において志半ばで世を去った先没者や同胞たちに想いを馳せた。(フリーライター・太田宏人)

 会のなかで、現在の管理人である佐々木美智子さん(北海道出身。アマゾン居住後、同島在住)は、「ここで、一人で草むしりをするのは辛い。大勢が来てくれると私が嬉しい。観音様も喜んでいるでしょう」と語った。

 東京都渋谷区の旅行会社「ラティーノ」に勤務すカルロス・ウエムラさんは、「伊豆大島に、私たちの先祖を祀る場所があることを知らなかったので、驚きました。お参りできて感激です。自分たち日系ペルー人が知るべき場所です」と感慨深げだった。

 南米初の日本人の集団移住となったペルー移民は、111年前の4月3日にペルーに到着した。彼らは太平洋岸のサトウキビ耕地等で過酷な労働に従事し、劣悪な住環境もあいまって、死亡者が続出した。先没者供養の想いは、現在の日系ペルー人にも強く受け継がれている。

 また、21年前には日系人とその配偶者の日本での就労に法的な根拠が与えられた。しかし、現在までにすでに千数百名以上のペルー系住民が日本で死去した。死因は過労や労働事故等であり、乳幼児死亡率も高い。日本の「3K労働」を支えながらも人知れず亡くなった彼らを偲ぶ定期的な追悼会はこれまでなかった。

 富士見観音の開創は、日本海外移住家族会連絡会の専務理事を務めた藤川辰雄氏(僧名:真弘。現・山口県山陽小野田市出身)。藤川氏は昭和48年に真言宗の得度受戒。退職後にブラジル各地で日本人先亡者の供養を続けていたが、「先亡者の鬼哭啾啾(きこくしゅうしゅう)たる無念の声」が耳にこびり付き、昭和58年、私財を使って富士見観音を開いた。伊豆大島が選ばれたのは、「移民の望郷の念の象徴である富士山が見える場所」であるため。

 昭和61年にはブラジルにも富士見観音を建立する(スザノ金剛寺内にある観音像)。だが、伊豆大島の孤独な求道生活と飲酒で心身は衰弱していた。同年、アマゾン河半のビラ・アマゾニアで入水自殺を遂げる。70歳だった。

 自伝には、「わたしの肉体がいつどこで朽ちはてるとも、日本とブラジルの富士見観音にいつまでも魂を留めて、迷える人の杖となるであろう」と書かれている。藤川氏の生涯については、聖市在住記録映像作家・岡村淳監督の「アマゾンの読経」に詳しい。

 その後、富士見観音の管理は何人かの人々に委ねられた。しかし、当事者である日系人の参詣はなく、佐々木さんは宗教者の関与を嫌う。近年は移民とは無関係のコンサートの会場としても貸し出している。一方、日伯交流協会の研修生OBたちが年に1回、掃除活動を続けている。

 佐々木さんは1934(昭和9)年生まれ。がんとの闘病中でもある。2月には「生前葬」をやった。「なるべく早く富士見観音の管理を辞めたい。交流協会のOBのなかからここの管理を希望する人が出ればいい。移住家族会ももっと関るべきではないか」と述べていた。

 富士見観音はいま、存続の危機に瀕している。

写真:ペルー日系先没者追悼会で、ペルー国旗を前に参会者。後方が富士見観音像

2010年4月13日付



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