オリンピックの外で 和田 恵子
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8月5日よりリオオリンピックが開催されており既に中日に近い。
喧噪のリオのオリンピックをよそ眼に普段の散歩で感じたことを珍しく恵子が書き残しているのを見つけた。お祭りのオリンピック期間中もポルトアレグレでは、恵子が描写しているような日常が続いている。短い文ではあるが、HPに残して置くことにした。
写真は、8月1日から1ヵ月ママとニュージランドのおばさん(弥生の妹小百合)の所に出掛け従兄のペードロ、マルコ達に鍛えられに行っている洋君の飛行場での見送り時に撮った恵子と洋君の写真を使うことにしました。
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オリンピックの外で
オリンピックが世界中の視線をブラジルに引き寄せる中 私はいつもの様に散歩に出る。
そこには見慣れた光景が有る。
貧しい人達は今日の糧を求めて一心不乱にゴミ箱をあさる。
大道芸人は信号待ちの車の前で下手な技を披露し 急いで開きもしない車の窓を叩いて小銭をせびる。
夕闇が迫る頃 浮浪者達は一夜の寒さを凌ぐ場所を探して汚れた毛布を肩にかけてのろのろと軒下を物色して回る。
外国人には手を出すなと誡められた泥棒でも機会有れば財布を狙う。だってブラジル人はお金など持ち歩かないから。
それでもブラジルが金メダルを取ればその一瞬 厳しい日々を忘れサンバを踊る。
少しでもお金が有れば酒を飲み 明るく笑って 明日は何とかなると自分に言い聞かせる。
華やかな競技場の外での戦いにはメダルなど無い。
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