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麻生悌三のブラジル不思議発見 46 ≪ブラジルの亀≫ 
麻生さんの人気連載記事、ブラジル不思議発見が2013年8月1日付の45の『遭遇したくないアマゾンの10の危険生物」で終了してから4年と3ヵ月振りにまた復活しました。題して≪ブラジルの亀≫です。
「地球が46億年前に誕生し、初期の生物(バクテリア)が38億年前に誕生した。」から始まり「両性類から爬虫類。哺乳類に分かれたのは、3億年前と言われている。」と久しぶりの麻生節は、46億年、38億年、3億年と気が遠くなる歴史の流れに翻弄されるイントロダクションからブラジルの海亀の話が始まる。
今後不定期にこのブラジル不思議発見を書き続けて頂けるそうで大きな楽しみになる。健筆を期待したい。
写真は、先月のアマゾン旅行で見学した海亀の養殖池で撮った写真を使わせてもうことにしました。



地球が46億年前に誕生し、初期の生物(バクテリア)が38億年前に誕生した。
生命誕生は、海の中で、無機物(炭酸ガス、窒素、水)と有機物(アミノ酸、拡散、糖)に雷の放電、紫外線等のエネルギーが加わり発生した模様。そのバクテリアが光合成を行うバクテリアに進化した。哺乳類の祖先は魚類であり、魚類 − 両性類 − 爬虫類と哺乳類に進化し、爬虫類から、鳥類が生まれた。(注。両生類とは、幼年期はエラ呼吸、成長すると陸に上がり肺呼吸になる。代表的な生物はカエル)。両性類から爬虫類。哺乳類に分かれたのは、3億年前と言われている。数十年前の学校教科書には両生類から爬虫類、哺乳類が分かれたと記述があるが、両生類から、爬虫類と哺乳類が別別に分かれたらしい。
その証拠となる、動物が現存している。オーストラリアだけに生息している、水棲動物のカモノハシである。体長50cm、体重1−3kg、くちばしを持ちゴムのような弾性で格好は鴨のくちばしである、繁殖は卵を産みメスが10日間砲卵し孵化する。胸に乳腺があり授乳する。陸上を歩けるが、水棲で、雑食性である。オスの後足の爪に毒腺があり、犬を殺す位の効力がある(毒蛇の武器)。この動物が発見されたのは1798年で発見された当時は、くちばしを持ち、卵生の哺乳類など、誰も信用しなかった。
爬虫類はやがて、恐竜時代を迎え、6500年前、絶滅した。絶滅の原因の有力説は、ユカタン半島に隕石が落下し、衝撃で大津波、大山火事が起こり、森林消失の煤煙が空を覆い、太陽光を遮り、植物を枯らし、それを食糧とする恐竜も含め生物の95%が絶滅した。
どうやら、水棲の爬虫類の多くは生き延びたようで、ワニ、亀、トカゲ、蛇、等は其の子孫が現存している。ブラジルの亀について、下記、述べてみたい。
=ブラジルの海亀=世界の熱温帯の海を回遊する亀は7種類位いるらしい。其の内、ブラジルには5種類の回遊がある。それは、アカウミガメ、ヒメウミガメ、アオウミガメ、タイマイ、オサガメである。かっては、南北7千kmの海岸線全域がウミガメの産卵地であったが、今は東北地方の海岸が主要産卵地として知られている。海亀は、生まれた海岸に戻って産卵する習性がある。生まれた場所に産卵に戻ってくる生物は、鮭も有名である。
海亀は、1回の産卵に100個程度を海岸に穴を掘って産み、2ヶ月で孵化する。ブラジルでは、12月―2月が海亀の孵化シーズンである。夜間孵化した亀は、砂を自力で掘って地面に出ると、光(海面が光る)を求めて、真っ直ぐ海岸に向かい、水に入ると、外海めがけて、2日間泳ぎ続ける。それから、回遊が始まり、アフリカ西海岸、カリブ海、に
まで回遊海域は広がる。4年近く回遊後、生まれた海岸に回帰が始まり、生まれた海岸近くで交尾し、メスは産卵に再び上陸する。野生での海亀の寿命は大体60年ぐらいと推定されており、この回遊は死ぬまで繰り返されると見ている。亀は生まれた海岸を、どうして 記憶するのであろう。地球は巨大な磁石であり、地球内部のマグマが自転により、発電し、磁力となって、地面から発散される。その磁力は場所によって、微妙に異なるが、それを、記憶する装置が亀に備わっており、遠く離れても、その方向を記憶しており回帰が出来るのだろうと云われている。鮭は生まれた川の水の匂いを記憶しており、2つの河川が流れ込む石狩湾に戻ってくる鮭は、決して間違えず、出生した川に戻ると云う。
鳩の帰巣本能も磁力を頼りに1千km遠方より、戻る能力があるらしい。
バイヤ州サルバドール市より北に55kmのPraia de Forte海岸に、海亀の保護研究機関Projeto de tatarugaが1982年に設立され、海亀の保護や研究が行はられている。ブラジル東北の海岸で標識を付けられた亀がアフリカで発見されれば、その報告をもとに回遊が証明される。海亀の食性は種類によって異なる。アオウミガメは海藻類、タイマイは海綿動物、オサ海亀はクラゲ、アカウミガメは貝、魚類である。アカウミガメは海岸近くを採餌するため、よく漁師の網にひっかかる。海亀は肺呼吸で普段は15分おきに海面にクビを出し呼吸する。動かない静止状態なら、長期間(数日)呼吸なしで生きている。これは腸に取り込んだ海水から、一種の皮膚呼吸で、酸素を微量、取り込むことができるからである。網に掛かった運動している状態では、微量の酸素では生命を維持できず、溺れ死にしてしまう。最近、東北ブラジルの海岸で発見される海亀に1代雑種のハイブリットの亀が増えている。最近のデーターでは、回遊してきた親亀110匹のうち、50匹がアカウミガメと多種の雑種、2匹がヒメ海亀との雑種である。今まで、なかった事で、メスの固体が減って、多種と交雑するのか、理由は不明である。一代雑種はロバと馬の交雑種ラバの例を見ても解るとおり、生殖能力がない種が出来る恐れがある。繁殖できない交雑種が増えれば、種の絶滅もありうる。又、ワニもそうだが、海亀、陸亀を問わず、亀は陸上で産卵する。砂に穴を掘った産卵床の温度が、性別を決定する。穴の中の温度が29度C
以下だと、オスが生まれ、それ以上だとメスが生まれる。(性別は尻尾の長さで判断され、長ければオス、短ければメスである)地球温暖化で温度が上がり、産卵場の温度が一定を超えれば、生まれた小亀はメスだけになり、種の存続が危ぶまれる事にもなる。
―陸亀=亀の種類は約600あるらしいが、大部分陸亀である。陸亀は淡水に生息する亀と、陸上に生息する陸亀に分かれる。ブラジルでは大きさにより陸亀はJabuti,Cagado,Tatarugaの3種に分けられる。Jabuti種は約7種に分けられ、甲羅の長さが20−30cmの小型陸亀である。Cagadoは30−50cm、Tatarugaは長さ1mにおなる水棲亀
である。゙陸亀と水棲亀の大きな違いは、陸亀は、首を体内に引っ込めたり、手足を引っ込める。体が立体的でであるに対し、水棲亀は水の抵抗を減らすため、体が平面的である。
陸亀の甲羅には水晶体のような黄色の斑点があるが、これは、変温動物である亀が太陽光線を取り入れ熱を蓄えるレンズの役目である。水棲亀にはない。水棲亀は体形が丸いが陸亀は卵形である。水棲亀の代表のスッポンなどは、真ん丸の体形で、月の丸さに似ているので、月とスッポンの諺が生まれた(同じ丸形でも天地の開き在り)。
アマゾンでは亀は原住民の食糧であり、未開のインジオを含め、貴重な蛋白源である。
水棲亀(特に大型のToracaja種)は絶品の味であり、禁猟になっていても、その味を求めて観光客があとを絶たない。陸亀の味は、それより数段劣る。陸亀の絶食耐久力は凄まじく、倒木の下敷きになって、2年生きている等、微量の水さえあれば、食わなくても
数年、生き続けるのでは、なかろうか。亀に関する文献は少ない。まだ、未研究の分野
で、特に亀の代謝作用、ワニの抗菌作用等は研究に値する分野である。

以上
麻生(2017年11月15日)




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